【バレーボール】ついに勝った!王者・東海大に勝利し優勝争いへ

勝利し、歓喜に沸く慶大

 慶大のホーム、日吉記念館での開催となった春季関東リーグ第5戦。対するは昨年度の全日本王者・東海大。今まではセットを奪うことでさえ難しい相手であった。しかし、今年の慶大は違う。チーム全員が一丸となって挑み、フルセットの激闘の末、ついに東海大に勝利した。これによりここまで無敗であった東海大に土がつき、慶大は優勝争いに名乗りをあげた。

 

4月28日(土)春季関東大学1部リーグ 慶大×東海大 @慶應義塾大学日吉記念館

得点
慶大 セット 東海大
25 19
21 25
25 19
22 25
15 13
 

ここまで2勝2敗でリーグ第5戦を迎えた慶大。ホームで迎え撃つ相手は、昨年の秋季リーグ、全日本インカレを制覇している絶対王者・東海大。慶大が昨年、1セットも奪えなかった相手であり、全日本インカレでは準々決勝で敗北しシーズンを終えた因縁の相手でもある。ここまでの春季リーグ戦も唯一無敗で勝ち進んでいる首位の東海大を相手に、どのようなバレーを見せられるのか。

大活躍の岡田

第1セット。慶大がいきなり流れをつかむ。スタートの柳田(環2・東洋高)の強烈なジャンプサーブが相手レセプションを引き裂き、いきなりの連続得点。たまらず東海大はタイムアウトを要求するも慶大の勢いは止まらず、5-0とリードを奪う。「あれでみんながいけると思った」(宗雲監督)というように、ここから慶大の勢いは増してゆく。その後も要所で連続得点を奪い、相手に付け入る隙を与えない。ケガ明けの影響でリーグ序盤は調子が思わしくなかったエース岡田(商3・熊谷高)もスパイク、ブロックと大活躍。宗雲監督に「復活というより、進化している」と言わしめるほど、動きにキレがあった。チームのカギを握る岡田・柳田の両エースが流石の働きを見せ、一度も追いつかれることなく第1セットを25-19で慶大が先取する。

しかし東海大も黙ってはいない。続く第2セット、東海大も徐々に慶大のスパイクに対応し始め、ディグの粘り合いとなる。この状況を打開すべく、慶大は星谷(理3・渋谷幕張高)が目の覚めるようなクイック攻撃を見せる。しかし中盤の12-14の場面から相手のブロックに捕まるなど、4連続失点を喫し東海大に突き放されてしまう。その後も点差を縮められず、17-24とマッチポイントを握られる。このままあっさりとセットを落としてしまってもおかしくない展開であった。しかし、この場面でチームを奮い立たせたのはやはりこの男、主将・間宮(政4・慶應高)。相手のサーブミスによりサーブ権が間宮に回ってくると、ここから2連続サービスエース。失敗を恐れることのないサーブで相手を崩し、東海大の焦りを誘う。結局このセットを21-25で落とすも、簡単に引き下がらなかったことが、慶大は今までとは違うチームだということを東海大に強く印象づけたのではないだろうか。

頼れるエース柳田

第3セット、5-4の場面。慶大は副将のリベロ・前田優(環4・日向学院高)のジャンプ2段トスが冴えわたる。「あれが自分の持ち味」と語る前田優のトスが続けて間宮の元に集まり、主将-副将のコンビで2連続得点。これで慶大は勢いに乗った。1年生ながらレギュラーとして出場するリベロ・野瀬(環1・東福岡高)のキャッチはこの試合も終始崩れることなく、またセッター・野口(環2・東福岡高)は司令塔として的確なトス回しを続け、慶大は確実にサイドアウトを奪っていく。最後は岡田のスパイクで締め、このセットを25-19で取り、勝利に王手をかける。

第4セット、もう後がない東海大は2連続サービスエースなどで序盤に連続得点。慶大は2-7といきなりリードを許してしまう。その後、ピンチサーバーで入った川村(環4・春日部共栄高)のナイスサーブから星谷のクイック、ブロックで3連続得点をあげるなど追いあげるも及ばず、このセットは22-25で落とし、いよいよ運命の第5セットへと突入する。

