【野球】延長13回の激闘もサヨナラ負け 惜しくも優勝逃す 春季新人戦決勝

8回途中から登板した太田。12回には3,4,5番を三者凡退に抑えるなど好投した

8回途中から登板した太田。12回には3,4,5番を三者凡退に抑えるなど好投した

準決勝にて慶大は接戦の早慶戦を制し、対する明大は立教に快勝して臨んだ今日の決勝戦。慶大は4回に打線が奮起し、河合大樹(総2)の三塁打などで一挙4得点する。しかし、5回まで1失点だった前日の勝利投手、田中祐貴(環2)が6回に明大打線につかまり同点に追いつかれる。その後も8回に失点するも、9回には高橋亮吾(総1)のヒットで追いつくシーソーゲームに。だが延長に入り双方点の入らない状況を破ったのは明大だった。それまで無失点に抑えていた太田力(経2)が13回に先頭打者本塁打を浴び、サヨナラ負けを喫した。慶大は準優勝に甘んじることとなった。

 

 

6月2日(木)東京六大学野球春季新人戦 明大戦

 

 

10

11

12

13

慶大

明大

1x

 

慶大:田中祐、原田、前田、●太田 ―郡司

明大:森下暢、金子、外尾、髙橋、○伊勢―氷見

 

◆慶大出場選手

 

ポジション

選手名(学部学年・出身高校)

[8]7

河合大樹(総2・関西学院)

[9]

中村健人(環1・中京大中京)

[5]

内田蓮(総2・三重)

[9]

名幸大成(総2・慶應義塾)

 

前田和真(商2・津西)

 

太田力(経2・桐朋)

[2]

郡司裕也(環1・仙台育英)

[3]

吉田将大(商2・慶應義塾)

 

R

山本燦(商2・慶應義塾)

 

橋本昴樹(商1・慶應義塾)

[4]

小原和樹(環1・盛岡三)

[6]

宮田皓(商1・慶應義塾)

 

H

髙橋亮吾(総1・慶應湘南藤沢)

 

R

亀川泰輝(商1・慶應義塾)

 

大平亮(環2・鎌倉学園)

[1]

田中裕貴(環2・芝)

 

原田匠(商2・慶應義塾)

 

H

田中凌馬(商1・長崎東)

 

R

大川慎太郎(商2・慶應志木)

 

山崎隼人(商1・慶應義塾)

 

 

先発の田中裕。6回につかまるまでは安定していた

先発の田中裕。6回につかまるまでは安定していた

日差しの強い、晴れ渡る青空の下で行われた新人戦決勝。先攻の慶大は、3回まで得点圏にランナーを進めつつも、なかなか得点することができず、3回裏、準決勝で好投した先発の田中祐が2本のヒットと自陣のエラーから明大に先制点を許してしまう。

 

追いつきたい慶大は4回、先頭打者の6番・吉田将大(商2)がライトへのヒットを放つと、続けて7番・小原和樹(商1)がフェンス直撃のツーベースを打ち、チャンスメイクする。打撃妨害もあり、1死満塁から1番・河合大のセンターオーバー、走者一掃の三塁打で3点、また3番・内田蓮(総2)のライトへのヒットでこの回4得点。逆転に成功する。さらに5回も5番・郡司裕也(環1)と吉田将の連続安打から満塁となり、押し出しで1点獲得し、点差を広げる。

 

4回に逆転となる適時三塁打を放った河合。キャプテンとしての仕事を果たした

4回に逆転となる適時三塁打を放った河合。キャプテンとしての仕事を果たした

一方、先発の田中祐は3回に1失点したものの、要所を締めて5回1失点に抑えていた。しかし6回裏、明大打線がついに田中祐に襲いかかる。フォアボールから攻め込まれ、3本のヒットなどで4失点。同点とされ、KOされてしまう。

 

点を入れて、再び勝ち越したい慶大だが、6、7回は三者凡退、8回表は田中凌馬のヒットから、三塁までランナーを進めるも得点に繋がらない。

 

その裏、慶大は7回に2つの死球などから苦しみながらも、なんとか0点に抑えた原田匠(商2)から3番手の前田和真(商2)に投手を交代するが、最初のバッターにヒットを打たれ、さらに次の打者には四球を出してしまう。なんとか立て直したい前田だったが、連続安打されて2失点。勝ち越しを許してしまう。

 

9回に同点適時打を放った髙橋亮(写真左)

9回に同点適時打を放った髙橋亮(写真左)

