ついに明日、慶大ナインが第70回全日本大学野球選手権の初戦を迎える。本記事では34年ぶりの優勝を目指して大会に臨む慶大を中心に、大会の注目ポイントを特集する。
①チームを勢いづける新戦力!
慶大のベンチ入りメンバーがリーグ戦から変更。フレッシュトーナメントで活躍を見せた栗林泰三(環2・桐蔭学園)、森下祐樹(総2・米子東)がメンバー入りを果たした。DH制が採用される今大会、打撃が持ち味の栗林はスタメンで起用される可能性も考えられる。大会のラッキーボーイになれるか注目だ。森下は高校時代に2度の甲子園出場を果たすなど、全国の舞台での経験が豊富。ブルペンに頼もしい左腕が加わった。
②慶大監督就任後初めて全国の舞台へ
慶大をまとめ上げる堀井哲也監督は慶大監督としては初めての全国の舞台だが、三菱自動車岡崎、JR東日本の監督として全国の舞台を数多く経験している。今大会について「細かく積み上げて行くというよりも学生の気質、勢いや若い力を重視していこうと思います」と意気込みを語った。百戦錬磨の名将の社会人時代とは一味違った采配が見られるかもしれない。
③キーマンはエースと4番
堀井監督は今大会のキーマンにエース・森田晃介(商4・慶應)と4番・正木智也(政4・慶應)の名を挙げた。森田は大崩れすることのない安定感が持ち味であり、負けたら終わりのトーナメント戦において非常に頼りになる存在だ。正木は今季リーグトップの4本塁打12打点を記録するなど、勝負強い打撃が持ち味。チームを勝利へ導く一振りに期待がかかる。また、2019年の明治神宮大会に出場しており、全国の舞台での経験はチームとってプラスとなるだろう。投打の主力が慣れ親しんだ神宮の地で躍動する。
④今大会注目の選手たち!
全国の強豪が集まる今大会。慶大に立ちはだかるかもしれない注目選手を取り上げる。投手の注目は関西学院大学の黒原拓未(4年、智弁和歌山)だ。150キロを超える速球を武器にリーグ戦11試合中8試合に登板し5勝、防御率0.88を記録。最優秀投手、最優秀投手、ベストナインに選ばれた。慶大、関学大がそれぞれ勝ち上がると3回戦でぶつかることとなる。
野手の注目は、戦国東都を勝ち抜いた國學院大学の主砲・山本ダンテ武蔵(4年、大阪桐蔭)だ。昨季まで通算1本塁打だったが今季ついに覚醒。5本塁打17打点で二冠王に輝き、MVPにも選ばれた。好打者揃いの國學大の中でも要注目な長距離砲だ。
⑤初戦の相手は今大会唯一の国立大
本日行われた1回戦の結果、初戦の相手が和歌山大に決定。今大会唯一の国立大であり、決して下馬評が高いとはいえなかった。しかし、初戦では150キロに迫る投手を複数枚擁する九産大を撃破。下馬評を覆す白星を挙げた。試合を通して目立ったのは、速球に振り負けない力強いスイング。甘い球を投げれば命取りとなる。延長タイブレークでサヨナラ勝ちと、最高の勝ち方で勢いに乗る和歌山大。決して硬くなることなく、平常心で迎え撃ちたい。
強豪がひしめく今大会だが、ハイレベルな東京六大学を制した慶大も優勝候補の一角だ。新チーム発足時に掲げた「日本一」まで、あと4勝。春最後の戦いが始まる。
(記事:國本 葉月)