【バスケ】関東トーナメント準々決勝 慶大の真骨頂、中大を一蹴

ルーキーにして抜群の安定感を持つ蛯名(法1)

どうだ、と言わんばかりの「横綱相撲」。3年連続のベスト4を懸けて臨んだ中大との準々決勝、慶大は40分間主導権を握り、準決勝へと駒を進めた。かねてからの課題である立ち上がり、酒井を中心にテンポ良く加点すると、その後は慶大の一方的な試合展開。4人が二桁得点、どこからでも攻められる多彩なオフェンス。岩下を中心に制空権を支配、相手の2倍以上のリバウンド。相手のミスを次々と誘う懸命なディフェンス。負ける要素は何もないとばかしに100点ゲームで中大を一蹴、準決勝の筑波大に向けて万全の仕上がりを見せた。

第59回関東大学バスケットボール選手権大会 準々決勝

2010/05/15(金)@代々木第二体育館

  1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 33 27 28 15 103
中大 15 22 17 13 67

慶大バスケを体現する二ノ宮主将(環4)

慶大のスタメンは、二ノ宮主将(環4)、酒井(環4)、岩下(総4)、家治(環3)、蛯名(法1)。先制点は、今大会初スタメンとなった蛯名。さっそく期待に応えるジャンプシュートを決める。勝負は開始2分こそ一進一退。しかし慶大がすぐに突き放す。二ノ宮-酒井のホットラインで連続得点をあげると、畳みかけるように酒井がバスケットカウント。波に乗った慶大は次々と速攻を決めていく。「慶應らしい走るバスケ」(二ノ宮)を展開し、33-15と大量リードで1Qを終える。2Qも慶大が思うままに試合をすすめる。二ノ宮のスリーポイント、酒井の速攻、岩下の1対1と、4年生トリオが持ち味を発揮。チームをけん引し、41-15とリードを広げる。試合はワンサイドの様相を見せるが、待ったとばかしに中大がゾーンディフェンスを仕掛けると、慶大の攻撃は停滞。「対応できていない部分があった」(岩下)と、シュートまで持ち込むことができない。この場面で積極的なプレーを見せたのは、ルーキー・蛯名。流れを引き戻すスリーポイントを決めると、巧みなパスで慶大の攻撃をリード。相手シューターのスリーポイントが決まるも、家治も2本のスリーポイントを決め、点差を保ち60-37で試合を折り返す。

28得点をあげた酒井(環4)

3Qは岩下がゴール下で加点。他を寄せ付けないその圧倒的な高さで、次々にゴールにねじ込んでいく。家治、澤谷(政4)も続き、点差を30点台にのせる。88-54で最終Qへ。4Qは、控えメンバー中心の布陣。序盤こそ得点が伸びないものの、ルーキー矢嶋(総1)が個人技を発揮し立て続けに加点。103-66で快勝し、慶大はベスト4に勝ち進んだ。

終始主導権を握った慶大だったが、ゾーンアタックには不安を残した。点差には影響しなかったものの、慶大の攻撃は明らかに停滞。この試合は「常にリードしていたし、相手に流れを渡しても結局逃げ切れたから良かった」(岩下)が、今後に課題を残した。次戦以降、勝敗の大きなポイントになるだろう。準決勝の筑波大戦はインサイドがカギになる。岩下の活躍はもちろん、周りの選手が高さで劣るマッチアップに対して、オフェンスリバウンドを与えないことが勝利への条件だ。連覇に向け、ここまでは順当な勝ち上がり。真価が問われる一戦で慶大は強さを見せつけることかできるか。

By Arisa Hakuta

コメント

佐々木HC

もうちょっとスリーやられると思ったんだけど祐典がディフェンス頑張ったので。20点くらい離れると思ったんだけど相手の調子が悪すぎたね。(蛯名選手がスタメンだったが)多分相手が一人しかセンター使わないと思っていて、澤谷が外を守れないので、蛯名を使った方がディフェンスが強いのでスタメンにしました。(蛯名選手の出来は)良いんじゃない。(酒井選手の活躍は)もうちょっと出来るはずだと思っているんだけど、少しフィットしないので下手な所はいいから上手な所を一生懸命やりなさいと言って切り替えたら少し良くなったかな。(中央の対策は)17番(小野選手)、18番(渡邊選手)のスリーポイントを止めようということで、17が止まったね。あれは大きかった。(明日の筑波戦については)インサイドが筑波良くなってきたので、岩下が今日頑張ってたけど、インサイドの勝負かなと思います。

