初戦に敗れて迎えた今節。開始早々にミスから失点するも、宮田あずさ(環4・文京学院大学女子高)がCKを直接決めて同点に。その後両チーム1点ずつを加えて前半を折り返す。後半開始直後にリードを許すと、終盤の必死の猛攻も及ばず。開幕から2連敗となってしまった。
第30回関東大学女子サッカーリーグ 第2節
2016/08/31(水)18:00KO@慶應義塾下田グラウンド
慶應義塾大学2-3帝京平成大学
【得点者】
〔慶〕22分 宮田あずさ、45分 松木里緒
〔帝〕4分 楠真耶、40分 寺崎未祐、46分 大竹麻友
◇慶大出場選手
GK野村智美(総3・作陽高) |
DF庄司夏穂(総1・聖和学園高) |
DF田中康子(総4・常盤木学園高) |
DF下山田志帆(環4・十文字高) |
DF宮田あずさ(環4・文京学院大学女子高) |
DF奥本くるみ(環1・浦和レッズレディースユース) |
MF栃木栞(環4・十文字高) |
MF工藤真子(総1・日テレ・メニーナ) |
MF中島菜々子(総2・十文字高)→70分 勝木日南子(総1・大和高) |
FW堀井美月(環4・常盤木学園高) |
FW松木里緒(環1・常盤木学園高) |
開幕前に掲げた目標は、「2試合で勝ち点3以上」。前節敗れた以上、今節の勝利が目標達成の条件となる。 奥本くるみ(環1・浦和レッズレディースユース)を初めて先発で起用した。
慶大は序盤から相手の速いパス回しと素早いプレスに苦戦。開始早々の4分に自陣深くでのミスから失点してしまう。相手の勢いが徐々に収まってくると、慶大はセットプレーからチャンスをうかがう。そして22分に同点に追い付く。右CKを獲得すると、キッカーは左利きの宮田。インスイングのボールは綺麗な放物線を描き、直接ゴールへ。昨季にはマボロシとなったシーンが「入れ」(宮田)という強い思いと共に再現された。これで勢い付いた慶大は、その後もセットプレーを中心に勝ち越しゴールを目指すが得点を奪えずにいると、40分に勝ち越しを許してしまう。このまま前半終了かと思われた45分、右サイドのクロスのこぼれ球を松木里緒(環1・常盤木学園高)が押し込み再び同点に追い付く。2度のビハインドを追い付いて前半を折り返す。
追い付いた勢いでリードを奪いたい慶大。しかし、後半開始直後にFKのこぼれ球をしっかりと詰められて失点してしまう。その後は両チームの攻撃がヒートアップし、めまぐるしく攻守が入れかわる展開に。そして、70分を過ぎると慶大の猛攻が始まる。初先発の奥本が左サイドで2人をかわして中央の堀井美月(環4・常盤木学園高)に送ると、堀井も相手DFをかわし、左足を振りぬく。しかし、サイドネットへ。75分には中央でボールを受けた工藤真子(総1・日テレ・メニーナ)が右の庄司夏穂(総1・聖和学園高)に展開すると、中に切り込んでミドルシュート。これはキーパーに正面でキャッチされる。さらに、80分には工藤がルーレットで相手をかわすとロングシュートを放つ。枠を捉えたものの、キーパーの好守に防がれクロスバーに当たる。この跳ね返りを松木が詰めるがまたもクロスバーに嫌われる。終了の笛まで圧力を持って攻めたもののわずかに及ばず。開幕から2連敗となった。
2試合で勝ち点0という現実が重くのしかかる。そんな中、大きな収穫は今季初の2得点だろう。1つはセットプレー、もう1つは流れの中から。異なるパターンからの得点は選手たちの自信へとつながるはずだ。あとはいかにミスからの失点を減らせるか。次節からは日体大、早大とリーグ屈指の強豪との戦いになる。ここで「臆せずに戦う」(岩崎監督)ことで勝ち点を奪い、混戦が予想されるリーグに食らいついていきたい。
(記事 熊谷健二)
試合後コメント
岩崎陸監督
(今日の試合を振り返って)このチームは今まで2点をとっていなかったので、セットプレーから1点、流れの中から1点取れたのは良かったです。ただ3点取られたのは想定していなかったのですが、その中でも最後まであきらめずに戦ったので次につながると思います。(2得点はプラスに考えられる要素では)攻撃はチャンスを作り続けたので、最後の詰めのところはありますけど、こういう仕掛けができるんだなとかが分かったので、次は堅守で得点を奪えたらと思います。(3失点に関してはどう感じるか)取られた時間帯が悪かったです。その中でもあきらめずにやっていました。(攻守のバランスについて)蹴り合った感じがありました。相手もそんなに意図した攻撃ができたわけではないと思います。だから、ダイレクトでくる相手に対して、どうするのかというのが課題として出ました。(次節に向けて)勝ち点をまずほしいです。混戦になると思うので。今日の負けも大きいんですけど、1つ勝ち点を取れば良くなると思うので、日体大だからと臆せずに戦っていきたいです。
