【男子ラクロス】早慶戦 敗北、挑戦者からの再出発

ラクロスP

試合後にすわり込む本下主将

「これが現状の実力です」(斎藤・環4)。試合後の落胆の中で、観客に向けた言葉だった。昨年のファイナル4の敗退から数か月。新チームでの最初の大きな大会である早慶戦で慶大は早大に12-8で敗北を喫した。

第18回早慶定期戦

5月23日(日)@日吉陸上競技場 天候:雨

本下新主将(政4)率いる慶大ラクロス部。昨年のファイナル4敗退からの再出発に早慶戦勝利で勢いをつけたいところだ。

しかし、それとは裏腹に早大に出端をくじかれる。開始5分。早大ATに左サイドを突破され1点を先制される。さらにその後も続けざまに点を奪われ、開始5分でまさかの0-2。暗雲が立ち込めたところ、慶大は8分、MF藤澤(経2)がクリース右でパスを受けシュート。一点を返す。10分にはクリース裏のAT長島(商3)からゴール前に走りこんだMF藤井(環4)がパスを受け同点。すかさず、振り出しに戻す。13分には早大に勝ち越されるが、20分にAT小原(商4)が左サイドからシュートを放ち、再び同点にしたところで1Qが終了。早大の例年通りの屈強なフィジカルとボールへの執着心に押され気味の慶大であったが、慶大も負けずに藤澤や小原、本下を中心に動きの中から攻撃の形をつくり、食らいつく。

2Q。早大が一気に攻勢を強める。慶大がインターフェアやイリーガルプロシージャーなど反則で流れをつかめぬところを5分、9分と得点。14分にも連続失点を許し、3-7となる。ここで慶大はタイムアウトをとり、流れを断ち切ろうとする。だが、タイムアウト明けにも得点を許し、3-8で試合を折り返す。

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サイドを突破する藤澤

流れを引き寄せたい3Q。慶大もこのままでは終われない。慶大のエクストラマンオフェンスとなった開始1分、さらに2分、4分と連続得点で6-8。一気に点差を縮め、逆転への足がかりを作りだす。早大に一点を返されるものの、慶大に流れが傾いたまま4Qへとつなげる。

勝負の4Q。つかみかけた流れを必死に手繰り寄せたい慶大は1分、AT小原が早大DF陣が崩れたところを突破し、得点。さらに斎藤も続く。8-9。慶大は流れを完璧に引き寄せた。3Qまでは逆転勝利への布石といわんばかりの動き。慶大が一気にたたみかけるかのような勢いだった。しかし、いまの慶大にその勢いはなかった。10分に早大にDFを突破され、失点。8-10となり、この一点で完全に集中の糸が切れかのように、連続失点であっというまに8-12。慶大に逆転する力はなく、試合終了の笛がどんよりとした雨の日吉競技場に重く鳴り響いた。

試合終了後、本下新主将はグラウンドに座り込んだ。「純粋な気持ちは悔しい」(本下)。敗因は「流れが悪いときに踏ん張れず、流れがいいときに点を取りきれなかった」と本下は振り帰る。ディフェンスでのファールが多く、ディフェンスが崩れて失点し、オフェンスでいい流れが来てもシュートを決めきれないというチームの悪循環。「これが現状」(斎藤)と現時点の実力を潔く認めた。

だが、けっしてマイナスにとらえているだけではない。全日本選手権準優勝を成し遂げた一昨年は、早慶戦で敗北している。早慶戦での敗北がターニングポイントとなり、全日本準優勝という結果につながった。「負けてチーム状況が悪いんだよってことに気づけてよかった」(斎藤)。冷静に語る表情の裏の秘めたる熱い思いに日本一への夢を懸けたい。

By Ippei Sakuta

コメント

本下主将
去年勝ったということもあり今の純粋な気持ちは悔しいという気持ちが一番で(早大の印象は)前々から練習試合で見てきた部分もあって、フィジカルもあり全体的に執着心が強いチームだとわかっていた。グラウンドに出て直接当たってみても印象は変わらず強いチームだと思った()試合を通じて流れがあると思うが流れが悪い時に踏ん張り切れず、流れがいい時に点を取り切れなかったのが一番大きいと思います(今シーズンの戦い方)毎年この期間は春のオープン戦のシーズンなので基礎技術などを主につけていく。春の早慶戦はターニングポイントになっていて勝敗如何で残りのシーズンをどう過ごすかが変わっていく。ここで負けを味わったということでここからもっと戦術を固めていってより密度の高いものを仕上げていければなと思っています。

斎藤

(振り返って)不甲斐ないです。(敗因は)ファウルが多かったというのは大きかったです。個人的には点を取る役なのに外してしまって敗因だと感じています。(雨の影響は)雨は関係ないですね。雨でもやることは変わらないですし、条件は同じなので。(具体的な反省点は)簡単にディフェンスがファウルしないであったり、僕の場合はシュートをしっかりコースを見極めて撃ち分けるであったり決めきるということまでやらないと勝てないと思います。(収穫は)個人個人としてはあったかもしれないんですけど、チームとしては見えていない。負けてチーム状況はやばいんだよっていうことが気付けたことは良かったと思います。(今後のチーム作りに必要なことは)とにかく強い人がどんどん上手くなっていかなくちゃなっていうのは思っていて、今出ているメンバーが負けてしまった、惨敗してしまったということなので、中心で出ている選手や上手い選手がどんどん上手くなっていかないと日本一という目標は達成できないと感じています。(今年の目標は)日本一です。社会人相手でも勝って日本一というのは(昨年と)変わらないので、今日の反省を生かして頑張りたいと思います。

 

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