【ホッケー(女子)】早慶ホッケー定期戦直前企画!佐藤主将×萩原副将×谷水主務対談

女子ホッケー

11月21日(日)、駒沢オリンピック公園にて早慶ホッケー定期戦が開催される。勝てば15年ぶりの定期戦勝利。毎試合接戦となる宿敵、早稲田との一戦には今年も目が離せない。今回は早慶戦直前企画としてチームの中核を担う主将・佐藤玲(商4・成蹊)選手、副将・萩原和夏(商4・横浜雙葉)選手、主務・谷水理子(経4・慶應女子)選手の3人にお話を伺った。

左から萩原副将、佐藤主将、谷水主務。4年間を過ごした下田ホッケー場を背景に。

――まずは隣の方の紹介をお願いします

佐藤萩原:和夏は同期の中でも一番冷静ですね。常に冷静に物事が判断できるのは強みなのかなと思います。その面もありながらふざけるところはふざけられるというバランスがいいなと思います。

 

萩原谷水:理子は、すごくしっかりしているという一言に尽きます。主務としての仕事をこなすのはもちろんなのですが、それ以外のプラスアルファのことまで当たり前のようにやっていて、私たちでは気づかないこともいつも気づいてくれるので、プライベートでも部活のことでも頼りにしています。

 

谷水佐藤:本当に部の中でもホッケーへの熱量が一番ありますね。この代で主将を決めるときも、みんな玲しかいないと思えるくらい頼れるので、ホッケーのスキルもそうですし、みんなを引っ張っていく主将としての大きな背中というのは同じ学年からみても尊敬できます。すごいフレンドリーで、学年の壁をいい意味で壊してくれて風通しの良いチームを作ってくれているなと思いますね。

 

佐藤:嬉しいですね。

互いの印象を語り合う3人

 

「下級生の成長を感じられたシーズンだった」(谷水)

 

――今シーズンを振り返っていかがですか

佐藤:はっきり言って苦しい時間が長かったなと思っています。うまくいかないことのほうが春より多くて、イレギュラーなことばかりが続くこともありました。チーム全体として人数が少ないという中でスタメンであった2年生のMFの子が大きなけがで離脱というところもあり、かつ同期も来れない時期があるなど難しい時期がリーグ戦中も続いていたのでそこは苦しかったですね。

 

萩原:チームとして春に比べて攻めにフォーカスを置いている中で自分がどういう風に貢献できるのか考えたシーズンだったかなと思っています。後輩が中心になって戦ってくれているチームなので、その後輩を活かすプレー、後輩が攻めやすい環境を試合中にコートで作るということを考えながらやっていました。それが5位という結果だったんですが順位が下のチームに勝ち切るといったところで表れたのはチームとして成長を感じたし、後輩がすごく頑張ってくれてうれしかったという思いがありますね。

 

谷水:さっき主将も言っていたのですが私も同期の中で来られない人が何人かいるという中の一人で、一時期体調を崩してこられない日がありました。リーグ戦の途中からチームに復帰したんですけれどもそこで一番感じたのが、後輩たちが成長したなというところです。これまであまりプレーに関して口出しをあまりできなかった子たちが主体的に戦術を考えていたり、自分たちがチームの一員だという意識をもって練習に取り組んでいるなというのが数か月空いた後の自分からみた印象でした。その結果として、例えば上智戦ではFWのスタメンだった3年生の子たちが全員得点しているのを見て攻撃力が足りないといわれていたチームの中で5得点できたのはその子たちの成長が大きいのかなと感じています。下級生の成長を感じられたシーズンだったなと思いますね。

 

――副将の役割、意識していたことは

萩原:主将が言動やプレーで引っ張ってくれるので、それをサポートしつつ、下級生がついていけないということがないように下級生にしっかり目を向けようということは意識していました。一方でやっぱり玲は主将であると同時に試合中は役割も多いポジションなので孤立や、重荷を感じすぎないようにしようと考えていました。

 

――どんな副将ですか

佐藤:私自身背中で引っ張るタイプかなと思っているのでたまに突っ走ってしまうところがあると思うんですけど、そういう時にチームの底上げであるとか下級生のカバーというところをやってくれましたね。すごい信頼しているのでいいコンビネーションが組めたのかなと思っています。

