【應援指導部】7泊8日の長丁場 夏合宿の様子をレポート! 後編

應援指導部

後編では、五泉市総合会館でのドリル練習やグラウンドでの応援練習の模様を紹介する。また、部員たちが宿泊する宿舎にも訪問。応援席や練習中の様子とは違う、彼らの異なる顔を取材した。迫る秋の応援シーズンに向けて牙を研ぐ、應援指導部の夏合宿は、感動のクライマックスを迎える。

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合宿の様子をYouTubeにアップロードしております。

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合宿7日目。彼らの起床は6:30と早い。全体集合で若き血の合唱などを行なったのち、部門ごとに分かれて1時間程度各種確認を行なった。続いて全部員が1部屋に集まり、朝食の時間。いただきますの挨拶の際には、誕生日の部員が登場し、祝福を受けた。

続いて再び、各部門に分かれての練習となった。我々が密着したのは座学の時間。応援のあり方について複数グループに分かれて話し合い、発表し合った。枝廣代表からは、議論内容だけでなく、発表の振る舞い、議論の進め方などについても指摘が入った。座学は合宿ならではの取り組みで、参加した部員は、「それぞれの想いや考えを共有することができたので、応援として一つの形にしたい」と語った。

7日目の午後、総合会館では吹奏楽団のドリル練習が行なわれていた。「ドリル」とは、屋内で行われるマーチングの一種である。メンツ(楽器)の細かい隊列の変化やカラーガードの旗さばきが見どころで、應援指導部では主に定期演奏会で披露されている。集大成となる定期演奏会まで残り3か月を迎え、この日のドリル練習にはいっそう熱が入っていた。リズムを刻む4年生に合わせ、歩調や隊列変化、細かなタイミングを合わせるトレーニングを繰り返していく。ドリル練習が終わると今度は楽曲の演奏練習が行われ、部員たちは集中した面持ちで演奏をこなしていた。練習は3時間半ほどで終了。普段は見られない、應援指導部の応援以外の側面を垣間見ることができた。

さらに、別の場所ではチアリーディング部の練習が行われていた。4学年がそろい人数の多い練習だったが、特徴的だったのは同じ個所を何度も繰り返し確認していたこと。曲を流すと、短い間隔で止めて前で演技を見ている上級生が一つ一つ改善点を伝えていく。伝えられるポイントは位置の確認や一つ一つの体の動きなど多岐にわたる。そして再び同じ個所を流しながら、動きを確認する。曲を止め、動画を見ながらすぐに修正点を伝えることで、人数が多いながら効率的な練習を行っていた。演技を見学していた、吹奏楽団に所属する副代表の越後真咲さんは「ドリルにも何か通じるものがあった。きびきびした練習姿勢を見習いたい」と語った。

村松公園という場所では、ハードな練習が行われた。まずは公園でのトレーニング。腹筋などが中心で、苦しい場面ではお互いに声を掛け合い、乗り切った。続いてはランニング。長距離走に長い時間取り組んだ。最後はグラウンドで練習が行われた。応援側と野球部側に分けて、応援される側の視点を得ることを重視した。

宿舎に帰ると、全員での夕食タイム。この日は合宿最終日の前夜で、7泊8日の合宿はついに最後の夕食を迎えていた。厳しい練習を乗り越え、明日の総合練習を残してほとんどの練習メニューを終えた部員たちに、合宿の感想を聞いた。

「朝早く起きて、起きてすぐ練習があり、眠い中目をこすりながら必死にドリル練習をしたのがしんどかった」

「練習場所までバスで移動するのですが、同期や上級生方とお話しできる機会がたくさんあってとても楽しかったです」

「今までドリル練習に苦手意識があったのですが、この合宿に来て自分自身が目標として“脱皮”というのを掲げました。一皮むけられるような合宿にしたいというのがあったのですが、みんなで反省点を言いあう時間で積極的に発言したり、ドリル練習を楽しもうという姿勢を出せたのが、成長でもあるし楽しかったことだなと思っています」

合宿には総勢約150名が参加した。一人一人に話を聞いてみると、それぞれが味わった成長や反省があるようだ。夕食が終わると部屋割りの班に分かれ、合宿の反省や総括を行った。そして最後に枝廣二葉代表から「明日の総合練習はそれぞれの自己実現したいこと、今までの合宿でやってきたことを発揮してほしい練習ではあるけれど、最終的な目標として應援指導部をファミリーとして捉えて、一つになって総合練習を作りあげていこう」という言葉がかけられ、全部員ミーティングが終了した。

最終日の8日目には、慶法1回戦を想定した総合練習が行われた。総合練習は春季に行われたものと同様、スクリーンに映し出した試合展開をもとに神宮球場さながらの応援を行う、應援指導部恒例の練習だ。1週間を超える合宿で部員たちの疲労はピークに達しているはずなのだが、それを感じさせないような迫力ある、熱気あふれる応援が繰り広げられた。

熱い応援に対し、アドバイスも熱を帯びる。応援責任者のNさんからは「平サブ(応援席の盛り上げ)も大事だけど、守備がすぐ終わるかもしれないシチュエーションなら演奏席の近くにいなきゃ。」「熱い応援でも頭は冷静にいこう」との的確な指摘が入る。

攻撃回、守備回ともに数イニングを消化し、試合想定練習も佳境を迎えた9回。2死満塁、カウント3ボール2ストライクの状況で、枝廣団長から「塾生注目」の号令がかかる。そこで枝廣団長が叫んだのは、1年生から4年生、それぞれの学年に向けての感謝と激励の言葉だった。普段の総合練習ではみられない光景だったが、総合会館内に広がっていたのは、部員全員がより良い応援席を目指す空間だった。

 

練習後インタビュー 代表・枝廣二葉さん

――合宿を終えて

7泊8日、部員150人が完走できたというところは、本当に自信になったかなと思います。

――成長した場面は

最終日の総合練習です。総合練習では全部員が合宿でやってきたことを本気で発揮して、ここから日本一を取るんだという気持ちで一つになった瞬間が印象的です。

――合宿では寝食をともにした

初日の夜にミーティングを行って、そこで應援指導部をファミリーと思ってほしいという話をしました。ファミリーということをすごく意識していて、寝食をともにする。一緒に朝から晩までいる。家族のようにみんなが思えば、一つになれるかなと思うので、そういう意味で最終日までいけたことは、また部がより一層強くなって、深まった機会になったかなと思います。

――総合練習では腕章を手渡した。1年生への期待は

1年生は右も左も分からない状態でこの部活に入ってきて、この合宿を乗り越えたということは自信を持ってほしいと思いますし、腕章を手にしたからには1年生から4年生全員が同じ見られ方をすることになるので、応援活動では学年関係なく一緒に応援をつくりあげる、家族の中に仲間が増えたような気がしました。

 

7泊8日のハードな合宿を乗り越え、部員たちの表情は達成感に満ちていた。夏を越え、パワーアップした部員の姿を、秋リーグ戦でも楽しみにしたい。

 

(記事: 岩切太志、工藤佑太、鈴木拓己)

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