広池浩成が7回1失点の好投を披露 前田晃宏も1年10ヶ月ぶりのマウンドで2回パーフェクト 5得点快勝で勝ち点の行方は明日の3回戦へ 東京六大学野球秋季リーグ戦 立大2回戦 @明治神宮野球場

野球戦評

前日の悔しい敗戦から一夜、負けられない立大2回戦に臨んだ慶大。先発のマウンドに上がった広池浩成(経2・慶應)は、リーグ戦初先発ながら安定した投球を見せ、4回までを無失点に抑える。打線は4回に7番・真田壮之(経3・慶應)の適時打で先制すると、5回には3番・吉野太陽(法2・慶應)の右越え2点本塁打で追加点を奪い、相手の守備の乱れにも乗じてこの回4点を追加した。広池は7回を1失点に抑える快投で、後を受けた前田晃宏(商3・慶應)も1年10ヶ月振りのリーグ戦登板を2回無失点に抑える好投。5-1で快勝を収め、立大との対戦成績を1勝1敗とした。

 
立大0000010001
慶大00014000×5

◆慶大打者成績

 123456789
1⑤水鳥遥貴四球・・遊ゴ・・三振三振・・右飛・・
2⑥斎藤快太一ゴ・・三ゴ・・四球遊ゴ・・・・・・
3⑦吉野太陽左安・・一直・・右本・・死球・・・・
4③清原正吾三振・・・・中安捕飛・・左飛・・・・
5②渡辺憩遊ゴ・・・・中安四球・・三併・・・・
6④本間颯太朗遊飛・・・・三飛中2・・・・死球・・
 4林純司・・・・・・・・・・・・・・・・・・
7⑨真田壮之・・左2・・右安遊失・・・・・・・・
 9古野幹・・・・・・・・・・・・・・犠打・・
8⑧佐藤駿・・二ゴ・・死球右飛・・・・左安・・
9①広池浩成・・二ゴ・・二併・・遊ゴ・・・・・・
 1前田晃宏・・・・・・・・・・・・・・三振・・

◆慶大投手成績

 投球回打 者投球数安 打本塁打四死球三 振失 点自 責
広池浩成72683312611
前田晃宏2619000200

延長戦の末に敗れた立大1回戦から一夜、神宮球場は試合開始前の気温が33度を記録し、昨日と同じく猛暑の中での試合となった。後攻の慶大は昨日からスターティングメンバーを変更、真田を7番・右翼で起用した他、1番には水鳥遥貴(商4・慶應)を、2番に斎藤快太(商4・県立前橋)を組み込んだ新たなオーダーで試合に臨んだ。先発マウンドには、リーグ戦初の先発登板となる広池が上がった。

7回1失点の好投を見せた広池

広池は、立ち上がりから安定した投球を披露。この日最速144キロを記録した直球で相手打者を押し込み、3回まで僅か32球、安打を許さない完璧な投球をみせた。3回には中堅後方への大飛球を佐藤駿(商4・慶應)がジャンプしながら好捕、バックも広池を盛り立てる。

一方、打線は相手先発の大越怜(経済3・東筑)から1回、2回と得点圏に走者を進めるも、あと1本が出ず。3回は三者凡退に抑えられ、0-0のまま、試合は中盤戦へと進む。

試合が動いたのは4回。広池は先頭打者に左安を許すと、続く3番・鈴木唯斗(コミュ3・東邦)の打球を二塁手・本間颯太朗(総4・慶應)が後逸。一塁走者は三塁まで進み、無死一三塁のピンチを迎えた。しかし、ここから広池はギアを上げる。4番を捕邪飛に打ちとると、1死二、三塁で迎えた5番・丸山一喜(コミュ2・大阪桐蔭)も直球で押し込み、三飛に抑えて2アウト。6番・柴田恭祐(コミュ4・東明館)からは変化球で空振り三振を奪い、このピンチを無失点で切り抜けた。

その裏、広池の力投に慶大打線が応える。先頭の4番・清原正吾(商4・慶應)が痛烈な打球の中安で出塁すると、続く5番・渡辺憩(商1・慶應)も中安を放ち、無死一三塁の好機を演出。6番・本間は三邪飛に打ち取られるも、1死二、三塁で打席に入った7番・真田は2球目を引っ張り、右前に適時打を運ぶ。堀井監督の先発起用に応えた真田の一打で、この回1点を先制。真田はベンチに向かってガッツポーズを見せた。

一塁上で雄叫びを上げる真田

5回裏にも慶大は追加点を奪う。1死から斎藤快が四球を選ぶと、続く3番・吉野の痛烈な打球は右翼後方へ。ライナーでそのまま右翼スタンド前方へと飛び込み、試合の流れを大きく引き寄せる2点本塁打となった。その後も慶大打線の勢いは止まらず、2死一塁として6番・本間は中堅にライナー性の打球を放ち、相手が打球処理にもたつく間に渡辺憩が一塁から生還。記録は適時二塁打となり、1点を追加する。更に7番・真田の遊ゴロが相手の失策を誘い、二塁から本間が生還して5点目が入る。この回は一挙4点を奪い、試合の流れを大きく引き寄せた。

リーグ戦初本塁打を放った吉野

5点の援護を受けた広池は6回、1死から立大の2番・小林隼翔(コミュ1・広陵)に左越えソロ本塁打を浴びて1点を返されるも、その後はテンポの良い投球を続ける。終わってみれば、7回を投げて被安打3、与四球2、6個の三振を奪う素晴らしい投球を見せた。

8回からは前田が2022年秋の早大戦以来、右肘の手術を乗り越え1年10ヶ月ぶりにリーグ戦のマウンドに上がった。2つの三振を奪うなど、2回を1人の走者も許さず抑える完璧な投球で立大打線を抑えて試合終了。前田にとって復活のマウンドとなった。慶大は5-1で立大2回戦を勝利し、勝ち点の行方は明日の3回戦に委ねられることとなった。

2回パーフェクト投球を披露した前田

前日14日の試合はエース・外丸東眞(環3・前橋育英)を先発に立てながら外丸は4失点、延長戦の末にサヨナラ負けを喫し、立大打線は大いに勢いに乗っていたことだろう。その打線を7回1失点に抑えた広池の好投と、中盤で試合の大勢を決するような集中打をみせた打線の働きが光る好ゲームとなった。

慶大は2016年秋季リーグ以降、立大戦では勝ち点を落としていない。秋季リーグ連覇のために、明日は負けられない一戦となる。

 

(記事:鈴木拓己、写真:加藤由衣、大泉洋渡、河合亜采子)

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