「応援席の魅力を、もっと多くの塾生に届けたい」。そんな想いから、今年度、應援指導部に新たに設けられた「塾生動員企画責任者」。野球部と連携した「東京六大学活性化プロジェクト」をはじめ、競技の垣根を越えたさまざまな取り組みを通じて、塾生の応援への参加を促している。春季リーグ戦では「三色旗の日」や「タオルの日」などの新企画を実施する一方、新たな塾生の呼び込みには課題も残った。秋季リーグ戦、そして慶早戦に向け、応援の輪をさらに広げようと奮闘する4年生の3人に、これまでの活動や今後の展望、応援席に込める想いを聞いた。
Y.Yさん:法学部政治学科4年、吹奏楽団のY.Yと申します。
N.Mさん:法学部政治学科4年、吹奏楽団のN.Mと申します。
K.Tさん:法学部政治学科4年、チアリーディング部のK.Tと申します。
Y.Yさん:今年度から新設された役割で、応援席にもっと多くの塾生に来てもらいたいという想いから、我々4年生で話し合って設けました。体育会には全部で44の部があると思いますが、野球だけではなく我々が応援に伺う部を中心に、より多くの塾生の皆さんに応援に来ていただけるような施策を考えることが、主な仕事になります。

K.Tさん:昨年から野球部と合同で、現在の東京六大学活性化プロジェクトの前段階となる活動に取り組んでいました。その活動をきっかけに、正式に責任者という役割を設け、應援指導部としてもさまざまなスポーツを盛り上げていきたいという想いがありました。実際、昨年は野球に関する企画に限られていましたが、今年は競技の垣根を越えた企画を実施できるようになったほか、野球に関する企画もさらに充実させることができ、活動の幅が広がったと感じています。
K.Tさん:「三色旗の日」は、東京六大学活性化プロジェクトが初めて本格的に始動した企画でしたが、従来の野球の応援システムとの兼ね合いや部内での調整など、難しい部分も多くありました。一方で、普段から応援に足を運んでくださる方の中には、企画の実施を喜んでくださる方もいらっしゃいましたし、試合前にXで話題にしてくださる方もいて、さまざまな反響があったことは嬉しかったです。ただ、塾生の動員という点では、まだ十分に塾生を呼び込めなかったことが大きな課題として残ったため、秋に向けて改善を図ってきました。

N.Mさん:「三色旗の日」や「タオルの日」は、東京六大学活性化プロジェクトの一環として野球部と合同で実施した企画ですが、それ以外にも應援指導部独自の応援席スタンプラリー企画や、慶早戦に際しても様々な企画を実施いたしました。春は新たな取り組みに挑戦できたことが良かった点だと思います。一方で、普段から神宮に足を運んでくださる方々に楽しんでいただくという側面が大きく、普段あまり応援席に興味がない方など、新たな層を呼び込むところまではつながりませんでした。ターゲット層を明確に定め、効果的にアプローチするところまでは至らなかったというのが、正直なところです。
Y.Yさん:塾生への働きかけという点では、六大学野球一つをとっても、まだまだ塾生よりも塾員の方々の熱意の方が強いと感じています。我々も各キャンパスでデモンストレーションやチケット販売などを実施しましたが、足を止めてくださるのは塾生よりも、普段から応援に足を運んでくださる方々が中心でした。そのため、普段の試合はもちろん、慶應義塾の伝統という意味でも、優勝パレードなどの行事を含め、より多くの塾生に参加してもらえるような働きかけが必要だと感じています。
K.Tさん:ここまで3試合を終えて、まだあまり企画を実施できていないことは悔しい部分でもあります。ただ、今後の企画に向けた準備期間として、野球部の皆さんとも連携しながら進められていると感じています。我々にとって、秋の慶早戦での塾生動員は大きな目標の一つです。秋は新歓などの行事がない分、慶早戦を塾生自身のイベントとして認識してもらいにくい面もあると思います。だからこそ、塾生動員チームとして、慶早戦はもちろん、普段のリーグ戦にもより多くの塾生に足を運んでもらえるよう取り組んでいきたいと考えています。
N.Mさん:私は昨日、他競技の応援活動に参加しており、明治神宮野球場の応援席は東大戦のみの参加ですが、やはり秋は春に比べると、「とりあえず一度行ってみよう」という塾生も少なくなっていると感じました。今年はすでに秋季リーグ戦も2カード目に突入しており、ここから塾生の動員数を大きく増やすということが難しいのは事実です。ただ、今年の活動を通して、企画の進め方やスケジュール感など、見えてきたこともあると思います。そうした経験を生かして、来年以降は秋季リーグ戦の開幕カードに照準を合わせ、より多くの塾生に足を運んでもらえるような取り組みができればと考えています。