二ノ宮主将

入りが良かったので全体をいいペースでできた。このような良い試合を明日、明後日もできるようがんばります。(3Q、ゾーンアタックに苦戦したが)ゾーンアタックが課題なので、そこは試合でうまくなるしかないですね。決勝では青学と当たると思うし、ゾーンディフェンスをしてくると思うのでうまくなっていかなければ、と思う。(今日はアシストに徹底していたように見えたが)特に意識していた訳ではなく、みんなが走ってくれていたので。慶應らしい走るバスケができた。(準決勝筑波大戦は)筑波っていうのもあるんですけど、明日勝つか負けるかでは大きな差があるので絶対勝ちたいです。

酒井

課題として入りがあったので、その入りを一気にいけた所が今日よかったかなと思います。その流れで最初からいけて僕らスタートも30分程度のプレイタイムで終わったので明日に向けてちょっと休めたのは良かったです。(好調だったが意識は)特に意識はしてないんですけど、相手も小さかったのでリバウンドとかいけば絶対取れると思ってましたし、今後のためにも外のタッチも良くしていかないと思って、昨日しっかり調整して、それが外のタッチに繋がったと思います。(中央の対策は)昨日の試合のスタッツをもとにスカウティングしたんですが、中央のスリーポイントが60%超えていたんで、まずそこを抑えようということで、2Qに18番(渡邊選手)に4本決められてしまったんですけど、全体的に見ては抑えられたかなと結構満足出来ています。(ベスト4だが)ここまでは正直組み合わせが良かったのでいけると思っていて、本当の勝負はこれからなので。ベスト4に残ったチームはどこも力の差はないと思うので後はいかに自分達のプレイスタイルを出せるかにかかっていると思います。今日良かった入りを継続していけば勝てない相手ではないので継続させていきたいと思います。

岩下

今日は入りの出来に尽きました。序盤でしっかり点差をつけて、相手のスリーポイントを抑えることに集中できたことがいい結果を生んだと思います。(個人的に高さで優位に立てたのでは)個人的にはディフェンスの時にゴール下に居ただけという感じですね。印象的なプレーは特になかったけれど、リバウンドとか自分の役割はある程度責任を持って出来たかなとは思います。(試合に出ていない時も声をよく出していたが上級生として何か意識していることは)去年まではスタメン+家治という固定化されたメンバーで戦っていたし、ベンチメンバーは試合に参加するという意識が足りませんでした。なので今年はそれを改善したいなという思いがあって、ベンチメンバーも出場した時に今年のスローガンの一部でもある「向上心」を持ってしっかりプレーをしてほしいです。やっぱりユニフォームをもらっているからにはそういう強い意識を持ってほしいので。そういう考えが姿勢に結びついていると思います。(明日の筑波大戦に向けて)去年のリーグ優勝を決める大事な試合で負けてしまった時の相手。今年の筑波はチームカラーがガラリと変わってインサイドが安定した強いチームだと思います。このトーナメントでインサイドが強い相手との対戦は初めてだし、自分の出来が勝敗に左右するのでしっかり存在感を出してチームを勝利に導きたいです。

家治

1回戦2回戦と(試合の)入りをがんばろうと勝った。おっていたけどあまりうまくいかなかった。今日こそは、と意気込んでいて自分たちのペースで試合ができてよかった。(3Q、ゾーンアタックに苦戦したが)相手がゾーンで来るのは分かっていて、ハイローとか対策もしてきた。でも、そういうことにこだわり過ぎて自分の前が空いているのにパスをしたりしてしまった。(個人の調子は)それなりに良かった。二ノ宮さんに“先頭切って走って”と言われていて、今日はそれができた。あと、今日はゴール下のシュートが多くてそれを確実に点にできたこともよかった。(準決勝筑波大戦は)今日と違って相手はインサイトが強くて、それに粘ってくるので。岩下さんだけに任せず、みんなで40分間がんばらないといけない。また、相手にオフェンスリバウンドを与えると苦しくなるのでリバウンドを重点的にがんばりたい。

蛯名

出だしが良かったのでチームとしても次の試合につながったんで良かったです。(スタメンだったが)2度目なんですけど、試合のほんの3分くらい前に言われたんで、何しようかと思った時にディフェンスで相手のキーマンを抑えようと思っていました。(シュートが良く決まっていたが)そんなことないです。もっと決めないといけないなと思います。(ゴールに積極的にアタックしていたが)やっぱり攻撃に絡まないと僕の価値がないのかなと思ったので積極的にいきました。(ゾーンアタックで崩していたが)一人目を抜くと出てきた時に合わせられるんで、そこを意識して先輩達にパスを配給する役目をしようと頑張りました。(法学部との両立は)思っていたほど大変ではないです。クラスのみんなが色々とやってくれるんで、助け合いながら頑張ってます(笑)(もうベスト4ですが)先輩達が引っ張ってくれる部分が大きいのでそんなに意識してないです(これからの意気込みは)やっぱり1年生なんで少しでもチームのプラス要因になれるように先輩たちの目標に向かって僕も慶大の一員として頑張っていきたいです。

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