チームの要、萩原副将

――主務の役割、意識していたことは

谷水:主務は、部内と部外で役割があって、まず部内では主にスケジュール管理や遠征、試合の手続きをしていました。部外では体育会本部とのやり取りであったりOB会とのつながりのお仕事をしていました。今まではプレイヤーではなくマネージャーが主務をしていることが多かったんですけど、この代は最初マネージャーがいなかったというのもあって私がやることになったので、選手目線で練習を組むなどプレイヤーにあった目線でできたのかなと思います。

 

――どんな存在でしょうか

萩原:私的には歴代の中でもトップクラスに仕事ができるんじゃないかと思ってます。本当にやることもいっぱいあってプレイヤーと兼任するとなると割く時間とかも難しかったと思うんですがそれを私たちに見せるわけでもなく私たちにはホッケーに専念させてくれたのでそうしたサポートを当たり前のようにやってくれたこと、尊敬しています。

チームを支える谷水主務

――春のシーズンから秋に向けて、どのような準備をしましたか

佐藤:守備力よりは攻撃力の部分を強化したいというところがチームとしての課題だったので全体として強化していこうというのは後輩にも伝えていましたし、そこは夏の一か月間かけて練習に取り入れてチームとして取り組んできました。ただ、経験も浅いチームだったので攻撃の強化は苦労しましたし、まだまだこれからも改善していきたいです。

 

――今シーズン印象に残っている試合は

佐藤:なんだろうなぁ。私は春の早稲田戦で勝ち切れたことがうれしかったです。正直不安のほうが多い中で試合に臨んでいたので勝ったのは大きかったですね。今から思えば勝算も少ない中で勝てたのは奇跡に近いのかなと思ってるので、印象に残っているのはそれと…農大戦とか王座もあるね。

 

萩原:そうだね、春の早稲田戦も大きかったですけど王座とインカレで同じ中京大学と戦ったというところで、試合内容がその2つで全然違ったというのが印象に残ってます。

 

谷水:2人が言った試合も印象に残ってるんですけど、あえて秋の早稲田戦を挙げたいですね。結果は引き分けで得失点差で下位に決まってしまった試合なんですけど、1点を追う気合というものが全員に表れてたのかなと思って。最後、1つ下の後輩が決めきってくれたんですけど、その時に決めきりたいという気持ちをその選手だけではなくてコートの選手もそうですし、ベンチもすごく感じていたのでとても印象に残ってます。

 

萩原:確かに。

 

佐藤:確かにそれだわ(笑)。

 

――シーズンの中で得点力も向上するなど成長が見られました

佐藤:さっき和夏が言ってたんですけど一番感じられたのは中京戦のところです。結果的には0-3という形ではあって実力的にはそれくらいの差があったと思ってはいます。ただ強いチームと上手いチームは全然違うと思っていて、私たちが目指しているのは強いチーム、というところなのでそこが現れた試合が中京戦かなと思っています。リーグ戦でも攻撃面では成果が出てよかったんですけどもっと上も行けたかなと思っているので中京戦のが、中身のいい試合だったかなと思っています。

チームを率いる佐藤主将

 

「ホッケーを選んだ自分を褒めたい(笑)」(佐藤)

 

――ホッケー部に入ったきっかけはなんですか

佐藤:ちょうど前に話したね(笑)。私は今まで中高6年間はテニスをやっていたんですけど、どんなに強くなってもこの相手は難しいと思う相手が出てくると、個人競技だと本当に勝てないと壁を感じたのでチームスポーツを大学ではやってみたいと思ってホッケー部に入部しました。1対1では勝てない相手でも1対2とできるのがチームスポーツのいいところかなと思ったのでそれが実感できてよかったなと思います。

 

萩原:私は中高バレーボールをしていて、やるならやっぱりチームスポーツがいいなと思って色々見ていたんですけれど、体験などを通してホッケーに触れてみて体験ですら面白かったというのと、(部員が)ほとんど初心者というのをその時知って初心者なのに1部で戦っているチームというのが自分が4年間で成長できると思ったので選びました。

 

谷水:私も中高バレーボールをしていて、チームスポーツを続けたいという思いを持っていました。最後の大学生活何か新しいことに挑戦したいという思いがあって、知り合いがいたということと体験会に足を運ぶ機会があってそこで部の雰囲気を見て入部を決めました。あとは同じスタートラインで始められるというところがホッケー部にはあったのでそこで決めました。

