【男子ラクロス】社会人を圧倒!真の「日本一」まであと一勝!

「学生日本一」に輝いた慶大男子ラクロス部の対戦相手は、社会人チーム・Stealers。真の「日本一」の称号を目指し、負けられない熱い戦いが続く。慶大は序盤から藤澤晶(経4)、粟田隆宏(経4)ら攻撃陣が果敢に攻め、順調に得点を奪う。一方の守備陣も安藤圭祐(商2)、小畑和博(環4)らが相手の反撃を受けながらも最後まで守りきり、見事慶大が社会人相手に競り勝った。

勝利後笑顔を見せる相川主将

第23回ラクロス全日本選手権大会(男子)準決勝 VSStealers

2012/12/9(日)11:00 F.O.

@大井ふ頭中央海浜公園第2球技場

 

チーム

1Q

2Q

3Q

4Q

慶大

12

Stealers

 

慶大の、ゴールを固く守りながらも勇猛果敢に攻める姿勢。それはたとえ対戦相手が社会人になろうとも、変わることはなかった。

シュートを放つ石黒

試合は開始早々動く。第1Q開始3分にして、藤澤の得点で慶大が幸先よく先制。その5分後には粟田が追加点をたたきこんだ。ここまで、関東学生リーグ、全日本大学選手権を通じて、課題であった試合の入りで完璧な立ち上がりを見せる。一方の守備陣も、相川駿主将(法4)、小畑らを中心に、鉄壁の防御で相手にシュートを決めさせない。1失点を喫したものの、攻守がかみ合った絶妙なプレーを相手に見せつけ、慶大が最初のクォーターを3点リードで終えた。 続く第2Qでも慶大が試合の主導権を握り、攻撃の手をゆるめない。4 分斉木慎一郎(経4)、田中が立て続けに得点を決めると、16分岡本遼也(経4)が華麗なステップから放ったシュートはクリースの中へ。リードを6点に広げることに成功する。2Q終盤は、Stealersの反撃に合うが、相手攻撃陣野前に立ちはだかったのがゴーリー小畑。この日絶好調で、いくつものファインセ―ブを見せてきた守護神がこのピンチをしのぎ、前半を終了する。

好調をキープし続ける脇坂は、この日も2得点の活躍を見せた

迎えた第3Q。開始早々アクシデントが慶大を襲う。この日、F.Oから流れを引き寄せてきた陣野クリス(法2)が、クロスのイリーガルファールを取られ退場に。3分間のマンダウンディフェンスを強いられてしまうと、流れはStealersへ。立て続けに得点を奪われてしまう。前半最大6点あったリードが2点差まで詰め寄られ、嫌な雰囲気が慶大に漂う。この苦しい流れを断ち切ったのは、安藤圭祐(商2)、脇坂俊輝(経2)の2年生コンビだった。脇坂は12分エキストラオフェンスの間に得点を挙げると、続く15分にもクリース右からの豪快なシュートで得点。全日本学生選手権から好調を維持する若きエースが得点を量産する。対する、安藤も3Q途中から出場すると、「来た球を止めるだけ」という言葉通り、相手のシュートをことごとくセーブ。慶大OBでこの日Stealersのゴールを守る岩本海人の前で、安藤が堂々たる活躍を見せていく。2人の活躍で流れを引き戻した慶大は、このままリードをキープ。4点のリードで試合はいよいよ最終Qを迎える。

第4Qでは、慶大攻撃陣の勢いが相手を上回った。斉木がシュートで切り込むと、8分加藤のフィードを受け取った藤澤が素早くシュートへ。これが、ネットを揺らしリードを広げることに成功する。試合終盤、Stealersの粘りの前に2点を返されたものの、そのまま勝利。2008年に慶大が勝って以来初めて、学生がクラブチームに勝利を収めた。

