早慶戦直前。昨季の主力が多く抜け、新たなフェーズを迎えた慶大UNICORNS(ユニコーンズ)。異例の「ダブル主将体制」や、全員がラインポジションという「暑苦しい」幹部陣が牽引する新チームの現在地とは。2020年よりチームを率いる前田監督に、今年の強みやキーマン、そして大一番となる早慶戦に向けた意気込みを伺った。
ーー今年は異例の「ダブル主将体制」。
意外と主将が1人じゃなきゃいけない理由は特にないんです。2人でやるという相談を受けた時には、「(その案に賛同した上で)主将を2人体制でやっていく上で、もしも困るルールがあれば変えればいい」と話をして今に至ります。会社でも代表取締役社長と会長が2人いたりするのと同じで、意外と不便はしません。ただ、奇数でないと万が一意見が割れた時に決めきれないため、副将は瀧口(新之助、商4・慶應湘南藤沢)1人にしています。

手前=丹羽、奥側=天野(4/11・日吉新歓試合にて)
ーー天野主将、丹羽主将、滝口副将の3人はどのようなバランス
天野(甲明、法4・鎌倉学園)と丹羽(駿平、商4・慶應)が前面に出てチームを引っ張っています。あの2人は根っこの考え方がとても似ていて、ただ表現の仕方が違うだけ。右回りで言うか、左回りで言うかの違いで、彼らがやりたいことを伝えているので非常に良いコンビです。意見が食い違うとネガティブに想像されがちですが、目指すチームカラーや方向性が同じなので安心しています。そこに副将の瀧口が一歩引いてバランスを取ってくれていますね。

インタビューに応じる前田監督
ーー幹部3人のプレイヤーとしての印象は
珍しいことに、今年は全員ラインなんですよね(笑)。大体はライン以外の選手も幹部に混ざるものですが、今年はたまたま全員ラインという「暑苦しい」形になっています。ただ、3人とも下級生の頃からずっと試合に出ているので、プレイヤーとしては安心して見ていられます。活躍が目立ちにくいポジションかもしれませんが、最前線で体を張っている彼らの姿を見れば、よくやっているなと分かっていただけると思います。
ーー今年のチームとして目指す姿、そして強みを教えてください。
「日本一を目指している」と公言して恥ずかしくないチームで常にありたいです。それは成績だけでなく、普段の立ち振る舞いも含めてです。そして何より、応援してくれる人がいっぱいいる状態を作りたい。野球やラグビーのように、多くの学生が試合会場に応援に来てくれるようなチームになりたいですね。
チームの強みとしては、ここ数年苦労していたライン陣に、有望な新2年生が揃ってきたことです。オフェンスもディフェンスも、土台となるラインが整えば相手としっかりやり合うことができる。最後まで走り負けないスタミナもついてきているので、ラインが崩れなければ上位チームと当たっても勝機は出てくると考えています。粘りに粘って、最後に僅差で競り勝つようなゲームを作りたいです。
ーー大きくメンバーが入れ替わったオフェンス陣、ディフェンス陣のキーマンは。
オフェンスはやはり、次期エース候補のQBの滝沢(徹、経3・慶應)ですね。昨年の山岡(葵竜、令7卒・佼成学園)のように自ら走って打開するタイプというよりは、バランスが取れた選手です。彼がうまくボールを散らしてくれれば、オフェンスは昨年より良くなると思います。レシーバー陣も、昨年彗星のごとく現れた早川(開志、総2・慶應NY)や、怪我から復帰する若月(伶士郎、商4・慶應)など、春に経験を積めばさらに伸びる選手が揃っています。

QB・山岡葵竜(令7卒)の後を追いたい
ディフェンスは、昨年まで中心だったLBの3人がごっそり抜けてしまった穴をどう埋めるかがポイントです。キーマンは山下(敬輔、法3・慶應)ですね。昨年も出場経験はありますが、彼がしっかりと穴を埋めて目処を立たせてくれるかにかかっています。フロントは変わっていないので、LB陣が春に試合経験を積んでパターンを踏めれば大丈夫だと思っています。

"キープレイヤー"山下敬輔(法3・慶應)(今年関学戦にて)
ーーキッキング陣については
キッキングは、パンターの雄大(加藤雄大、理3・本郷)とキッカーの朔也(北村朔也、商3・宇都宮短大附)が残っているので、今年は安心して見ていられます。とにかく怪我をせずに、1年間しっかりやってほしいですね。

昨年は北村朔也のサヨナラFGでTOP8残留を掴み取った(昨年青学戦にて、右=北村朔也)
ーー春の早慶戦に向けて、早稲田の印象と勝敗を分けるポイントは
早稲田さんは毎年、隙のないチームをしっかり仕上げてくる印象があります。向こうも卒業でメンバーが抜けて手探りな部分はあると思いますが、必ずハイレベルに仕上げてくるはずです。勝敗を分けるキーファクターはやはり「ライン戦」です。我々が期待しているライン陣がオフェンスでどれだけやれるか。そしてディフェンスでは、LB陣が早稲田のランナーにどれだけしっかりとタックルできるかが勝負の分かれ目になります。
ーー最後に、読者へ向けてメッセージを。
ぜひ一度、試合会場に足を運んでほしいです。テレビやネット中継の映像で見るのと、実際に会場で見るのとでは迫力が全く違います。ケイスポの記事で見るだけではなく、ぜひ生で見るアメフトの熱量をぜひ体感しに来てください。

前田晃監督(平5卒)
(日吉・嵐が丘グラウンドにて)
ありがとうございました!
(インタビュワー:水野 翔馬、記事:神戸 佑貴)

