【野球】序盤と終盤に大量失点 早大に1勝目を献上 東京六大学野球春季リーグ戦/早大1回戦 @明治神宮野球場

野球戦評

5月31日(土) 東京六大学野球春季リーグ戦 早大1回戦 @明治神宮野球場

激しい雨の中、先発マウンドに立った外丸東眞(環4・前橋育英)が連打を浴び、1回・3回に計5点を失う。打線は中塚遥翔(環2・智辯和歌山)のソロ本塁打、常松広太郎(政4・慶應湘南藤沢)の適時二塁打で2点を返し、その後継投で凌ごうとするも、8回・9回に計6点を追加され最終的に11-2の大敗。春季リーグ最終カードである早慶戦は苦しいスタートとなった。

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早大30200001511
慶大0001001002

慶大バッテリー:●外丸、小川琳、田上、水野、渡辺和、木暮、谷口和ー渡辺憩

早大バッテリー:○伊藤樹、田和ー吉田瑞

慶大本塁打:中塚2号ソロ(4回)

早大本塁打:なし

◆慶大野手成績

位置選手1回2回3回4回5回6回7回8回9回
[4]今津慶介(総3・旭川東)遊ゴロ遊失右安一ゴロ右安
[7]小原大和(環3・花巻東)投ゴロ死球見三振右安二ゴロ
[8]常松広太郎(政4・慶應湘南藤沢)投安空三振遊ゴロ右2
1水野敬太(経2・札幌南)
1渡辺和大(商3・高松商業)
1木暮瞬哉(法4・小山台)
1谷口和大(経3・岡崎)
H森村輝(総4・小山台)左飛
[3]中塚遥翔(環2・智辯和歌山)見三振右本右安遊飛
[5]吉野太陽(法3・慶應)空三振一直見三振投ゴロ
[2]渡辺憩(商2・慶應)三ゴロ遊ゴロ空三振死球
[9]吉田雄亮(商3・慶應)見三振捕飛遊安左飛
[6]林純司(環2・報徳学園)見三振遊ゴロ二ゴロ二ゴロ
[1]外丸東眞(環4・前橋育英)
H坪田大郎(商4・慶應)右飛
1小川琳太郎(経4・小松)
H今泉将(商4・慶應)三失
1田上遼平(商3・慶應湘南藤沢)
H8横地広太(政3・慶應)

◆慶大投手成績

 選手投球回打者投球数被安打被本塁打与四死球三振失点自責点
先発外丸東眞(環4・前橋育英)31563601255
2小川琳太郎(経4・小松)2725100100
3田上遼平(商3・慶應湘南藤沢)2622001400
4水野敬太(経2・札幌南)1/339200011
5渡辺和大(商3・高松商業)1634002231
6木暮瞬哉(法4・小山台)0313200021
7谷口和大(経3・岡崎)2/329000100

前カードの法大戦では、4日にわたる死闘の末勝ち点を落とし、現在5位の慶大。二週間の空白を経ていよいよ最終カードに挑む。今年、100周年の節目を迎えた東京六大学野球。その最後を華々しく飾るのは、慶大と早大の伝統の一戦だ。昨秋の早慶戦では、すでに5位が確定していた慶大が、首位だった早大からまさかの2連勝。今春も早大から勝ち点を奪い、最高の形で今シーズンを締め括りたい。また、春季リーグを3位で終え、来季へと繋げたいところだ。そのためにも、この早慶戦2連勝は必至である。

対する早大は、現在2位。4季連続優勝のためには、この早慶戦を2連勝で制したうえ、明大との優勝決定戦に勝利しなくてはならない。一世紀かけて繰り広げられてきた両校の負けられない戦いが、再び幕を開ける。

この日は朝から大雨と強風に見舞われ、月曜への順延も見込まれていたが、予定時刻から1時間遅れの14:00プレイボールとなった。大雨の中でも"華の早慶戦"を一目見ようと多くの観客が駆けつけた。先発としてマウンドを託されたのは慶大の"心臓"、キャプテンでありエースの外丸東眞。対する早大の先発は、絶対的エース・伊藤樹(スポ4・仙台育英)。最多勝争いを繰り広げる両投手の投げ合いにも注目だ。

