【ラグビー】 終始主導権を譲らず ホームでの試合を勝利し、対抗戦3連勝/関東大学対抗戦Aグループ③ VS成蹊大

ラグビー

成蹊大戦も存在感を見せた川合

ここまで開幕から2連勝。今日の試合も勝って波に乗っていきたい慶大はホームの日吉で成蹊大学との一戦に臨んだ。細かいミスも見られたが、慶大は試合全体を通して相手に試合の主導権を一度も譲らず、着実にトライを重ね、68-14で快勝。3連勝で次戦の帝京大との戦いに勢いをつけた。

 

関東大学対抗戦Aグループ VS成蹊大

10月7日(日)14:00K .O .  @慶大日吉グラウンド

 

得点

慶大

 

成蹊大

前半

後半

 

前半

後半

1

PG

DG

28

40

小計

68

合計

14

 

 

得点者(慶大のみ)

T=沖、山中2、北村2、三木、川合2、原田、丹治

G=古田7、南2

ポジション

先発メンバー

交代選手

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有賀光生(総3・國學院久我山)

→後半12分 竹内翼(政4・慶應)

2.HO

原田衛(総1・桐蔭学園)

 

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大山祥平(経2・慶應)

→前半35分 坂田拓海(経4・慶應志木)

4.LO

植竹創(商4・湘南)

→前半16分 辻本大河(法4・慶應)

5.LO

佐藤航大(理4・國學院久我山)

→後半0分 川端隼人(理3・國學院久我山)

6.FL

川合秀和(総3・國學院久我山)

 

7.FL

北村裕輝(経2・慶應)

 

8.No.8

山中侃(商4・慶應)

 

9.SH

江嵜真悟(商4・小倉)

→後半26分 上村龍舞(環3・國學院栃木)

10.SO

古田京(医4・慶應)

 

11.WTB

沖洸成(総2・尾道)

 

12.CTB

柴尾將希(商4・修猷館)

→後半24分 南翔大(総4・常翔学園)

13.CTB

三木亮弥(総2・京都成章)

 

14.WTB

丹治辰碩(政4・慶應)

 

15.FB

豊田康平(総4・國學院久我山)

→後半32分 小谷田尚紀(経2・慶應志木)

 

 夏を感じさせるような日差しが照り付ける日吉のグラウンドには慶大の勝利を分かち合うために多くのファンが足を運んだ。グラウンドにもともと設置されている席のほかに簡易的な席が設けられたのにも関わらず、立ち見の観客が出るほどだった。期待と熱気立ち込める慶大グラウンドで、黒黄戦士はその期待に応える見事な試合を見せた。

 

 観客からの熱い視線が注がれる中、成蹊大からのキックオフで試合は始まった。

慶大は開始早々、ペナルティーからラインアウトを決められ、自陣に攻め込まれる。しかし、ここは見事なディフェンスでピンチを脱する。

ピンチのあとにチャンスあり。先制したのは慶大だった。前半7分、敵陣で攻撃を展開し、NO.8山中侃(商4・慶應)からCTB三木亮弥(総2・京都成章)へとパスをつなぎ、最後は左サイドのWTB沖洸成(総2・尾道)がトライを決める。

直後の8分には相手に独走を許し、キックが通ればトライという場面でWTB丹治辰碩(政

4・慶應)が見事なフォロー。その後、16分に敵陣の深い場所でのラインアウトから山中のトライ、21分にも山中のトライで得点を重ね、21-0と慶大が圧倒する。

慶大サイドの観客も歓声のボルテージが上がった。

しかし、もちろん成蹊大も黙ったままではいなかった。成蹊大の持ち味である「タックル」に苦しめられ、ついに31分。左サイドから絶妙なキックでボールを受けるとそのまま走り込みトライを決められ、この試合初めてのトライを許す。やはり油断はできない。

しかし、慶大はこの成蹊大の勢いに飲み込まれなかった。前半も終了に近づいたところ、成蹊大のペナルティーでプレーが止まると、SH江嵜真悟(商4・小倉)は相手ディフェンスが揃っていないのを見て、クイックスタートを選択。果敢に敵陣に突っ込みインゴール前にゲインすると、FL北村裕輝(経2・慶應)へとパスをつなぎ、グラウンディング。

慶大が試合の主導権を手放すことなく、前半を28-7で折り返す。

普段とメンバーが異なっても慶大の低いタックルは変わらない

 後半も試合を優位に進めたのは慶大だった。後半開始早々、成蹊大のペナルティーからラインアウトを獲得すると、見事にこれを決めて慶大のモールが敵陣右サイドを襲う。そのまま、北村がトライを決めて、後半最初の得点を挙げる。

