4月12日に開幕を控える東京六大学野球春季リーグ戦。昨春は3位、昨秋は5位も、早慶戦で宿敵・ワセダに2連勝を収め、今季の逆襲に繋がるシーズンとした。ケイスポでは、毎年恒例の開幕前対談を実施し、逆襲を誓う慶大野球部の選手たちにインタビューを行いました!
最終回となる第5弾は、外丸東眞(環4・前橋育英)と今泉将(商4・慶應)の主将副将対談です!

今泉副将(左)と外丸主将(右)(野球部提供)
── 他己紹介
外丸:副将の今泉将くんです。今泉は、野球に対してすごく真面目で寡黙にやっているイメージ。周りには見せないけど、内に秘める熱いものがある男です。普段は、野球の時のイメージとは逆に結構楽しくワイワイやっています。
今泉:主将の外丸東眞くんです。野球に関してはキャプテンです、というところで文字通りチームの大黒柱として、新チーム開始当初から先頭に立って引っ張ってくれていると思っています。普段に関しては、オンとオフの切り替え結構しっかりできるタイプかなと思っています。オンの野球の時がしっかりとある分、オフのプライベートの部分もしっかり切り替えて楽しめる方というか。時と場合によってははっちゃけるじゃないですけど、普段の彼からは想像できないような盛り上がり方をするというのが、意外な一面かなと思います。
外丸:めったにないから(笑)。半年に1回とかだから。
──お互いの第一印象
外丸:初めて会ったのは高3の時の2月か。今泉は塾高(=慶應義塾高)で、僕は外部から来たので、みんな塾高で仲は良くて。第一印象は、デカい。デカくて、少し寡黙な感じだったので、ちょっと絡みに行きにくいかなと(笑)。
今泉:最初は自分を出さない感じがあった気がしていて、それがいつからかめちゃくちゃ自由奔放な感じになっていました。最初は当たり障りのない雰囲気を発する感じがあったんですけど、いつからかおかしくなりましたね(笑)。
──野球以外で関わることはあるか
外丸:普段の寮でとか、たまにみんなでご飯行ったりとか。たぶん食の趣味が合わないから、2人でご飯行くことはない(笑)。僕は結構規則正しい食事するから、あんまり脂っこいものとか食べない。ラーメンとかもあんまり好まない。
今泉:僕は二郎系ラーメンとか結構好きです。野球部の中でもしサシでご飯行くと擦れば、フラッとラーメン食べに行くとか、そういう感じ。
──お互いの思う良いところ
外丸:ちゃんと自分の考えを持っている。例えばミーティングで話す時も考えがまとまっていて良いところだなと思います。
今泉:まずストイックなところ。あれだけの結果につながるだけの裏付け、努力が裏にはあるなと思っていて、必然的にあのような結果になっているのかなと思うぐらいチームの誰よりもストイックに取り組んでいるところがまずすごいなと思います。あとは自分を持っているというところ。結構ピッチャーらしくて、ブレないところがあるので、野球にも良い意味で繋がっているのかなと思います。
──お互いの直してほしいところ
外丸:ちょっと力が強いかな(笑)。少し絡んだ時に、痛い。パワーの制御をしてほしい。自分の持つ力を把握できていない。あとは、何かと僕のせいにしてくる(笑)。何かあったら「それは、お前だろ」みたいな。野球では僕のせいにすることはないけど、しょうもないことで責任の所在を押し付けてくる。
今泉:後輩とかに対してわけの分からない絡みが多い。発している言葉がもう分からない。小川琳太郎(経4・小松)くんの真似をするところから始まっていると思うんですけど、言葉じゃないような言葉で後輩に絡んだりしてます。結構返しに困る後輩とかもいて、可哀想だなと思いながら見ています。
──言葉にならない言葉を音にすると
今泉:林純司(環2・報徳学園)くんを呼ぶときも、「ゔあ゙あ゙ー」みたいな感じですね。
外丸:文字に起こせないでしょ(笑)。
──ここからは野球の話題に。去年のチームとの違いは
外丸:個性が豊か。去年は割とみんなでまとまっているイメージ。今年は結構個性豊で、それぞれキャラが強いかなと思います。
今泉:もちろん去年のチームから良い部分を受け継いでというのはあると思うんですけど、その中でも怖いもの知らずでそれぞれが自分で試合の中、野球の中でガツガツできるというのは今年のチームの良いところ。去年5位という結果で終わって、言ってしまえばそこから失うものがない。上がっていくだけという考えの中で、結構若い選手も多かったりとか、4年生でもそこまでリーグ戦に出ていない選手が試合に出ることになって、怖いものなしで自分の色を出して、今のところ勢いに乗ってやっていけていると思います。
──チームとしての目標は例年通り「日本一、リーグ戦優勝、早慶戦勝利」
外丸:そうですね。
──どういう戦い・試合作りをしていけば、目標を達成できるか
外丸:ピッチャーとしてはやっぱり失点をなるべく抑える。失点を抑えるために無駄なフォアボールとかは無くしていけるので、できるだけ少ない失点で抑えていけば、自然と勝利が見えてくるんじゃないかなと思います。
今泉:良いピッチャーからも点を取れるように、勝てるバッティングであったり、勝てる攻撃というのはすごくフォーカスしてやっているところなので、そこがポイントかなと思っています。チーム全体としては、少し流れが悪くなった時に、いかに上手く立て直してずるずる行かずに戦えるかというところは、鍵になってくるかなと思います。
──そのような戦い方に持ち込むために、チームとしてここまで取り組んできたことは
