【ソッカー女子】大学リーグ第4節 早大相手にリーグ史上初の勝ち点獲得!今季4度目の早慶戦 早大戦

大学リーグ開幕から3連敗となった慶大は、今季4度目となる早大との試合を行った。1-3で敗れたものの、チーム全員が持てる力を出し切り女王を脅かせた早慶定期戦から早2か月。未だ白星を挙げたことがない因縁のライバルに対し、意地を見せつけスコアレスドローで今節を終えた。勝利をつかむことはできなかったものの、今季リーグ初そして早大相手に大学リーグ史上初となる勝ち点1をあげ、今後のリーグを戦っていく上で大きな自信へとつながる好ゲームとなった。

 

 

30回関東大学女子サッカーリーグ 4

2016/09/11()16:00KO@早稲田大学東伏見グラウンド

慶應義塾大学0-0早稲田大学

 

慶大出場選手

GK野村智美(3・作陽高)

DF奥本くるみ(1・浦和レッズレディースユース)81分中島菜々子(2・十文字高)

DF田中康子(4・常盤木学園高)

DF下山田志帆(4・十文字高)

DF加藤楓琳(1・常盤木学園高)HT 宮田あずさ(4・文京学院大学女子高)

DF井原美和(2・大和高)

MF栃木栞(4・十文字高)

MF工藤真子(1・日テレ・メニーナ)

MF庄司夏穂(1・聖和学園高)

FW堀井美月(4・常盤木学園高)

FW松木里緒(1・常盤木学園高) →75 宮川渚(4・成城学園高)

 

暴風雨のなか行われた早大との関東リーグ開幕戦を想起させるように、キックオフ直前に雨が降り出した今節。これまで早大に3連敗している慶大の勇姿は、今節はさらに一味違うものであった。

 

慶大ボールから始まった。試合開始から2分、庄司夏穂(総1・聖和学園高)がいきなりミドルシュートを放つ。相手GK正面となるものの開始早々から慶大が良い流れを作り出す。その後は早大が主導権を握り苦しい時間帯が続くも、田中康子(総4・常盤木学園高)を中心としたDF陣がしっかりと連携を取り、相手に慶大ゴールまでの壁の厚さを示す。しかしボールを自分たちのものにしても、なかなか前線までうまくパスをつなげることができない。19分、早大が攻撃を仕掛け、ハーフラインからペナルティエリアにロングボールを入れヘディングで合わせられるものの、これはゴールの枠を捉えない。35分にもクリアミスから相手に右CKを与え、ショートコーナーからニアで合わせられるも再び枠を外れる。早大ペースになりつつも慶大の選手たちの切り替えは早く、ライバルに思い通りのプレーをさせることを許さない。37分、庄司がハーフライン手前でボールを奪い、田中が右サイドから前線へ素晴らしいロングパスを出しチャンスを作り出したように思えたが、うまく足元に収めることができない。その後は再び相手の自陣での攻撃が続くも集中力を切らさず慶大ゴールを守り抜き、0-0で前半を折り返す。

 

 

後半開始頃にはすっかり雨があがった。なんとか早大からゴールを奪いたい慶大であったが、しばらくは早大ペースが続く。サイドをドリブルで突破されペナルティエリアへの侵入を許すシーンが多く見られたが、栃木栞(環4・十文字高)、宮田あずさ(環4・文京学院大女子高)を中心とした4年生が体を張ったディフェンスを見せ、チーム全体を上級生がプレーで引っ張る。途中、ゴール正面で相手の10番にボールを持たせ、冷やっとするシーンも見られたが、慶大のDFの壁は厚くライバルも徐々に焦りを見せ始める。61分、中盤で栃木が奪ったボールを工藤が落とし、栃木がそのままミドルシュートを放つ。これは右上に外れるものの続く71分、ハーフラインとペナルティエリアの中間地点で松木里緒(環1・常盤木学園高)が相手のファールを誘いFKを獲得する。どうにか早大のゴールネットを揺らしたい慶大であったが、宮田の蹴ったボールは相手の壁に当たり、チャンスをものにすることができない。肉体そして精神ともに両者が集中を切らさず白熱した攻防が行われるなか、83分。相手に右CKを与えうまくニアで打点を合わせられるも、野村智美(総3・岡山作陽高)が体を張って直接ブロックするというファインプレーを見せる。慶大チームの士気は下がるどころかベンチそして観客までが一体となり、慶大の勢いは増していった。工藤真子(総1・日テレメニーナ)を起点として慶大が良い流れを作り出し攻撃を仕掛けていく。シュートまで運ぶことはできないが、慶大のプレーは確実に女王を苛立たせていく。85分にはペナルティエリアで宮川渚(理4・成城学園高)が倒されるが、これはファールを取られず。白熱した展開のまま試合終了となった。

 

前節行われた格上の日体大との試合では4失点を喫し、今リーグ開幕3連敗となっていた慶大。今リーグ初の勝ち点1を取った相手が早大であるということは、彼女たちにとって確実に大きな自信へとつながるはずだ。「個ではなくてチーム力で戦えた結果」と田中主将が語るように、強い相手にも全員で、全力で戦うという強い気持ちがこの結果へと表れた。彼女たちの目標である「インカレベスト4」にも一歩近づいたが、勝利するためにはゴールを決めなければならない。次節の相手である大東大は一部リーグでも同じ位置の順位を争うライバルである。今節の勢いを確実につなげ、今リーグ初勝利の瞬間を見せてもらいたいものだ。