11分にはWTB沖がフェイントで相手ディフェンスを華麗にかわし、CTB三木にパスをつないでトライ。2年生コンビの見事なプレーに観客からの歓声も一際大きかった。

その後、一瞬の隙をつかれ、相手に2つ目のトライを許すも、慶大のペースは変わらず。17分と23分には前回の試合でマン・オブ・ザ・マッチに輝いたFL川合秀和(総3・國學院久我山)が圧巻の体の強さを見せ、トライを決めると、続く26分にはHO原田衛(総1・桐蔭学園)がトライを決め、対抗戦初スタメンの舞台で見せ場を作った。

そして、終了間際に丹治がトライを決め、古田に代わってコンバージョンキックを任されたCTB南翔大(総4・常翔学園)が難しい角度を難なく決めたところでノーサイド。ホームでの試合を見事に白星で飾り、日吉に集まった多くの慶大ファンと勝利を分かち合うことができた。

 

 終始試合の主導権を手放さなかった慶大。主将のSO古田はホームでの試合で勝てたことにさわやかな笑みを浮かべながらも、「試合としては苦しんだ」と今日の試合を振り返った。確かに、良いプレーも多く見られた分、逆にミスも多かった。試合後の選手への取材でも良いプレーよりも、そのミスを悔やむ声が多かった。まだまだ、チームとしても個人としても修正すべきポイントはある。

 

しかし、いつもと違う布陣で臨んだ今日の試合。好材料は多くあった。「多くの選手がこの舞台を経験したというのは良かった」(古田)と、ルーキーの原田をはじめ、改めて慶大の層の厚さを感じさせた。これからさらにチーム内での競争が激化していけば、まだまだ慶大は強くなる。そう期待せずにいられない試合であった。

 

さあ、次はいよいよ帝京大戦だ。春季大会では完敗を喫しているだけに、ここで一泡吹かせてやりたい。確かに、王者の壁は厚い。しかし、古田の「今年は勝つ試合を見せます」と語気を強めた、その声と表情からは、勝利を予感させるものがあった。残りの2週間で万全の準備を整え、今年こそは王者の壁をぶち壊したい。

 

(記事:菊池輝/写真:田中壱規、萬代理人)

 

 

 

帝大

明大

慶大

早大

筑大

日体大

青学大

成蹊大

勝敗数

帝大

 

11/18

@秩父宮

10/21

@秩父宮

11/4

@秩父宮

11/1

@熊谷       

 

〇90-7

 

〇141-7

〇113-7

3勝

明大

11/18

@秩父宮

 

11/4

@秩父宮

12/2

@秩父宮

〇66-21

 

〇31-17

 

〇88-0

10/20

@明大G

3勝

慶大

10/21

@秩父宮

11/4

@秩父宮

 

11/23

@秩父宮

 

〇35-24

 

〇84-17

11/1

@熊谷       

〇68-14

3勝

早大

11/4

@秩父宮   

12/2

@秩父宮   

 

11/23

@秩父宮   

 

 

 

〇55-10

10/21

@前橋敷島

 

〇123-0

 

〇99-5

3勝

筑大

11/1

@熊谷        

●21-66

 

●24-35

 

●10-55

 

11/18

@前橋敷島

10/21

@筑大G    

11/3

@上柚木   

3敗

日体大

●7-90

 

●17-31

 

 

●17-84

 

10/21

@前橋敷島

11/18

@前橋敷島

 

11/3

@上柚木

12/2

@熊谷B

3敗

青学大

 

●7-141

 

●0-88

 

11/1

@熊谷       

 

 

●0-123

10/21

@筑大G 

11/3

@上柚木 

 

11/18

@前橋敷島

3敗

成蹊大

●7-113

10/20

@明大G 

●14-68

 

●5-99

 

11/3

@上柚木 

12/2

@熊谷B 

11/18

@前橋敷島

 

3敗

 

次戦 10月21日(日)@秩父宮ラグビー場

VS帝京大

11:30K .O .

 

 

 

SO古田京(医4・慶應)

——ホームでの開催となりました

対抗戦はなかなかここで行われることはないので、多くの方が来てくださってすごく良い日でした。

 

——今日の試合を振り返って

フォワードで前に出られたら良い展開になると思っていたんですけど、成蹊大学が良いタックルと良いブレイクダウンをかけてきたので自分たちとしては辛い展開になったのかなと思います。

 

——試合前に抱いていた成蹊大の印象は

毎年良いタックルをして苦しめられている印象はありました。そこを上手く崩していきたかったですが、それをくらってしまい、自分たちのラグビーが難しくなってしまった部分はありました。

 

——今日の試合で次戦に向けての好材料はありましたか

まず、多くの選手がこの舞台を経験したというのは良かったです。それでもやはり、個人のところでいつもと違うプレーがあり、流れを崩してしまった印象があるので、個人で反省してこれから修正していきたいです。

