4月12日に開幕を控える東京六大学野球春季リーグ戦。昨春は3位、昨秋は5位も最後の早慶戦で宿敵・ワセダに2連勝を収め、今季の逆襲に繋がるシーズンとした。ケイスポでは今季も開幕前対談を実施。昨季のリベンジに燃える選手たちの想いを取材した。
第2弾は、小原大和(環3・花巻東)と竹内丈(環3・桐蔭学園)の同級生SFCコンビです!
――まず他己紹介お願いします!
小原:丈は自分を持っていて、たまに自分の世界に入りすぎているときもあります。でもそれはそれで自分はかっこいいなと思っていて、そういう丈を尊敬しています。
竹内:小原とは学部が一緒で、比較的一緒にいる時間が長いので、割とお互いのこと知っているかなって思っています。野球は上手です。野球は上手なんですけど…
小原:あ、あれ?(笑)
竹内:やっぱあの…
小原:適当なんだよね?
竹内:(笑)適当っていうか、おもしろいところがあって、新鮮な日々を与えてくれる人ですね。
――竹内選手が自分を持っているなと思ったエピソード
小原:彼よく寝るんですよ。睡眠大事にしていて、そういうところがいいなって思っています。睡眠は当たり前のことですけど、当たり前のことを重要視して生活できているっていう丈がすごいなって思います。僕はそういうところ適当にやっちゃうというか「これぐらい寝ればいいか」みたいな。だから自分を管理できる丈を僕は本当に尊敬しています。
――お互いの第一印象は? 今とは違う?
小原:最初今とは別の寮で一緒でした。最初は静かで恥ずかしがりやであまり喋れないのかなと思っていたんですけど、いろいろ引き出していくとおもしろい面もあり、素をどんどん出してくれて、丈くんと楽しい日々を過ごしています。
竹内:僕の小原の第一印象は変わっているなと。今小原の話からあったように、自分は静かで内向的な人間なので控えめな感じでいってたんですけど、小原は初対面からぶっ飛ばしていて…
小原:ぶっ飛ばすタイプです。
竹内:すごいぐいぐい来たのでちょっと引いてしまった部分もあります。来られすぎて「すごいな…」って。
――逆に直して欲しいところは
小原:これいいね(笑)。
竹内:これ3時間ぐらいかかりますよ。
小原:おお?!(笑)3時間も言えちゃう!?
竹内:はい。
小原:どちらかというと丈は集団で動くよりも個で動くタイプなので、それこそ「どっか一緒に行きたい」ってなったときに、断らないで来てくれれば!めちゃくちゃ嬉しいかなと。これちょっと直してほしいですね。
竹内:小原の直してほしいところは…
小原:数えとこうかな。
竹内:これは小原の良さでもあると思うんですけど、すごい状態がいいときに調子乗るじゃないですけど、調子良い小原を見ていておもしろいからすごく好きなんですけど、「飛ばしてるなあ」と思うので、もう少し控えめに抑えて…。だけど、それが小原の良さでもあるので「小原のいいところはなんですか」と聞かれたらそれ言う人も多いと思いますが、これは僕の感じ方ですね。あとは…
小原:お、すごい(笑)。今日これで終わるぞ質問。
竹内:え、これラストの質問じゃない?(笑)
小原:じゃないじゃない(笑)。
竹内:あとは守備。
小原:そうね、守備ね。それはもう(笑)。
竹内:バッティングはもう言うことないですが、守備がうまくなってくれればチームに外せない選手になると思うので、チームとして直してほしい、向上してほしいところですね。
小原:今で2つ…。
竹内:あと、
小原:おっと(笑)。
竹内:いったん今はやめるか。また思いついたら!
――プライベートでの関わりは
竹内:よく一緒に行くよね。青葉台とか。
小原:僕の親戚が青葉台に住んでいて丈の実家が青葉台にあるので、青葉台でたまにご飯とか食べたりして、結構丈とは一緒に過ごしていますね。(竹内選手が無言になって)あれ!?
竹内:当日の朝ぐらいにLINEが来て、めちゃくちゃ迷って「行こうかなぁ」って。
小原:しぶってたんかー。
竹内:でも彼は一緒にいてつまらない人間じゃないので普通に楽しい。
小原:ありがとうございます(笑)。
――今の3年生は仲良い?
