早慶女子クラシコ直前特集第2弾は大橋桜子(商4・INAC東京レオンチーナ)の父・義弘さんへのインタビュー。大橋選手がサッカーをされるのをずっと近くで見守ってきた義弘さんならではのエピソードやソッカー部女子の親御さんの応援、早慶戦への思いについて、お話ししていただいた。
ーー大橋選手がサッカーを始めたきっかけについて教えてください
小学校の低学年から、3歳上の兄と同じクラブで一緒にやってた感じで。学年が違って、当然チームとかも分かれているのですが、兄がサッカーをやっていたというのがきっかけですかね。
ーーお父様もサッカーをされていたご経験は
私も慶應の中等部でサッカーをやってましてね。Jリーグとか色々サッカーを観たりするのは好きで、 そういうこともあって長男長女を私が少し誘導した感じで。
ーーお父様としては一番嬉しい結果になったのではないですか
まぁそうですね(笑)。
ーー大橋選手は10年以上サッカーをされていて、ずっとそばで見守られてきたと思うのですが、その中で親として心痛かったことや嬉しかったことなどについて教えてください
悲しかったなということだと、ずっと小中高と大きな怪我はなかったのですが、 大学3年の夏に練習試合で大怪我を負って、右の足首の靱帯断裂と骨折2箇所ですかね、初めてですね、桜子にとって大きな怪我は。それによって、約半年間リハビリをして、サッカーが思う通りにはできなかったというのを近くで見ていて、 やはり本人も非常にもどかしい思いをしてたと思います。サッカーの会話なんかも少し減ったりしてて、それは親としても少し悲しかったかなという感じはしました。
ーーそういった状況の中で娘さん(大橋選手)に何かお言葉とかはかけられましたか
リハビリも含めて、 地道に頑張ってやっていくのと、あとは、もう社会人になると本格的なサッカーをするということにはならないと思うので、怪我をした時点では残り1年半ですかね、今年度入ってからだと残り数ヶ月ですか、本当に真剣にサッカーと向き合うのはわずかなので、「もうあまり怪我のことを気にせずに頑張っていくしかないだろう」というようなことは言っておりました。
ーー現在では、大橋選手は毎試合出場されていて、点を決める場面があったりなど活躍されていますが、ずっと近くで見守ってきた中で、嬉しかったことについて教えてください
小学生の時は東京都代表みたいな形で選抜チームに選ばれたり、中学生の時には大阪まで行って全国大会に出たこともあって、そういう大きな大会に出たりとか、 チームに選ばれたりとかした時は親としても非常に嬉しかったです。あとは、クラブチームでずっとやっていたので、同じ学校の仲間とサッカーをやるというようなことは大学に進学して初めてで、やっぱり同じ学校の仲間とサッカーをやるというのは本人も非常に充実していると思うので、そこは親としても良かったかなと思います。あと、桜子の兄も塾高ではサッカー部で、下田グラウンドでサッカーをやってて、長男の応援もしていたので、兄妹で同じグラウンドでサッカーしてるのを見るとそれはそれで親としても嬉しいですよね。
ーー試合を観戦させていただいていると、選手の親御さん方が、いつも同じ“黄色いメガホン”をお持ちになって応援されていますよね。その“黄色いメガホン”を義弘さんが作製されたと伺ったのですが
当然作ったといっても、買ってきたということは買ってきただけなんですけど(笑)。買ってきて、ちょっとシールだけ貼って。
ーーそのメガホンの意図とは
そうですね。私が幹事になって保護者の懇親会をやって、その時にちょっとしたお土産でもないですけど、なんか最後に1つあればいいかなという風に思って。それで、何がいいかって少し考えて、やはり今後ずっと応援の際に使えるものがいいと思い、 カラーも黄色のメガホンをサイトで買って、1家族2つですかね。ご夫妻でいらっしゃるケースが多いので、今後の応援に使いましょうということで、これは今までにはなかったことだと思いますけれども。それで、「次回以降の応援から必ず持ってきてくださいね」みたいなことで、声を簡単にかけさせていただきました。
ーー見てて、とても素敵だなと感じておりました(笑)
まぁ、意外とウケましたね(笑)。家内ともちょっと相談して、そんなの配って意味があるのかどうかよくわからない部分もあったのですが、良かったですね。
ーー黄色いメガホンを持って大きな声で選手の名前を叫んだり、励ましたりっていうのは、ソッカー部女子の親御さん方特有だなと思います
あんまり言いすぎるとね(笑)。桜子に「ちょっとパパうるさかったよ」みたいなこと言われたりするケースもあるんですけど。
ーーそんな熱い応援をされている親御さんとして、早慶戦についてはどう思われますか
第2回の保護者の懇親会の時に、私から簡単に今までの(早慶戦の)成績をだーっと並べて、「22回勝ちがない」と、1度も勝ててないんだというのを全保護者にお伝えしてですね。やっぱり、早慶戦っていうのは慶應の部員と早稲田の部員しか出られないですし、どのリーグ戦の試合よりも観客数が多かったり、特別なものだと思うので。リーグ戦とは別の意味での伝統ある、そういう定期戦をできるということを自覚し、感謝しながらやった方がいいんじゃないかという風には思ってます。
ーー毎週末、試合の応援にお越しになっていますが、義弘さんにとって“ソッカー部女子の応援”とはどういうものですか
私自身は、桜子が大学1年から3年の間は下田(ホームゲーム)には結構行ってたのですが、アウェイゲームはちょっと遠いこともあって、仕事の関係があったり、自分の趣味だったりも含めて行けないこともあって。家内とも話して、「もうこの4年生の最後の1年間は必ず全試合行こう」という風にして、最優先でやってます。 息子も含めると、17、8年ですかね、もうずっと 子供のサッカーの応援をやっているので、ある意味、自分も家内もそうですけど、「子供のサッカーの応援の集大成」みたいな、そんな風にも今考えているところです。
ーー最後に、早慶戦を控えるソッカー部女子の皆さんに応援メッセージをお願いします
もうとにかく早慶戦23回目での初勝利を期待しています。試合に出る人、出ない人もね、一体となって、全員で勝利を目指して頑張ってください。
(取材:上村真子)
【試合情報】
第23回早慶女子サッカー定期戦—早慶女子クラシコ—
2024年8月24日(土)17:00KO@AGFフィールド