 

——ご自身のプレーに関してはどうでしたか

試合としては苦しんだので、良かったとは言えないですね。

 

——開幕から3連勝となりました

勝って反省できるというのは良いことだと思います。次は帝京なので良い準備をして勝ちにいきたいと思います。

 

——次戦に向けての意気込みをお願いします

今年は勝つ試合を見せます。絶対に勝ちたいと思います。

 

 

WTB丹治辰碩(政4・慶應)

——今日の試合を振り返って

自分たちのハンドリングエラーやセットプレーのミスで流れに乗り切れずに自分たちのラグビーができなかったです。

 

——ミスが目立つ場面もありましたがその原因は

個人のスキルや、セットプレーの精度が原因だと思います。

 

——今日のポジションはいつもと違うWTBでしたが

そこはけが人との兼ね合いもあるので今後どうなるかはわからないですが、自分はどのポジションでも役目を果たすだけです。

 

——対戦した成蹊大の印象は

低いタックルや激しいプレーで、勢いを感じました。

 

——先週スタメンを外れて復帰戦となりましたが

戦列に戻ったのでチームに勢いをつけたかったですが、自分がミスをしてしまって反省しています。

 

——自身がトライを決めた場面については

あれはただ自分にボールが回ってきただけなので、ただのトライです。

 

——今後に向けて

日本一になるためには今のままでは届かないと思うので、今日も勝ちはしましたがしっかりと反省をして、次の帝京戦にしっかり備えたいと思います。

 

 

FL北村裕輝(経2・慶應)

——今日の試合を振り返って

チームとしてはディフェンスとブレイクダウンのところでしっかりプレッシャーをかけて制圧するのが目標だったのですが、所々いいディフェンスはありつつもアタックやセットプレーでのミスが多くて思うように試合を進められませんでした。

 

——2本のトライの場面を振り返って

しっかりサポートに走ってボールを貰えた末のトライだったのでよかったと思います。

そこまでボールがつながって、その結果のトライだと思います。

 

——対抗戦でのスタメンは初めてでした

いつもスタメンの選手がお休みという形で僕がスタメンだったので、今後Aチームの試合に出られるようにしっかりアピールしようという気持ちでプレーしました。

 

——今後に向けて

今日の試合はチームとしても個人としてもまだまだやってきた前に出るディフェンスと継続するアタックという所で、特にアタックで最後にミスがあったのでそこを詰めていきたいです。個人としてもミスを減らして質の高いプレーをしてチームとしてもいい戦いをしたいと思います。

 

 

WTB沖洸成(総2・尾道)

——今日の試合を振り返って

勝てて良かったですが、自分たちのミスで流れを悪くしてしまったことが反省点です。

 

——今季初めてのスターターでした

自分の力を全部出し切って勝ちに貢献できたら、と思いながら臨みました。前半はあまり良くなかったので、そこを今後の練習で直していきたいです。

 

——トライの場面を振り返って

僕は最後に(ボールを)もらっただけで、それまでにFW陣が(相手を)寄せつけてチャンスを作ってくれました。チームで獲ったトライだと思います。

 

——「あまり良くなかった」前半から、後半に向けて修正した点は

後半では、BK3のコミュニケーションをより多くとるようにしました。ボールをもらう回数も増えたと思います。

 

——最後に、次の帝京大戦に向けて意気込みを

帝京大は9連覇中ですが、勝てるように2週間頑張っていきたいと思います。

 

 

HO原田衛(総1・桐蔭学園)

——今日の試合を振り返って

FWで圧倒しようとしましたが、一貫して圧倒するようなプレーができなかったので、受けていた部分もあり、こういう苦戦した試合になったと思います。

 

——前半は特にスクラムで押されていたように感じましたが、後半に向けて切り替えはどのようにしていきましたか

審判との駆け引きなどいろいろありましたが、「低く組むスクラムを意識して後半は押そう」と話して、ターンオーバーなどもできたのでよかったのかなと思います。

 

——ご自身の今日の試合のフォーカスポイントは

ボールをもらって、前に出ようというのが僕自身のフォーカスでしたが、あまりボールをもらえなくてゲインもできなかったので、次はボールをもらってゲインしていきたいと思っています。

 

——トライされましたが、その場面についてはいかがですか

前が空いていたので、行ったら(トライを)取れたという感じです。

 

——これから帝京大や明大など厳しい相手と戦っていきますが、次戦に向けて一言お願いします

まだ今日は日本一のプレーができなかったので、しっかり切り替えて次は王者に向かっていけるように、次のJr.戦でもっと勢いをつけてやっていきたいと思います。

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