【ソッカー女子】関東リーグ第3節　初勝利はお預けも今季初の勝ち点獲得　日テレ・メニーナ戦

慶大は今節前の時点で無得点での2連敗中。今節こそは勝ち点を、とチーム全員が気合を入れて臨んだ一戦であった。前半、慶大は守備を固め相手に得点を許さないが、今季初得点は奪えない。後半には失点を許してしまうが、慶大もオウンゴールながら今季初得点をあげる。両者追加点をあげようとその後も奮闘するがそのまま試合終了のホイッスルがグラウンドに鳴り響く。慶大は初勝利とはならなかったものの、辛抱強く耐え勝ち点1をあげた。

第22回関東女子サッカーリーグ　第3節

2016/4/30(土)16:30KO@慶應義塾下田グラウンド

慶應義塾大学1-1日テレ・メニーナ

【得点者】

(日)48分　菅野奏音

(慶)62分　オウンゴール

◇慶大出場選手

今季初のホーム、慶應義塾下田グラウンドで行われた今節。「1戦目・2戦目の積み重ねが3戦目でどうなるか」(岩崎監督)が試される瞬間であった。慶大は前節と同じスターティングメンバーで、初の勝ち点を獲得するために日テレ・メニーナ戦に臨んだ。

前半は慶大が必死にメニーナの猛撃を死守する。試合開始早々、メニーナのCKを迎えるがこれは慶大が守りきる。17分にも再びメニーナのCK。2人抜かれてしまい、非常に危ない場面となったが慶大はクリアして、なんとか守り切った。21分には左サイドからクロスをあげられ、ヘディングでゴールを脅かされるがGKの野村智美(総3・作陽高)がこれを止める。前半終了間際には右サイドから中央へと簡単にパスをつなげられてしまうが、危なげなく慶大が体を張って死守を続け、クリアして外へとボールを出す。前半は慶大にもチャンスがなかったわけではないが、守備を意識したことにより0失点に抑えた。初得点、初勝利を目指して、後半へと突入する。

後半も継続して守備を徹底しようとしていた。しかし、48分についに試合が動く。植木理子がハーフラインから1人で右サイドを駆け上がり、ゴール前にいた菅野奏音にパス。菅野がこれをワンタッチで決めてついに慶大は失点してしまう。ここから慶大は1点を狙いに行く。58分に慶大はこの日最大のチャンスを迎える。宮川渚(理4・成城学園高)の左サイドからのパスが志鎌奈津美(環2・常盤木学園高)へと渡るが、相手DFにいったん奪われクリアされてしまう。しかしボールに松木里緒(環1・常盤木学園高)が反応し、シュートを狙う。結局ゴールへと結びつかなかったが、徐々にメニーナにかけるプレッシャーを増していく。その後も宮田あずさ(環4・文京学院大学女子高)による右コーナーからのキックや、古巣との対決となった工藤真子(総1・日テレ･メニーナ)のシュートなど攻撃を仕掛けていくが、プロの下部組織であるメニーナはそう簡単にゴールネットを揺らさせてくれない。しかし、ついに慶大にも歓喜の瞬間が訪れる。62分、先ほどと同じく宮田による右コーナーからのCKは美しい弧を描いて、ゴールへと引き寄せられていく。相手キーパーによるパンチングがかみ合わず、ボールは勢いを失うことなく、そのままゴールに吸い込まれていった。慶大の今季初得点の瞬間であった。その後慶大は追加点をあげようと、攻撃的になるがシュートまで持ち込めずにクリアされる回数が増えてしまう。試合終了10分前には両チーム疲れが見え始め、慶大は得意の守備を固める。全員が声を出して今季初の勝ち点を得ようと奮起する。試合はそのまま終了し、慶大は1ながらも勝ち点を獲得した。

ようやく得た勝ち点だったが、決して納得のいく結果ではない。「流れの中で点を取れておらずこれからもまだ課題がある」(工藤)ことは誰もがわかっていることであるはずだ。守備意識が高いのは去年から継続していることであるが、やはり攻撃面だ。足技が光る場面も多くあり、新戦力の工藤、庄司夏穂(総1・聖和学園高)、松木などの活躍はもちろん、「最後の1年」(宮田)となっている主力の4年生の活躍は期待できそうだ。慶大が得点をあげる日はそう遠くないはずだ。

(記事　椙本彩愛)