 

(記事 髙橋春乃)

 

 

試合後コメント

 

岩崎陸監督

(今日の試合を振り返って)女子部としては関東大学リーグで史上初めての早稲田からの勝ち点ということで、勝てはしなかったんですけど、ピッチの中で全力で戦えたっていうことは、本当に選手がよくやったという風に思います。(試合前に意識していたことは)これまで3回やっていて、やっぱり自分たちの成功体験というか、早稲田に対してどういけば戦えるかっていうのは感触としてみんなわかっていたので、それを1週間練習して、ピッチの中でそれを出していくということにとにかく集中しました。(攻撃面の課題は)確かに自分たちが奪ったボールを、シュートまで、高い位置まで行けるという場面があまりなかったし、CKも取れなかったし、その点では課題があります。今日良い形で奪うというのが何回かある中で、それが課題だとみんな感じたと思うので、大東大戦では今日やった粘り強い守備からもう一つ攻撃のところまで出ていくというのを、あと2日間ですが良いコンディションを作ってやっていきたいと思います。(次節へ向けて)もう2日後に大東大との試合があって、大東というのは昔から創設もほぼ一緒の時期で、一部と二部を行ったり来たりしてずっとライバルとしてやってきた相手なので、今日の早慶戦と同じくライバルとしっかり戦えるように準備したいと思います。

 

田中康子主将(4・常盤木学園高)

(今日の試合を振り返って)大学リーグで勝ち点をまだ取っていなくて今最下位なので、まだ一度も勝てていない早稲田相手に全員で勝ちに行くっていう気持ちでやった結果が引き分けという結果に、勝ちたかったですけど引き分けという結果で終われたというのはすごく自分たちにとっても大きなことだなと思います。(今季4回目の早慶戦だったが、過去3回を踏まえて何か意識して取り組んだことは)早慶戦が4回あるということは今までなかったので、いろんなやり方を試してきて、3回やってきた早稲田の分析とかをしっかりとしてどういうふうに相手の芽を潰すとか自分たちの攻撃をしていくかというところで、自分たちも今年早稲田のゴールを脅かすことはできているのでそういうところで1点狙って最後守り切るというような戦い方で勝ち点3を狙っていったんですけど、守ることはできたという結果に終わりました。(早大との距離は縮まってきているか)やっぱり早稲田の個の能力は高いなというふうには思うんですけど、自分たちは個ではなくてチーム力で戦えた結果が今日はチーム全員で戦えたというふうにみんなも感じられたと思うし、それが本当に勝ち点1という結果になって、インカレベスト4という目標に一歩近づけたかなと思います。(このリーグ初の無失点となったがディフェンス陣として手ごたえは)ディフェンス陣としてというよりかは全員で守って全員で攻められたなっていう感じがあります。最後は全員で体を張って誰がとかじゃなくて全員で守り切れたのが無失点につながったなと思います。(自身最後の早慶戦になるかもしれないという中でかなり気合いが入っているように見えた)そうですね、最後の早慶戦になるかもしれないんですけど今まで勝ったことがなくて自分が慶應で早慶戦できるのが最後だったということもあって、本当に勝ちたいという思いで、他の4年もそうですし勝ちたいという思いがあって。でも今ここまで全員で戦えたということに後悔はないし、この戦いがここでできたということが今自分たちが目標にしているインカレベスト4に絶対につながっていると思うので、ここからまた始まると思っています。(次から試合に向けて意気込みを)早稲田は上位だったんですけど、大東は同じ位置の争いで、インカレ出場であったり入れ替え戦とかそういうところの相手になるので、その相手にしっかりと勝ち点3というのを取れるように、中2日しかないですけどしっかりと取り組んでいきたいなと思います。

 

野村智美(3・作陽高)

(試合を振り返って)今までの3戦では負けていましたが、チャレンジすることは積み重ねていたので、その集大成という意味でもこの試合にかけていて、勝ちきれはしませんでしたが、無失点という結果で、自分としても大学リーグが始まってやっと責任を果たせたなという試合でした。(引き分けという結果についてポジティブに捉えているか)そうですね。本当は勝ちを狙いに行っていたし、格上という認識はありながらも、自分たちにできることはあるという認識で入ったんですけど、ここ3戦勝ちがなくて失点を重ねていた中では今回0点で抑えたというのは次につながる試合になったという意味でもポジティブに捉えています。(フィードではつなぐよりも大きく蹴る場面の方が目立ったが)もちろん自分たちのリズムを作るという面ではつないだ方がいいし、下から自分たちのサッカーを作るという認識はあったんですけど、それで今までの試合ではリスクを負って失い方が悪くて失点を重ねるというのが続いていて、そこをある程度割り切った上で戦わないと、最後の結果にはつながらないのかなと思います。ここ最近は大量失点をしてしまっていたので、それを避ける意味でもある程度割り切った中でプレーをしていって、耐えきれれば必ずチャンスは来ると思っていました。実際、前線も攻め切れるところもあったので、リーグ戦が1周しかない中ではこういう戦い方もしていかないと勝ち点は積み上がっていかないのかなと思います。(次節に向けて)今回勝ち点1を取れたのはチームにとって大きなことですし、失点が0だったことが何よりも大きいです。次も失点を0にして、勝ち点3を必ず取るという意気込みで試合に挑みます。

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