昨年の慶大はリーグ戦および日本一連覇がかかった春季は3位、秋季は5位という結果に終わったものの、秋早慶戦では春秋連覇を達成した早大に2連勝で勝ち点を獲得。本間颯太朗(総4・慶應)前主将、清原正吾(商4・慶應)ら4年生の活躍で、2025年の“リーグ戦優勝&日本一奪還”へつなげた。そして1月12日、令和7年度慶應義塾体育会野球部の新幹部が発表。主将に経験豊富なエース・外丸東眞(新環4・前橋育英)、副将に“慶大の主砲”として期待が高まる大型内野手・今泉将(新商4・慶應)が就任。また勝野淳主務(新経4・慶應)や金岡優仁チーフコーチ(新商4・慶應)など学生コーチやスタッフの発表も併せて行われた。今回ケイスポでは「新幹部インタビュー」と題して外丸主将、今泉副将、勝野主務に取材し、2025年の慶大野球部の展望を伺った。第1弾は外丸東眞主将!
――投手で主将は2008年・相澤宏輔選手以来、17年ぶり。主将就任までの経緯は
キャプテン決めが早慶戦後、新チームに替わるときにあって、僕は秋の中盤から終盤から「自分がやるのかな」と思っていて。監督とも話していく中で最終的に「僕がやるしかない」と思って、みんなの意見も聞きながら「信任」という形で決まりました。
――今までの野球人生を振り返って、主将の経験は
小学生の時です。別に何にもやってないです(笑)。
――本間颯太朗前主将や堀井哲也監督から主将就任にあたって何か言葉は
監督からは「お前がやるしかないんじゃないか」みたいな感じで、本間さんからは「元気よく、元気出して頑張れ」と言われました。
――外丸選手が入部してから下山悠介選手(令5卒・現東芝)に始まり、廣瀬隆太選手(令6卒・現福岡ソフトバンクホークス)、本間選手と代々主将のチームカラーがあったと思いますが、過去の主将を見てきてその印象、また受け継いでいきたいところは
野球の実力はもちろんですけど、全員から信頼を置かれているキャプテン。頼れる選手という印象がありますし、自分もそういう存在になりたいと思います。
――「チーム外丸」をどのようなチームにしていきたいと考えているか
僕はみんなに言葉とかで勢いを付けるということはできないと思うので、プレーで引っ張って、それについてきてくれればいいなと思います。
――現段階で見た新チームの強み、課題は
昨年から出ている投手陣の層の厚さと野手陣はバッティングがいいというところが新チームの特徴だと思います。逆に守備。連携の部分は課題があるかなと思うので、春優勝するためには必要な部分だと考えています。
――今泉副将の印象、また“副将”として期待することは
今泉はフレッシュでキャプテンを務めていて、みんなを引っ張っていく姿が印象的で、野球に対しても、寡黙に自分のやるべきことをやるイメージです。僕はピッチャーなので、野手とは練習も結構別で動くことが多いので、野手をまとめる。あとは、プレーで引っ張ってくれればと思います。
――早大の新主将は小澤周平(新スポ4・健大高崎)選手で、外丸選手と同じ群馬出身
高校の時からライバルとして、高校の時は甲子園をかけて戦いましたし、大学では早慶戦。負けられない戦いの中でのライバルという関係がずっと続いているので、大学に入ってからは打たれがち(リーグ戦対戦成績:8打数4安打3失点)なんですけど、頑張って勝ちたいと思います。
――個人のお話に移ります。昨年のご自身の成績を振り返っていかがですか
去年1年間は本当に苦しい思いを経験して。秋には怪我もあって、春も思うようなピッチングができなくて、とにかく苦しかったです。全然抜け出せないという感じで、自分の不調というのか、上手くいかないというのか、本当に全然ダメでした。不調は怪我の影響もそうだし、コンディションが整わなかったです。
――夏は大学日本代表として世界一を経験。日本代表の経験が現在にどのように生かされているか
日本代表はみんな意識が高くて、自分の身体に対しても今は何が必要とか考えながらやっている選手が多かったので、そういうところを自分も見習ってできているんじゃないかと思います。
――秋の怪我の期間中に取り組んでいたこと、また現在の怪我の状態は
怪我は秋始まって9月半ばから終わりくらい。練習中で軽く投げてて、そのときまでは全然痛くなかったけど、軽く投げた時に(右肩に)違和感を感じて。その時はまだ全然痛くなかったから「投げられる」と思ったけど、ずっと違和感が続いたから病院に行ったら「右肩肉離れ」と診断されたので、そこからは投げるのをやめようと判断しました。怪我の期間中はウエイトトレーニングや身体の機能、というか、肩を怪我したから肩だけに原因があるんじゃなくて、関節とか他の部分にも原因があるのでそのような部分の機能の改善に取り組みました。今は完治してピッチングもしていますし、春は大丈夫だと思います。
――ストレートに加え7種類の変化球を投げ分けている外丸選手ですが、新しく習得した球種や効果的に使っていきたい球種、現在改良に取り組んでいる球種は
それは秘密だね(笑)。そんな大きく変えるところはないし、今までの持ち味を磨いていくだけだと思っているので。それもお楽しみかな(笑)。
――何か練習や試合で意識して見る指標はあるか
試合だったらストライク率。球速、というよりかは自分がどれだけストライクが取れているのかというのを意識しています。練習の時はラプソードという計測器があるので、球速や回転数などいろいろな数値を見ながら変化球も試しています。
――現在個人として、チームとして強化しているポイントは
個人としては、コントロール。自分の持ち味は何か、と考えた時にコントロールが一番だと思っているので、そこをさらに自信をつけていきたいです。チームとしては、個々のレベルアップ。技術練習もトレーニングも結構な量があるので、野手は野手で守備やバッティングの量が多いので、本当に今は個々のレベルアップかなと思っています。
――新チームにおけるキーマン
難しいな(笑)。自分で。「僕が投げないといけない」というキャプテンとしての責任感もありますし、これまでずっと投げさせてもらえたという経験もあるので。ここは自分がしっかりしないと、という思いで自分にしておきます。
――チームの目標
「日本一、リーグ戦優勝、ワセダに勝つ」です。
――個人目標、タイトルへの思いは
タイトルはずっと言い続けているけど、「最優秀防御率」が取れていないので。頑張って、ラストイヤーで取りたいと思います。
――現時点での卒業後の進路は
プロに行きたいです。
――最後にケイスポの読者に向けて今季への意気込みやコメントを
また優勝して、みんなで盛り上がれるように頑張りたいと思いますので、応援よろしくお願いします。
(取材、記事:加藤由衣)
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