Y.Yさん:応援席の雰囲気は非常に良いと感じています。春に優勝したこともあり、その良い空気を秋にも持ち込めていると思います。一方で、その盛り上がりが応援席の中だけで完結してしまっていて、外に広げていく力がまだ不足していると感じています。今の応援席の魅力を新たな人にも伝え、実際に足を運んでもらうことが重要だと思うので、秋、そして来年に向けて、新たな塾生の動員にさらに力を入れていくべきだと考えています。
K.Tさん:「応援スターターサポート」という企画では、初めて神宮に足を運ぶ方や、応援席に来たことはあっても応援に自信がない方を、野球部と我々應援指導部がサポートする企画を実施しています。応援ビンゴを行いながら、実際に両部員が一緒になって応援の楽しみ方をご案内します。
そのほか、今季のリーグ戦では、Tシャツやフード付きタオルなどのグッズを制作し、その周知にも力を入れています。また、各キャンパスでのデモンストレーションに合わせたリーグ戦のチケット販売やビラの配布など、春から継続している活動にも引き続き取り組んでいます。
Y.Yさん: やはり実際に来てみて初めてわかる楽しさがあると思っています。我々には皆さんを楽しませる自信がありますし、それだけの応援席を作り上げてきたという自負も4年生としてあります。ぜひ一度足を運んでいただき、慶應の伝統を感じていただければと思います。
N.Mさん: やはり慶早戦のステレオタイプなイメージが先行して、六大学野球や應援指導部、応援そのものに少し近寄りがたさを感じている方も多いと思います。私自身も大学から慶應に入学したので、その気持ちはよくわかります。ただ、実際に足を運んでみると、決して怖い場所ではありませんし、声を出して応援するのが恥ずかしければ手拍子だけでも問題ありません。さらに言えば、ただ見ているだけでも十分に楽しめます。チケットも500円と手頃なので、あまり身構えず、休日に友達と気軽に遊びに行くような感覚で来ていただけると嬉しいです。
K.Tさん: 慶早戦が應援指導部や慶應のスポーツを象徴する一番大きなイベントだと思いますが、六大学野球では早稲田以外の4大学とも対戦しています。慶早戦に比べれば規模は小さいものの、その分、慶應ファミリーとしての一体感や「チーム慶應」という雰囲気を感じられると思います。ぜひ慶早戦だけでなく、ほかのカードにも足を運んでいただきたいです。また、塾生動員企画責任者としては、野球以外のさまざまなスポーツにも興味を持っていただきたいと思っています。神宮での応援から別の競技の応援へはしごしていただくのも大歓迎なので、ぜひ多くの競技の応援に足を運んでいただければ嬉しいです。
今週末に明治神宮野球場で行われる東京六大学野球秋季リーグ戦の慶大対明大戦。應援指導部では、より多くの塾生に応援席へ足を運んでもらうため、さまざまな企画を予定している。ここでは、今週末の慶明戦で実施される4つの企画を紹介する。
東京六大学野球をはじめ、ラクロスやアメリカンフットボール、ホッケーなど、さまざまな競技の応援に参加し、スタンプや合言葉を5回分集めると景品がもらえる。
スタンプラリーカードは明治神宮野球場の応援席受付などで配布され、5回分集めると景品と交換できる。なお、5回のうち1回は東京六大学野球以外の応援への参加が必要となる。
初めて応援席を訪れる人や、応援に不安がある人を対象に、應援指導部と野球部が共同で実施する。
メガホンの使い方や応援方法を部員が直接教える「スターターサポートエリア」を設置するほか、特別な「応援スターターガイド」の配布や、景品獲得のチャンスがある「神宮応援ビンゴ」などを実施する。
参加には事前申し込みが必要で、應援指導部のInstagramプロフィール欄にあるGoogleフォームから応募できる。申し込み期限は各試合前日の正午まで。
應援指導部と野球部の共同投稿をInstagramやXでリポストすると、限定ステッカー3枚セットがもらえる。慶明戦当日、明治神宮野球場の応援席受付でリポスト画面を提示すると、野球部員と應援指導部員の直筆メッセージをプリントしたものを含む、オリジナルステッカーがプレゼントされる。
リポスト期限は10月17日(土)23時59分まで。景品交換は17日(土)、18日(日)に実施。景品は数量限定で、なくなり次第終了。
10月17日(土)の慶明第1回戦では、応援席全体の一体感を高めることを目的とした「音の日」を実施する。
当日は来場者に紙メガホンを2つ配布し、声援だけでなくメガホンを打ち鳴らすことで、応援席全体で選手たちを後押しする。
また、チャンスパターンの由来や特徴、應援指導部員・野球部員の手書きメッセージを掲載した紹介カードを配布するほか、来場者が好きなチャンスパターンを選ぶ「推しチャンスパターン投票」も実施。「音」に焦点を当てて、観客が応援に親しむきっかけに。
塾生動員企画責任者のインタビューで語られた「応援席の魅力を、もっと多くの塾生に届けたい」という想い。その実現に向けたさまざまな取り組みが、今週末の慶明戦でも展開される。ぜひ神宮に足を運び、應援指導部とともに選手たちへ熱い声援を届けてほしい。
(取材、記事:小野寺叶翔)


