【應援指導部】未来を担う1年生部員に突撃取材! 若きホープたちが半年の活動を終えて感じたこととは/秋季野球慶早戦特集No.1

應援指導部

日頃の練習や夏合宿など厳しい半年を乗り越え、この秋から本格的に神宮球場の応援席で活躍している1年生部員たち。ケイスポではそんな1年生部員の生の声を聞くべく、所属も学部も異なる男女4人の1年生部員に突撃インタビューを行った。

――学部学年と部門、出身地、高校時代の部活を教えてください

Kさん:学年は1年で、学部は法学部政治学科に所属しております。部活ではチアリーディングに所属しながら、主に応援指揮や塾旗、またスタンツなどを行なっております。沖縄県の出身で高校時代はゴルフをやっていました。

 

Oさん:学年は1年で総合政策学部の所属です。部門はスタンツとダンスをやっています。東京都出身で高校時代はダンス部でした。

 

Mさん:1年生で文学部です。所属は吹奏楽団で、担当している楽器はユーフォニアムです。埼玉県出身で高校時代はバトミントン部でした。

 

Iさん:経済学部1年です。神奈川県出身です。所属は吹奏楽団で楽器はサックス、特にアルトサックスを中心に行なっています。高校時代は軽音楽部に所属し、文化祭実行委員もやっていました。

 

――なぜ應援指導部を選んだのか

Kさん:私は應援指導部への憧れが強かったのが一番の理由です。沖縄県に住んでいるとやはり六大学野球を直接見ることはできないのですが、YouTubeで見た応援団文化や慶應義塾大学そのものに昔から憧れていて。毎日応援歌や塾歌などはもう毎日寝る間も惜しんで聞いていたので(笑)これは應援指導部に入るしかないと思って入部を決めました。

 

Oさん:大学ではチアをどうしてもやりたいという中で、一番かっこいいと思ったのが慶應の應援指導部だったので、入部しました。

 

Mさん:私は小学生の頃から吹奏楽に興味があったのですが、中学高校は結局運動部に入ってしまったので、大学では吹奏楽に入ろうと思っていました。運動部に入っていたこともあり、運動部も好きだったので両方関われるものに携わりたかったのと、慶法戦に初めて行った時にとても楽しかったことを踏まえ、入部しました。

 

Iさん:正直、なぜかは今も分からないし、なぜ入ったのかをずっと探し続けるために入っています。もともと中学から吹奏楽を続けていたのですが、高校で軽音部に入ってしまって自分の楽器が続けることができなかったのが悔しくて、悔いになっていたので、それを後悔で終わらせないために全力で活動できる吹奏楽や応援ができる應援指導部に入部しました。

應援指導部への強い憧れがあった

――1年生の雰囲気は?

Kさん:みんなすごい仲が良くて、みんなで準備したりとかご飯に行ったりとか、我々の代は結束力が違うのではないかと思います。

 

Oさん:私もほぼ同じ感じで。男女の中でもすごく仲が良くて、お互い助け合っていてどこか全員で仲が良く和やかな雰囲気があると思います。

 

Kさん:自分たちの持つ良い雰囲気が応援席にも波及している気がしますね。

 

Mさん:吹奏楽団は個性的な人が多いです。人数が多いのに一人一人がクセの強い人が多いと思います。

 

Iさん:吹奏楽団の特徴としては人数が多いからこそ人の得意不得意が分かれているし、他人の得意を伸ばし、不得意なことお互いでカバーできる環境が整っていると思います。特に応援席では楽器経験者の人は音を出して吹いてあげたり、応援が得意な人は一緒に平サブ(応援席の通路上で応援を先導する部員のこと)行こうとかアドバイスしたり、お互い支え合って切磋琢磨しているというのが自分には居心地の良い環境だと思います。

 

――應援指導部に入って一番楽しかったこと

Iさん:夏季合宿がとても楽しくて。普段関わることのない4年生方と同じ部屋で、一緒にご飯食べたりとか、部屋で一緒に顔を洗ったりとかお風呂入ったりとか、生活を共にする中で、お互いの普段語らないような心に秘めている熱い気持ちとかを語り合うことが出来ましたし、そこのタイミングで1年生は腕章を貰うことで、1人前の部員として認められるという感じなんですけど。正式に部員として認められたというか、部員としての自覚をもって引き締まる感じで。腕章をもらえたことが本当にここまで自分が頑張ってきたことが正しかったんだなと思えた瞬間で、とても思い出に残っています。

