ついに明後日11月24日(日)に第93回早慶ホッケー定期戦が開催される。先日の秋季リーグ3−4位決定戦では、惜しくも早大に敗戦。また、定期戦においても過去5年連続で勝利を逃している慶大にとって、今年の早慶戦はリベンジの意味が強い試合になるだろう。今回は、そんな早慶戦をもって引退となる4年生6名(塚本×吉川×勝又×竹内×八木×渡邊)に、後輩への想い、早慶戦への意気込みを熱く語ってもらった。
(このインタビューは2019年11月22日に行われました。)
──まずは右隣の方を簡単に紹介してください
(勝又→塚本)チームの頼れるキャプテンで、しゃべりは下手くそですけど、チームをまとめる力はピカイチだと思っています。
(塚本→吉川)副将の吉川です。彼は僕以上にチームをよくまとめていて、この1年間チームを引っ張ってくれていました。
勝又:(内容が)被っちゃったよ(笑)。
吉川:実は裏でまとめてるみたいな(笑)。
(吉川→渡邊)渡邊磨理央です。彼は大学からホッケーを始めているんですが、練習もしっかり取り組んで、(力を)抜くところがない、一番真面目にホッケーに向き合っている選手なんじゃないかなと思います。そういう意味では、本当にチームがまとまるので、まとめる力も素晴らしいんじゃないかなと(笑)。
(渡邊→竹内)竹内佑太です。今まで3年間はDFをやっていたんですけど、今年からFWに転向したにも関わらず、チーム最多得点を生み出している慶應1のストライカーなので、素晴らしい選手だと思います。
(竹内→勝又)勝又大介です。主務としてチームの裏方の仕事をやってくれている一方で、一番遅くまで残って筋トレなど練習をしていて、後輩からの人望が一番あるんじゃないかなと思う奴です。可愛い見た目だけど、これで4年生です。
吉川:これで4年生(笑)。
(塚本→八木)一見ひょうひょうとしているんですけど、うちに秘めたハートは熱いです。ホッケーを真剣に取り組んでいる姿は印象的で、そういうところは後輩を惹きつけるんじゃないかなと思います。
──一緒にプレーをして4年が経ちますが、当初の印象と何か変わりましたか
竹内:一番変わったのは(塚本)大吾なんじゃないですかね。最初は初心者からスタートして、3年の早い時から試合に出るくらい技術面も成長していますし、4年生ではキャプテンになったので、チームのまとめ役と言いますか、自分のことだけでなくてチームのことにも気をくばるようになったと感じますね。
塚本:3年生までは自分のためにホッケーをやっていたし、どうしたら自分が試合に出られるようになるかを考えて練習していたんですけど、4年になってからはチームのことを広く考える機会が増えました。
──他の方はあまり変わっていないですか
竹内:(みんな)変わってないっちゃ変わってないんですが…。
渡邊:強いて言えば勝又ですね。
竹内:たしかに。勝又は、僕と一緒で筋トレが好きで、一緒に筋トレをしているんですけど、1年生の時の勝又はもっと体が小さくて、見た目もフィジカルも弱いかなという感じでした。でも4年間筋トレをやっていく中で、体幹もしっかりしてきましたし、4年生として身体の面も、また主務もこなされているので精神的な面もしっかり成長しているなと感じます。
勝又:めちゃくちゃ恥かしいな(笑)。
──大学始めのお二人(塚本主将・渡邊選手)が慶大ホッケー部に入部したきっかけは
渡邊:高校まではボート部に所属していたんですけど、大学は(新しい)スポーツに挑戦できる最後の機会だと思ったので、今までやってこなかった球技に挑戦してみたいなと思いました。きっかけとしては、自分の友人にホッケーをやっていらっしゃる方がいたということと、実際に(ホッケーを)観に行って、球のスピード感や広いフィールドの使い方だったり、他の球技にはないところに惹かれて入りました。
塚本:僕は試合に出たいなと思っていたからです。高校までサッカーをやっていたんですが、試合に出ることはできなくて。なので大学でサッカーは諦めたんですけど、何かチームで試合に出て、チームとしての勝利を勝ち取れるようなことをしたいなと思っていました。きっかけは、たまたま高校のサッカーと大学のホッケーのグラウンドが隣で、ホッケーを観る機会が多く、観ていてすごく面白そうだなと思っていたのでホッケーを始めました。
──高校以前から競技を始めたほかの4名の方(吉川副将・勝又選手・竹内選手・八木選手)のきっかけは
勝又:中学の先輩がホッケー部で、見学に行った時に声をかけてもらったことがきっかけで始めました。あと、僕は中学の時テニス部だったんですけど、高校のテニス部が強くて、その中では活躍できないなと思ってホッケーを始めました。
