今年も神戸大学との歴史ある定期戦が行われた。5連覇達成を目指す慶大は序盤から主導権を握るが、前半はなかなかチャンスを決め切ることができない。スコアレスで迎えた後半。56分に沼崎和弥(商3・暁星)のゴールでようやくリードを奪うことに成功。終盤こそ相手の勢いが増したものの、徹底した守備でゴールを守り切り、無失点で勝利を飾った。
第68回慶應・神戸サッカー定期戦
2018/08/25(土)14:15KO @慶應義塾大学グラウンド
【スコア】
慶應義塾大学1―0神戸大学
【得点者】
1―0 56分 沼崎和弥(慶應義塾大学)
◇慶大出場選手
GK藤川誠人(総4・桐蔭学園) |
DF佐藤海徳(政3・桐光学園)→46分 岩崎湧治(商4・ベガルタ仙台ユース) |
DF鴻巣良真(総4・国学院久我山)→46分 酒井綜一郎(政1・慶應義塾) |
DF野村京平(総3・国学院久我山)→46分 篠原新汰(総1・FC東京U-18) |
DF中島玲央(総4・柏レイソルU−18) |
MF八田和己(総3・桐蔭学園)→46分 増田皓夫(商4・桐蔭学園) |
MF落合祥也(商3・横浜FCユース) |
MF山田盛央(総3・藤枝東)→46分 内桶峻(政2・国学院久我山) |
MF小山怜央(総4・桐蔭学園) |
MF小谷春日(環4・藤枝東) |
FW沼崎和弥(商3・暁星) |
シーズン前期を終えた慶大ソッカー部。8月上旬には部員全員での全体合宿が行われ、後期リーグ開幕に向けてさらなる成長を目指す。そんな中、今年も神戸大学との定期戦が下田グラウンドで開催された。毎年、下田と神戸で交互に開催されている伝統の一戦。慶大はアミノバイタルカップとは大きく入れ替えたメンバーで、5連覇達成を目指した。
慶大は試合開始からポゼッションを高め、得点のチャンスを探っていく。1トップに沼崎を置いた4−2−3−1の布陣で中盤からボールをつなぎ、攻撃を形作った。途中、相手にカウンターを食らう場面も見られたが、ゲームキャプテンである鴻巣良真(総4・国学院久我山)らを中心に、堅実な守備で対応。前半は一貫して主導権を握り、中島玲央(総4・柏レイソルU−18)のロングボールを起点にサイドからチャンスを引き出していったが、リーグ戦前期で課題となった「決定力」にはまだまだ伸びしろが見られ、なかなか決定機を決め切ることができない。一進一退の攻防の中、36分には沼崎、43分には山田盛央(総3・藤枝東)がそれぞれゴール付近で見せ場を作ったが、いずれも得点とはならず。前半をスコアレスで折り返した。
後半、慶大はメンバーを一気に5人入れ替え、中盤には早慶定期戦でも得点を決めた増田皓夫(商4・桐蔭学園)を投入するなど、試合を動かしにかかる。48分、小谷春日(環4・藤枝東)がペナルティエリア横で倒されFKを獲得。これはチャンスとはならないが、ゴールへの強い意識で相手を脅かしていった。そして57分、ついに均衡が破られる。増田とのワンツーの抜け出しを起点に、内桶峻(政2・国学院久我山)が右サイドから低めのクロスを供給。最後は沼崎がダイレクトボレーで叩き込み、ようやくゴールネットを揺らすことに成功した。リードを奪い、良い流れのままに追加点を狙いたい慶大だったが、厳しい残暑もありその後は動きに鈍さが見られた。終盤は相手のハイプレスに苦しめられ、危ないシーンが目立つ。しかし、守備陣らは最後まで集中力を切らさず、そのまま試合は終了。1-0で接戦を制した。
勝利はしたものの、数多くのチャンスを逸し1得点にとどまった。前期に課題としていた決定力にはまだまだ成長の余地があると言えるだろう。一方で、クロスの対応など守備面において、合宿や遠征での「練習の成果が出ている」(鴻巣)部分も少なからずあった上に、新たな戦力にも今後の活躍を期待させるパフォーマンスが見られた。リーグ戦後期開幕まで約3週間。現在9位に沈んでいる慶大にとっては、最初から最後まで負けられない試合が続く。修正点はしっかりと改善し、夏を乗り越え更に強くなった慶大を見せてくれることに期待したい。
(記事:髙橋春乃 写真:中村駿作、岩見拓哉)
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試合後コメント
鴻巣良真(総4・国学院久我山)ゲームキャプテン
良い試合というよりは、お互いあんまり良くなかったんじゃないですか。暑いっていうのもあって、あっちもこっちもあんまり動けてないっていうのと、それが理由で間がポカン、ポカンと、あっちもこっちも空いてたし。結果的に1-0で勝てたのは良かったんですけど、あまり内容の濃かったゲームではなかったような気はします。
――今日はゲームキャプテンとしての出場だったが、普段との違いは
流れが悪い時とかに、自分の価値とか、自分が何とかしてやりたいという気持ちがやっぱり、キャプテンをやってる時はさらに強くなる気がします。そこが一番の違いですかね。
――夏合宿等での練習の成果は出せていたか
課題だったのが、クロスの対応。関東リーグの失点のほとんどがクロスからの失点でやられてるのが多くて、しかも、それも終了間際とかで。それがここ最近クロスからの失点が少なくなってきているというのは練習の成果が出ているんじゃないかなって思います。
――今日の試合でもクロスに対応できているシーンが見られた
そうですね。合宿でずっとクロス対応の練習をしていたっていうのもあるかなと思います。
――リーグ戦後期開幕に向けて
もっともっと、自分や皆がコンディションを上げて、闘志バリバリで後期開幕できたらと思います。自分ももっと頑張ります。
沼崎和弥(商3・暁星)
早慶戦前にちょっと肉離れの怪我をしちゃって、そのあたりからDFからFWになって結構なかなか慣れないことが多かったんですけど、遠征とかを経て慣れてきて、ようやくこの試合で結果が出たという感じです。
——今年は全体合宿を実施していたが、その成果は出すことができたか
高所に行ってアップダウンの厳しいところで結構走り込みして、自分は結構そういうのが得意じゃないんですけど、でもみんなでキツいのを乗り越えられて、一体感というかそういうのは芽生えたかなと思います。
——自身の公式戦初ゴールシーンを振り返って
自分は中でちょこまかやって点を取るっていうよりも、クロスに合わせるタイプなので、それが本当は頭が得意なんですけど、足でもクロスから決められて良かったなと思います。
——どのような戦い方で臨んだか
前を向いてシンプルにクロスを上げられたら上げようっていう戦術で、なかなか前半は思うようにはいかなかったんですけど、後半はそれでも徹底してやろうということで、それが得点につながって良かったなと思います。
——リーグ戦後期に向けて
遠征でも5勝1敗とかであんまり負けていないので、チームとしては良い方向に来てるのかなと思うのと、個人的にはDFで出るかFWで出るかまだわからないんですけど、どちらにしろチームに貢献できればなと思います。