開幕直前特集第5弾は岩見雅紀(総3)。身長1m87cm、体重108kgという恵まれた体格の持ち主が打席で放つオーラは強打者そのものだ。昨秋は代打の切り札としての役割を全うしたが、今季はスタメン出場、打順では中軸を担うことが予想される。そんな期待のスラッガーにリーグ戦への決意を伺った。
―昨シーズンを振り返って
横尾俊健さん(現 日本ハムファイターズ)、谷田成吾さん(現 JX-ENEOS)、山本泰寛さん(現 読売巨人軍)がいた中で、優勝できなかったのはすごく残念で、もったいない感じでした。個人としては、秋は数字は残ったので、いろいろつかむきっかけにはなったかなと思います。
―1年間を通して成長したところは?
ミートですね。春は全然当たらなかったです。
―逆方向へのヒットが増えましたね
そうですね。右方向に打とうと思っているわけじゃなくて、監督にも言われたのですが、タイミングとポイントで、そっちに飛ぶようになりました。強い打球を打とうとしていて、決して(逆方向を)意識して打っているわけではないです。
―オフシーズンの間は開幕に向けてどのような準備をしてきましたか?
まず守備ですね。自分の思いとしては、やっぱりスタートから出たいじゃないですか。守備は自分の一番弱いところなので。そこを可能な限り底上げしていかないと、やはり相手にそこを突かれてしまうと思います。外野と一塁手もできますが、監督に起用してもらえるなら、どこでも良いので、こだわりはないです。
―フロリダキャンプで取り組んだことは?
守備とスピードアップですね。パワーとかバッティングとか、特別多くはやってないです。普段からパワーとかはやっているので。もちろん練習時間的にはバッティングが多いですけど、守備はしっかり意識してやるようにしていました。
―日本でのキャンプとどこが違いましたか?
まず、コーチの数が多かったです。今まで、そんなに多くのコーチがいる中で練習したことはなかったです。練習の中でもすごく緊張感がありました。あれだけのいい施設があって、たくさんコーチ陣がいてくれて、常に質問ができる状態でした。コーチもメジャーリーガー出身みたいな方々で、僕たちの知らない世界でやってきた人たちの話を聞けたのは貴重なことなので、そういう経験ができたことが日本との違いですね。
―キャンプの成果は?
オープン戦ででていると思います。
―ご自身のけがの状態はどうですか?
もう大丈夫です。しっかり抜糸してきっちり直しました。影響はないです。
―現在のコンディションは?
復帰してからはヒットが出ていないのですが、監督とはしっかりコミュニケーションをとっています。3週間ぐらい実戦を離れて、それだけ離れたらふつうはもう少し試合から外されると思うんですけど、開幕も近いというのがあって、結果を気にするのではなく、自分のいい状態は崩さずにいこうと思います。形はいいと監督に言ってもらえました。感覚もいい感じで、そこで結果ばかり求めて形を崩してしまうのではなくて、我慢して使ってもらっているので、自分の中で「焦らずに」と言い聞かせています。コンディションは問題ないです。
―今年のチームはどんなチームですか?
三人(横尾・谷田・山本泰)が抜けたのは大きいです。去年のチームとの違いでいうと、試合に対する姿勢が全然違います。一つにまとまって、ここ大事!というところでみんながグッと集中するようになりました。そういうところがしっかりしてきたと思います。
―去年は優勝の可能性を残しつつ、早大に連敗してしまいました
やはり勝ち切れなかったのは悔しいですけど、負けてしまったものはしょうがないので。そこは引きずったり、早大相手といって固執したりはしないです。早慶戦は特別ですけど、5カードのうちの一つにすぎないですし、どこ相手でもしっかりとらないといけないので。目の前のカードに一つ一つ集中していかないと、そんな先のことを考えている余裕はないです。
―大竹投手、小島投手に苦しみました
左投手の対策はたくさんしました。二人ともいい投手で、コントロール、ストレートのキレがいいのでなかなか難しいです。僕としては、左投手は得意ですね。緩い球を待つように体を作っています。チームとしては、そこで打ち急がないことが必要となってくると思います。
―今季は主軸として期待されています
周りからの期待とかは、あまり気にしてないです。
―現在の体重は?
108kgですね。シーズン中は105~107kgでいたいなと。
―そこがベストですか?
そうですね。110kg超えるとちょっと重たい感じがします。MAXは117kgまでいったことがあります。何も気にせず食べていたらすごかったので、秋はとりあえず体重を落とそうと思いました。秋が終わってから10kgぐらい落としました。
―打順について、何番を打ちたいとかありますか?
4番です。人生で4番を打ったことはないです。小学校から野球をやっていますけれど、小学校の時は全然ダメで、6番とか。中学は、チーム事情で1番を。高校も5番でした。中学も高校も2年生の時に一回、4番を打っているんですけど、だんだんチーム事情的に打たせてもらえなくなりました。まあ仕方ないんですけどね。率も4割5分ぐらい打っていたけど、もっと率のいいやつがいて。大久保監督には4番を打ちたいと言っているんですけど、監督も結果が伴わないとどうしようもないので。
―昨秋の新人戦は4番でしたね
あれは学生コーチが決めた打順なので。
―数字として、打率・打点・本塁打のどれにこだわっていますか?
もちろん打点です。勝利に一番貢献できるのは打点だと思います。ホームランをいくら打っても試合が決まるわけではないので。打点は、点入っているじゃないですか。ランナーいるところで一番打っている去年の横尾さんとかは、そういう勝負強いバッティングができている証拠だと思います。
勝たないと、今まで自分たちがやってきた練習を否定することになるので、否定とまではいかないですけど、僕はそれぐらいの気持ちで勝負したいと思います。勝てないっていうのは、自分たちがしてきたことが間違っていたというわけで、勝つために練習してきたのに、勝てないっていうのはそういうことだと思います。自分がやってきたこと、練習、取り組み、姿勢そういうものを否定したくないので勝ちたいです。そういう思いで一戦一戦戦っていって、それが優勝につながればいいと思います。
―応援してくれているファンの方へメッセージを
いつもありがとうございます。
―お忙しい中、ありがとうございました!
取材:若林 晃平、江島 健生、写真:下川 薫