外丸:ピッチャーは、もちろん実力を自分で上げていくというのは大前提として、周辺技術、フィールディングなどの細かいところを結構厳しく言われてやってきました。
今泉:オープン戦の中で、自分が何をすればチームの勝ちに繋がるのかというところを常に考えるというのを監督にチーム全体として求められています。全員が自分の考えを持って意図を持って、打席に入ったり守備をしたりすることで勝ちに繋がるところは磨かれていると思います。
──自身がどのような活躍をすればチームは勝てる
外丸:僕は本当に抑える。これに尽きると思います。先発で行く時は、しっかりと試合を作って、完投完封していければ1番良い。抑え、中継ぎで行く場合も、変わらずに抑える。どんな場面でマウンドに上がったとしても抑えることには変わりないなと思います。
今泉:チャンスでの1本というところは、常に自分に求めてやっていきたいなと思っています。土壇場で勝負を決めるのは4年生だと思っているので、自分の結果がチームの勝敗に直結するという責任を持って、意識して取り組んでいきたいなと思います。
──そのような活躍をするために、個人で意識してここまで取り組んできたことは
外丸:僕は、対バッターに対してどう抑えていくかというところ。もちろん球速アップとか、ベースアップは必要ですけど。最後はコントロールというところ、突き詰めてやってこれたんじゃないかなと思います。とにかくピッチングで再現性を高めてきました。
今泉:バッティングに関して、去年1年間全く結果出なかったので、もう1回1から見直そうと思って取り組んできました。今までもバットを振る量であったり、練習量は自信を持っていたんですけど、それを意味ある努力に繋げたいなという思いで、今まではバット軌道とかスイング軌道とかにフォーカスすることが多かったんですけど、1番結果に繋がるところを考えた時に目線とタイミングをしっかり見直して、自分のバッティングを作り上げてきたという感じですね。
──お互いのプレーにどのような印象を持っている
外丸:今泉の1番の良さというのは、バッティングで特に長打力。オープン戦でもホームラン打ってるけど、なんと言うか「すごいホームラン」を打つ。見惚れるような打球でホームランを打つので、そこが1番の持ち味じゃないかなと思います。
今泉:コントロールがやっぱりすごい。普段練習の中でもシートバッティングで(外丸の)後ろを守ったりすることがあるんですけど、他のピッチャーにはないような精度でストライクゾーンの出し入れをするので、そこがすごいと思います。
──春季リーグ戦ではお互いにどのような活躍を求める
外丸:打率3割、いや2割8分。ホームラン5本。
今泉:全試合勝つつもりで行きたいので、5勝と最優秀防御率。
──主将・副将としてどういう役割を果たしてほしい
外丸:僕はピッチャーなので結構野手と分かれることが多いので、ほぼチーム全体を見てくれている。そのおかげで僕は自分のやりたいことに集中できている。僕はこんな感じなので、今後もキャプテンらしくやってほしいです(笑)。
今泉:役割分担の話は2人で話したことがあって、外丸はプレーではずっとチームを引っ張ってきたので、最近は下級生とのコミュニケーションであったり、いろんな人にコミュニケーションを取るというところを意識しているはずだと思います。やっぱり主将からかけられたちょっとした言葉とかでも下級生や若い選手は、それが刺激になって頑張る材料になると思うのでそういうところはこれからも積極的にやってほしいなと思っています。
──ネクストブレイクの選手を上げるなら
外丸:ピッチャーだったら、水野敬太(経2・札幌南)。オープン戦もあんまり打たれているところを見たことがない。この春多分登板機会があると思うので、ぜひ注目してもらいたいです。
今泉:4年生の野手陣、僕含めてラストイヤーにかけて本当にみんな頑張っているので、そういった4年生の執念であったりラストイヤーに懸ける思い溢れるプレーというのは注目してほしいので、誰とかではなく4年生みんなをネクストブレイクに挙げたいなと思います。
──自分の「ココ」を見てほしい!というところ
外丸:やっぱりコントロール。1番自信があるのはコントロールなので。それとラストイヤーなので、僕のラストイヤーに懸ける思いを感じてほしいですね。
今泉:らしくないこと言ってますね(笑)。僕も外丸と同じで、ラストイヤーに懸ける思いというところ、本当にこの1年に懸けている思いは強い。あと去年から7キロぐらい減量して今シーズンを迎えようとしているので、絞った体というところは見てほしいなと思います。
外丸:モテに行ってんじゃん(笑)。
──他大学で対戦を1番楽しみにしている選手
外丸:早大の小澤周平(スポ4・健大高崎)。高校時代からのライバルで、最後お互いキャプテンになると思っていなかったけど、大学に入ってからだいぶ打たれているので、最後は抑えたいですね。
今泉:法大の松下歩叶(営4・桐蔭学園)と明大の木本圭一(政経4・桐蔭学園)。高校時代も何回も対戦して、最後は僕たちが勝ったんですけど。2人ともキャプテンで、チームとしても法大と明大に負けたくないので、意識して頑張りたいと思います。
──春季リーグ戦に向けて、意気込み
外丸:「リーグ戦優勝、日本一、ワセダに勝つ」という目標を達成できるように頑張ります。一緒に優勝の喜びを分かち合えるようにしたいと思いますので、応援よろしくお願いします。
今泉:今までやってきたことを結集して神宮の舞台でプレーで示せるように頑張りたいと思いますので、応援よろしくお願いします。
(取材、記事:大泉洋渡)