【野球】終始試合のペースを握り、勝ち点獲得に望みをつなぐ 法大②

4回にバックホームを防ぎ試合の流れを引き寄せた岩見

4回にバックホームで追加点を防ぎ試合の流れを引き寄せた岩見

前日、法大相手に苦いサヨナラ負けを喫し初戦を落とした慶大。今日負ければ勝ち点を逃してしまう大事な試合だったが、投げては先発・小原大が6回1失点で試合を作り、打っては5番・山口の2本塁打5打点の大活躍などで7-1で快勝した。今日勝ったことで、勝ち点は第三戦の結果にゆだねられることとなった。

 

 

10月9日(日)東京六大学野球秋季リーグ 法大2回戦

 

 

法大

慶大

X

 

慶大:○小原大、髙橋佑、菊地 ―郡司

法大:●熊谷、内沢、新井悠、高氏―伊藤士

 

◆慶大出場選手

 

ポジション

選手名(学部学年・出身高校)

[5]

沓掛祥和(商4・慶應義塾)

[4]

倉田直幸(法3・浜松西)

[7]

岩見雅紀(総3・比叡山)

 

R7

重田清一(環4・佐賀西)

4

[3]

山本瑛大(商4・South Torrance)

 

R3

清水翔太(総3・桐蔭学園)

[9]

山口翔大(環4・桐光学園)

[2]

郡司裕也(環1・仙台育英)

[8]

柳町達(商1・慶應義塾)

[1]

小原大樹(環4・花巻東)

 

高橋佑樹(環1・川越東)

 

H

天野康大(環3・智弁和歌山)

 

菊地恭志郎(政2・慶應志木)

[6]

照屋塁(環3・沖縄尚学)

 

 

6回1失点の小原大

6回1失点の小原大

雨の影響により、試合開始時間が延期された今日の試合。前日の悔しい敗戦を払拭し、勝ち点につなげるためこの試合は絶対に落とすわけにはいかない。

 

後攻の慶大、雨上がりのマウンドには春季リーグ以来の先発を任された小原大樹(環4)。初回、二回をすべて内野ゴロで打ち取る素晴らしい立ち上がりで法大打線を寄せ付けない。一方、法大の先発は慶大の得意とする熊谷。対する慶大打線は初回、倉田直幸(法3)、岩見雅紀(総3)の連続安打で一死一、二塁のチャンスを作るも、後続が続かず無得点に終わる。

 

3回、小原大は無死から四球でこの日初めてのランナーを出してしまう。しかし、二者連続三振を奪うなど見事な投球で後続を断ち切る。慶大打線も2回、3回といい当たりの打球はでるものの得点には及ばず、両チーム無得点で4回表の法大の攻撃を迎える。

 

そして4回表、ついに試合が動く。エラーや四球などで無死満塁のピンチを招くと、6番川口の犠飛で1点を先制されてしまう。さらに7番中山のレフト前安打で、二塁ランナーは三塁を蹴って本塁を狙う。しかし、レフト岩見の本塁へのストライク送球で二塁ランナーはタッチアウト。この回大量失点は必至かに思われたが、岩見が見事そのピンチを救った。結局この回の大ピンチを慶大は1失点に抑える。

 

三塁打を含む猛打賞の倉田

三塁打を含む猛打賞の倉田

続く4回裏、今度は慶大が反撃にでる。無死から4番山本瑛(商4)が内野安打で出塁。すると5番山口(環4)が逆転の2ランホームランを放ち逆転に成功。その後は小原大がランナーをだすものの5回、6回を無失点に抑える。小原大は6回まで投げ切り、1失点。見事に試合を作った。

 