八木:僕は中学まではバスケをやっていて、ホッケーのことは知らなかったんですけど、バスケ部を見たら、朝練があって、僕は家が遠いので行けないなと思ったことと、運動部で初心者でも活躍できるスポーツの中で一番面白そうなのがホッケーだったということがあります。あと、(ホッケー部は)先輩がたくさん教えてくれるので、良い文化だなと思ったのもきっかけでした。
竹内:高校から始めました。僕も一番大きかったのは、初心者からみんな横一線でスタートしている部活というところがいいなと思ったことです。その中でも(ホッケー部は)インターハイベスト8以上に行くとか高い目標を立てていて、他の部活だとインターハイに出ること自体がそれほどある経験ではないため、ホッケーには可能性があるなと思って入りました。
吉川:僕の父が地元チームのホッケーの監督をしていた影響で始めました。
──吉川選手が初めてホッケーに触れたのはいつですか
吉川:多分4歳とか3歳とかです。
──ここからはこれまでの試合などについて振り返っていただきます。まず10月に行われたインカレは準々決勝での敗退となりましたが、振り返るといかがですか
塚本:インカレベスト4を目標にずっと練習して来て、立命館を倒すことを目標にやって来ました。立命館はとても強い学校で、近年、練習試合でも歯が立たなかったんですけど、結果は1−2で1点差と惜しかったですし、内容でもチャンスの数も同じくらい作れていた試合だったので、勝ちたかったですが、チームとしての1年間の成長は感じられたのかなと思います。
竹内:ロッカールームで泣いている選手もいて、そういう試合が今年に入ってから初めてで、勝てそうだっただけに、本当に悔しい試合だったなという印象です。
吉川:メンバーみんな必死に頑張ったからこそだと思います。
──先日、秋季リーグを4位に終えましたが、振り返るといかがですか
塚本:結果として連敗となってしまいましたね。
渡邊:そういう会話形式で行く?
一同:(笑い)
竹内:久しぶりの上位でしたね。(吉川)大地が結構言っていたけど、自信はあったと思う中での4位というのは、惜しい試合もあったし、最後の一歩が及ばなかったかなと思います。
吉川:慶應のホッケーチームとして4位は久しぶりで、結果としても悪くないんですけど、今年は練習試合やインカレでいい試合をして来て、強いところにも勝ってきて、自信ががあった中で4位になってしまったという認識の方がみんな強くあります。それだけチームが強くなっているということなので、それはよかったかなと自分の中では思っています。
塚本:近年としては4位という成績は悪くはないんだけど、自分たちの実力を考えたら物足りないというのはみんな感じていると思います。
──正直どこまで行けたと思いますか
竹内:正直、優勝です!
渡邊:戦える力はあったよね。
──リーグ最終戦での早大戦のあと、チームでどんなお話をされましたか
竹内:割とポジティブでした。負けたから次の早慶戦も負けるかも、みたいなのはなくて、あと一回あって良かったなと思いました。
渡邊:みんなまだまだあの試合は行けたもんね。
──早大を倒すためにどんな対策をしますか
吉川:新しいことをやるというか、この1年間いろんな引き出しを身につけてきたので、その組み合わせを変えてみたり、もう1回ここだけは押さえようというポイントをミーティングで話し合っています。
竹内:良い意味で相手の実力がわかったし、どういう攻め方をしてくるのかもわかったので、僕たちもそれに対して次は結果を出そうという感じです。
──今年全体を振り返ってみて、後輩の印象は
八木:普段はBチームでやることが多く、たまに僕もAチームでやる機会もあったので、AチームとBチームの強さの具合を観てきたんですが、あんまり実力差はないと思いますし、(Bチームは)若い選手が多いので、来年以降Aチームに上がってこれるような選手もいると思っていて、後輩には来年以降もちゃんと練習していって欲しいなと思います。あと、Bチームの選手はメンタル的には自信のない選手も多いのかなと思うので、そこは遠慮せずにAチームの選手にもガツガツやって欲しいと思いますし、チームの中でも、プレーだったり、ミーティングにも積極的に参加するとか、存在感を高めていける選手がBチームから出たら僕としても嬉しいかなと思います。
渡邊:下級生にも各学年1人か2人、初心者がいるんですけど、3年生の初心者の選手が最近、塚本のようにめきめきと上達していまして、Aチームに入ったりやBチームに入ったりという機会も多いです。そういった初心者の選手がAチームに入ることによって、同学年のBチームの子が「あいつやるな、悔しいな」となり、Aチームの子は「俺もうかうかしてられない」と、良い意味での競争心が生まれていて、初心者と経験者が良いバランスで競争しあえていると感じます。
──来年、最上級生となる3年生はどんな学年ですか
竹内:活気がある!人数も多いですけど、チームの雰囲気を作るメンバーも多いです。来年のチームの雰囲気も明るい感じになるのかなと思ってます。
