【野球】投打かみ合い会心の勝利　早慶戦へ弾み　立大②

５回を投げぬいた菊地。失点は暴投による１点のみ

もう負けは許されない。秋季リーグ戦も終盤に入り、３連勝と勢いに乗って迎えた立大二回戦。初回、山本瑛大（商４）の適時二塁打で待望の先制点を奪うと、５回には慶大打線が爆発。一挙５得点をあげ、序盤で試合を決めた。投げては小原大樹（環４）、菊地恭志郎（政２）の継投で立大打線を３点に抑え、２連勝で勝ち点を奪取。優勝へ、望みをつないだ。

10月16日（日）東京六大学野球秋季リーグ　立大２回戦

慶大：小原大、○菊地―郡司

立大：●藤田、田村、手塚、澤田圭―上野敦

◆慶大出場選手

先発の小原大

いきなり試合は動く。１回、先頭打者沓掛祥和（商４）が安打で出塁すると、続く倉田直幸（法３）の小フライが、相手の守備の乱れもありヒットとなる。ラッキーな形でチャンスを広げると、続く岩見雅紀（総３）は死球を受け、無死満塁に。ここで好調の４番山本瑛を迎え、左中間への二塁打で幸先良く先制点を挙げる。なおも、無死二、三塁とチャンスが続くが、後続が走者を返すことができない。

慶大の先発は小原大。１回、２回と走者を出すも、要所を締めるピッチングで３回まで無失点に抑えた。だが４回、立大打線に捕まってしまう。いきなり連打を浴びると、次の打者を併殺打に打ち取り、ピンチは免れたかに見えた。しかしその後、高橋信にフェンス直撃の三塁打を打たれ、得点を許す。相手先発の藤田にも適時打を浴び、試合は振り出しに戻るが、粘りのピッチングで逆転は許さなかった。

ビッグイニングは、その直後、５回に訪れた。１回と同様、先頭の沓掛が安打で出塁すると、またも相手のミスで無死一、二塁の好機が訪れる。ここで岩見が右中間への勝ち越しとなる二塁打を放ち、２点を追加した。その後も、慶大打線の勢いは衰えない。山本瑛が三遊間を鋭く抜くヒットゴロでチャンスメイクすると、郡司裕也（環１）がフルカウントからレフト線への適時二塁打を打ち、突き放す。なおも２死二、三塁から、照屋塁（環３）の走者一掃の適時三塁打で点差を広げた。打者一巡の猛攻で、この回一挙５得点。６回には岩見が変化球をはじき返し、逆方向へダメ押しのソロ本塁打を放った。

６回に本塁打を放った岩見

着実に点を重ねた慶大は、5回から継投に入る。2番手は菊地。立ち上がりは制球が定まらず球が浮つくが、6回以降はストライク先行のピッチング。決め球のフォークを効果的に使い、安定感抜群の投球を見せた。7回に暴投で1点を献上するも、5イニング1失点の好投で最後まで投げきり、見事にリーグ戦初勝利を飾った。

投打がかみ合い４連勝。今カード、打っては２試合合計２８安打と多くの打者が好調を維持、投げてはエース加藤拓也（政４）に続いて、小原大、菊地がしっかりと結果を残した。リーグ戦も後半に入り、尻上がりに調子を上げてきた慶大。次は、辛酸をなめさせられてきた宿敵早大との対決だ。勢いそのままに、好調の早大投手陣をなんとか打ち崩し、５季ぶりの勝ち点を掴みたい。

【Keispo pick up】　期待の新星　次期エースへ　菊地恭志郎

リーグ戦初勝利を挙げた菊地

待望の初勝利だ。２番手として５回からマウンドに上がると、５イニングを２安打１失点に抑えた。夏季オープン戦から頭角を現し、ここまでリーグ戦での登板は３回。高身長を生かした１４０㌔中盤の直球に変化球を織り交ぜ、持ち味である決め球のフォークで相手を封じ込める。物怖じしないマウンド度胸で、次期エースに名乗りを上げた。

                                             　　　　　　　　　　　　　　記事: 反保　真優

◆打撃成績

◆投手成績

◆監督・選手コメント

大久保秀昭監督

勝ち点が取れて良かった。法大2回戦も、今日も、点数はとられているが加藤拓以外の投手もよく頑張って投げていると思う。小原大は、3点で7安打という結果だが四死球も少なく、良く粘って投げてくれた。今季は途中からだが、万全な調子で大きな存在になってくれている。菊地は期待に十分応えてくれた。どこで変えようかと思っていたが、相談しながら決めた。打撃陣は、どのチームも苦労している明大の投手に完ぺきに抑えられたが、そこから立て直して、いい形ができていると思う。早慶戦では、自分たちの野球をやって、何としても早大から勝ち点をとれるように準備したい。

