【野球】好調慶大打線、またも早慶戦勝利！決勝進出へ　秋季新人戦準決勝

１１月２日（水）東京六大学野球秋季新人戦　早大戦

攻守で魅せた新人キャプテンの吉田将

新人戦初戦の準決勝、慶大最初の相手は早大となった。初回から暴投で１失点するも吉田将大（商２）のライト前タイムリーヒットで１点を返し同点。その後流れを掴んだ慶大は２回裏宮田皓（商１）のソロホームランでまたも追加点。相手のエラーを得点に変えたりと、計２点を追加し４−１で勝利。慶大野球部、本来の力を存分に発揮し見事決勝進出を決めた。

早大：●川上、熊切、榎―岸本、小藤

慶大：○土井、岡野、石井雄―植田将、小田

◆慶大出場選手

勝ち投手の土井

雨もちらつき肌寒い気候のなか迎えた秋季新人戦２日目。慶大はシードで２回戦、つまり準決勝からの出場となった。相手は、秋季リーグ最終戦で熱戦を繰り広げ、慶大が見事５季ぶりに勝ち点奪取に成功した早大だ。新人戦での早慶戦でも勝利をつかむことはできるのか、期待がかかった。昨季は決勝で延長13回まで激闘を繰り広げるも、対する明大に本塁打を許しサヨナラ負けで優勝を逃した。今季そのリベンジを果たすべく、この試合は難なく突破したいところだ。

試合はいきなり動く。慶大は初回、先発・土井涼（商１）が四球で相手バッターを出塁させる。その後盗塁、内野安打でランナーを三塁へ進ませると暴投により、先制点を奪われてしまう。しかし、その裏の攻撃で１番小原和樹（環１）がバットを一度も振らずに四球を選ぶと４番新人キャプテン吉田将の適時打ですぐに点を返し同点に追いつく。２回表は１安打無失点に抑え、迎えた裏の攻撃。勢いは止まらず、７番宮田がレフトポール際ぎりぎりのソロホームランで見事勝ち越し。流れは完全に慶大に回ってきた。

本塁打を放った宮田

続く３回裏、ここでもまたチャンスは訪れる。先頭打者小原和が相手のエラーで出塁すると相手投手のボークでそのまま二塁へ。その後相手ピッチャーが変わるも、またも４番吉田将のタイムリーヒットで１点追加し点差は２点に。この回までで１点ずつ追加点をあげた。そして迎えた４回５回、宮田の好守などもあり相手チームを三者凡退で抑えるも、慶大側の攻撃も打線をつなげることができず思うように点差を広げることができない。

６回からは土井に代わって岡野新二（商１）が登板し、無失点に抑えた。迎えた６回裏、またも慶大に好機が訪れる。７番宮田が相手のエラーで出塁、盗塁成功でチャンスメイクをする。その後、２番大川の内野安打でまたも１点追加。４−１と、点差は３点に広がった。

しかし流れに乗り好調だった慶大にもピンチが訪れる。７回表、岡野が１死から四球で出塁させるとその後、二死まで追い込むも一気に満塁に。緊張感漂う中での見事なピッチングで見事バットを振らせることなく三振に抑えた。無失点でピンチをしのぎリードを死守した。続く８回表からは石井雄也（商１）がマウンドに立つ。いきなりレフト前ヒットを打たれるも牽制でタッチアウト、最後は空振り三振で続く投手も失点を許さずこの回を終える。

必死に本塁に食らいつく小原和

そして迎えた最終回。何とかリードを死守して早大に勝ちたい。相手は粘り強くボールに食らいつくも、セカンド池田の好送球などもみられ、石井雄の好調なピッチングで見事三者凡退に抑え勝利を勝ち取った。

序盤から良い流れで迎えた試合だったが、相手のエラーを得点のチャンスに変えられたことは大きな収穫となるだろう。今試合での相手のエラーは２つとも得点につながっている。相手の小さなミスを逃さず得点に変え、少しずつ得点を積み上げていった結果が勝利につながったと言えるだろう。「夏の伊豆のキャンプで林さんに厳しく指導していただき頑張ってきたメンバーたちだった」と隅谷卓弥新人監督（商４）が語るように、夏の練習の成果を十分に発揮できた選手は多かったのではないか。次の決勝の相手は法大。リーグ戦に出場するメンバーが多く集まり安易に勝てる相手ではないが、昨季の屈辱を果たし今季こそ優勝のタイトルを獲得したい。

