【バスケ(女子)】使命を果たすために 先輩から後輩へ紡いだ想いのバトン/4年生卒業企画「光るとき」 No.65・野見山洋実

バスケ女子

25年度に卒業を迎える4年生を特集する特別企画「光るとき」。第65回となる今回は、女子バスケットボール部の野見山洋実(法4・聖心女子)。野見山は、自身には先輩が示してきた背中を受け継ぐ使命があると感じていた。全てはチームのために――その思いを胸に歩んだ野見山の4年間に迫る。

 

高校バスケと大学バスケのギャップ

 野見山がバスケを始めたのは、競技のかっこよさへの憧れと、母の影響がきっかけだった。中学・高校時代は週に2回ほどしか練習はなく、決して強豪校とは言えない環境で過ごす。しかし高校を卒業して慶大女子バスケ部に入部すると、“体育会特有の空気”に触れ、それまでとの違いに衝撃を受ける。特に印象的だったのは、試合に出場していない上級生たちも一丸となってチームを支える姿だった。組織として機能する体育会の在り方に胸を打たれ、その姿を見て自らもさらに努力しようと思えたと振り返る。

 

バスケ部への再入部

 3年時、野見山は留学を決意し、一度チームを離れる。慶大バスケ部は、原則として“退部後の復帰”を認めていない。野見山は、退部した後は外から全力で応援する覚悟でその選択をしたという。

 留学中もSNSなどを通してチームを見守る中で、帰国が近づくにつれて「このチームにまだ自分が果たせる役割があるのではないか」という思いが芽生えていく。上級生として、かつて自分が見てきた先輩たちの姿や思いを下級生に引き継いでいきたいという気持ちが強まっていった。

 そして、もう一度コートに戻る決意をする。もう一度みんなとバスケがしたい――下級生の頃に見た、各々が自分の役割を見つけて組織の中で動く先輩たちの姿を、次は自分がつなぐ番だと感じたからだった。

 復帰後は、野呂ヘッドコーチを迎えて新体制となったチームに食らいつくために、ひたむきに練習に取り組んだ。ブランクがある中でも、下級生と同じ目線で練習に向き合うことで、自身の使命を果たそうとしていた。

関東大学女子バスケットボールリーグ戦・上武大戦でベンチを盛り上げる野見山

プレイヤーから学生トレーナーへ

 プレイヤーとして再入部したからには、すべてに一生懸命取り組みたい。チーム活動だけでなく自主練習も全力で励んでいたが、オーバーワークにより練習を制限せざるを得なくなった。

 4年生になり、最後の早慶戦を控えた大切な時期。残りの半年間で自身がチームに最も貢献できる形を問い直す。そして、残された時間でできることとして、スタッフへの転向を選択した。その決断の背景には、かつて見てきた先輩たちの姿があった。自らが支える側に回ることで、チームに貢献する道を選んだのである。

六大学対抗戦・東大戦でチームメンバーに声をかける野見山

 スタッフとなってからの野見山は、プレイヤーの前ではどのような状況においても明るい表情を崩すことはなかった。たとえ試合の流れや練習の雰囲気が重くても、スタッフが前を向いていれば選手も前を向けると考えた。チームの勝利こそが自身の原動力、そして存在意義となり、常に120%の力でチームを応援し支え続けた。

 

同期の5人へ

 インタビューの最後、野見山は同期との卒業旅行を思い返しながら、5人への気持ちを述べた。「旅行3日目には、各々が自分の役割を理解して動いていた。4年間苦楽を共にしたからこそ生まれたチームワークだと思う。これほど自分のことを理解してくれる仲間は簡単には出会えない。これからも大切にしていきたい」。この言葉に、野見山が歩んだ4年間の軌跡と、仲間と築いた絆が刻まれていた。

六大学対抗戦・明大戦後の同期での集合写真

 

(取材:本橋未奈望、新妻千里 記事:新妻千里)

 

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