25年度に卒業を迎える4年生を特集する特別企画「光るとき」。第64回となる今回は、女子バスケットボール部の今井楓子(商4・吉祥女子)。コートに立てない時間も重ねた中で、それでも“好き”を貫いてたどり着いた、彼女なりのバスケの形とは__。
試合に出られなかった1・2年生
今井のバスケとの出会いは、父に連れられて小学校のミニバスチームに足を運んだこと。高校ではキャプテンも務めていたが、慶大バスケ部に入部すると、そのレベルの高さに圧倒される日々だった。試合に出場できない期間は2年ほど続き、「自分は強豪校でバスケをしていたわけではないので、試合に絡めるとは思っていなかった。その状況はある意味予想通りだった」と話す。

六大学対抗戦・東大戦
環境が大きく変化した3年生
3年生になると、新たに野呂ヘッドコーチを迎えた新体制でのチームが始動した。プレー面では基礎から学び直し、「また1から頑張ろう」という気持ちで3年時は臨んだという。
また、網野梨加(環4・Irvine High)や河村さくら(文4・松陽)と同じポジションだった今井は、同期のプレーを見て勉強しつつ、自分にしかできない役割を追い求める日々を過ごしていた。しかし、自身のプレータイムが思うように伸びないことを実感した今井は、スカウティングでチームを支えることを決意する。「スカウティングで貢献するということは、決して苦しい選択ではなかった。もともとバスケを見ることが大好きだし、コート上の5人が自分のスカウティングが活きたプレーをしてくれるのが嬉しかった」と語る。その喜びが、今井のモチベーションへとつながっていった。
3年時には、網野や濵月綾菜(新商4・長崎西)が相次いでケガをしたことにより今井に試合の出場機会が巡ってきた。「不甲斐ないプレーで河村や後輩に迷惑をかけた場面もあった。自分が結果を出せていない事実があるからこそ、それを受け入れて、自分に足りない点を俯瞰できるようになった」と当時を振り返る。

女子順位決定戦・法政大戦
最高学年として
4年生になると、春のトーナメントでスタメンとして試合に出場する。3年時と同様にチーム内に負傷者が多かったが、それ以上に、4年間の中で最も自身の調子が良かった時期だったという。プレー面では、ヘッドコーチが自身を試合に出すときはリバウンドが取れているときであると認識し、センターとしての役割であるリバウンドと合わせのプレーを意識した。そして精神面では、1~3年生でコートに立つ時間が短かった分、出場している時間でチームをしっかり勝たせるという責任感がコートの中で芽生えていたと話す。
今井は自身の4年間について「一言で表すなら完遂。やり切った」と表現した。コートに立てない時間が長かったからこそ、支えることの意味を知り、スカウティングで仲間を輝かせ続け、掴み取った出場の機会では4年間の覚悟をコートに刻んだ。そのすべてをやり切ったという実感が、今井の言葉には込められていた。
(取材:本橋未奈望、新妻千里 記事:新妻千里)


