今季最重要と位置付けたプール最終戦の東京農業大(以下、東農大)との対戦。前半の2Qは、攻守が激しく入れ替わる展開が続く。粘りのディフェンスで無失点に凌ぐ一方、2度獲得したPCで決めきることができず、スコアレスで折り返す。後半に入っても同様の展開が続いたが、3Q終了間際についに失点。リズムを崩した慶大は、4Q5分にも追加点を許した。最後まで相手に食らいついたが、力及ばず敗戦。今季もチーム目標とする「リーグ上位」への道が断たれる悔しい結果となった。
平成30年関東学生ホッケー秋季リーグ Bプール
10/7(日) 14:45試合開始 @慶大日吉ホッケー場
| 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 |
慶大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
東京農業大 | 0 | 0 | 1 | 1 | 2 |
スタメン
GK 杉山留菜(経4・慶應女子)
DF 冨田里沙(政4・東洋英和女学院)、三宅美紅(経4・慶應湘南藤沢)、西本明日美(政3・慶應湘南藤沢)、木崎渚早(経4・日比谷)
MF 森田真衣(経2・慶應女子)、荒川理佳子(経4・慶應女子)、花田ともみ(政2・慶應湘南藤沢)
FW 雑賀水紀(経4・慶應女子)、内藤梓(政3・立川)、山崎ほのか(商4・慶應女子)
チーム目標とする「リーグ上位」をかけた重要な一戦。慶大を応援する多くの観客が駆けつけ、慶大はその声援を背に戦った。
試合開始早々、主導権を握ろうとする両チームの激しいボールの奪い合いが続く。2分、三宅美紅主将(経4・慶應湘南藤沢)のパスミスからボールを失うとそのまま自陣へ運ばれる。しかし、DF陣が相手のファールを誘い再度ボールを奪って敵陣へ。好機には至らなかったが、序盤から接戦の様相を呈する。その中で初めにチャンスを作ったのは東農大。8分、慶大がPCを献上するとGK杉山留菜(経4・慶應女子)が一度弾いたボールを押し込まれる。ゴールかと思われたが、ここは審判団の競技の結果、ゴール前での東農大のファールが認められノーゴールとなり、ピンチを脱した。逆に12分には慶大がチャンスを作る。山崎ほのか(商4・慶應女子)が右サイドからサークル内へ侵入し、ゴール前へ。しかし、得点にはつながらず、最初の15分は互いに無得点で終えた。
先制点を奪いたい慶大は2Qに入り、決定的なチャンスを作る。5分、この試合からチームに加わった留学生のリーヴが中央でパスを受けサークル内でPCを獲得する。荒川理佳子(経4・慶應女子)の球出しから三宅が鋭いシュートを放ったが、ここは相手に阻まれてしまった。激しい攻防から10分には雑賀水紀(経4・慶應女子)がサークル内で再びPCを獲得。絶好のチャンスを生かしたかったが、ここはシュートまで持ち込めず。結局このクオーターも無得点のまま、スコアレスで前半を折り返した。
3Qに入っても激しい攻守の入れ替わりが続く展開。その中で内藤梓(政3・立川)などを起点に、左右両サイドから敵陣深くへと攻めあがる。ゴール前へ幾度となく詰め寄ったが、相手のゴールネットを揺らすことはできない。攻撃で苦しむ一方、クオーター終了間際にカウンターを受ける。一度はクリアしたものの、再度ゴール前まで運ばれ、中央でディフェンスのマークが外れた選手に押し込まれて、先制点を奪われた。1点のビハインドで最終Qへと向かう形となった。
なんとかして追いつきたい最終Q。山崎のセンタリングなどからチャンスを作る場面も見られたが、激しい攻防で体力が奪われてきたか、自陣での時間が徐々に長くなっていく。すると5分、自陣右サイドからサークル内へ侵入を許すと、GK杉山が弾いたルーズボールを押し込まれ痛すぎる追加点を献上。2点を追う苦しい展開となる。最後の力を振り絞り得点を狙ったが、試合終了のホーンが鳴るまでに相手ゴールを割ることはできなかった。
0-2での惜敗。前半はゴールに迫られながらも一丸で守り切ることができただけに、2度あったPCのチャンスを生かしきれなかったことが悔やまれる結果となった。また後半での2失点は、いずれもゴール前でのルーズボールを押し込まれた形。集中力が欠けた一瞬を狙われた結果となっただけにこちらも悔しさが残った。しかし、前の2試合と比較して、「自分たちの実力をしっかりと出せた」(三宅主将)ことは大きな収穫。PC以外にも得点のチャンスを多く生み出し、ディフェンスでも最後まで走り切る姿が存分に見られた。次戦以降は、現状目指せる最高の順位である5位を目指す戦いとなる。今回と同様、チームが一つになって戦うことができれば、おのずと結果はついてくるはずだ。
(記事:重川航太朗/写真:澤田夏美)
次戦 10/28(日) VS学習院大
14:45 試合開始 @駿河台大学ホッケー場
◎関東学生ホッケー秋季リーグ Bプール 星取表・日程表(10月7日時点)
| 慶大 | 駿河台大 | 横浜市立大 | 東京農業大 | 勝ち点 | 得失点差 |
③慶大 | × | ●0-2 | 1 | -13 | ||
①駿河台大 | ○11-0 | × | ○11-0 | ○4-1 | 9 | +25 |