試合後喜ぶ選手たち

試合終了のホイッスルが鳴るまで相手を圧倒。つけ入る隙をまったく与えなかった。社会人チーム相手に奪った貴重な勝ち星。しかしプレーが粗くなる場面が見られ、「ディフェンスの形を崩されることが多かった」(廣田裕次郎副将・商4)など、反省点も残った。来たる決勝戦に勝つためには、「あと1週間でできることを全てやりきる」(相川)ことが求められる。4年生にとって、かつて共に戦ったOBが所属するチームに勝てた今回の試合は、感慨深いものになったに違いない。試合後の彼らの表情からは、「先輩たちを超えることができた嬉しさ」(斉木)がにじみ出ていた。次なる相手は、全日本選手権4連覇中のFALCONS。メンバーの多くが日本代表に選手されており、まさに最強の相手だ。最高の舞台で、最強の相手と対戦。やっとつかんだ夢の舞台への切符だ。どんな結果に終わろうとも、次が最後の試合となる。失うものなど何もない。全力でぶつかり、戦うだけだ。若き血を燃えたぎらせ、精鋭たちが突き進む。

(記事 河合美紀)

以下、選手コメント

DF相川駿主将(法4

(試合を振り返って)僕自身はリハビリ明けで久しぶりの試合でどこまでできるか不安なとこもあったんですけど、リハビリに朝から晩まで付き合ってくれたマネージャーやトレーナー、温かい声をかけて応援してくださる皆様のことを考えるとグラウンドに戻ってプレーで恩返しをしなければと思っていたし、何よりここに連れてきてくれたチームメイトに感謝して戦いました。チームとしてはまだまだ課題はあると思うんですけど、社会人相手にこれだけいい試合をできたということは一つのターニングポイントになるのかなと思います。(前半はいい流れでした)前半はディフェンスも落ち着いていましたし、しっかりコミュニケーションをとって役割分担してできたのであまり点を取られることもなく、ゴーリーの小畑や安藤のセーブに助けられる面もあって流れがこっちに来ていたと思います。3Qは苦しい時間帯もあったが)クロスのイリーガルファウルで3分のマンダウンディフェンスを強いられて、その中で相手のキーマンに点を入れられてしまって流れは悪くなったんですけどチームとしてのやることは変わらなかったし、後半立て直せるだろうと思ってやっていたので、そこら辺の余裕はありました。(ディフェンスの出来は)僕がけがでいなかったことや、渡邉選手が今週1週間ウイルス性胃腸炎で練習に出れていなかったこともあり、少し不安な面はあったんですけど試合中になんとか修正できたかなと思います。(相手の印象は)練習試合を2試合やっていたんですけど、両方とも勝っていたので僕らのやることをしっかりやれば社会人相手でも勝ちきることはできると思っていました。そういう意味では自分たちのラクロスができてついてきた結果だと思います。(決勝に向けて)本当にここまで長くていろんな人に支えられてここまで来れたと思うので、日本一を取って最高の形で終わらせて黄金世代と言われたいです。その流れを後輩たちに受け継いでもらえれば、思うことなしに引退して学生を終えられると思います。ただ一方でやっとスタートラインに立ったという気持ちもあるのであと1週間できることすべてやって頑張りたいと思います。

AT田中篤志副将(政4

(社会人相手の試合だったが)今日勝てたので「日本一」になるための舞台に立てることは本当に嬉しいですし感無量です。3 年間勝てなくて、やっとここまで来れたという思いが強いです。(対戦相手の印象は)社会人チームは学生とは違ってゆるくて、しっかりとやってきていない人が多いので、自分たちが最後までやりきることができれば社会人相手でも勝てると思っていました。実際にそれができて、なおかつ勝てたので良かったと思います。(得点の場面について)得点することで勝利に貢献できたので満足しています。(日本一まであと一勝だが)最後勝てるか勝てないかで今後の人生が大きく変わってくると思います。自分の中で後悔するか自慢できるか大きな違いになります。日本一に向けて気合を入れて、最後の舞台で気を引き締めて、自分たちのプレーをしっかりと80分間やりきれれば勝ちきれると思います。相手はすごく強いですが勝てないわけではないので、皆さんの応援も力に変えていきたいと思います。