気合の入った第5セット

両チームにとってこのセットを取れば勝利となる第5セット。両者気合に満ちた、まさに一進一退の攻防が繰り広げられる。その中で、今日スタメン出場の稲田(環2・日向学院高)のクイックが光った。柳田に集まっていた相手ブロッカーの意表を突く、野口・稲田の2年生コンビによるクイックで7-6とし、コートチェンジまであと1点。そして柳田のスパイクで8点目を挙げ、良い雰囲気のままコートチェンジを迎える。その後も手に汗握る展開は続く。どちらも一歩も譲らない、勝ちたいという気持ちが伝わってくる第5セット。集中力が途切れなかったのは慶大であった。相手のミスで2点のリードを奪うと、最後も相手のサーブミスで15-13。慶大がフルセットの激闘の末に、ついに東海大を下した瞬間であった。

慶大が王者・東海大に勝つ瞬間を、どれだけ多くの慶大バレーファンが思い望んできたことだろうか。首位を走っていた東海大に土をつけると同時に、この勝利により優勝への道が開けてきた。次戦は1週間空いて、再び日吉記念館で順大を迎え撃つこととなる。今年度の目標であるタイトル獲得へむけて、もはや「勝つしかない」(間宮)。

(文・古尾谷 拓真)

 

宗雲監督

(勝因は)選手は、前回言っていたチャレンジャー精神を忘れなかったというのが、第4セット落とした時、誰も下を向かなかったということだと思います。みんな体調も良く、気持ちも乗っていました。(岡田選手は復活ですか)復活というよりも、進化しているのではないかと思います。今日のレフトからのクロスは見たことのないものだったので。(稲田選手がスタメンでしたね)泉水コーチ、中出コーチと話をして、今日はブロックを重視しようということになりました。(柳田選手は)本当に絶好調ですね。まだ2年生とは思えない、どこに出しても恥ずかしくない選手ですね。(野口選手のトスは)今日はどうしても勝ちたいので、センター線が少なくなっていたけど、最後の5セット目は虚をつく様なクイックで、それに稲田も応えてくれてましたね。良かったと思います。(東海大に土をつけました)そうですね、気分が良いですね。勝ち星うんぬんというより、気分が良いです。(ホームでの開催は)やっぱり有難かったです。本当にたくさんの方から歓声があがっていたので、後押しになりました。(次戦に向け)少し日にちが空くので、選手をちょっと休ませて、片岡アナリストのデータを見ながら、残り試合の作戦を立てたいと思っています。

 

間宮秀太主将

(今の気持ちは)やっと自分たちのやってきたことが報われた感じです。今まで強いチームに勝てない、勝てないって言われてきたのでようやくですね。向こうベストメンバーじゃないんですけど、それにしても勝てて良かったです。(勝利の要因は)ほぼ全部スパイクもサーブもブロックも同じぐらい崩して、同じぐらい止められていたので、(実力が)一緒ぐらいだったと思うんですけど、最後の最後で向こうにミスが出てその最後の気持ちの差、ミスが出たか出なかったかということだけだと思います。(優勝の可能性も見えてきたと思うが)優勝しようというのはずっと言ってきてたんで、セット率もうちは悪いのでここから全勝できるように頑張りたいと思います。(次戦への意気込みは)勝つしかないですね。3-0で勝ちたいです。

 

前田優介副将

(今日の試合を振り返って)とりあえず、相手は一番強い王者なので、自分たちはチャレンジャー精神を持って、「倒してやろう」という気持ちで臨めたのが良かったかなと思います。気持ちはいつもの試合よりも入っていたと感じます。(副将としては)僕のポジション柄、チームに大きな影響を与えることはできないので、メンタルの面で後輩や間宮を支えていくように心がけました。(素晴らしい2段トスがありましたね)そうですね、あれが自分のリベロとしての持ち味だと思っているので、そこはしっかり失敗することを恐れずにやっています。(3セット目には2本続けての間宮主将へのトスがありましたが)そうですね(笑)。あれはあんまり理由とかは無いのですけど、気合が入っていたし、決めてくれるんじゃないかなと思ってあげました。(次戦に向けて)これで終わりじゃなく、これがスタートだと思っているので、ここから取りこぼしが無いように、常に挑戦者の気持ちを持って取り組んでいきたいです。

 

岡田拓巳

(東海大に勝利した今の気持ちは)先週の中大戦でふがいない結果というか、自分でも納得のいかないプレーが多かったのでそのうっぷんを果たせたのが嬉しいです。(今日特に良かった自身のプレーは)東海はブロックが強いんですけど、そのブロックに対して思い切りよく打てたのでそれが通用して点を取れたのでそれが一番良かったと思います。(チーム全体として、勝利の要因は)全体的に調子も良かったですし、データを取って対策をしていたんですけど、一人ひとりがそれをちゃんと徹底しようと言っていて、それがうまくはまったので今日の勝利があったのかなと思います。(これで優勝も狙えると思うが)今年はタイトル取ることが目標なので、春リーグにタイトルを取れれば良いことなので、この後も頑張ります。(今後への意気込みは)今日の勝ちを無駄にしないようにやっぱり次は確実に勝てるように頑張ります。

