【バレーボール】春季リーグ開幕直前!主将・副将座談会~後編~

バレー企画

今年も「家族」のようなチームは健在だ

昨年の秋季リーグ戦で悲願の1部昇格を決めた慶大バレー部。今季からは強豪ぞろいの関東1部での戦いが始まる。今回は高倉真古都主将(商4・慶應)、降小雨副将(商4・慶應)、大槻晟己副将(総3・清風)らによる座談会を前編と後編でお届けします。後編ではリーグ戦に向けた意気込みをお聞きしました。ぜひご覧ください!

 

__主将・副将になると決まったときはどのような気持ちでしたか?

 

高倉 僕が主将になった経緯としては監督やOBの方からの推薦でやってくれという形だったので、本当に自分でいいのかな?とまず最初に思いました。11月末くらいにこれはもう決定事項だから、拒否権はないけど考えといて、って言われて(笑)。1週間くらい経って、ああもうこれはやるしかないんだなと思って、分かりましたやりますって言いました。そのときにはもう春1部で戦うことが決まっていたので、1部のチームを率いる主将かって感じで少し怖気づいたところはありました。今主将になって2カ月くらい経って、自分で言うのもあれなんですけど、そこまでやらかしてないなって。可もなく不可もなくだと思っています。これから僕が率いるチームのその「可」の部分っていうんですかね、そこを増やして、チーム高倉の色をもっと出して慶應の強みにしていきたいと思っています。なので就任当時の不安な気持ちというのは今はないです。

 

__新チームのスローガンはありますか?

高倉 新チームのスローガンは“All in”(オールイン)です。オールインって自分の持ち金を全て賭けて勝負するっていうポーカーとかギャンブルの用語なんですけど、僕らの持つ思いや技術、気力、根性など全てをかけて日々の練習や試合に臨もうという意味でこのスローガンにしました。それぞれがインする場所っていうのはポジションや場面ごとに違うと思うんですが、それぞれがそれぞれの持ち場で最大限のパフォーマンスを発揮するという思いも込めています。

 

__素敵なスローガンですね。全員で決めたんですか?

高倉 そうですね。これ決めるの結構大変で、まず部員ひとりひとりからバレー部や體育會で成し遂げたい目標を聞いて吸い上げて、それをもとに最終的には最上級生で話し合って決めました。みんながやりたいこと・目指したいものってなんだって考えたときに、全てのことに全力でやった結果、それぞれの目標が達成されるんじゃないかなと思います。

 

 僕も監督から言われて、最初は言われたからやるかという感じでした。でも就任してからは、言われたからやるだけではなくて、副将というのはさっき真古都が言ってた「可もなく不可もなく」の不可の部分を減らしていくことだと思うんですよ。そこって主将がカバーしきれないというか、主将も人間なので。可を増やしつつ不可も減らしていくってなると大変だと思うので、そこは役割分担が必要かなと思います。真古都が可もなく不可もなくって言ってくれて、可を増やしていく土台作りができていたのかなと思って嬉しかったです。 

大槻 僕も監督から言われてやることになりました。最初監督に呼ばれたときは怒られるのかなって思いました(笑)。僕入部した1年生のときにOBの方から体育会誌を読んで感想を提出しろって言われたことがあったんですよ。当時3年生で副将をされている方がいるのを知って、自分もそうなりたいと思って書いたんです。それを監督が読んでいて、自分で書いたからには責任をもってやってくれと伝えられてやることになりました。

 あれ読んでるのガチか。

高倉 え、星谷さんに言われたの?

大槻 はい。自分で書いてくれてたけど、って感じで言われました。

高倉 へぇ~知らなかった(笑)。

大槻 過去に自分がそう書いたので、慶應バレー部を強くできるように頑張ろうという気持ちです。

 

__主将・副主将になると決まってから何か3人でお話されたんですか?

 

高倉 3人で、っていうのはあまりないですね。役職こそあれど、メニューやチームの方針を決めるときも、この3人だけじゃなくて最上級生みんなで決めるという感じでやっています。僕があまり少人数で決めたくない人なので、みんなに意見を求めることが多いです。この3人で決めても他の人がどう思うかは分からないし、まず同期と晟己に投げて、話し合いをして決めています。

大槻 チーム内だとけっこうストイックな上層じゃないですか。

 君たちだけね、僕は違う。僕は体育館にいるときだけ(笑)。

大槻 いやいや降さんもですよ。だから僕らだけで決めちゃうとついてくる人いないんじゃないか問題がありますよね。

高倉 ほんとそれを1番危惧してる(笑)。またなんか役職だけでやってるよ、みたいな雰囲気になる組織ってあると思うんですよ。うちはどうなるか分からないですけど、本当にそうはしたくないです。

 

__小出主将のときもみんなで決めるっていうスタンスでしたよね。

 