沓掛祥和副将（商４）

先制点を取ろうとチームで言っていた。前半で相手先発の藤田を攻略すればいけるかなと思ったのでその先制点を取れたことが一番大きかった。自分が打てばチームが勢いづくと思うので、1打席目は特に意識していた。第3打席は自分のミスで同点になってしまった直後。なんとしてもやらなくちゃいけないなと思いが強かったので集中して打席に立った。3安打目を放った相手の澤田選手はオールスターやオランダで一緒に戦った結構仲がいい選手。絶対打ちたいなという思いだった。球が速いのでちゃんと振り抜かないとヒットにならないなと思ったので思い切り振った。今日はヒットの数だけでなく得点も多くあげた。今日くらい打てていれば早稲田にも勝てるのではないかと思う。そのくらい今日の感じはベストだった。今使っているバッティンググローブはホークスの松田宣浩選手のトレーナーの方から先輩が頂いたものを使っている。去年の秋調子が悪い時に貰って、使った試合で5打数4安打だった。今回も法政戦で調子が悪かったので久しぶりに立教戦から使ってみたら昨日は5打数4安打、今日も5打数3安打と結果が出た。春は早稲田から勝ち点を取れていない。最後秋勝って「勝ち逃げ」したい。

山本瑛大（商４）

今日の試合は、先発の小原大もよかったし、打線もつながっていたのでよかった。チームとしてヒットの数が多くなってきたのは明治戦以降、開き直って戦えているからだと思う。ランナーがいる場面でもいない場面でも、打席にたったら、つなぐということは変わらず意識して、集中して、無駄なことは考えないようにしている。早慶戦では、たくさん打ってホームに帰ってきたいと思う。みんなでできる最後の試合だし、早慶戦に勝ててないので勝ちたいと思う。

小原大樹（環４）

もっと投げたかった。僕としては何としても完投するつもりで、何とか加藤に負担をかけまいと思っていた。そこは悔しいが、チームとして勝てたことは良かった。ランナーが出ても、ホームを踏ませなければ失点にはならないので絶対にホームベースは踏ませない、という気持ちで余裕を持って投げることができた。４回のピッチングは悔しさが残るが、バットに当てられた時点で僕の負けかなと思う。バッターとの個人の勝負では負けたなといった感じだが、２点で抑え逆転されずに投げたことは次の回につながったと思う。監督には４回の登板中、１点は仕方ないからもう１点取られないように頑張ってみよう、今日はいい感じだからいつも通り投げていこう、と安心する一言をかけられた。後続の菊地にも助けられて、今日のヒーローは菊地じゃないかと思う。（早慶戦に向けて）この試合のことは考えず、早慶戦は大学野球の最後になるのでピッチングの後、倒れるくらいに悔いなく全身全霊で投げたいと思う。

岩見雅紀（総３）

負けられない試合だったので頑張った。5回は同点の場面だったので、なんとかしたいという思いだった。後につなげば、この後の流れが全然違うのではないかと思ってやっていた。6回の本塁打は打った瞬間は入るかどうか分からなかったが、思ったより伸びた。チームの雰囲気は、とてもいい。試合だけではなくて練習からいいので、良い形で試合に入れていると思う。（早慶戦に向けて）慶應と早稲田の試合というのは特別なものなので、優勝もまだ分からないと思うので、最後までやることやり切って、どうなっても負けることないように最後まで頑張りたいと思う。

倉田直幸（法３）

勝ててよかった、素直に嬉しい。先制点が取れて流れに乗ったことで打線が繋がり大量得点を獲得できたことが勝因だと思う。攻撃面では無駄な打席がないように、アウトにならないように努めた。今日はフライなどがあったが、次はバントをしっかり決められるように練習したい。早慶戦は、最近勝ち点をとれていないので勝ち点を取れるように頑張りたい。

照屋塁（環３）

しっかり打って守れて、勝つことが出来たので良かった。タイムリー三塁打を放った場面は、大チャンスだったので、気持ちで打った。ここ最近ヒットが出ていなかったので、「何かを変えなくてはいけない」という思いで、バットを短く持って打席に向かっている。しっかりバットを振れるようにやってきた。守備について、法政戦では少しミスが出てしまったが、そこを修正して今はしっかり守れていると思う。守備の際は、打球に対してすぐに反応することを意識している。２試合連続でヒットが出て、バッティングの調子は上がっていると思うが、一本ヒットを打つことは難しいことなので、また打てるように頑張っていきたい。早慶戦に向けて、流れは本当にいいと思う。優勝はまだ明治の試合次第なのでまだ分からないが、精一杯やることをやっていきたい。

菊地恭志郎（政２）     

２戦目はチームとしても課題だったので、勝てたことが１番良かった。自分の持ち味であるフォークが決まって三振が取れた。１イニング１イニング全力で投げて、そのまま９回までいった。今日は加藤さんには絶対投げさせないぞという気持ちで加藤さん以外のピッチャーはやっていた。加藤さんを休ませたかった。僕らで９回まで投げきれて良かった。早慶戦はずっと憧れの舞台だったので、そこで投げられるならまず感謝して、そして思い切り腕を振ってバッターを抑えたい。