 

星谷健太朗

(勝利した今の気持ちは)いや~、すごい嬉しいです。それだけです。やっと勝てたっていう感じです。(優勝の可能性も見えてきたが)そうですね。可能性が少し見えてきたっていうぐらいなので、最後全勝でいくしかないし、まだまだって感じですけど。(勝てた要因は)全員でいけたということじゃないですか。全員がみな、それぞれの役割を果たせたっていうことだと思います。あとは最後まで強い気持ちを持ち続けたということですね。(いつも以上に気持ちが入ったプレー、ガッツポーズでしたね)勝負ごとなので流れを引き寄せるためにもそういうのは大事だと思うので、それはいつも心がけていることなので今日はいつもより気持ちが乗ったのかなと思います。(次戦に向けて一言)ここから全勝でいくしかないので本当に勝つだけです。

 

稲田聡典

(今の気持ちは)いやー、素直にうれしいっすね。(勝因は)相手のサーブが強かったのですが、こっちがキャッチする人がミスを出さないようにやった結果、競れたと思います。(今日はスタメンでしたね)そうですね。監督にはブロックを期待されて使われていたと思うんですけど、個人的にはブロックでも結果を出せていないし、まだ課題はたくさんあると思います。(5セット目のクイックは見事でした)ありがとうございます(笑)。あれは、マサ(柳田)がそれまで決め続けてくれて、相手ブロックがマサに集まっていたので、気持ちよく打つことができました。(次戦に向けて)あと4戦をこのままの勢いで全勝したいと思います!

 

野口剛志郎

(王者に勝ちましたね)勝ちたい気持ちの一心だったので、自分たちの勝ちたいという気持ちが届いたのかなと思います。嬉しい気持ちしかないです。(優勝も見えてきたと思うが)それはそうなんですけど、一戦一戦ちゃんと上の相手でも下の相手でも、1点1点を必死にやっていかないと優勝は出来ないので目の前の一戦をしっかりやって、という気持ちです。(勝利の要因は)負けたセットはサーブで結構崩されたんですけど、勝ったセット時は安定していたのでそこからの攻撃をこっちがしっかりできた、こっちのバレーが見せられたというのが大きいんじゃないかなと思います。(気持ちが前面に出ていましたね)もう必死さしかなかったです。チャレンジャー精神というか常に上の存在なので1点1点食らいつこうという意気込みでやりました。(次戦に向けて一言)1点1点、1試合1試合が大事なので優勝したいっていうのもあるんですけど、全力で1セットずつ1点ずつやっていきたいと思います。

 

柳田将洋

(試合を終えた今の気持ちは)勝ったのは嬉しいんですけど、自分の仕事があまり出来なかったので、ある意味課題残るゲームになりました。(課題は決め切れなかったことについてか)そうですね。単純にブロックされたり、レシーブされて切り返されるのが多かったので、(思うように)ポイント取れなかったというのは僕の原因だと思いますね。(そういう中でも勝利できた要因は)やっぱり周りの人たちのおかげで勝たせてもらったというのがあるので、やっぱり僕がそこに絡めるようになりたいと思います。(優勝も見えてきたと思うが)僕らは優勝したことないし、優勝が見えるかと言ったらあんまり分からないので、まずは目の前の試合に力を出せるように頑張りたいです。(次戦への意気込みは)次の試合はしっかり自分のプレーをしっかりしたいと思っているので頑張ります。

 

野瀬将平

(勝利した今の気持ちは)めっちゃ嬉しいです。(勝利の要因は)サーブが効果的に決まっていたのと、ホームだったので気合が入っていた部分が良かったと思います。(気持ちを前面に出したプレーが目立ったが)ホームであるっていうのもあるし、1年生だからみんなを盛り上げていこうという考えは持っていました。(次戦への意気込みは)ここで勝ったことに満足せず、次も勝って上位に、優勝の可能性も残っているので、目指して頑張っていきたいです。

出場選手

サイド 柳田将洋(環2)
セッター 野口剛志郎(環2)
センター 星谷健太朗(理3)
サイド 岡田拓巳(商3)
サイド 間宮秀太(政4)
センター 稲田聡典(環2)
リベロ 前田優介(環4)
リベロ 野瀬将平(環1)
途中出場 川村昌平(環4)
山本悠登(環4)
村上拓也(法4)
棚橋真之(経3)
丸谷将大(環2)
 

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