【應援指導部】慶立戦を振り返る 「ずっと神宮の事を考えていた1週間」 応援席からは連日の全力応援/春季応援席特集 対立教大学戦

應援指導部

月4日から4試合にわたって行われた、東京六大学野球春季リーグ戦、対立教大学戦。水曜日まで試合が行われる異例の激戦は、慶大の勝ち点奪取で決着した。GWを含む4日間にわたって野球部を支えた、應援指導部員の4日間を追った。

 

5月4日(土) 慶應義塾大学 ○2-0● 立教大学

~試合概要~

同点で迎えた9回表、慶大は清原正吾(商4・慶應)のタイムリーツーベースで先制。ワイルドピッチでもう1点を追加すると、9回裏は先発の外丸東眞(環3・前橋育英)が三者凡退に抑え131球で完封勝利。慶大が先勝した。

エース同士の投げ合いで、落ち着いた展開となった序盤。応援席の観客からは「今日は勝たせまセントポール」という決意表明が聞かれる中、この日最初の声かけを行ったのは野球応援を担当するKさん。「今日勝てば立教戦20連勝です。絶対に勝たせましょう」と力強いメッセージを送った。

5回には海外出身のKさんが壇上に立ち、「I came from America.今日は慶應の勝利を見るために来ました」と英語を交えて呼びかけ。応援席はグローバルな空間となったが、得点を奪う事は出来なかった。

この日は延長が無いため、泣いても笑っても最後のイニングとなった9回。イニング前には「セントポール(立大の愛称)には「交通の要衝」という意味がある。交通の要衝を乗り越えれば、優勝が見えてくるぞ」と一言。するとこの回に先制点が刻まれ、待ちに待った得点時の『若き血』が流れた。

 

―本日の感想

Eさん:立教戦ということで、今日勝ったら20連勝という記録がかかっていました。しかし、記録は気にせずまず一戦一戦を戦おうという気持ちで臨みました。立教大学は守備力の高いチームなので前半から中盤にかけて厳しい展開が続いており、その中で慶大応援席の雰囲気を上げようと話し合っていました。その成果もあって、9回表の塾生注目から突撃のテーマに入り、ダッシュKEIOに続くところで点を取れたので、応援が功を奏したのかなと思いました。

 また、試合前に「注目選手」を紹介する企画があり、そこに選ばれた選手が活躍するとすごく盛り上がります。今日の注目選手には水鳥選手と木暮選手が選ばれ、水鳥選手が活躍をしてくれて観客も盛り上がっていたので良かったです。

 課題としては、本格的に暑くなってきたので、観客も含めて体力的な勝負があるように感じられました。体力づくりの面も大事にしていきたいと思いました。

 

5月5日(日) 慶應義塾大学 4-4 立教大学

~試合概要~

慶大は初回に2点を失うも、5回に代打・福井直睦(商1・慶應)と横地広太(政2・慶應)のタイムリーで同点に追いつく。9回表に西川侑志(3年)のホームランなどで2点を勝ち越されるが、裏に佐藤駿(商4・慶應)のタイムリースリーベースと渡辺憩(商1・慶應)のタイムリーで土壇場の同点劇。慶大が1勝1分けとした。

 

―本日の感想

Sさん:先輩方から引き継いだ慶立戦の「負けなし」という記録を、なんとか守り抜くことができました。明日こそ絶対に勝ち、その記録を伸ばして優勝へ弾みをつけていきたいと考えています。

 

Nさん:序盤に失点してしまいましたが、慶應義塾得意の継投策で踏ん張れば、終盤には逆転できると信じて戦いました。ただ、9回表に2点を取られ4対2にされてしまったときは、「ああ、これは試されているな」と思いました。しかし、本年度の塾野球部は本当にいい意味で「絶望をさせてくれない」。必ず何かやってくれるということで、今回は渡辺憩が打って2点追いつき、なんとか引き分けで終わることができました。この慶立戦は本当に「アツい」ので必ず勝って、勝ち点3を取れれば優勝が見えてくると思います。連覇への軌跡を、最高の形で折り返したいと思います。           

