【野球】コラム”SHOW TIME”⑦熱く謙虚に自身初の完投勝利 髙橋佑樹②

完投後、ガッツポーズを見せた

10月13日(土)東京六大学秋季リーグ戦 立大1回戦

 

立大

慶大

 

後のバッターがアウトになった瞬間、もはや代名詞とも言えるガッツポーズが飛び出した。4つ目の勝ち点をかけた立大との1回戦。マウンドを託された髙橋佑樹(環3・川越東)は、110球を投げて3安打1失点という完璧に近い内容で、自身初となる完投勝利を挙げた。

 

序盤から直球、変化球共に制球よく投げ込み、ストライク先行のピッチング。2点の援護をもらった直後の4回に1点を与えたものの、中盤で迎えたピンチも難なく脱した。左打者がずらりと並んだ立大打線に対し、左対左という相性の良さも見せ、「自信を持って投げた」と一人ひとりを着実にアウトに。終わってみれば、9回のうち6回が三者凡退という相手打線を全く寄せ付けない圧巻の投球内容。完投については「疲れました」と口にしながらも、時折笑顔を見せながら語るその表情からは喜びが垣間見えた。

青木宣親似のフォームで今季はバッティングでも成長を見せている

 

今季好調を維持する髙橋佑だが、試合後に話を聞くとまず出てくるのは野手への感謝が伝わってくる言葉だ。この日も「いい形で先制してくれて、守備でもいいプレーを連発してくれた」と口にし、あくまでいいピッチングができているのは「野手のおかげ」であることを強調する。自身初となる完投勝利を挙げてもちろん嬉しさもあっただろう。しかし、野手が作った「いい流れの中で投げさせてもらった」と、野手への感謝の姿勢は崩さなかった。あれだけ気迫のこもったガッツポーズをしている姿からは想像もできないほど謙虚な言葉。もしかすると、この謙虚な姿勢こそが彼の好調の要因なのかもしれない。

 

 

打たせて取る投球を軸に許した安打はわずか3つだった

昨季は絶対的なセットアッパーとして優勝に貢献したが、今季はこれで先発として4勝目。3連覇へ向け、絶対的エースとしての座を確立しつつある。昨季と比べ台所事情にやや苦しむ慶大投手陣の中で一際輝くサウスポー髙橋佑。46年ぶりの快挙まで、熱く謙虚に神宮のマウンドを守り抜く。                         

(記事:重川航太朗)

◆投球成績

 

投球回数

打者数

球数

安打

三振

四死球

失点

自責

○髙橋佑

32

110

 

☆インタビュー

--今日の試合を振り返って

野手がいい形で先制をしてくれて、守備もいいプレーを連発してくれたので、そのいい流れの中で僕が投げさせてもらったと思います。

 

--三者凡退が多くリズムも良かったように思えましたが

毎イニング三者凡退は狙っているので、これまでの試合はあまりできていなかったですが、今日は一人ずつ抑えるということができていたかなと思います。

 

--打たせて取るアウトが多かった印象でしたが

立教打線は結構手を出してくるので、結果的に打たせて取る形になったと思います。

 

--立大は左バッターが8人並ぶ打線でしたが

僕は右でも左でもそこまで苦手意識はないですけど、基本的には左対左ではピッチャーが有利とは言われているので、その点で自信を持って投げていきました。

 

--バッテリーで対策などは

相手のバッターのビデオを見て、左右とかではなく、バッター個人個人に対して対策は練ってきました。

 

--打線の援護については

いいタイミングで取ってくれたので、ずっとうちが有利な展開で進められたと思います。

 

--初めての完投勝利になりました

疲れましたね(笑)。球数的にもいいペースだったと思いますが、やはり9回は疲れました。代わるとも言われませんでしたし、試合の流れ的にも自分が行くだろうと思ってました。

 

--夜にはヤクルトスワローズがCSを戦いますが

そうですね。一塁側を勝ちベンチにしておいたので、ぜひヤクルトも先勝してほしいです(笑)。

 

--明日以降に向けて

当たり前ですが今日勝っただけでは勝ち点にならないので、まず明日勝利できるように全力で頑張りたいと思います。

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