 

――どんな4年間でしたか

谷水:一言では言い表しにくくてなかなか大変な時期のほうが多かったかなと思っているんですけど、実際プレー面でも私はなかなか試合に出る機会がなくて苦しい思いをした時期がありました。ただそれ以上にチーム全体で勝ちを目指すというところで自分は下級生とコミュニケーションをとったり、成長を見られたりという機会も多かったので1年生から4年生まで一体となったチームを感じられたのはよかったなと思っています。

 

萩原:私も楽しいこともあったけれど、苦しいことや大変なことが4年間通してみると多かったなと思います。慶應のホッケー部に在籍していることの重みや責任をすごく感じたんですけど、その一方でそういう組織だからこそ周りの人に支えられていること、先輩、同期、後輩という周りの人に支えられているんだというのを実感することができたので周りの人への感謝を感じることができた4年間だったと思います。

 

佐藤:マイナースポーツなのでなかなか普段目にすることも聞くこともないという中で、私がこのスポーツを選んだ当時の自分を褒めたいくらいにホッケーに出会えてよかったなと思いますし、テニスと比べても何倍も楽しいので本当に良かったなと感じています。主将としての1年間は、うまくいかないことのほうが多かったんですけど勝った瞬間、点が入った瞬間、みんなで集まって喜んでいる瞬間とか、その一瞬のためにやっているのでつらいことはしょうがないと思っていました。この1年始まる前はつらいことが9割くらいかなと覚悟を決めてやっていたのでそこは結果という部分と、みんなと頑張った過程が大事だなとこの1年感じました。

 

「感謝の気持ちを伝えられるように勝ちたい」(萩原)

 

――早慶戦は3回経験してどのような印象ですか

谷水:他の公式試合とは違うなと感じていて、何かといわれると難しいんですけど、昨年度秋のリーグ戦早稲田にいい形で勝てたのに2か月後の早慶戦引き分けで終わってしまうという形になって。やはり独特の雰囲気と言いますか、お互い引退がかかっているというのもあると思うんですけどいい緊張感、特別なものがあるので他の試合とは違いますね。

 

萩原:私は1、2年生のころは観客席からみていて3年生で初めてコートに立ったんですけど思い返してみれば早慶戦での4年生のプレーしている姿というのは覚えていて、1年生の頃の4年生の姿も覚えていますし、去年も鮮明に覚えているのでそういう4年生の姿をしっかりと後輩に見てもらえるように見てもらいたいという思いがあります。

 

佐藤:やはり早慶戦は特別なものだなと思いますし、1年に一回しかなくて将来に戦績も残っていくものと思います。チームを振り返ってみて、リーグ戦で何位だったということは覚えている人は少ないと思うんですけど早慶戦の結果はみんな覚えているというくらいなので特別な試合だと思います。

 

――早慶戦への意気込みをお願いします

佐藤:昨年は後悔しか残っていません。昨年、ケガで出られない4年生がいたんですが私はその人を何とか出すために、というところでピッチに立っていました。ただ結局その人を出すことはできなくて。今でも悔しい気持ちがあるのでそこはリベンジして、勝ったよと伝えたいです。勝つだけですね。

 

萩原:勝つしかないと思っていますし、昨年から守備を強みとするチームを作ってくださった一個上の先輩や監督コーチ陣、今年一からチームを作ってくれたコーチの方々、後輩、同期に感謝の気持ちを伝えられるように勝ちたいなと思います。

 

谷水:純粋に勝ちたいという思いがあります。特に主務の仕事を通じてOBやOGの方々と関わる機会が多くて、すごい支えていただいた部分もありますし、今までお世話になった分も勝利ということで貢献したいと思うのでとにかく勝ちたいです。

 

――ありがとうございました!

 

(写真:國本葉月 取材:松田英人)

 

≪早慶ホッケー定期戦≫

11月21日(日)12:00試合開始 @駒沢オリンピック公園第1球技場

 

◆プロフィール

 

商学部4年 佐藤玲

主将。MF。商学部4年。東京・成蹊高校出身。

 

商学部4年 萩原和夏

副将。MF。商学部4年。神奈川・横浜雙葉高校出身。

 

経済学部4年 谷水理子

主務。MF。経済学部4年。神奈川・慶應義塾女子高校出身。

タイトルとURLをコピーしました