小原:比較的仲良いと思います。
――今津慶介選手(この日は体調不良でお休み)とも対談予定だったが
小原:来たらすごいことになってましたね。
竹内:僕何も話せないです。
小原:この僕も多分何も話せないです。
竹内:いや君は話せる。
小原:話せるかぁ(笑)。今津は一番すごい。陽キャ。
竹内:(もし今津がいたら)名前が「小原・今津対談」になります。
――ここから野球の話になるが、昨年を振り返って
竹内:僕は2023年に日本一という貴重な経験ができて、当たり前のように勝利に貢献する姿が求められていましたが、その期待の10分の1以下の活躍しかできなかったので、悔しいし情けないなと思います。 “終わり良ければすべて良し”と言われるかもしれないですけど、最後の早慶戦でなんとなく抑えられましたが、それでも1年通してみると全然チームに貢献できなかったのでとても悔しいです。不甲斐ないシーズンでした。
小原:僕は丈とは違って去年初めて2年生の春ベンチ入りしました。高校時代に明治神宮大会でグラウンドを踏んでいて、実際に慶應に入って神宮でやりたいという気持ちがずっとあり、それで改めて出てみて、「やっぱりここでやりたいな」という気持ちが芽生えたので、そういった意味では昨年は「やっと始まったな」「ここからだな」っていう感じでした。それこそ代打が多くフルで出るような選手ではなくて悔しかったので、今年はもっと必要とされる存在として出られるようになってチームに貢献したいなと思っています。今年は本当に勝負の年になると思っています。
――オフシーズン、春のキャンプで意識的に取り組んだこと
竹内:僕は常にチームに居続けようとしたというか。投げられない期間があるとスタートラインにも立てませんが、調子が悪いだけだったらチャンスはまだあるというふうに思うようになりました。去年1年間怪我を繰り返して思ったのが「投げられない時間を作らない」ということだったので、春のキャンプから絶対怪我はしないということを決めて取り組んでいました。
小原:僕は明確な課題があって、スローイングと打撃。打撃は持ち味なので、いかに持ち味を生かして、レギュラーとして出るには突出した打撃スキルがないとだめなので、そこの向上。何か自分にとって必要な武器を見つけるシーズンにしました。スローイングは去年から課題としていてスローイングでミスしたことも多かったので、重要視して取り組んでいました。

昨秋の東大1回戦でリーグ戦初スタメンの小原
――おいどんリーグを振り返って
小原:レベルの高い中央大学などの東都の大学と試合してみて、おいどんの段階だとまだリーグ戦では通用しないなと思いました。でも、おいどんが終わってからまだ1か月ちょっとあったので、そこでやめるのではなく、毎日毎日課題が出てくるのでそこを潰して、なんとか良い形を持っていけるようにしないといけないと思ってやっていました。
竹内:僕は正直チームの戦力になっていなかったおいどんリーグだったなと思います。僕が慶應の監督だったら絶対に僕のことを使わないし、でもそんな中でも辛抱強く使ってくれる監督の期待に応えたいという思いを持ちながらずっと投げていましたが、鹿児島でのおいどんリーグは全然良くなかったです。でも監督にマンツーマンで教えていただいたりする中で、もちろん監督の教えがすべてではないですが、良いところだけ取り入れて悪いところは取り入れないという風にやっていったら、少しずつではありますが、良くなっているかなと思います。おいどんリーグ自体の成績は良くなかったけれど、「おいどんがあったからこういう1年にできた」と思えるようなシーズンになったらなと思います。
――リーグ戦開幕がもうすぐですが、現在のコンディションは
小原:バッチリです。あとは気合いです。
竹内:(小原と自分と)足して2で割ったら平均ぐらいですね。だから僕は全然バッチリじゃないです(笑)。(小原の)10と(自分の)0。いや、0ではないけど9と1ぐらい。
小原:調子はいいですけど、リーグ戦は良い状態と悪い状態の差があるのはダメなので、ずっと良い状態をキープしないといけない。だから自分の悪いときの変化にすぐ気づけるようにこれから生活、例えば寝るでも筋トレでも、自分の悪いところにいち早く気づける対策をしていかないといけないと思います。
――チームの注目選手は、その理由
