【洋弓(女子)】4年間の成長を懸けた72射は銀メダルを射抜いた! 宮野文が最後のインカレで堂々の2位/第64回全日本学生アーチェリー個人選手権大会

洋弓

9月22日、第64回全日本学生アーチェリー個人選手権大会が夢の島公園アーチェリー場で行われた。男子の部と同様、台風の影響で前日の予選ラウンドは中止となり、1エンド6射・12エンドの計72射(満点720点)を1立で射ち切るランキングラウンド一発勝負へと形式を変えての開催となった。女子リカーブには全国から108名が出場。慶大から4人が挑んだこの種目で、宮野文(法4・成蹊)が前半318点・後半317点の合計635点を射ち、頂点まで8点差に迫る2位に入った。竹井月渚(理3・慶應女子)も前半318点で全体3位と好スタートを切り、合計622点で13位。入賞圏内となる8位の625点とは、わずか3点差だった。1年生の鈴木麻優子(総1・浜松北)は後半に304点を射って54位まで順位を上げ、高橋亜弓(商3・洗足学園)は539点の87位に終わった。6月の王座決定戦(https://keispo.org/wordpress/112110/)で手にした銅メダルの勢いを、個人戦の舞台でも示した。

第64回全日本学生アーチェリー個人選手権大会
日程:9月22日 開催地:夢の島公園アーチェリー場(東京都江東区)
女子リカーブ出場108名/慶大からは4名が出場
■エースが挑んだ、最後の個人インカレ

宮野は6月の全日本学生王座決定戦で、チームの銅メダル獲得をけん引した絶対的エースで、2025年度の全日本室内で3位に入り、2025・2026年には国民スポーツ大会の東京都代表にも選ばれている。個人戦の大舞台でも、その実力を結果で示し続けてきた。

ただ、この日は万全の状態で臨めたわけではない。大会の1週間ほど前に射形を変えたばかりで、本人は「そこにちょっと自信を持ちきれずに、ちょっと不安の残ったまま、どうしようといった感じで入ってしまった」と振り返る。加えて、台風の影響で形式が変わり、予定されていた決勝トーナメントはなくなった。「トーナメントは自分でも得意な分野なので、とても楽しみにしていたし、トーナメントの方が自信はあった」と、得意な舞台を失い72射の合計点だけで争う戦いが始まった。

■4エンド終了時は25位 5エンドの58点で流れを引き戻す

出だしは本調子ではなかった。4エンドを終えて順位を確かめると、25位。「かなり低いところにいたので、25位はさすがに良くないなと思って。そこで本当に切り替えてしっかり打とうと思った」

続く5エンドで、60点満点中58点をマーク。6エンドも55点でまとめ、前半36射を318点で折り返した。順位は全体2位まで上がり、同じ318点の竹井が3位で続く。慶大の2人が、そろって上位に名を連ねた。

■後半も317点 最後まで精度を落とさず全国2位

後半に入っても、宮野の矢は乱れなかった。「当てるしかないかなって。もう72射、しっかり集中して当てるしかないかなって切り替えて、頑張ろうと思いました」。ハーフ順位は7位に下がったものの、得点は317点。前半からほとんど落とさなかった。合計635点。優勝した大田楓子(近畿大)の643点には8点及ばなかったが、108人中2位に入った。射形への不安と、台風によって消えたトーナメント。得意な形が失われた一日だったが、宮野はその不安を安定した数字で埋めた。

洋弓部女子のエース・宮野

■竹井、前半3位の好発進 入賞まで3点差の13位

2025年度の全日本学生フィールドで3位、6月の王座決定戦では、3位決定戦の最終射で的の中心・10点圏の「X」を射抜き、銅メダルを決定づけるなど、竹井も大舞台で結果を残してきた選手だ。

前半6エンドを全体3位まとめる好発進を見せた竹井

この日も前半は宮野と同じ318点で全体3位と、好スタートを切った。しかし後半は304点でハーフ24位にとどまり、合計622点で13位。入賞ラインの8位(625点)には、わずか3点届かなかった。前半の好位置を守り切れなかった悔しさをバネに今後の成長に期待がかかる。

■鈴木は後半に304点 54位まで順位を上げる

2025年度の全国高校選抜で5位、2025年の国民スポーツ大会では静岡県代表を務めた1年生の鈴木は、前半を280点で折り返しながら、後半に304点を射って54位まで順位を上げた。全国の舞台で見せた後半の伸びは、確かに来季に繋がる内容だったといえるだろう。高橋は初のインカレターゲットに臨み、267点・272点の合計539点で87位だった。

お互いの手を取り励まし合う高橋(左)と鈴木(右)

宮野と竹井は、6月の王座決定戦でつかんだ流れを個人戦の舞台でも途切れさせず、好成績を残した。初めてのインカレターゲットに臨んだ高橋と鈴木も存在感を示すなど、来季への飛躍も感じさせる大会となった。

直前のルール変更にも対応し奮闘した選手達

 

【試合後インタビュー】 

宮野文(法4・成蹊)

銀メダルを受け取る宮野

――台風の影響で、72射一発で順位が決まる方式に変更になり、トーナメントがないと分かったとき、心境の変化はあったか

トーナメントは自分でも得意な分野なので、とても楽しみにしていましたし、トーナメントの方が自信はあったので、少し不安な気持ちにはなりました。でも、もう72射しっかり集中して当てるしかないかなって切り替えて頑張ろうと思いました。

――出だしはいまひとつだったものの、前半の中盤ごろから立て直し、後半も安定していた。どのように流れを作っていったか

1週間ぐらい前に少し射形を変えた部分があって、そこにちょっと自信を持ちきれずに、ちょっと不安の残ったまま、どうしようといった感じで入ってしまったんですけど、4エンド目で自分の順位を確認したら、かなり低いところにいたので、25位はさすがに良くないなと思って。そこで、本当に切り替えてしっかり打とうと思ったら58/60を打てました。そこからはしっかり集中して、自信を持って挑めたかなという気持ちです。

――最後のインカレで2位という素晴らしい結果に。4年間を振り返ってみて

今はやっぱり1位になれなかったというところで悔しい気持ちもあるんですけど、1年生の時はインカレに出られないくらい、まだ全然実力もなくて。2年生でやっとインカレに出られたけど、もう全然、本当に最後の方の成績だったっていうのもありました。そこから4年間ちゃんとずっと成長し続けてこられたっていうのと、部活としての引退はしても、競技を続けて頑張れているのは周りの皆さんのおかげでもありますし、本当にありがたい気持ちもたくさんあるという感じです。
【取材、記事:鈴木啓護】