記事　國分萌々子

◆打撃成績

◆投手成績

◆新人監督・選手コメント

隅谷卓弥新人監督（商４）　

リーグ戦の早慶戦もしっかり勝ち切ってきたので新人戦もしっかり勝ててよかった。結果的にピッチャーは１点に抑えられたことが良かった。チーム全体がお互い信頼していてもミスは出るもの。しかしそこで磐石に守れるようにプラス思考でやっていこう、そしてしっかり闘争心持ってやろう、と意気込んだ。投手陣は、夏の伊豆キャンプで林さんに厳しく指導していただき頑張ってきたメンバーたちだったので、何とかいい結果が出せればいいなと願っていた。宮田の本塁打には驚いた。春は決勝で延長13回で負けて、本当にあと一歩で届くところだと思うので明日は何とか勝ち切りたい。

吉田将大（商２）

序盤に少し、守備の乱れがあったが、それからは終始慶應のペースで、声もみんな出ていて、いい雰囲気でできたと思う。（自身の打ったヒットについて）最初は少し先の方に当たってしまったが、何としてもそこで振り出しに戻したかったので、気持ちで振った。（タイムリー２本について）チャンスだという感覚は自分の中で捨てて、僕自身そんなに今まで打ってきたというわけではないし、そんな力があるわけでもないので、みんなが乗せてくれて打つことができたという感じ。みんなの力で打てた。慶大野球部に入部したからには早大には絶対負けられないという思いでやっていたので、勝って良かった。今後も絶対早大には負けてはいけないと思うので、これからもいいライバルとしてやっていきたいと思っている。明日は対法大ということで、リーグ戦のメンバーが結構出ていて本気で来ると思うので、僕らも負けないように気合を入れて今日以上に打っていきたいと思う。

土井涼（商１）

今日は立ち上がりがいまいち良くなかったが、回を重ねるごとに修正できた。ワイルドピッチは狙ったところに投げたのが、バッターの後ろに入ってしまっただけなので、投げた球がどうこうと言うよりは、その後に気にせずに投げられたのが良かった。初回は緊張もあって力みができてしまったが、投げていくうちに段々と雰囲気にも慣れてきて、自分の本来のピッチングができるようにしたら、結果が変わってきた。今日の内容は、悪くはないと思うが最初の四球が無ければ、最初の失点は無かったので、突き詰められるところは突き詰めていきたい。法大はリーグ戦にも出ているようないい選手がたくさんいるので、向かっていく気持ちで全力で投げて、明日も勝てるように頑張る。

宮田皓（商１） 

ホームランは打った瞬間、上がり過ぎて捕られるかなと思った。でも、思い切りベースまで走ったら歓声が聞こえたので（スタンドに）入ったんだなと感じた。とにかく一点が欲しいので常に先の塁を狙うという姿勢でやっている。寒いのもあるが、ベンチとかでしっかり準備するようにしていたので守備などいいプレーが結果的にできたと思う。ここまでの手応えとして、まだまだもっと頑張らないとちゃんと定着はできないかなと思う。試合前のロッカーとかでも早稲田には絶対勝とうという雰囲気は出来ていた。明日の決勝戦、相手は本当にリーグ戦メンバーばかりだが、自分たちのできることをしっかりやって勝てればいいと思う。

岡野新二（商１）

ピッチャーもよく投げて、バッターもよく打って、粘って勝てた試合だった。三振を多く取る投手ではないが、チームに勢いを与えたいと思い全力で投げきった。２死満塁の場面では、気を引き締めないといけないなと気持ちで投げていた。リーグ戦の東大戦で登板したが、打たれて悔しい思いがあった。その時の悔しさを今日、チームのためにぶつけ、チームのみんなに恩返しをするという意味で新人戦投げられたことは自分にとって糧となった。打たせて取るピッチングを意識している。球のキレに注目してほしい。自分のできることをして、チームを優勝に導きたい。

石井雄也（商１）

初めての神宮ですごく緊張したが、初球からストライクが入ったので落ち着いて投げられた。牽制球でランナーを刺したが、自分である程度これくらい出ていれば刺せるという距離をわかっている。ランナーがそのくらいの距離にいたので自分で刺せると確信して投げた。８回２アウトでの三振は抜けた球だったが最後振ってくれて助かった。チェンジアップは高めに浮くのもあったが、全部の球種が結構低めに集められていたので今日は抑えられたと思う。ストレートがそんなに速くないのでストレートとスライダーとチェンジアップをコントロール良く四隅に投げ分ける、そのコントロールが自分の持ち味だと思う。高校の先輩の菊地恭志郎（政２）さんが活躍しているので僕も活躍できるように頑張りたい。早稲田は一番負けてはいけない相手なので、みんなすごく気合が入って試合に向かっていた。明日も無失点に抑えられるようにしっかり低めにボールを集めて抑えたいと思う。