 

Mさん:私も夏季合宿が一番楽しくて、今までチアリーディング部の方と接することがなかったのですが、部屋が一緒になったりして、今まで顔と名前がわかるくらいだったのが、実際に関われたのがすごくよかったです。

夏季合宿で成長を実感

――一番苦しかったこと、大変だったこと

Kさん:1年生なので、いろいろ覚えることもあるし、練習なども負荷がかかることがどんどん増えていくので、難しいところでもあるんですけど。やっぱり先輩達の背中を見てというか、そういうかっこいい姿があるからこそ、今頑張れているみたいなところはありますよね。

 

Oさん:私も一緒で、ダンスのチェックが夏頃にあって。全然受からなくて何回やっても受からないかもしれない、神宮に立てないかもしれないという不安を抱えながら、毎日練習するのは結構きつかったです。ただ、神宮に立てた時は、その努力が報われたなという感動もあって。辛いけど、その向こうに楽しさがあるというのが、今の1年生なのかなと感じます。

 

――苦しい環境の中で支えになったもの

Kさん:私は、まずは先輩ですね。「自分のペースで頑張ったらいいよ」という言葉をかけてくださるとかは心の支えになりますね。

 

Oさん:私は同期と家族ですかね。同期が「大丈夫!次こそ受かるよ!」みたいな言葉をかけてくれて、それで次頑張ろう!となるので、やっぱり同期と家族かなと思います。

 

Iさん:自分はドリルが苦手で。なかなかうまくいかないという状況の中で、「頑張ってる気持ちだけでも伝わってくるよ」というのを、3年生のSさんがすごい言ってくださって。それを言われるたびに、もっと頑張らなくちゃという気持ちに駆られて、どんどんいい効果が自分に出るので、そういう上級生の一言一言が支えてくれていると思います。

同期と家族が支えになった

――この半年間で自分が一番成長したなと思う部分は?

Mさん:まだ全然成長過程で、完全に成長したとは言い切れないんですけど、たくさんの人がいる中で応援席の方々に応援を促すのを春季リーグでは結構躊躇していたんですけど、秋になってだいぶ慣れてきて、出来るようになってきたので、そういう点では成長したのかなと思います。

 

――半年間應援指導部に在籍していて感じた、應援指導部のいいところ

Kさん:本当に何かに熱中できるところですね。体育会を応援することによって相手が喜んでくれているとか、相手のパワーになっているっているのを感じる時が多いと思っていて。人を全力で楽しませる、喜ばせることができるところだと思います。正直試合のメインではないかもしれないけれど、支えることが好きな人とかにはおすすめの部活なのかなと思います。

 

Oさん:この部活に入って一番すごいなと感じたところは、風通しのいい部活だなというところで。全学年仲が良いです。1年生も積極的に部活に参加して良いんだよっていう明るい雰囲気がすごいあって、それでいて人の個性を尊重するような部活なんじゃないかなと感じています。

 

Mさん:上級生との間の礼儀はありつつも会話はフランクだったり、オン/オフの切り替えがあるところがいいと思います。

 

Iさん:縦のつながりと横のつながりがいいと思っていて。横は同じものを目指す仲間としてオフの時も一緒に遊びに行ったりとかご飯食べに行ったりとかするし、縦は上級生を尊敬している気持ちがあるからこそ、練習の時はすごい頼りになるし。先ほどMの言っていた通り、オン/オフの切り替えがあるからこそ頑張れるというのはあると思います。

風通しの良さが応援にも繋がっている

――1番好きな曲は?

Kさん:「ソレイユ」ですかね。「ソレイユ」は本当に自分の気持ちが上がるというか、結構頻繁に流れる曲なんですけど。みなさんでメガホンを振り回しながら、気持ちが一番爆上がりする曲は「ソレイユ」ですね。

 

Oさん:私は「スパニッシュコネクション」と「アラビアンコネクション」です。「突撃のテーマ」というチャンスの曲に入る前のつなぎの曲なんですけど、ここから始まるぞというゾクゾク感を引き立たせるのがスパニッシュとかアラビアンとかで、すごく好きです。

 

Mさん:私は「突撃のテーマ」と「コールケイオー」と「ダッシュケイオウ」。正直に言うと、その曲は演奏よりもメガホンでやる方が好きなんですけど、すごくテンションが上がるので好きです。

 