高倉 あの人は自分のできないことは全部人に投げていましたね。僕が小出主将から聞いたのは、自分のできないことは無理してやる必要はない、ってことです。むしろ得意な人に投げた方が組織としてうまく回るんだからと言われました。僕あんまり話し合いを回すの自信があるわけではないので、降とか得意な人に投げるようにしています。それぞれが得意な場所で頑張れればいいのかなと思いますね。僕は練習に対する姿勢とかでチームを引っ張ろうと思っています。

 

__ほかに小出主将から引き継いでいきたいもの、また新たに始めていきたいことはありますか?

 

高倉 去年のスローガンでもある「家族」のようなチームというのは引き継いでいくというか、伝統にしていきたいと思っています。互いに無関心な組織というのは大事なところでボロが出ると思うし、その考えを否定する人は慶應にはいないと思うので、引き続きそういう雰囲気は浸透させていきたいと思います。新たに始めたいことか~。なんだろう。筋トレかな、筋トレです。え、それここで言う?(笑)

 いいじゃんいいじゃん、親しみやすくて。

高倉 半分ネタで、半分真剣です(笑)。トレーニングの意識の面で課題があるので、それってそれぞれの試合のパフォーマンスに影響すると思うので、まだチーム内で意見はまとまっていないんですけど、一つの指針を決めて頑張っていきたいところではあります。え、これ本当に載せて大丈夫?

降 大丈夫だって(笑)。

高倉 新たに始めていきたい取り組みはトレーニングシステムの構築とでも言っておきましょうか。

 

__ばっちり書かせていただきます。チャンピオンマッチでは優勝されましたが新チームをどう感じていますか。

 

 今年強いですよ、あえて言い切りますけど。今までの慶應って大きい選手を揃えて攻撃特化でオープンバレーみたいな感じだったんですよ、僕が1年生のときは特に。攻撃決まらなかったらサイドアウトとれないみたいな。で、相手の攻撃はブロックで止まらなかったら落ちるって感じで。去年チームの方向性がガラッと変わって、やっぱり勝ち上がるためにはレシーブだよね、ってなってリバウンドとかしっかり練習するようになりました。そうしたら結果も伴ってくるようになりました。今年は攻撃も守備もどっちも合わさっているなと感じていて、芳賀祐介(環2・札幌北)とか真古都を筆頭にレシーブも強化されていますし、このまま煮詰めていけば1部で上位を狙えるだけのポテンシャルはあるんじゃないかと思います。どうですか?(笑)

大槻 降さんのおっしゃる通り、すごく伸びそうなチームだなという感触があります。それはなんでかって言うと、身長のある選手が一定数いるってことと身長がなくても身体能力の高さや細かい技術がある選手が多いので良い意味でバランスがとれているなと思います。逆に今課題なのはちょっとまだ波があるというか。この前のチャンピオンマッチでも勝ったところに負けたりとか、負けたところに勝ったりとかがあったので、そういうムラをなくすために、オールインという意味でも全集中の常中を…。

 なに言ってんの(笑)。そのまま書いてくださいね?お願いします。

高倉 このままだと僕らなんも面白くない感じになっちゃうからさ(笑)。

大槻 全集中の常中をしておくことでリーグ戦の会場では慶應が領域展開できると思っています。

一同 (爆笑)。

 

__リーグ戦に向けてどのような練習をしていますか。

 

 それ今日考えようと思っていたんですよね(笑)。

大槻 合宿前までは基礎練を中心にやっていて、このチャンピオンマッチを境に変えていこうとしていました。

高倉 そうですね。このチャンピオンマッチが新チームの初めての対外試合で、ある程度自分たちの戦い方が分かったという状態です。僕としては勝ちパターンの確立と負けパターンを減らしていくことにフォーカスして練習していきたいなと。そのために細かい練習メニューをみんなでまた決めていこうと思っています。今みんなモチベーション高いと思うので大丈夫だと思います。

降 あと2週間あるかないかくらい?けっこうやばい(笑)。

高倉 もうそんなか。それまでに詰められるところまで詰めていきたいと思います。

 

__春季リーグ戦で注目してほしい選手はいますか。

 

大槻 僕は新4年生の樋口さんですね。

 え、絶対調子乗るからやめて(笑)。

高倉 (笑)。1回聞かせて。なんでか聞きたい。

大槻 僕が言っているってことで分かりませんかね?ネタってことで。

高倉 いやいやいやいやいや(笑)。真に受けるから、マジで。

大槻 樋口太樹(経4・慶應)さんはチームメイトからの信頼も厚くて、それに応える熱いバイタリティーを持っている選手だからです。昨シーズンはメインのリベロとしては出場されていなかったんですけど、今年卒業されるリベロの先輩の穴をより大きなキャラクターで埋めてくれると思っています。