塚本:俺らはどちらかというとおとなしめだよね。
吉川:(3年生は)ホッケーに対して真面目な子の多い学年だと思います。ただの仲良しではなくて、ホッケーに対してどうやったら勝てるのかを考えて意見を交わし合っているところをよく見るので、そういう力がすごくあって有望だなと感じる代です。
──後輩に来年以降、部に関して期待していることはありますか
竹内:やっぱり優勝して欲しいかな。今試合に出ているメンバーも多くて、実力は高いので、僕たちが悔しさを残してしまった春秋リーグで優勝してほしいですし、来年応援に行こうと思ってます。
勝又:楽しくホッケーをしてほしいですね。
竹内:俺らが楽しくないみたいじゃん(笑)。
勝又:僕は4年間やってきて、この代の練習が一番楽しかったんですけど、それを上回るような楽しい部活にしてほしいなと思います。
──では、4年生のみなさんがこの1年間心がけたことはありますか
渡邊:(吉川)大地がビデオ作ってくれたのは?時間の効率が上がったよね。
吉川:あ〜時間の無駄をなくす、ですかね。僕が考えたのは、練習時間は絶対3時間以内というものです。これは、集中力、体力的、そして選手のモチベーションの問題で、3時間以内に終わるよう練習を組んでいました。
──少しだけプライベートのお話も伺います。4年生はプライベートで関わりはありますか
渡邊:まあ、あるよね(笑)。
一同:(笑い)
渡邊:学部が同じだと、試験期間中とかに、映画へ行ったり遊びに行きます。
竹内:仲良いよね〜、俺たち。
──一緒に過ごす際は、何をしますか
竹内:割としょうもない話…。
一同:(笑い)
竹内:午前中を練習して、その後同期とご飯を食べることは多いですね。趣味の話とか。たとえばサッカーの話、応援してるチームの話、アーティストやテレビなどどちらかというとホッケーから離れたフランクな話を、普通の友達として話しています。
──ストレス解消法は
渡邊:筋トレは?
勝又:別にストレス解消にならない(笑)。
渡邊:やったあとの達成感でストレス解消になるよ。
竹内:義務感としてやってるから(笑)
渡邊:筋トレが終わって、義務感から開放されたときの達成感でストレスが消えます。
竹内:すごいわ。
渡邊:でもやっぱ、同期とお昼ご飯食べながら話すことじゃない?ホッケー終わった後で、切り替えてわいわい話すことが一番のストレス解消法ですね〜。
──ここからは早慶戦についてお伺いします。過去の早慶戦関連で印象に残っていることはありますか
勝又:俺らが作ったPVがよかったな。
一同:あ〜。
竹内:早慶戦の前日に、後輩がモチベーションビデオを作って、先輩と一緒に観るという伝統があって、僕らが2年生の時に作って見てもらったものは、みんなで割と考えて作ったので、結構好評でした。
渡邊:半分は俺が作った。
吉川:もう半分は俺が作ったよ。
渡邊:その当時の4年生の方に、すごくよかったのでデータが欲しいと言われたので、作ってよかったなです。
竹内:あれは、4年生の思いを出す場だと思うので、熱を入れて作って、4年生のためになってよかったな。
塚本:その時1年の子が泣いてたね(笑)。
竹内:トイレで泣いてる子がいました。今年はどんなビデオが観られるか楽しみです。
勝又:泣かしてくれるだろうなと期待してます。
──昨年の早慶戦は、2−2で同点に終わりましたが、振り返るといかがですか
塚本:去年は1年間通してあまり結果が出ていなかった中で、早慶戦も相手に先制されてから取り返して同点に持って行ったのは、チームとして、そして4年生最後の意地が試合に出たなと思います。
吉川:気持ちが高ぶってたなと試合に出ていて思いました。
竹内:外からもそうでしたね。各々やっぱり思うところはある試合なのかなというのはあって、4年生は引退試合で、どれだけのものを懸けているかというのは間近に見ていましたし、本当に勝ちたいという熱意はベンチにいてもすごく伝わってきたので、来年絶対勝ってやろうと思いました。早慶戦には、1年を頑張るためのエネルギーがあるのかなと思います。
──今年が最後の早慶戦ですがそれまではどう過ごされますか
吉川:僕は選手みんなが気持ちよく試合に臨めるように調整をひたすら頑張りたいなと思っています。自信を持ってこれで行くんだという思いで、試合に臨めるようにミーティングからしっかり声を掛けていきます。
渡邊:勝った時の喜びをどう表現するかを考えておくとか、試合に出て活躍した時にどうパフォーマンスするかとか、わくわく気味に考えてます。引退をどう迎えようかなと、期待半分不安半分に考えています。
──引退したら何がしたいですか
渡邊:勝又のがあるじゃん(笑)。
一同:(笑い)
勝又:八木と日本を自転車で縦断しようと思ってます。
八木:嘘です。
一同:嘘じゃない!