Iさん:1個に絞るのは難しいんですけど(笑)僕は「塾歌」で。エールの時しか吹けないんですけど、楽譜に演奏法の技術として抑揚を「堂々と」と書いてあるのがすごく好きで。私は入試で入ってきて大学に憧れがあったので、受験生だった時に慶應について調べていた時の塾歌とか思い出して、それを神宮で自分が吹く立場になった時は、1年前頑張ってよかったなという気持ちと、その時の自分に堂々とした姿を見せられるので、胸を張って吹いています。

 

――秋の慶早戦に向けて頑張っていること

Kさん:エンターテインナー力といいますか、自分自身が火種となって応援席の皆さんを盛り上げていくというところに注力しております。例えばブロックをまとめる仕事であったり、一番後ろで部員全体にサインを出す仕事であったりといろいろありますが、その時の一つ一つの声掛け。攻撃が終わって守備に入る、その間の時間に一言、二言なにか言葉を挟むことによって応援席を湧かせる。そのような研究を現在行っております。

 

Oさん:私も少々似ているのですが、踊り人員としては、素敵なパフォーマンスや笑顔を見せることで、観客の方々も笑顔になって、一緒に明るく応援できるような火付け役になるスキルを、早稲田戦までの4大学で磨いている最中です。

 

Mさん:私はまだまだ綺麗に音を出すことはできないのですが、徐々に前よりはよくなっていますし、吹ける曲が増えてきたので聞いて欲しいです。

 

Iさん:「顔」を見てほしいです。本当に真剣な顔と、心から楽しんでいる顔の常にどちらかであるため、戦況が緊迫している時こそ自分にしか出せない笑顔でお客様を明るくしたいと思っていますし、チャンスパターンなどを吹いている時は、戦う顔、本気の顔をしているので、ぜひその表情の切り替えに注目していただいて。慶早戦ではステップス企画というものもございますので、私の踊りも是非注目していただけると幸いです(笑)。

宿敵・ワセダ相手に力強く意気込んだ

――秋の慶早戦に向けて頑張っていること

Kさん:「打倒ワセダこそ慶應義塾」。早稲田は本当に特別な相手なので大好きではあるんですけれども、ここだけは絶対に倒さなければならないので。絶対に勝ちます!

 

Oさん:私は1年生の秋の慶早戦担当を任されているので、ここは勝つしかない。「打倒ワセダ」です!

 

Mさん:一番は楽しむ。応援席を楽しませるのも含め、全ての面で楽しむことが大事だと思っているので、「楽しむ」ことを目標にしています。

 

Iさん:「華の慶早戦」ということで、両校にとって特別な素晴らしい試合となるように、その「華」にふさわしいような振る舞いをして。もちろん勝負では慶應が勝つと思っているので、「打倒ワセダ」というところでお願いします!

――ありがとうございました!

 

今回のインタビューでは、未来ある1年生たちの貴重な現場の声を聞くことに成功した。つい半年前まで高校生だった彼らだが、今ではすっかり應援指導部員にふさわしい風貌へと変化し、高校時代の面影はもはやなくなっていた。彼らはもうこの半年間で心身ともに立派な應援指導部の一員になったのだ。今季から一人前の部員となった1年生たちにとって、この秋の慶早戦は重要な通過点となるに違いない。しかしそれはあくまでもひとつの通過点にすぎないのであって、当然これからも1年生部員の戦いは続いていく。厳しい練習や先輩たちの情熱的な指導など苦しい困難がいくつも待ち受けているだろうし、心が折れるような出来事が何度も何度もあるだろう。ミスで怒られ、練習で叱られ、苦しい毎日が続くなか「辞めたい」とすら思う日もあるかもしれない。そんなとき私は應援指導部に入部した時のことを思い出して欲しいと思うのだ。應援指導部や慶應義塾大学そのものへの憧れ、目一杯の笑顔をみせる先輩への尊敬、思い通りにいかなかった高校時代の悔しさなど、その想いはさまざまであるだろう。辛いときに自分を救うのは、もしかしたら過去の自分かもしれない。今年の4月に抱いた憧れや後悔をもう一度思い出し、折れることなく頑張ってほしいと思う。同じく体育会を盛り上げるものとして、同じ1年生の塾生として、若き部員たちの今後の活躍と発展を密かに願っている。

 

         (記事:塩田隆貴 編集:吹山航生、大塚隆平、林佑真、加藤由衣)

 

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