試合後コメント

岩崎陸監督                    

(今日の試合を振り返って）相手はこの試合まで連勝をしていたので、1戦目・2戦目の積み重ねが3戦目でどうなるかな、と注目していたのですが、相手のストロングポイントを消しながらいい試合ができたと思います。勝ち点は3には届かなかったですが、1を奪えたというのはよかったと思います。(守備意識が継続できていると思うが)引きこもるのではなくて、しっかり自分たちでボールを奪いに行くということを継続してプレーするということもやって、どうなるかというのは試合が終わってから考えればいいと言っていました。前半はすごく良くできて、後半の頭のところで相手が9番の選手をちょっと変えてきて、右サイドで勝負されて、1点を失ってそのまま崩れてしまうのかなと思いました。でも自分たちの中では立て直して、同点ゴールにつながったのかな。それが今日は1番評価できます。あのままずるずる（立て続けに失点を）されなかったのが1番良かったと思います。(攻撃面で惜しい場面も多数あったが、課題は)やはり守備で頑張っているだけ、攻撃面で最後の最後で心拍数が上がって、周りが見えなくなっているところが1つと、あとどうすれば点が取れるかという関係がまだできていない、というこの2つだと思います。本当にチャレンジしながら、次に流れの中で点を取れるようにまたトレーニングしていきます。(次節もユースとの一戦ですが一言)合宿を挟んだりもするので、今日出ている選手とまた違う選手を出したり、また競争を加速化させて次の試合に臨んで、勝ち点3を目指して頑張っていきたいと思います。

田中康子主将(総4・常盤木学園高)

(今日の試合を振り返って)初めてのホーム戦ということで本当に多くの方に応援に来ていただいて、ピッチの上でしっかりと感謝の気持ちを伝えたいなと思ってプレーしていました。(このリーグで初めてゴールが生まれた)得点という点では結局流れの中で点を取れておらずこれからもまだ課題があるなと感じたので、次こそは流れの中で点を取って勝ち切って勝ち点3を取りたいなと思います。(初の勝ち点獲得となった)勝ち点1というのを下田で日テレ・メニーナという相手に取れたというのは大きいことで次につながるなと思ったんですけど、今日もチャンスはありましたし、勝ち点1に満足することなくしっかりと次につなげていきたいと思います。(次の試合に向けた意気込みを)次の試合もジェフということで格上なので、そういう相手にゴールデンウィークになるのでその間でしっかりと調整して次こそは勝ち点3を取れるように頑張っていきたいと思います。

宮田あずさ(環4・文京学院大学女子高)

(試合を振り返って)相手は日本代表候補がいっぱいいたので、こっちはチャレンジャーの気持ちで戦いました。(ゴールシーンについて)一応直接狙っていて、チームの戦術としてコーナーキックを巻きボールにして、昨季は点を取れたので、そこを武器としていけるように直接狙って蹴りました。結果的に相手キーパーのパンチングなのでオウンゴールですかね。(勝ち点1という結果をどうとらえているか)連敗できていたので、チームとして勝ち点を取れたことは、次につながると思います。(試合中に足を痛めていたが)4年生で歳なので。ボロボロなのですが、最後の1年なので思い切り倒れるまでやりたいと思います。(次節に向けて)関東1部リーグは2部と違ってレベルがぐんと上がるので、そこに対して自分たちがしっかりとチャレンジしながら勝ち点を積めるようにしていきたいと思います。

工藤真子(総1・日テレ･メニーナ)
(試合を振り返って)負けるのではなく、引き分けで抑えられたところはチームにとって良かった事だと思います。ゲームとしてチャンスも多く作り、全員でゴールを守り抜いたので、良かったゲームでした。(後半ボールを持ってチャンスを作っていたが)意外と自分がボールを持った時にスペースがあり仕掛けようと。監督からもどんどん仕掛けていけと言われており、チャレンジしていきました。シュートを打ちきれるのに打ちきらなかったところもありましたが、そこはもっと精度を上げたいです。(失点したあとはどのようなプレーをしようと)失点しましたがゴールまで近づく場面もあり、まだまだ負けてないと思っていました。だから全員取り返そうという気持ちがあり、1点は取り返してやろうと思っていました。それが、コーナー（キック）の得点に繋がりました。(日テレ・メニーナ出身だが)去年までメニーナでやっていたので、何となく戦い方は知っていました。だからチームのみんなと共有しました。前半は相手の戦い方にはまっており、メニーナらしいサッカーをさせませんでしたが、後半になるとメニーナは体力があるので、慶應は疲れてメニーナのサッカーをやらせてしまったのは反省点です。最後は本当に疲れてしまいました。(次節に向けて）勝ち点1をこの試合で取れたので、次は勝ち点3を目指してチーム一丸となって頑張っていきたいです。