優勝にはここで同点に追いつくしかない慶大は9回、吉田将が今日三本目のヒットとなるショートへの内野安打で出塁、それに続いて小原和もレフトにヒットを放つ。1死二、三塁のチャンスで慶大は代打高橋亮を送り出し、レフトへのタイムリーで2点を取り返して試合を振り出しに戻す。

 

8回途中から登板した太田は9回裏、1番から3番という明大の好打順を三者凡退にしとめ、この慶應対明治の決勝戦は延長戦に突入する。

 

先に点を入れて、明大にプレッシャーを与えたい慶大だが、7回から登板している明大の4番手、高橋の前に10回から13回までヒット一本さえ打つことができず、打線は沈黙。

 

猛打賞の小原和。4回にはファインプレーも

猛打賞の小原和。4回にはファインプレーも

慶大の太田も、高橋に負けず9回から12回までヒット一本、0点に抑え、両チーム得点が入らない歯痒い展開に。

 

その雰囲気を打ち破り、勝ち越し点を挙げたのは明大だった。13回裏、太田の投じた69球目は明大の6番・奥村のバットからアーチを描き、打った瞬間に分かるサヨナラホームランとなった。

 

4時間26分の熱戦を制し、見事優勝を勝ち取ったのは明大。慶大は健闘したものの惜しくも優勝には届かず、今年の春季新人戦は準優勝という結果に終わった。しかし、追いつ追われつの白熱した試合を見せてくれた慶大ヤングナインのこれからを期待したい。

 

記事:高山 実子

 

◆打撃成績

 

 

10

11

12

13

[8]、7

河合

二ゴロ

 

四球

中3③

四球①

 

 

一安

空三振

 

 

二ゴロ

 

[9]

中村

二ゴロ

 

三犠打

遊ゴロ

一飛

 

 

右飛

 

右飛

 

二ゴロ

 

[5]

内田

四球

 

右安

右安①

 

一ゴロ

 

四球

 

投ゴロ

 

 

一ゴロ

[7]

名幸

空三振

 

空三振

空三振

 

三ゴロ

 

三ゴロ

 

見三振

 

 

 

前田

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

太田

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見三振

 

 

空三振

[2]

郡司

 

右飛

中飛

 

右安

空三振

 

 

二ゴロ

 

一ゴロ

 

四球

[3]

吉田将

 

三失

 

右安

右安

 

二ゴロ

 

遊安

 

 

 

 

R

山本燦

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

橋本

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見三振

 

空三振

[4]

小原和

 

中安

 

左2

空三振

 

遊ゴロ

 

左安

 

空三振

 

 

[6]

宮田

 

中飛

 

二飛

死球

 

右飛

 

 

 

 

 

 

H

高橋亮

 

 

 

 

 

 

 

 

左安②

 

 

 

 

R

亀川

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大平

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

四球

 

[1]

田中裕

 

空三振

 

打撃妨害

右飛

 

 

 

 

 

 

 

 

原田

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

H

田中凌

 

 

 

 

 

 

 

右安

 

 

 

 

 

R

大川

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山崎

 

 

 

 

 

 

 

 

投犠打

 

 

三犠打

 

 

◆投手成績

 

投球回数

打者数

球数

安打

三振

四死球

失点

自責

田中祐

5 2/3

30

99

原田

1 1/3

46

前田

0 2/3

23

太田

4 1/3

16

69

 

 

◆監督・選手コメント

玉谷謙太監督(政4)

接戦が自分たちに有利な展開だと思っていたので、守備で粘って少ないチャンスで点を取ろうということを試合前から話していた。点数は大きくなってしまった が、そういう野球はできたと思う。打撃面では、ボール球を振らないことを徹底させ、狙い球を自分たちで考えさせるようにした。先発の田中裕は球数も多くなかったのでできれば9回までいかせたかったが、6回から疲れも見え始めて相手打線につかまってしまったのでもう少し早い判断ができればよかった。田中裕は 先発としての役割は十二分に果たしてくれた。投手コーチの酒本とも話しあって、太田の調子がいいということで流れを持ち込むためにも8回途中でピッチャー を太田に代えた。試合前から気持ちだけでは負けないと考えていたので、延長に入っても自分たちはついていると言い聞かせて臨んだ。実際に、延長でもピンチ をしのぎチャンスにつなげられたが、なかなかあと一本が出なかった。やはり優勝はしたかった。リーグ戦でも明治に負けて新人戦でも負けてしまったということで、何か差があるということを実感している。これからは秋に向けて練習をして、優勝できるようにしたい。