追加点の欲しい慶大は6回裏、山口が安打で出塁し、相手のミスと郡司裕也(環1)の犠打で1死三塁のチャンスをつくり、柳町達(商1)がセンター前へ2試合連続となる適時打を放った。さらに7回、2死から倉田が相手のエラーで出塁し、続く岩見の適時打で1点追加する。この回これで攻撃は終わらず、さらに一、二塁のチャンスを作り打席にはこの日ホームランを放っている山口。代わった内沢の6球目をとらえ、見事この日2本目となるホームランを放った。この回一挙4点を追加し、試合を決定づけた。

 

7回からマウンドを託されたのは髙橋佑樹(環1)。7回、8回を無安打に抑える完璧な投球で、法大に流れを渡さない。そして9回のマウンドには今季無失点の菊地恭志郎(政2)。ランナー1人だすものの、三振2つを奪う危なげない投球で見事試合を締めくくった。

 

 

前日と同様に、あまり天気がいいとは言えないようなどんよりとした曇り空だったが、試合内容は前日とは打って変わって、まさに「ナイスゲーム」と呼ぶにふさわしい内容といえるだろう。選手たちのコメントからも「今日勝てて本当に良かった」という思いがひしひしと伝わってくる。それほど今日の勝利は重要なのだ。特に課題となっていた2戦目の投手陣がそろっていい投球をしたことが、一番の収穫といえるだろう。この調子で第3戦も勝利し、勝ち点を取ってもらいたい。

 

【Keispo pick up】完全復活 山口翔大

2本塁打を放った山口

2本塁打を放った山口

期待されていた男がついに完全復活した。春季リーグでは開幕4番を任されたが、最終戦でスタメン落ちするなど期待に応えられたとはいえない活躍だった。秋季リーグの開幕戦でも、彼はスタメンにはいなかった。しかし、それにより彼に火がついた。東大第2戦、代走で出場し泥臭くホームインを決めたと思えば、次の打席ではライトスタンドへ華麗なホームランを放った。彼が一塁を回る時、こぶしを高く挙げたのを観て復活を予感した人は少なくないだろう。そして現在慶大打線の5番に座り、打率.471・4本塁打。4本塁打はリーグトップだ。4年生として最後のリーグ戦ということもあり、今季にかける想いは大きい。完全復活したこの男のひと振りに、慶大の勝利がかかっている。

 

記事:内田 貴啓

 

◆打撃成績

 

 

[5]

沓掛

空三振

 

三ゴロ

 

遊ゴロ

 

一ゴロ

遊ゴロ

[6]

倉田

三安

 

右安

 

右中3

 

遊失

 

[7]

岩見

左安

 

遊ゴロ

 

三ゴロ

 

右安①

 

R7

重田

 

 

 

 

 

 

 

 

[3]

山本瑛

空三振

 

 

遊安

右飛

 

四球

 

R3

清水翔

 

 

 

 

 

 

 

 

[9]

山口

空三振

 

 

右本②

 

右安

右本③

 

[2]

郡司

 

見三振

 

死球

 

一犠打

右邪飛

 

[8]

柳町

 

左飛

 

右飛

 

中安①

 

見三振

[1]

小原大

 

左飛

 

三犠打

 

二併殺

 

 

髙橋佑

 

 

 

 

 

 

 

 

H

天野

 

 

 

 

 

 

 

二ゴロ

菊地

 

 

 

 

 

 

 

 

[6]

照屋

 

 

二直

三ゴロ

 

 

三ゴロ

四球

 

◆投手成績

 

投球回数

打者数

球数

安打

三振

四死球

失点

自責

○小原大

26

98

髙橋佑

26

菊地

14

 

◆監督・選手コメント

大久保秀昭監督

ずっと2戦目の試合がうまくいかなくて苦労していたが、久しぶりに先発した小原大がしっかりゲームメイクして、打撃面も慶應らしく長打も出てつなぐバッティングができた。慶大のいいところがでた試合だった。投手陣が好投したが、林助監督ともに春季リーグ後から取り組んできた結果が出てきていると思うので、自信をもってやってほしい。打線は今日はたまたま、というところもあるので、打てないときにもうまくいくようにできたらいいなと思う。岩見の状態はまだ完璧とはいえないが、本人がいけると言っていたので期待して出した。沓掛の状態は少し心配だが、最後のリーグ戦なのでベンチに座っているよりは試合に出てほしいという思いはある。明日の試合も、余計なこと考えずに前向きにやってくれればいい。

