【ソッカー(女子)】関東リーグ前期第5節 結果がついてこない慶大 手痛い連敗を喫す 国士舘大戦

ソッカー女子

関東リーグ2得点目を決めたブラフ

前節の第3節(1●2)は悔しい内容で敗れた慶大。なかなか勝ち点を積み上げられていない中、前期第5節に臨んだ。19分にCKの混戦から先制を許すも、雷雨による中断明けの37分にブラフ・フェイ(文1・スフィーダ世田谷FCユース)の華麗なミドルシュートで同点に追いつく。しかし、後半開始直後の49分に自陣でのパスミスから失点。その後は前節同様に多くのチャンスを作ったが、これらを決めきることができなかった慶大。またも勝ち点を上げることができずに、手痛い連敗を喫した。

第25回関東女子サッカーリーグ 前期第5節 vs国士舘大学 

2019/05/02(木)11:00KO @国士舘大学町田グラウンド

【スコア】

慶應義塾大学1-2国士舘大学

0-1 19分 椎野彩香(国士舘大学)

1-1 37分 ブラフ・フェイ(慶應義塾大学)

1-2 49分 椎野彩香(国士舘大学)

◇慶大出場選手

GK 加藤楓琳(総4・常盤木学園

DF 熊谷明奈(総3・十文字)

DF 奥本くるみ(環4・浦和レッズレディースユース)

DF 足立智佳(環3・大阪桐蔭)→78分 松木里緒(環4・常盤木学園)

MF 工藤真子(総4・日テレ・メニーナ)©

MF 高橋佳里(総1・常盤木学園)

MF ブラフ フェイ(文1・スフィーダ世田谷FCユース)→85分 庄司夏穂(総4・聖和学園)

MF 佐藤幸恵(総3・十文字)

FW 小川愛(総3・神村学園)

FW 鈴木紗理(総3・十文字)

FW 山本華乃(理3・横須賀シーガルズ)

 

今節もメンバーは変わらず

前節、一時は相手を圧倒しながらも敗戦した慶大。その反省から「決められるところで決めきる」(山本)と意気込み、前期第5節・国士舘大戦に臨んだ。メンバー及びシステムは第2節から三戦連続で変更はなく、新一年生の高橋佳里(総1・常盤木学園)、ブラフ フェイ(文1・スフィーダ世田谷FCユース)が第1節からコンスタントに出場機会を得ている。

19分 転倒した奥本は左肩を引っ張られているが、ゴールが認められた

試合開始時刻の11時には小雨に変わり、比較的多く集まった両軍の観客に見守られながら勝負の90分が始まった。立ち上がり、慶大は思うように前進ができない時間が続く。それでも12分に、昨季までより攻撃的なポジションでプレーする小川愛(総3・神村学園)が、ピッチ中央からドリブルで運んでゴールを狙う。しかし19分、左CKのこぼれ球で混戦となり、最後はゴールに押し込まれる形で失点。この時、クリアを試みた奥本くるみ(環4・浦和レッズレディースユース)は相手選手に倒されていたが、ホイッスルは鳴らなかった。

 

同点ゴールに喜ぶ5人(左から熊谷・小川・高橋・ブラフ・工藤)

慶大はネガティブトランジションの際、攻撃時に高い位置を取るWBの後ろ、3CBの脇のスペースに早いタイミングで走りこまれ、サイドからピンチを迎える場面が散見された。20分を過ぎた頃から激しい雨に加えて雷鳴が聞こえるようになり、32分には試合が一時中断。しばらくすると天候は急激に回復し、試合は再開された。中断明けから安定してボールを持てるようになった慶大は、37分に同点に追いつく。鈴木紗理(総3・十文字)が右サイドから放ったシュートはGKに阻まれる。しかし、そのこぼれ球からブラフが左巻きの華麗なミドルシュートでネットを揺らした。「逆サイドにある時も最後は自分が詰められれば」と語るブラフは関東リーグ2得点目。晴れ間がのぞき、明るくなったピッチ上で仲間に祝福された。44分にも山本華乃(理3・横須賀シーガルズ)の落としから佐藤幸恵(総3・十文字)がゴールを脅かした。

49分、不用意なパスミスから失点

ハーフタイムでの選手交代は無し。後半開始直後の49分、最終ラインでプレスをはがす過程のミスから、そのまま勝ち越しゴールを許してしまった。去年も苦しんだこの失点パターンだが、今季は昨季の同時期に比べて明らかに精度が上がっており、自信を失わず今回のミスを引きずらない事が次節以降も大事と言えるだろう。1点ビハインドとなった慶大だがここから前節同様、立て続けにゴールに迫っていく。50分に工藤真子(総4・日テレ・メニーナ)が、その1分後には中央で細かくつないで最後は鈴木がシュートを放った。