 

5月6日(月) 慶應義塾大学 ●5-7○ 立教大学

~試合概要~

慶大の先発は渡辺和大(商2・高松商業)。久々の先発だったが5回途中5失点で降板すると、7回に登板した小川琳太郎(経3・小松)も1回2失点。8回表に本間颯太朗(総4・慶應)のホームランなどで4点を追い上げたが、2点差で敗戦。1勝1敗1分けとなった。

GW最終日となり、複雑な気持ちの中で迎えた第3戦。3回の声かけでは「GWとは、Go for the Winの日である」という名言が。5回にはこの日が曇天で、試合も劣勢であったため「みなさん顔曇っていませんか?空を見てください、めちゃくちゃ曇っています」という指摘が。結局得点とはならずも、8回に久々の得点。『若き血』が流れると、その最中に本間颯太朗(総4)がホームラン。『若き血』が3連続で流れる神展開となった。

 

5月8日(水) 慶應義塾大学 ○3-2● 立教大学

~試合概要~

慶大は2回、内野ゴロの間に1点を失う。しかし3回、清原正吾(商4・慶應)に2点タイムリーツーベースが飛び出し、逆転に成功する。5回に同点に追いつかれたが、8回に"ツネ"こと常松広太郎(政3・慶應湘南藤沢)が値千金の勝ち越しタイムリー。投げては外丸東眞(環3・前橋育英)がエースの貫禄で完投し、今季3つ目の勝ち点を奪取した。

前日は雨で中止となり、この日も試合開始前に突然の豪雨。最近の六大学の試合ではおそらく最少だと思われる観客数の中で、應援指導部員は懸命に応援を続けた。豪雨に打たれながら、何事も無かったように応援を続行。この心意気に、野球部が応えた。試合は逆転での勝利。最後に野球応援の担当者を務めた2人に、激動の4試合を総括してもらった。

 

―本日の感想、次戦に向けて

Kさん:8回にメイン台に乗っていたんですけど、延長があるかもしれないと思いつつ、どこかで打ってくれるのを期待してやっていました。メイン台からはグラウンドが見えないので、部員の顔を見ていて、そのときに「おっ!」という表情が見えたことで、打ったんだなと分かり勝利を確信しました。ここで絶対に勝たないと、この先の明治・早稲田はとても強いので。ここで勝たないと勢いをつけられないので、勝つことができて良かったです。4回戦までもつれこみ、人数も少ない中で体力的にも厳しい部分があり、ずっと神宮の事を考えていた1週間でした。

 次戦に向けて、明治大学は本当に強いので。ここでもう一度切り替えて、連覇に向けて絶対に明治に勝ちます。

Eさん:本当に嬉しいです。水曜日までもつれ込むなんて思ってませんでしたが、平日でも慶應の選手が頑張ってくれたので我々應援指導部も最後まで踏ん張ることができました。今日は試合前に雨が降ったためイレギュラーな状況ではあったのですが、お客さんも最後まで応援してくれたし部員も雨で気持ちが途切れることなく応援してくれたので、勝ちに繋がったのかなと思います。

 次戦に向けて、今のところ勝ち点3を取り優勝への軌跡をたどっているので、この調子で「天王山」と呼ばれている慶明戦を勝ち抜きます。

 

 

<さいごに>

応援席に来てくださったみなさん、4日間お疲れ様でした。「日本一の応援席」を作るために日々研鑽を積む應援指導部員にとって、心強い味方となったようです。次は天王山である慶明戦。連覇への軌跡を、共に刻みましょう。慶應スポーツ新聞会(ケイスポ)もどうぞよろしくお願い致します。

              慶應スポーツ新聞会 應援指導部班チーフ 工藤佑太

 

 

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(取材:片山大誠、塩田隆貴、岩切太志、工藤佑太)

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