【ソッカー男子】開幕前取材、第2弾 河井陽介編

慶大の10番・河井が攻撃を司る

 過去3年間チームを支えてきた慶大の黄金世代。その中でもひときわ際立ち、輝きを放ってきた選手がいる。1年生時からチームをけん引してきた河井陽介(政4)だ。大学ラストイヤーとなった今年、昨シーズンの振り返りから新生・慶大ソッカ―部の印象、さらには8月に行われるユニバーシアード大会への抱負まで、さまざまなお話を語っていただいた。全日本大学選抜でも大活躍する司令塔が荒鷲イレブンを日本一へと導く。

(*)清水エスパルスは4月26日、2年生時から特別指定選手契約を交わしていた河井選手の、来季新加入が内定した事を発表しました。ソッカー部からのJリーガー誕生は、一昨年にアビスパ福岡入りした中町公祐(総卒)選手以来の快挙です!!

  

 

「(昨季の戦いでは)関東の大学の中でも全然やれないことは

ないという自信がついた」

  

昨季はインカレ出場が期待されながらも叶いませんでしたが? 

試合によって波があったのが原因かなと思います。いい試合をできたときは勝ち点を取れるが、流れが悪いときには大量失点をしてしまって完敗するという両極端な試合が多くて、完敗した後に流れを立て直すのが難しかったりして、シーズン通して安定した力が発揮できなかったことが上位に行けなかった原因かなと思います。

試合によって両極端になってしまった原因は? 

あまりシーズンを通してメンバーが固定されなかったり、フォーメーションやコンセプトもあまり徹底されていなかったというのがあって、みんなが毎試合毎試合何をやればいいのかというのが明確ではなかったので、それで調子の悪いときに崩れてしまうという試合があったのではないかと思います。

一方、夏には総理大臣に出場し全国の舞台に立ちましたが? 

全国大会は大学に入って初めて出たが、全国の大学とのレベルの差はそんなに感じなかったので、そういう意味では自分たちの自信にもなったし、そうやって自信をつける一方で、もう少し勝ち進められたんじゃないかなという後悔も若干あるんでもうちょっと上に行きたかったなという思いもあります。

 

昨季は特に後期でFWでの出場も多かったが難しさなどはありましたか? 

ポジションが変わることでやっぱり最初慣れるまで若干戸惑う部分があったりして、ボールを後ろ向きでもらうことが多かったので、周りを活かすプレーが多くなるので、そういうところで周りとの連携が最後の方はスムーズにできてたが、慣れるまでに時間がかかって周りに迷惑をかけたかなという感じです。

昨季得た収穫や課題は? 

個人的には関東の大学の中でも全然やれないことはないという意味で自信はつきましたし、チームとしても調子のいい時は上位の相手でも圧倒できる試合があったので、そういうところでは自信になった。

「攻撃面で得点に絡んでいく。自分が中心となってやっていければ」

 

 今季は監督交代があったが、何か変わったことはありましたか? 

 李監督から須田さんに変わったことで、須田さんは選手にある程度自由を与えてくれる監督なので、のびのびやれていると思うし、そういった中で勝つために厳しさを出していかないといけないなという思いはあります。

今季、自身に求められているプレーはどういったプレーだと思いますか? 

 ある程度自由にやっていいと言われているが、攻撃の面で得点という部分にしっかり絡んでいかなくちゃいけないので、もうちょっとシュート練習とかしてミドルシュートを磨いていけば今の攻撃陣はたぶん点は取れると思うので、その中で自分が中心となってやっていければいいかなと思います。

今季は有力な新人もたくさん入ったが何かチームに変化はありましたか? 

 新一年生は上の先輩たちに遠慮することなくやってくれていると思うので、どんどん主力に絡んでいってほしいと思うんですけど、得点力とかの部分で武藤(経1)とかが入った部分で個人で打開する選手も多くなってきたので、今までの慶應とは違った攻撃ができるのではないかと思います。

ここまで選抜などでチームを離れる時間も多いと思うが連携面に不安などはありますか?

 そうですね。那須合宿に行った時に主に今年のコンセプトとか守備の時にどうするかといったチーム戦術を徹底的にやって、そこには行けたので、それはだいぶ浸透してきましたし、不安なく今のところはやれているかなと思います。

今のご自身のコンディションはいかがですか?

 そうですね。合宿とかいろんなところに遠征が多くて、疲れは若干あるかなと思いますけど、まだ開幕まで1カ月あるので、今のうちに試合とかをやっておいて慣れとくというのもありかなと思います。

 「自分のサッカー人生の中ではアシストの方が好きですね。

でも得点もどんどん狙っていきたい」

 

 今季のポジションについて監督からお話などはありましたか?

 基本的に自由にやっていいということで、たぶん中盤の位置になると思うんですけど、自由を与えられているので責任もあると思うので、そのへんをしっかりと自覚を持って、今年は自分が一番(学年が)上なので、自覚を持ってやっていきたいなと思います。

ご自身ではどのポジションがやりやすいといったことはありますか?

 やっぱり自分は中盤の方が合っていると思います。FWだと自分より前に選手がいないということで、前を向いてもパスを出す選手がいないが、中盤だったら前を向いてゴールに直結するパスだったり周りを活かすことができるので、そういう意味では中盤がいいかなと思います。

中央かサイドかという点についてはいかがですか?