④横浜市立大 | △1-1 | ●0-11 | × | ●0-5 | 1 | -16 |
②東京農業大 | ○2-0 | ●1-4 | ○5-0 | × | 3 | +4 |
以下、コメント
三宅美紅主将(経4・慶應湘南藤沢)
――今日の試合を振り返って
前半は0-0でPCとかも取れてイーブンな展開だったと思いますが、後半に入って体力の面などもあって集中力が少し劣ってしまったところがあったと思います。結果的に0-2で負けてしまったのは、すごく悔しいです。
――前半いい展開に持ち込めた要因は
ディフェンスから早いリスタートを意識していて、それでフォワードに繋がって、PCを取ってくれたという場面がいくつかあったので、そういった点かなと思います。
――逆に後半に入って2点を奪われました
息が上がってきたときのマークだったり、マークの声かけが全体的に少なくなってしまって、ごちゃごちゃとした時に点数が決まってしまったと思います。
――試合前のチームの雰囲気は
アップの時から勝つ雰囲気を作っていくことはチーム全体で意識していて、実際に雰囲気はしっかりと作れていたと思います。
――チームとして今日の試合で得られたことは
PCだったりシュートチャンスがあまりなかったものが、少なくはありますが今日の試合では取れていたことが、得られたことかなと思います。
――次戦に向けて
今日の試合は自分たちの実力をしっかりと出せたと思いますが、その実力をもっと上げていかなければいけないと思うので、練習からしっかりとレベルを上げていって、ここから目指せる一番いい順位を得られるように頑張りたいと思います。
雑賀水紀副将(経4・慶應女子)
――今日の試合を振り返って
前回の試合は1クオーター目で失点してしまったので今回は前半に失点しないということを意識していたのでそれが守れて、後半3クオーター目に良い雰囲気でいけたところは良かったと思います。
――今日に向けてこの一週間何をしていましたか
相手が2枚フォワードで4枚ミッドフィルダーで結構打ってくるという特徴的なチームだったので、それに合わせてプレス練やアウトレット練など農大に合わせた練習をしていました。
――前半は0対0でした
今日の試合はリーグ戦で一番大事な試合だったので、気持ちが出ていたと思います。監督から1人抜かれても次から次へと人が出てきて、チームで勝とうということだったのでみんなの想いが出てよく走れていたからかなと思います。
――PCは2回とも決まりませんでした
PCは結構確率の問題だと思っているので、もっとPCを取る回数を増やして、確率を上げていくしかないかなというふうに思っています。
――後半に2失点しました
誰かが手を抜いたり気が緩んだりしたのは感じなかったんですけど、点が入ってしまう時は一瞬の隙を突かれた時だし、攻める時間と攻められる時間の比率だと思うので、もっと攻める時間を増やしていけば必然的にあの点も入らなかったと思うので、もっと前に前にというのを意識していければ良かったと思います。
――次戦に向けて
もう目標である上位は達成できなくなってしまったのですが、今ある一番上は5位なので、そこに向けてチームで出来ることをしていくのみかなと思います。
荒川理佳子副将(経4・慶應女子)
――今日の試合を振り返って
結果が全てだと思いますし、この試合に勝つためにやって来ましたし、勝てると思っていたので、本当に勝ちたかったのですが勝てなかったという部分ですごく悔しい試合でした。
――この日に向けてこの一週間何をしていましたか
先週の駿河台との試合で負ける前からも、農大に勝つということが上位につながるということは春から分かっていたので農大のビデオを見て一人一人のプレースタイルを分析したり、それに合わせて自分たちのプレースタイルを考えたりと細かくビデオミーティングを重ねて来ました。
――前半は0対0でした
監督コーチ陣もおっしゃっていたのですが、今日はアップからとても良い雰囲気で、ベンチ外のメンバーも声を出してくれていたので、前半から気持ちを持って入れたことが前回の試合と違って良かった原因だったと思います。
――PCは2回とも決まりませんでした
PCは私が出しなのですが、そのボールが遅いせいで相手の一番騎が追いついてしまって、1本目は打てたんですけど2本目は(三宅)美紅が打つことすらできなくて、私のボールが遅いのが悪いので修正しないといけないと思っています。
――後半に2失点しました
後半になると体力が落ちてきて、みんなも後半だからこそ集中しようという気持ちではやっていると思うのですが、やっぱりどこかで集中力が切れる時があって、2点目はエンド側にボールが出ると思っていたら出ず、そのルーズボールを決められてしまったりしたので、みんなの集中の糸が切れた瞬間に失点したんだと思います。
――次に向けて
次は学習院戦になりますが、その試合に勝って、その次も勝って5位になることは最低限のことだと思っていて、インカレで聖泉に勝つことや早慶戦で勝つことが最後に出来たら今までの4年間も報われると思うので、リーグ戦で勝つことももちろんですが、インカレや早慶戦で勝つことを目標にやって行きたいと思います。