田中康子主将(総4・常盤木学園高)
(今日の試合を振り返って)最後まで粘って攻め続けられて、勝てはしなかったんですけど今まで追い付くっていうことができていなかったので、そこを耐えて攻め続けられたのはチームの進歩だなと思います。それをしっかりと生かして次は勝ち点3を必ず取りに行きたいなと思います。(失点シーンはもったいない場面が多かったが振り返って)本当にもったいないなと思います。自分たちのミスで完全に失点してしまっていたのでそこは本当に締めなきゃいけないところだなと思いますし、二度と同じミスをしちゃいけないなと思います。(得点シーンを振り返って)今シーズンは2点取ったことが無かったので、セットプレーと流れから2得点できたのはチームとしては大きかったなと思いますし、シュートの回数も明らかに増えていたのでしっかりと決めきれれば2点以上は確実に取れるかなと思います。(攻守のバランスはどうか)まずは守備からというのがあって、今日はそういう意味で相手陣地でプレーできることが多かったので、どちらかというと攻から守への切り替えっていうところが一番重要だなと思います。攻守のバランスというよりかは攻守の切り替え、切り替えでいかに相手に勝てるかが大事だなと思います。(次戦に向けて)次は日体大戦なんですけど、今まで勝ち点を取ったことがない相手で、勝ち点を取らないといけないので本当に勝ち点3を全員で取りに行きたいなと思います。結果は出てないですけどチームとしては悪い方向には進んでないなと思うのでしっかりとそれを結果につなげていきたいなと思います。
宮田あずさ(環4・文京学院大学女子高)
(試合を振り返って)全体的に見て、得点を取られた後に崩れずに自分たちのサッカーをできて2点取り返したのは今までになかったので良かったと思う反面、失点のところでミスがあったりコミュニケーションのズレがあったので、失点を防いでいけるようにしていけたらと思います。(CKを直接決めて)セットプレーからの得点を1点は取っていきたいと思って練習しているので、取れたことはすごく良かったと思います。(狙い通りか)そうですね。狙って「入れ」という思いで蹴っています。(3失点したが攻守のバランスについて)5バックを敷いている中で、5バックが戻り切れなかったり、崩れた時に誰が中盤から落ちてくるのか、誰がカバーに入るのかというところの攻から守に変わったときのバランスがずれてしまっている部分があるので、そこを修正していきたいと思います。(中盤が1人のときにロストした時の守備について)インサイドハーフやウイングバックの運動量がすごすぎて、攻撃になるとスイッチが入って前に行ってしまう分、栃木のワンボランチの脇のところが開いてしまうので、そこの切り替えのところで中盤とウイングのどっちが埋めるかの声掛けをするのと、栃木がワンボランチになるのは仕方ないことなので、そこでディフェンスが練習している遅らせる守備をして補っていければと思います。(最終ラインのパスミスがどうしても目立ってしまうが)本当はディフェンスゾーンからのパスは100%じゃなければいけないと言われているんですけど、仕方ないことというか、(野村)智美も今年になって初めてつなぐことを意識させられたりとかディフェンスラインもつないでビルドアップするということをやっているので、そこに関してはチャレンジしている部分は褒めてもいいのかなと思います。技術的なところは個々が直していければと思います。(次節に向けて)2試合負けているので、早く勝ってチームに勢いをもたらし、インカレを目指せるように頑張りたいと思います。
松木里緒(環1・常盤木学園高)
(試合を振り返って)率直に悔しいです。(自身の得点シーンを振り返って)あんまり覚えてないんですけど、前からのリサーチとかでゴール前にこぼれるっていうのも分かっていて、そういうのは狙っていたので思い通りのゴールでした。(失点シーンを振り返って)相手が裏狙いっていうのも分かってはいたんですけど結構勢いでやられちゃった感じで、これからの試合に向けても失点を減らしていかないといけないなと痛感しました。(攻守のバランスはどうか)結構守備が粘ってくれて、前半も2失点してしまったんですけど相手のシュートチャンスは少なかったし、その分攻撃の自分たちがもう少しゴールに迫っていって、失点しても得点を奪えるチームにもう少しなっていけたらなと思います。(次戦に向けて)日曜日も下田でのホーム戦で、集中応援日ということでたくさんの方々が応援してくださると思うので今度はしっかりと勝ち点をもぎ取れるように、時間は少ないんですけどしっかりもう一度合わせて勝利に向かって全員でやっていきたいと思います。