伊藤樹と現役最多勝を争う先発・外丸

1回表、慶大はいきなりピンチを招く。先頭・尾瀬雄大(スポ4・帝京)に四球を与えると、続く2番・渋谷泰生(スポ4・静岡)に右前安打を許し、無死一、三塁に。ここで、打率3割超えの強打者・小澤周平(スポ4・健大高崎)を迎える。小澤の打席の間に、リーグ盗塁数トップの早大に二盗を許して無死二、三塁とされると、左前適時打を浴び、先制点を奪われる。なおも一死も奪えないまま、無死一、三塁で、4番・寺尾拳聖(人間3・佐久長聖)にも適時打を浴び、苦しい展開に。続く5番・前田健伸(商4・大阪桐蔭)を5ー4ー3の併殺打に打ちとるも、その間にさらに1点を失い、この回、一挙3得点を奪われた。

いきなり苦境に立たされた慶大打線は、早大・伊藤の好投球に食らいつくも得点できないまま3回を迎える。これ以上点差を広げまいと外丸が力投を見せるが、早大打線の勢いは止まらない。1死から渋谷、小澤の連打で二、三塁とされ、4番・寺尾にはこの日2本目の適時打を浴び、5点差に広げられる。しかし、その後の田村康介(商4・早大学院)の打球を左翼手・小原大和(環3・花巻東)が背面キャッチ。好守で後続を断ち、最小失点で切り抜けた。

4回、先頭・中塚が右翼への特大ソロ本塁打を放ち、1点を返す。投手は外丸に代わり、2番手・小川琳太郎(経4・小松)がマウンドへ。この日当たっている渋谷、小澤、寺尾を連続ゴロに打ち取り、好投を見せた。さらに6回から登板した3番手・田上遼平(商3・慶應湘南藤沢)は三者連続三振を奪う圧巻のピッチングを披露し、流れを慶大打線に引き寄せる。

2イニングを完璧に抑えた小川琳

4回に伊藤樹の直球を右翼席中段に運んだ中塚

6つのアウトのうち4三振を奪う好投・田上

その後、両校ともスコアボードに0を並べ、迎えた7回。2死から小原大和が右前安打で出塁すると、今季慶大打線をけん引する主砲・常松広太郎に注目が集まる。常松は二塁手と右翼手の間に落ちる適時二塁打を放ち、1点を返した。

適時二塁打を放った頼れる主砲・常松

8回に1点を追加され、6-2で最終回を迎える。8回から登板している渡辺和大(商3・高松商業)が、先頭・石郷岡大成(社会4・早稲田実業)に四球を与えると、代打・清宮福太郎(社会4・早稲田実業)には三失で出塁を許し、1死一、二塁のピンチを背負う。続く尾瀬に四球を与えたところで、木暮瞬哉(法4・小山台)にスイッチ。しかし、押し出し四球からの連続適時打を浴び、一挙4点を失う。その後、リーグ戦初登板となった谷口和大(経3・岡崎)がマウンドに上がるも捕逸でさらに1点を失い、そのまま試合終了。終わってみれば、11-2の大敗を喫した。

この試合3失点(自責1)の5番手・渡辺和

木暮も粘れず2失点(自責1)で大差を許した

初回に大量失点を許したものの、継投で何度もピンチをしのぎ、粘り強さを見せた慶大。打線は早大エース・伊藤から7安打を放つなど好調だったが、あと一本が出ず点に結びつかなかった。終盤に差を広げられる結果となったものの、小川琳・田上らの継投の安定感と攻撃の可能性は明日に繋がる。チーム一丸となり、明日からの試合を2連勝で決め、早大から勝ち点を奪うことを期待したい。

 

◆活躍選手コメント

谷口和大(経3・岡崎)

今日の試合が初めての登板でしたが、しっかりといつも通りのピッチングをすることができました。明日の試合も出番があれば淡々と投げ抜きたいと思います。

リーグ戦初登板を果たした谷口和

 

(記事:梅木陽咲、河合亜采子、写真:鈴木啓護、鈴木拓己、神戸佑貴)

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