 

小原大樹(環4)

なんとか望みをつなげたという感じ。勝てたことは大きい。ケガは自分のミスで足を踏み外してしまって起こったが、そんなに大きなケガではないので明日もいけると思う。どうにか加藤拓なしで明日につなぐという思いで投げて、自分がいかに4年生として長いイニングを投げるかが大事だと思ったので常に全力で投げた。(今季から新フォームだが)何よりストライクが入るようになったのが成長だと思う。明日は加藤拓が何かあったらいつでも行けるように準備していきます。

 

山口翔大(環4)

大事なところで打てたので、満足な結果にはなった。今日は岩見のバックホームが全てだったと思う。あれで相手の流れがきれた。1本目の決勝ツーランは、ボールに押されているから上からたたいたほうがいいというアドバイスを監督からいただいて、その通りにしたら結果が出た。球種はまっすぐで、コースは真ん中よりだったと思う。2本目はこれも監督に相談したのだが、変化球が多いのでインコースは当たってもいいから変化球を待てと言われた。相手投手が少し荒れているように見えたので、追い込まれるまで待った。変化球でカウントをとってきたので、最後も変化球だと思って、踏み込んでバットの芯に当てることだけだった。ちょっと遠かったので、慌ててバットを出す感じにはなった。好調の秘訣はチームがいい雰囲気なので、そのおかげで力が出ているのもあると思う。明日こそ負けられないので、頑張って勝つ。

 

岩見雅紀(総3)

とにかく今日勝った。それもいい形で勝てたのでよかった。怪我はヒザ。スタメンは朝言われたが、いつも通りの調整だった。バットを振っても大丈夫だったので、変わらず自分のできることを練習の中でやるだけ。怪我したから何かしたというわけではない。1本目のヒットは力は入れてないが、ポイントが良かったのでうまく飛んでくれた。芯を少し外れたのでバットが折れた。2本目のヒットは大振りせずにしっかりランナーを返すことを意識した。エラーでむこうがチャンスを献上してくれた。取れたら大きい一点かなというところだったので打てて良かった。もう走塁でも守備でも怪我は全く問題ない。1戦目のこともあるので明日も簡単な戦いになるとは思っていない。加藤さんが投げてくれると思うのでしっかり勝ちにつながる貢献をできるように守備やバッティングができればいいと思う。

 

倉田直幸(法3)

今日は勝てて良かった。相手のエラーからいい感じに繋がって追加点を取れた。守備のミスが昨日よりは減ったのでそこが昨日との違い。引き続き守備は課題になると思う。翔大さんがホームランを打ってくれたのは大きかった。(自分は)今まで打ててなかったので、今日も無理かなと思っていたが、逆にその分気持ちに余裕を持ってボールをよく見て試合に臨めた。明日も勝って勝ち点をとりたい。

 

髙橋佑樹(環1)

今日は本当にダメだった。自分の中では全く納得がいっていない。持ち味の変化球が一球もストライクに入らず、本当に苦しいピッチングだった。反省しかない。小原さんが打席に入ったので、「7回も小原で行くぞ」という話だったが、小原さんがベースを踏んだ時に足を捻ってしまったみたいで、急遽交代になった。誕生日だということは、特別には考えないようにしていたが、やはり誕生日に神宮のマウンドに立てて、とても嬉しかった。今日は自分の力を出せていないので、全てを修正して、明日は違うピッチャーになれるくらいにしていきたい。ずっと負けられない戦いが続いているが、特にここが大事なので絶対に勝てるように、チームみんなで頑張りたい。

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