開幕直前特集第4弾は山口翔大(環4)。昨秋の開幕戦からリーグ戦のスタメンの座を射止め、東大1回戦では東京六大学野球史上初3者連続本塁打の立役者の一人となった。冬の練習でバッティングをさらに磨いたという今年の4番候補に、リーグ戦の意気込みを伺った。
――飛躍の昨季を振り返っていただけますか
去年は僕の前に横尾俊健さん(現 日本ハムファイターズ)、谷田成吾さん(現JX-ENEOS)というスター選手がいて前の人が打ってくれたので気楽にできていたからこそ、結果がついてきたのかなと思います。
――昨年の主要メンバーが抜けて、今年のチームの色は
去年は打ち勝つ野球でしたが、今年は厳しいので投手が頑張ってくれたところに野手がなんとか頑張って応えるという戦い方をしないといけないと思います。
――主将がどうチームを引っ張っていますか
去年は下級生の時から活躍している選手が多かったので、俺たちに任せろという雰囲気があったのですが、今年はスター選手がいないので、みんなでなんとか一勝しようという気持ちでいます。ちょっといいプレーやヒットが出ても「あまり自信を持ちすぎるな」と選手同士で言い合っています。気を緩めると負けてしまうと思うので。謙虚に自分たちと向き合って、みんなで意見を出し合って少しでも強くなろうという思いが強いです。
――練習で重点的に取り組んだことは
去年の12月はひたすらバットを振っていて、一日1000本を目安に一か月に20000本振る、投手は100球以上投げるというようなルールがありました。体力的にもかなり数をこなして、今年からは自分たちがうまいプレーをできないからこそ基本を固めて一つでもミスを減らそうとやってきました。
――その練習の成果は
エラーのない試合があると結果が出ていると思いますね。でも少し気を抜くとエラーが続いたりするので自分たちを見つめながら向き合っていきたいです。
――アメリカ遠征について教えてください
アメリカは日本と違って数をこなすという感じではなく、動画をとってスローで振り返りながらここはこうしたほうがいいと修正を加えたり、少ない時間の中でも質のいいことができたと思います。日本に比べると一つ一つの練習の突き詰め方が濃いなと思いました。
――アメリカ野球とは
アメリカは力でなんとかするというイメージだったのですが、行ってみて、ただの力のプレーではなくて力の中にも理論があるんだなということを感じました
――背番号1は自分で選ばれましたか
はい。自分で選びました。いろいろな番号で悩んだのですが。
――こだわりは
昨年山本泰寛さん(現 読売巨人軍)と同室で仲良くさせていただいていたのですが、泰寛さんが「来年はお前に頑張ってほしい」と言ってくださり、背番号を決めるときも後押ししてくれました。最後の年で今までは周りの選手に頼ってばかりだったので、自分にプレッシャーをかけるという意味でも1番にしようと決めました。
――OP戦四番出場が多いですね
僕の中では最初はなんでだろうと思いもありながら、やはり四番はチームの柱にならないといけないので、自分が四番の役割としてどうするべきなのかを考えた時に、ランナーがいるときこそ打たなきゃというイメージがあって、去年までは5番で何も考えずに打っていたのですが、四番になってからは場面を考えて、打席内での集中の仕方が分かったと思います。
――OP戦や社会人対抗戦では神宮登板選手の少ない投手や新しい選手が多く出場しました
去年はメンバーが固定されていたので、絶対的に登板経験の少ない選手が投げるようになりました。ただリーグ戦をやっていく上で、慣れない状況だからといって言い訳にはできないし、慣れないから打たれていいというわけでもないです。期待できる選手も多くて原田匠(商2)や清水洋二郎(法3)はリーグ戦でも通用する投手だと思うので、皆が自信を持っていてくれればいいのではないかと思います。
――チームの状態・雰囲気は
いいと思います。
――神宮で勝つために必要なことは何でしょう
一つでもミスをしない。それが徹底できる試合であれば勝てると思っているので。それこそちょっとしたバントのミスであったりとか、投手の四球などを少しずつ減らしていけば、優勝に近づくのではと思います。
――今年の個人の目標をおねがいします
今年はとにかく打点がほしいなと思います。去年は打点が3点で、得点圏では一本しか打てなかったので、今年はランナーがいればどんな形でも返せるようにしたいと思います。
優勝を目指して頑張ります。
――応援してくださる方に一言
去年に比べて安心できる試合は少なくなると思いますが、投手も野手もみんな必死になって勝ちに貪欲になってやっているので、ちょっと不安でも必死になって応援してくれればなんとかとかなると思います。
――お忙しい中ありがとうございました。
取材:反保 真優、写真:江島 健生