高倉 これ記事見たらニヤついてそうだな。

 仕方ない、載せてほしくないけどこれでいきましょう(笑)。

高倉 僕は同期の安達龍一(環4・洲本)ですね。この3年間メインで試合に出る機会はゼロに近くて、このリーグ戦がデビュー戦ってかたちになると思います。練習試合していて思ったのは、やっぱりスパイクが高いです。身長があるのにちゃんとキビキビ動けるので、今までの慶應にはあまりいないタイプの選手だと思います。あと本人めちゃくちゃいいやつなので、我が強いタイプでもなく、後輩からも慕われていますし、なんかしらやってくれると思います。他大もデータがあるか分からないので、なんだアイツはってなるんじゃないかなと思いますね。化学反応じゃないですけど、1部と対峙してみた龍一を見てみたいです。うまくいけばめちゃくちゃ結果出ると思うので、ぜひ注目してほしいです。

 僕も一人目は龍一です。入ってきたとき、これ言っちゃ悪いんですけど、ただ身長があるだけみたいな感じで。3年間やってきて1番辛酸を舐めたのが龍一だと思うんです。あれだけ身長があると周りからの評価も、僕ら同期の期待値も最初高かった中で、あまり実践経験がなくAチームにあがる機会もなくて、本人がもがき苦しんでいたのを傍で見ていました。それを改善するために3年間1番努力したのも龍一だと思うし、最後はその努力が実を結ぶと信じています。僕らの同期にこんなに強いやつがいるんだぞっていうのを見てほしいですし、龍一っていう存在が関東1部を揺るがすじゃないですけど、こんなすごいやつが慶應にいたんだっていうのを世に知らしめたいという思いも込めて龍一を選びます。

で、もうひとりが芳賀祐介です。口先だけのやる気はあるやつなお調子者がいるんですけど。彼には色々期待しています。ここはあえて、「色々」としておきます(笑)。

 

__最後に、主将・副主将としての意気込みをお願いします!

 

 じゃあ真古都が最後ね、こういうのは1番偉い人が最後って相場が決まっているから。

大槻 当たり障りない感じで僕からいきますね。やっぱり3年生という立場で副将をさせていただいている以上は先輩たちに1部で活躍してもらいたいと思います。そのためにも強いチームを作り上げるっていうのを、リーグ戦までもう残り少ないですけど全集中でやっていきたいです。僕は火の呼吸なんですけど…

 いくね。そのキャラでいくのねもう(笑)。

大槻 すべての呼吸の始祖を受け継ぎ、頑張っていく所存です。

 ずっとそのキャラでいってよ?来年のインタビューでもそう言ってなかったら僕と真古都でしばきにいくからね?(笑)

さっきも言ったんですけど、いかにチームのマイナス、不可を減らすかってところですかね。基本的に表に立って引っ張っていくのは真古都なので、そこだけに集中してもらえるようにしたいと思っています。練習のメリハリの調整とか、試合の時どうやって対応していくのかとかメインのところは主将がやってくれると思うので、僕は枝葉末節なところを縁の下の力持ち的な感じで頑張ろうと思います。

大槻 あ、さっきの火の呼吸って言ったんですけど、陸の王者の呼吸に変えてもらっていいですか?

一同 (爆笑)。

 今の時間でそれ考えてたの?

高倉 陸の王者の呼吸、なにそれ(笑)。

 他の部活も当てはまるけど大丈夫?

大槻 いや慶應全体で頑張るという意味で。僕が慶應代表します(笑)。真古都さんのために今時間作りましたよ。

高倉 今のは言いたかっただけでしょ(笑)。そうですね、主将としてみんなを率いる存在として試合に負けたり、思うような結果がでなかった時こそ僕の出番かなと思います。調子がいいときってみんな各々役割を果たしてくれていると思うんですけど、チームがうまくいかない時こそ言葉や行動で示すのは僕の仕事かなと思うので、その点を意識してやっていきます。みんなが最大限のパフォーマンスを発揮して試合で良い結果を残したいって思うチームの雰囲気にさせるのも大事だと思います。良い状態で試合に臨めるように全てのことに全力で取り組んで、主将が頑張っているから僕らも頑張らなきゃなって思ってもらえるように一生懸命やっていこうと思います。

 

__ありがとうございました!これからのバレー部の活躍から目が離せません!

 

 

(取材:田中瑠莉佳)

◇プロフィール◇

 

高倉真古都(たかくら・まこと)

2000年5月8日生まれ/商学部4年/慶應義塾出身/身長180センチ/S

 

降小雨(じゃん・こさめ)

2000年10月19日生まれ/商学部4年/慶應義塾出身/身長192センチ/MB

 

大槻晟己(おおつき・まさき)

2001年4月17日生まれ/総合政策学部4年/清風出身/身長177センチ/S

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