昨年の勝利から早くも1年が過ぎ、慶大は連覇を懸けて1年の集大成ともなる早慶戦に臨んだ。例にもれず最後まで拮抗した展開を見せた大学組手だったが、見事な集中力で最後は勝ち切り4年生は有終の美を飾った。
12月5日(日)第82回早慶空手定期戦 @早稲田アリーナ
◆試合結果
| 慶應義塾大学 | ○9―4● | 早稲田大学 |
先鋒 | 新家寛太(医5・慶應) | ●2―9○ | 岩渕凌(スポ2・水城) |
次鋒 | 濵田聡平(文3・所沢北) | ●0―6○ | 時田隼門(社3・玉川) |
三鋒 | 渡邊龍(商4・慶應) | ○6―0● | 姜 源(社会科学研究科修士1・四川省綿陽中学) |
四鋒 | 藤田紬希(文3・慶應女子) | ○6―0● | パシロヴァ(留学生) |
五鋒 | 島 颯(経2・渋谷幕張) | ●6―7○ | 澤祐太郎(教3・世田谷学園) |
六鋒 | 武村貫汰(総4・恵庭南) | ○6―0● | 杉山喬脩(人4・山手学院) |
中堅 | 志村侑悟(商2・両国) | ●1―2○ | 吉田蒼一郎(スポ3・世田谷学園) |
六将 | 軍司佳歩(環4・日大鶴ヶ丘) | ○6―4● | 原田栞里(教4・都立大泉) |
五将 | 野川嵐志(環1・岡山朝日) | ○6―0● | 兎本星河(文1・早大本庄) |
四将 | 西田考佑(法3・保善) | ○2―0● | 臼井健一郎(人1・本郷) |
三将 | 岩本遼(総2・高松中央) | ○10―4● | ブロムリー(留学生) |
副将 | 冨田ちなつ(環4・日本航空) | ○2―2●(先取勝ち) | 天本菜月(スポ4・宮崎第一) |
大将 | 園田雅人(総4・松山東) | ○5―3● | 池田倖紀(スポ3・恵庭南) |
本早慶戦は形演武から始まり、その後約束組手・高校試合組手と続き、締めくくりとして大学組手が行われる。
先鋒・新家(医5・慶應)が2―9、次鋒・濵田聡平(文3・所沢北)も相手の正確な突きに苦しみ0―6で敗北し先制を許した慶大。しかし三鋒・渡邊龍(商4・慶應)が開始早々に突きを決めるとその後も素早い動きで相手を圧倒し勝利。
続く四鋒・藤田紬希(文3・慶應女子)も気迫ある組手を見せてここで連勝。しかし五鋒・島颯(経2・渋谷幕張)が残り4秒で1本を取られ6―7でまさかの逆転負けを喫し、周囲からは「これが早慶戦」との声も聞こえる。六鋒・武村貫汰(総4・恵庭南)の快勝、中堅・志村侑悟(商2・両国)の惜敗を経てポイントは3―4と早大にリードを許すが、ここから慶大が追い上げを見せた。
六将・軍司佳歩(環4・日大鶴ケ丘)の勝利で肩を並べると1年生ながら出場の五将・野川嵐志(環1・岡山朝日)、四将・西田考佑(法3・保善)もそれに続き勝利。そして三将・岩本遼(総2・高松中央)の勝利で7ポイント目を取り慶大の勝利が決まった。
副将・冨田ちなつ(環4・日本航空)は2―2により「先取」で勝利すると、続けて大将・園田雅人(総4・松山東)も4―3として両者ともに有終の美を飾った。日頃の練習の成果を見せつけ昨年に続く勝利を収めた慶大。また園田・冨田・武村は優秀選手にも輝いた。
(取材:ウジョンハ、五関優太)
▽以下、選手インタビュー
◆園田雅人選手(総4・松山東)
――今日の試合の組手を振り返っていかがですか。
結果的に言うと9勝4敗で、近年の中では結構大差で勝てて良かったなと少しほっとしているところです。
――昨年も勝利しましたが、最後となった今日の早慶戦、どのような気持ちで臨まれましたか。
昨年もすごく記憶に残っていますし大切だったのですが、やっぱり自分が1番上に立っていたので、チームに対する思いもいろいろありました。4年間の集大成でもあり、自分の空手人生の集大成でもあったので、最後絶対後悔しないという気持ちで挑んで勝てたのでよかったなと思います。
――有終の美を飾ったと思いますが、4年間全体を振り返っていかがですか。
いろんな経験をさせてもらいました。私は愛媛出身なのですが、地元にいたら絶対経験できないことをいっぱいさせてもらいましたので、本当に入って良かったなと思っています。
――今後のチームに期待することは?
上昇気流に乗っていると思うので、慶應を背負って戦えることにしっかり誇りを持って日本一という目標に向かって突き進んでほしいなと思います。
――応援してくださった方に一言お願いします。
改めてありがとうございましたと伝えたいです。これからもよろしくお願いします。
◆冨田ちなつ選手(環4・日本航空)
――今日の試合の組手を振り返っていかがですか。
2年前はここで負けてしまったので、今回は全員が全勝という目標に向かってしっかりやり遂げられたのではないかと思います。
――昨年も勝利しましたが、最後となった今日の早慶戦、どのような気持ちで臨まれましたか。
昨年とはまた違う緊張感を持ちながらもしっかり4年生を全員勝てたので、そこはよかったなと思います。
――有終の美を飾ったと思いますが、4年間全体を振り返っていかがですか。
最初はコロナで試合がなかったのですが、徐々に試合ができるようになって慶應を背負えてすごく幸せな4年間でした。チームにしっかり貢献して、慶応としてできることは全てできたなと思っています。
――今後のチームに期待することは?
男子はこのまま同じメンバーで戦っていくので。来年はもっと良い成績を残して日本一に近づくと思います。女子は1年生が新たに3人、強い子たちが入ってきて、女子がこれからどれだけ成長して日本一に近づけるかを楽しみにしています。私たちは応援する側ですけど、しっかりできることはやりたいなと思います。
――応援してくださった方に一言お願いします。
今まで応援してくださった方にはもちろん感謝の気持ちと、これからも関係が続くと思うので4年間だけではなく、これからもよろしくお願いしますと伝えたいです。