東日本新人選手権。このボートの競技歴の浅い一年生を中心としたクルーで執り行われる大会に慶應はフレッシュな力で挑んでいった。そして、その先に見えたものは確かな慶應大学端艇部の未来の“伸びしろ”だった。
第39回東日本選手権大会
10/22(土)〜9/23(日)
@戸田漕艇場
【M8+ A】使用艇:MASURAO
C:中居誠大(経2)
S:朝比奈寛(文2)
7:鈴木魁(経1)
6:三輪崇(商1)
5:堀優作(商1)
4:コントレラスピート遥介(経1)
3:栗野稜平(政1)
2:南雲正樹(商2)
B:岡山卓生(政2)
| 500m | 1000m | 着順 | 結果 |
予選B組 | 1:28.50 | 2:58,77 | 1着 | 決勝へ |
決勝 | 1:36.42 | 3:16,46 | 1着 | 1位 |
【M8+ B】使用艇:LEVIATHANⅡ
C:黒田諒(商2)
S:貴舩隆介(商1)
7:前田翼(文1)
6:谷川陽(政2)
5:荒谷大地(経1)
4:八木志洋(文1)
3:堀江直人(経1)
2:兼杉春輝(政1)
B:平本尚暉(経2)
| 500m | 1000m | 着順 | 結果 |
予選A | 1:35.62 | 3:10.70 | 3着 | 決勝へ(タイム) |
決勝 | 1:44.94 | 3:34.82 | 6着 | 6位入賞 |
エイト2艇でこの大会に臨んだ慶應大学であったがAクルーは予選から圧倒的な強さを見せつける。今回のレースは通常の2000ⅿではなく1000ⅿで行われる中、全クルーの中で唯一3分を切り2;58,77、全体一位のタイムで決勝進出を決める。対するBクルーは、試合前の準備に苦しみながらも今までで一番早いタイムだったという3:10,70、全体5位でなんとか決勝に滑り込んだ。
1000ⅿレースにおいてスタートスパートの重要性は2000ⅿレースに比べて段違いに高い。そのスタートスパートが武器だと話すAクルー、決勝に向けて、「最初から飛ばして逃げ切る(三輪)」というレースプランをもっていた。Bクルーは基礎に忠実に“考えて”、“強く”、“大きく”漕ぐことを練習から一貫したテーマとして持ち続け、レースでもそれを表現することを目指した。
スタートスパートで飛び出すと決めていたAクルー、しかし、プラン通り
にレースは進まない。スタートで思うように出ることができずに一橋大学に粘られる。しかし、ここで焦ることはなかった。コンスタントで船を進め、徐々にその差を開いた。そしてラストスパートに入り、迫りくる艇から逃げ切り、見事一位でゴールを果たした。優勝したクルー、COXも含めた9人は歓喜に包まれた。その歓喜の一方、Bクルーは力を発揮することが出来ずに6位という悔しさの残る結果で今大会を終えることとなった。
見事優勝を果たした慶應義塾大学エイトA。彼らの持ったポテンシャルはこの大会で証明された。しかし、彼らはまだこれからどんどん成長できる粗削りな原石なのである。それはBクルーに関しても同じことが言える。まだ、この大会は彼らにとっての序章にすぎない。これから日々切磋琢磨しあい、様々な経験をすることで、慶應端艇部の輝かしい未来が切り開かれることは間違いないだろう。
(記事・辻慈生)
以下、選手コメント
三輪崇(商1)
(決勝に向けてのレースプランはどうでしたか)
僕たちのクルーはスタートスパートが得意なクルーだったので、1000mレースということもあり、最初から飛ばしてそのまま逃げ切ろうという風に考えてました。
(それを踏まえて決勝のレースはいかがでしたか)
最初出ようと決めていたスタートスパートで、そんなに出れなくて焦ったんですけど、落ち着いてコンスタントを漕いでいたら徐々に差が開いてきて、余裕もってラストスパートに入ることができた。
(優勝おめでとうございます)
ありがとうございます。
黒田諒(商2)、平本尚暉(経2)
(今大会を振り返っていかがですか)
(黒田)一年生多かったから、経験値がない中でどうそこで教えるかって感じだったね。経験値がない分、やっぱり適応能力がないから、シンプルな動きをどれだけやらせるかにフォーカスしてやってて、強くと大きく漕ぐの二つで。あと考えて漕ぐのっていうのすごく言っていたんだけどそれがあまり一年生に伝わりきらずに終わっちゃったという後悔がある。基礎を固めてあげないといけないクルーだったから、それがあんまりできなかったのかなっていうのが試合にがっつり出ちゃったっていうのが印象です。
(平本)結果としては悔しいというか、目に見える形で今回の大会で得られるものがあまりなかった。考えることを一年生に対して言ってたんだけど、一年生も考えてるいのかもしれないけど、それが漕ぎで表現できなかったり、考えていることを周りに発信できなかったりっていうところがあって。そこがなかなか結果につながらなかった。
(試合の中でできなかったポイントは)
(黒田)アップ中にコースのコンディションに対しての発信や共有が足りなかった。
(平本)今日は逆が強くて、あまり経験してこなかったコンディションだったからこそ、なにをどうすればこうなるという発信が欲しかった。
(そのポイントに関して二年生からのアプローチはあったのか)
(平本)慶應として船に乗ったら一年も二年もなく発信しあえる環境だと思っているので、一年生とか二年生ではなくクルーとして、考えて発信することができていなかったということだと思います。
(今回の6位という結果に対してどう思っていますか)
(平本)エルゴタイム、練習内容から見ると、6位という結果に対しては、あまり驚く人はいなかったのではないかなと思う。少しでも上の順位にという気持ちに技術が追いついていなかった結果が6位なのかなと思った。
(次の大会に向けてどうしていきたい)
次の大会は基本的には小艇になると思うので、人数が少ない中で自分を指示してくれる人も減ってくるので、自分がどれだけ考えて漕げるかにすごいかかってくる。具体的にいうと目標から逆算して練習を組み立てるっていうところを明確にイメージしていくことが大事だと思う。