 

太田力(商2)

いい試合だったが勝ち切れなかったのは力不足ということ。リーグ戦の時にピンチの場面で登板して、そこからワンアウトしか取れないで5失点してしまって、そこからリーグ戦に出られず悔しかったので取り返すというような、ここは抑えようという気持ちで登板した。今日は自分が投げたいボールがしっかり投げることができた。あんまり打たれる気もしなかったのでピンチでも自信を持って投げられた。長いイニングを投げることはあまりないが、落ち着いて投げられたので疲れはなかった。周りから声が聞こえるので声援は力になった。リーグ戦でチームの力になれるように頑張る。

 

河合大樹(総2)

相手が強いことはわかっていたので、序盤に粘って何とか勝負しようと望んだ。いい形で入れたが、エラーもあったり点を与えたくないところで与えてしまったりもした。終盤突き放されたが、追いつきたいところで追いつけた。そこは自分たちの粘りを出せた。最後は力負けだった。この新人戦全然打てていなかったので、キャプテンとして全然だめだなと思っていた。だから、4回の3塁打の前は1点でも入れようと思って打席に入った。逆転して本当にうれしかった。今日の朝のバッティングでためがない、ボールを見られていないと言われたのでそこを意識した。今年は2年生が弱いと言われていたので、その分みんな頑張っていた。予想以上の粘りで早稲田にも勝てて、明治にも接戦ができた。個の力では勝てないので、しっかり練習にもっと気を入れて疲れるぐらい練習しなければいけない。 とくに、チャンスで1本打てなくて後ろにつなげなかったりしたので、1球に集中することが大切。また、守備でも取れるボールが取れなくて相手の流れになってしまうこともあるので、守備でも勝負所での1球を大切にしたい。

 

田中裕貴(環2)

とにかく優勝したいという気持ちで投げたが、味方が先制点を取るまで踏ん張れず悔しい。その後、味方に点をとってもらえたがフォアボールから更に失点し、 リードを守りきれなかったことを責任に感じている。今日の試合の反省を活かして練習し、リーグ戦も新人戦も優勝できるようにしたい。

 

吉田将大(商2)

要所で自分がミスしてしまい、私のせいで負けたと言っても過言ではない。ミスをカバーしてくれたり、最後まで信じてくれた周りに感謝。結果は負けてしまったが、最後まで諦めずに試合できたのはよかった。みんなが良いムードを作ってくれたので、今日の打線が 生まれた。守備に苦手意識はないが、大事なところでミスしてしまい、練習が足りないと思った。バッティングは悪くなかったが、守備と走塁でのミスが多かったのでそれが今後の課題。ここまで良い試合ができたのは、出ている仲間たちはもちろんベンチに入れなかった下級生の思いや応援や手伝いを嫌がらずにしてくれた上級生、朝早くから練習を見てくれた林助監督、いつも選手を気にかけてくれている大久保監督、またいつも支えてくれる多くの方々のおかげ。 今日の悔しさを忘れずに来季はリーグ戦も新人戦も優勝して、皆さんに恩返しがしたい。

 

小原和樹(環1)

バッティングでは思い切って振れと言われていたので空振りを恐れずに振った結果が猛打賞に繋がった。今日の自分は、飛び込んで捕球できても送球がずれたり、全打席で塁に出たいという気持ちもあったりしたので今日の出来は40点分引いた60点。守備で守り勝てなかったのが一番の敗因。勝ちきれないところに要素があったと思う。捕球がうまくできても送球するところまで完璧にできて一流だと思っているので細かいキャッチボールを大切にすること。それから、試合で打てるバッティング練習を意識していこうと思う。

 

髙橋亮吾(総1)

チャンスが幾つかあった中でいかせなかった。勝てた試合だった。結果的に格上の相手といい試合が出来て収穫にはなった。ストレートがいいピッチャーだったのでそのストレートをあえて弾き返そうと思って打席に立った。もともと引っ張ろうと思っていたが甘いコースではなかったのでセンター前に打った。厳しい試合だったし、スタメンじゃなかったので準備して絶対打ってやろうと思っていた。それが結果になって正直ホッとしたという感じ。延長だと一点取られたら負けという場面。先輩の投手陣も抑えていて絶対1点取らなきゃいけないという中でベンチからみんなで作ってやっていこうとしっかり声を出した。来シーズンまで時間はある。肉体的に未熟なところがあるので、まずは体の筋力アップを重点に技術はそこからプラスアルファでできればいいと思っている。

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