竹内:やっぱり外丸(東眞=環4・前橋育英)さんですかね。僕らにはわからないですけど、去年は外丸さんにとって悔しいシーズンだったと思います。でも今はそれを糧にしている感があって、おいどんリーグでも点を取られない、ランナーを出さない投球が続いているので、はやくリーグ戦で外丸さんのピッチングを見たいなと思います。
小原:僕は副将の今泉(将=商4・慶應)さんですかね。去年今泉さんも自分では納得できていないような様子でした。副キャプテンになって一層野球に対する意識やいろいろチームを見ないといけないという立場になったので、本人も考えたりしている姿を僕は生活スペースが一緒で見ているので、今年の今泉将には注目ですね。
竹内:あとは小原も。本当に良いバッターなので。
小原:がんばります。あと竹内丈さんも。
竹内:いや僕は大丈夫です。
小原:今日良いピッチングをしていたので。このまま順調に。
竹内:1日だけなので。
小原:僕は今日打てなかったのでだめです。
――他大学で対戦したい選手は
竹内:僕は高校つながりで法大の山口凱矢(営3・桐蔭学園)投手です。彼は高校の同級生で、ずっと仲良くて、よくお泊りとかしていました。去年の春、法大3回戦の12回ぐらいに最後(渡辺)憩(商2・慶應)のサヨナラホームランで勝利した試合があったと思うんですけど、それが引き分けのままだったら次の試合でお互い先発だったかもしれなくて。実際そこでは対戦できなかったので、今年はお互いどこかで対決できればなと思います。
小原:僕は法大の熊谷陸(人2・花巻東)です。それこそ高校一緒で、かつ同部屋でした。去年熊谷はベストナインと首位打者で1年生から取っていたので、やっぱり「後輩に先取られた」とう気持ちが大きく、今年は僕が後輩に負けないようにベストナインと首位打者目指してやりたいと思います。
――お互いリーグ戦で期待する成績は、どんな活躍を求めるか
竹内:小原は3割絶対打てると思うので、一喜一憂癖がなくなってずっと同じメンタルで保っていたら、絶対3割打てる力があると思うので、とりあえず今年の春は3割打ってほしいです。
小原:頑張ります。丈はよく言われているのが“早慶戦キラー”。早慶戦でしか勝利を挙げられていない。
竹内:そんなことはない(笑)。
小原:そんなことはないか(笑)。けど、そういう印象がついているので。今年はどのカードでも勝利を収めてくれたらなと思います。

昨秋早慶2回戦は先発で5回1失点の好投・竹内
――個人、チームの目標は
竹内:チームの目標は日本一。個人…なんか思いついた?
小原:個人は首位打者取りたいです。チームにそういう存在、確率の高い選手が多くいないと日本一もリーグ戦優勝もできないので、僕が先陣切って首位打者取りたいと思います。
竹内:僕の個人としての目標は…
小原:高くいけ(小声)
竹内:野球を嫌いにならないこと。
小原:すごい目標(笑)。え!?
竹内:やっぱり野球を好きでいたいなと。十何年間続けてきて、残り2年。僕は野球継続の意思はないので、残り2年ってなったときに野球の成績で苦しんで悲しい思いをしたくないし、それで野球のことを嫌いになって終わるというのは嫌なので、成績が出ても出なくても野球のことを好きでいたいなと思います。
小原:良い目標。
――最後にケイスポ読者やファンの方々にメッセージをお願いします!
小原&竹内:いつもありがとうございます。
小原:応援よろしくお願いします。今年の小原は違います!
竹内:ケイスポの新聞やSNSに多く登場して名前を覚えていただけるように1年間頑張るのでよろしくお願いします。
――質問は以上です!竹内選手は小原選手の直してほしいところを言わなくて大丈夫ですか?
竹内:あるね、絶対(笑)。
小原:もういいでしょ!(笑)
竹内:いいのないかな。
小原:いいのないかなって俺ケイスポで叩かれるの!?
竹内:あ!直してほしいところあった!ベッドに入ってこないでほしい。
小原:は!いいだろ別に。
竹内:前にいた寮のときからそうなんですけど、僕がベッドの空間を大切にしているのを知ってるからこそ、そこに入りこもうとしてくる。
小原:まだ序盤だったので、友達作りたかったし。覚えてもらおうということで。キャラとしてやってました!今もやってます!
竹内:まあ直してほしいです。
小原:今年の丈の成績によります!
(取材、記事:河合亜采子)