強烈なシュートを放った途中出場の松木

更に58分、前節でも見られた鈴木から佐藤へのスルーパスからゴール前で山本が頭で合わせるシーンも作ったが、いずれもものに出来ず。73分にもスルーパスで抜け出した鈴木がGKと1対1になったが、決め切ることができなかった。前節は終盤、同点の状況で自らリズムを乱してしまった慶大だったが、ビハインドの今節は勢いを失わず更にゴールに迫る。87分、代わったばかりの庄司夏穂(総4・聖和学園)がオンサイドで上手く抜け出したが、オフサイドの判定。オフサイドポジションにいた山本は一切プレーに関与しておらず、非常に不可解な判定に対して慶大側の観客席からは怒号が飛んだ。89分には同じく代わったばかりの松木里緒(環4・常盤木学園)がPA前から強烈なミドルシュートを打ったが、すんでのところで弾かれてしまった。慶大は、今節も多くのチャンスを決めきれないまま試合終了。1-2で敗れた。

慶大側観客席に向かって連敗脱出を誓う工藤

試合後に伊藤洋平監督は「結果がついてきておらず、自分たちを肯定できなくて悔しい」と語ったように、二戦連続で必ずしも内容通りとは言えない結果となってしまった。直近2試合は合計で23本のシュートを放ちながらも2得点止まり。23本のシュートシーンを作れているとポジティブに考えれば攻撃の形ができていると評価できるが、「崩せてはいるけど」(ブラフ)最後の部分で決め切ることができていない状況だ。また、加えて課題を挙げるとすれば、被カウンター時に即時奪回が叶わなかった際、ボランチの二枚や両WBの戻りが間に合わず簡単にゴール前まで運ばれてしまうことがある点。次節までは一週間以上期間が空くので、これらの課題を修正してくるのではないかと思われる。連敗脱出に向けて次節の相手は、関東リーグ及び大学リーグの直近三試合で全勝と”お得意様”の武蔵丘短期大学。2017年以降負けなしの相手から勝ち点3を奪い、上位進出をうかがっていきたい。

(記事:柴田航太郎 写真:藤澤薫)

 試合中の写真(121枚)はこちら

 

以下、試合後のコメント

伊藤洋平監督

――連敗となりました
やってることは正しいと思ってますし、結果がついてきてないので、自分たちを肯定出来てないのがすごく悔しいです。

――前節、今節と攻撃の形が見えてきた
そうですね。オフェンスはいいんですけど、やっぱりゴール前にかける人数ですとか、そっから相手のクリアに対する後ろのリスクマネジメントとか、そういったところが課題になってくるので攻撃に問題があるのか守備に問題があるのかというのを、しっかり分析したいと思います。

――攻撃サイドの逆のWBが空くシーンが多い今季。監督が常々仰るポジションを認知させることが大事なのでは
ボールホルダーやその周辺の人に認識されていないと全く価値はないと思ってるので、そこのコミュニケーションですね。すごくコストの低い課題だと思うので、すぐに取り組まなければならないと思います。

――連敗脱出に向けて
本当にこの時期は色々チャレンジしなきゃいけない時期ではあるんですけども、結果っていうのを出していかないと自分たちを肯定出来ないですし、このステージも維持しなきゃいけないので、もう1回勝つ11対11の勝負だって言う所を意識して日々の練習を厳しくやっていきたいと思います。

 

ブラフ・フェイ(文1・スフィーダ世田谷FCユース)

 

 

――試合を振り返って
自分たちのミスから失点してしまったので、すごい勿体ない試合にしてしまったと思います。

――攻撃面での手応えは
崩せてはいるけど決めきれていないので、点決めないと勝てないのでそこが課題だと思います。

――ご自身は2得点目を挙げられた
負けている状況だったので、とりあえず同点に追いつかなきゃ行けない状態だったので打ちました。

――右サイド中心の攻撃から、ブラフ選手がフリーになるシーンも多い
逆サイドにある時も味方が自分に気づくようにボールを呼んで、そっから最後に自分が詰めれればと思っています。

――次節に向けて
そろそろ負けの流れを取り返さなきゃいけないと思うので、絶対に勝って上の順位を目指していきたいと思います。

 

関東リーグこれまでの戦いはこちらからご覧ください


タイトルとURLをコピーしました