勝又:大1の頃から、引退したら日本縦断しようと約束してました。
──八木選手はあまり乗り気でなさそうですが
八木:はい。あ、でも行く時になったら行きます。
竹内:約束しちゃったもんね(笑)。
──今年の早大の怖いところは
吉川:行き当たりばったりでもガツガツドリブルをしてくるところですかね。僕は彼ら(早大)の中の4人くらいは小学生から一緒に(ホッケーを)やっていて、細かいドリブル練習をずっと一緒にやってきましたし、そういうところに強い選手がいるので、そこは怖いところではありますね。
竹内:技術的なところでないところだと、ひょうきんな人が多いですね。
八木:ノリがいい。
竹内:試合に乗らせると良くないですね。ノリが良くて、こちらとは対照的なチームなので。
吉川:こっちがノリ悪いみたいな(笑)。
一同:(笑い)
竹内:常日頃からそういう選手が多いので、試合に乗ってきた時の怖さはありますね。
──早慶戦で見て欲しいところは
竹内:FW陣はやっぱり、点を取っている自分を見て欲しいですね。点を取って、観客が盛り上がっている瞬間は気持ちがいいので、それを一番大きいこの早慶戦で感じたいです。
八木:早慶戦は1年間で唯一、チームメイト全員がベンチに入る試合なので、そこでしっかりとチームが一丸となって試合を見守って、応援するところが早慶戦の醍醐味だと思います。
竹内:1年間の中で、ベンチの盛り上がりは一番すごいよね。
──改めて、最後に早慶戦に向けて意気込みをお願いいたします
八木:4年間で一度も勝っていないので、最後ぐらいは勝ちたいなというのはあります。勝ち負け以外にも大事なところはあるんですけど、ここで勝てば次の年にもつながるし、後輩の印象に残って気分良く終わるので、最後ぐらいは勝ちたいです。
勝又:大学生活4年間の中で、ほとんどの時間を占めていたのがホッケーする時間だったので、4年間の生活に悔いが残らないような試合にしたいなと思いますし、できれば勝ちたいです。
塚本:勝つっていうところと楽しみたいというところの2つの気持ちがあります。体育会を4年間やってきた上で、結果がすべてだと僕自身は思っていて、さっき八木も言ったんですけど、この1年間を締めくくるにあたって、良い試合をしても負けたら「負けた」という印象の方が残ってしまうので、勝ちたいなと思います。楽しむっていうところは、ホッケーを始めた頃の気持ちを思い出すじゃないですけど、人生最後の真剣勝負の試合になると思うので、本当にホッケーを楽しみたいなと思います。
吉川:ほぼ毎日ホッケーの練習をして試合に臨むというのは最後になりますし、個人的には16年間やってきたことの最後の試合になるので、自分の中ではそれをすべて出し切りたいなと思います。技術面もチームをまとめる面でも、試合を動かす人になる、それが僕の早慶戦への意気込みです。試合の結果としては、勝つだけなく、圧勝したいと思っています。
渡邊:私は大学から(ホッケーを)始めたのですが、試合に出れなくて苦しい思いをしていて、ボートを続けた方がいいのではないのかとマイナスな気持ちを持つ時期もあったので、そういった時期の気持ちまで吹き飛ばせるように、最後は全てやりきって、ホッケー部に入ってよかったな、4年間頑張ってやってきてよかったなという思いで最後を締めくくりたいと思います。
竹内:勝ちたいというが一番大きいので、勝つことに全てを注ぎたいなと思っています。それは、プレーもそうだし、後輩に対しても、なにかできるのは最後になるので、後輩のためにも自分のプレーで魅せたいなという思いが強いので、そういう思いで早慶戦を頑張りたいなと思います。
──お忙しい中、ありがとうございました!
(取材:津田侑奈/写真:國本葉月)
《早慶ホッケー定期戦》
11月24日(土) 現役女子戦 13時15分試合開始
現役男子戦 14時50分試合開始
@駒沢オリンピック公園総合運動場第一球技場
◆プロフィール
塚本大吾(つかもと・だいご)
主将。法学部法律学科4年。神奈川・慶應義塾高校出身。
吉川大地(よしかわ・だいち)
副将。法学部政治学科4年。神奈川・慶應義塾高校出身。
勝又大介(かつまた・だいすけ)
主務。法学部法律学科4年。神奈川・慶應義塾高校出身。
竹内佑太(たけうち・ゆうた)
法学部政治学科4年。神奈川・慶應義塾高校出身。
八木悠太(やぎ・ゆうた)
法学部政治学科4年。神奈川・慶應義塾高校出身。
渡邊磨理央(わたなべ・まりお)
法学部法律学科4年。神奈川・慶應義塾高校出身。