残暑厳しい秋空の下行われた関東学生テニスリーグ。2年目の1部リーグを戦った慶大は2勝3敗の4位で1部残留を決めた。慶大を1部リーグに押し上げ、定着させた昨年の4年生を欠いての闘い。戦力不足の不安がチームに影を落としていたが、春以来対話を重ね、互いに信頼を築き上げてきた。その結果、暑く過酷なリーグ戦でもメンバー中心に応援、ベンチコーチが一丸となって戦い抜き、見事暗雲を薙ぎ払った。
強豪校に苦戦を強いられたリーグ戦中盤
初戦の山学大を下し勢いに乗る慶大は、2回戦で強敵・亜大に挑んだ。パワーと球種を兼ね備えた亜大に対し、持ち前の粘り強さを見せたい慶大。だが鋭いショットにミスを誘発され、全敗という辛酸を舐めた。
続く3日目は専大との対戦。早大、亜大に次ぐ強豪校だけに苦戦を強いられることとなった。しかしここで1、2年生がチームの期待に応え活躍を見せる。S3の塩月(環2)に加え、S5のルーキー藤岡(総1)がフルセットの末に相手を打破。1年生とは思えない強靭な闘魂を見せ、諦めないプレーで白星を掴んだ。全体で2-5と専大が強さを見せつける結果だったが、若い力がチームに勇気を与えた3日目となった。
全試合を同じメンバーで闘う慶大にとって疲労との闘いともなる後半戦。 第4戦は大学テニスの絶対的女王早大と合見えた。格上相手に吹っ切れた動きを見せた慶大。積極的に攻撃を展開するも、球速、スタミナともに群を抜く早大に押し込まれていく。だがここで慶大のシングルス1を張りつづける宇田川(法3)が意地を見せた。相手はトップ集団早大の中でも別格の強さを見せるインカレ覇者の桑田だ。その女王を第3セット、タイブレークまで追い詰める。あと一歩のところで逃げきられたが、惨敗した春の早慶戦からの成長を感じさせた。
チーム一丸となった最終戦での有終の美
長く厳しいリーグ戦の締めくくりは駒沢大との対戦となった。ピークに達する疲労が心配されたが、快調にダブルスで2勝を挙げると、シングルス先3本も連取する。残り2試合では駒大が意地を見せたが、全体で計5-2と納得の勝利。最終戦を飾るに相応しい晴れやかな結果で慶大のリーグ戦は幕を閉じた。
チームの全員が最後まで勝利を諦めずに闘い抜き、その結果得られた総合4位という順位。それは日本一を標榜するチームにとっては決して満足できるものではない。でもひとまずはほっと胸を撫で下ろすことができるだろう。なにより、例え個々のメンバーに飛び抜けたカリスマ性がなくとも、団結した「和」の力で1部を闘えることを証明してくれた。次なる課題は上位校への勝ち星を増やすことだ。若い慶大チームの成長の「輪」がどこまで広がるか。その可能性に期待したい。
By Asuka Ito
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