 真ん中がやりたいですね。常にゴールに関われるポジションをやりたいので、真ん中で攻撃にも守備にも常に関わって、全体を動かしたいというか、そういう選手になれればいいかなと思います。

やはり攻撃面での注目が大きいと思いますが、守備についってはいかがですか?

 守備力はまったくないので、ただ頑張るだけですね。ただ那須合宿でチーム全体としてどうやって守るかということをやったので、個人で守るのではなく、周りと連携しながらしっかりと守れるように、11人の中の一人だということを考えて、しっかりとしたポジションを取れれば、自分がボールを取る技術がなくてもみんなで取れれば大丈夫だと思います。

ゴールとアシストという点ではどちらに重きを置いていますか?

 時期によって違うんですけど、自分のサッカー人生の中ではアシストの方が好きっちゃ好きですね。自分が思った通り周りが動いてくれてそれでゴールが生まれた時はすごく嬉しいですけど、自分でゴールを決めるというのも悪くないなと思うようになってきているので、得点もどんどん狙っていきたいと思います。

FKについては蹴っていきたい気持ちはありますか?

 FKについてはこだわりはまったくないので、蹴れと言われれば蹴りますけど、もっと練習しないといけないと思います。蹴れと言われれば責任もあると思うので、やっぱりそれで得点になればチームにもプラスになるので、自分の武器になるように練習して、納得のいくキックが蹴れるようになれば自分が蹴りたいと思います。

 「(全日本選抜では)高いレベルの中でいい刺激をもらった」

 

 先週まで全日本選抜に一員としてプレーされていたが収穫はありましたか?

 全国のトップレベルの選手が集まっているので、そういう中で練習だったり試合ができたことは高いレベルの中でいい刺激をもらったし、その中でも自分がだんだん中心となってやれてるところもあったので、そういう意味ではいい自信にもなりました。

全日本選抜でも背番号10を背負った

選抜と慶大で自身に求められていることは同じでしたか?それとも違いましたか?

 特に違いというのはあまりないですね。選抜の監督もそんなにコンセプトがなく、スタイルがないのがスタイルと言っている監督なので、ある程度自由にみんなが考えてやるという感じなので、そういう意味では違いというのは感じないですね。全日本の方が若干自由度は高いかなという感じですね。

やはり目標は8月のユニバーシアードになりますか?

 はい。とりあえずそこに選ばれるように、選ばれるだけじゃなくてしっかりそこで活躍するというイメージを持って、今季リーグ戦だったりというところでしっかりアピールしていきたいと思います。

また先日の全日本選抜には山村選手や比嘉選手(ともに流通経済大)といったオリンピック予選メンバー入りが有力視される選手もいましたが、オリンピック予選についてはいかがですか?

 一応ちょうどいい年代なので、そこが目指す上では一番高いところだと意識して、この一年間でどれだけアピールできるかで代表にも絡んでいけるかというのが決まると思うので、リーグ戦にも見に来てくれると思うので、意識して試合だったり練習をやっていきたいと思います。

ユニバーシアードのメンバー入りに向けて自身に足りないなと思う点はありますか?

 全日本選抜の試合で結果を出していくことが大事だと思います。ゴールだったりアシストだったりという点で常に結果を出していければおのずとユニバー(シアードメンバー)には入れると思うので、もっとゴールにどん欲にいきたいなと思います。

先日の全日本選抜の活動の中で刺激を受けた選手などはいますか?

 やっぱり山村選手は周りとはやっぱり違うなという感じで、身体も強いし、余裕があるというか大学レベルでやっているという分では余裕を持ってプレーしているなという印象があったので、そういう選手と一緒に練習できたことは刺激になりました。

「最後インカレに出て優勝して終わりたい」

 

 チームの雰囲気はいかがですか?

 監督が代わってから常に明るい雰囲気で練習できていると思うし、たまに須田さんが雰囲気を締める役割をしてくれるので、いい環境の中で練習ができていると思います。

河井が今季のキープレイヤーに挙げた大塚

今季の慶大の躍進のカギになりそうな選手は誰だと思いますか?

 やっぱり大塚君(総4)じゃないですかね。彼はずっと期待されてて、ここまでそんなにシーズン通して活躍してなかったので、今季はFWをやってるんですけどなかなかコンディションもいいと思いますし、大塚選手がどれだけ点取ったりチームに貢献できるかといったところが重要だと思います。

大塚選手がFWに入って変わる点はどういった点だと思いますか?

 でかくて足元もあるので、まずターゲットになるというのが一番大きいですね。みんな困った時は最悪(大塚)尚毅を目がけてボールを集めれば、キープ力もあるので、そういう点で頼りにしています。

今季のチームとご自身の目標は?

 とりあえずチームとしてはリーグ戦優勝、(総理)大臣杯優勝、何か一つタイトルが取りたいですね。個人としてはとりあえずはユニバーシアードに選ばれるように結果を残すということと、リーグ戦では1試合にゴールかアシストを1つでもいいから取れるようにという意識でやりたいと思います。

それでは最後に今季に向けての意気込みをお願いします。

 大学最後の年なので、とりあえず悔いのないようにやるというのはもちろんなんですけど、悔いのないようにというところでは結果を残さないといけないと思うので、最後インカレに出て優勝して終わりたいなと思います。

By Daiki Yamamoto

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