DF廣田裕次郎副将(商4

(試合を振り返って)全日本選手権決勝の舞台に近年立っていないのでまず勝ててよかったなと思います。(クラブチームとの対戦で意識していたこと)個々の能力が高く、特徴的な選手が多いので、スカウティングを通して詰めるところは詰めて、チームとしてやろうとしていることをやれば絶対勝てると思いました。(収穫は)開幕当初から試合の入りが悪かったので、今日は入りから4点を先制できたことがよかったなと思います。(課題は)オフェンスがかなり点をとってくれて助かった点が多いので、ディフェンスが要所要所しっかり締めること。今日は形としてすごく崩れている点が多くて、このままだとファルコンズには勝てないのでこの1週間勝負だと思います。(次の試合に向けて)「入部してから毎日思い描いていた全日決勝の舞台にやっと来たんだ」という感覚で、あとはやるだけなんで絶対勝ちたいと思います。

MF斉木慎一郎主務(経4

(社会人撃破の感想は)スティーラーズは練習試合でも2回勝っているので、慶應が100%の実力を出せば戦える相手だと思っていました。例年、公式戦になると社会人は強くなるので、どうなるかは分からなかったんですが勝てて良かったです。(相手には泉選手など慶大出身の先輩もいました)自分が初めてリーグ戦に出させてもらったのが、泉さんのいた本下さんの代で、その人たちと今こうして戦えている。ある意味その人たちを超えることができて嬉しいです。(リードする展開は予想していましたか)個人的には予測していませんでした。流れが良かったのが全てですね。社会人が後半に強いことは早稲田の試合を去年スタンドから見ていて知っていた。リードしていたからといって気を抜かずにいくことはチームで確認していました。(前戦とは打って変わって試合の入りが素晴らしかったですね)ここで負けたら引退してしまうし、日本一という自分たちの夢が叶わなくなってしまう。試合前に「最初からやっていこう」などの確認は今日はしていませんでした。個人ベースで意識していったからこそ良い結果につながったんだと思います。(個人能力が高い社会人の対策はなにかありましたか)44番と10番の選手は日本代表にも入っているし、注意していこうと話していましたね。コーチややスカウティング班にも、そこをしっかりマークするよう言われていました。そこをチームで統一して実行できました。DFの奮闘も光っていました)社会人はオフェンスが強いので気持ちで守っていこうと。ゴーリーの小畑もよくセーブしてくれていたし、相川や廣田も怪我を押して出てくれていた。気持ちで守った結果だと思います。3Qにマンダウンで苦しい時間を強いられました)マンダウンは点が入れられて当たり前みたいなところはありますが、そこで決められたら流れを作られてしまう。シュートに当たってでも止めたかったんだけど、当たることができなかった。次のFALCONS戦では体がボロボロになっていいので、シュートに当たりに行きます。(決勝への抱負を)絶対に勝ちます。最後に慶應が優勝したのが1998年度、歴史に名を刻みたいと思います。

MF粟田隆宏(経4

(今日の試合を振り返って)目指して来た社会人相手に圧倒出来たのは大きな成果だと思います。(今日はいつもと違う社会人相手だったが)自分は相手が強いと萎縮してしまうタイプなので、それを挑戦していくという気持ちに変えて試合に臨もうと思っていました。(第1Q得点を決めた時の心境)チャンスがあればどんどん攻めていって、チームに貢献出来たら良いなと思っていたので良かったです。ただゴールを目指していました。(自身のプレーを振り返って)余りチームに貢献出来なかったです。身体が上手く動かなかったので次の試合までに修正していきたいです。(次は勝っても負けても最後の試合だが)ようやく目指してきた舞台に立てたので、今までやってきたことを全て出し切って、勝って終わりたいです。

G小畑和博(環4

(今日の試合を振り返って)最初自分たちのプレーが思い通りに出来て、自分たちのペースに持って行けたというのが今日一番大きかったと思います。ただ3Qの頭など要所要所で自分たちの甘いところが出ちゃったのでそこを修正して次やりたいと思います。1Q2Qでは安定した守備が出来ていました)オフェンスが全体的に良く先制点も藤澤が取ってくれたので、僕らディフェンスとしても簡単には点やりたくないなという思いで、いつもやることをやるだけだったので1個1個勝負にこだわったのがいい結果になったと思います。3Q立て続けに失点してしまいました)ハーフでクロスが引っ掛かってファールになってマンダウンから始まったので、何点かはとられると思っていたんですけれども、ただもう少し最少失点に抑えられたなというのがあって、そこが個人的な反省でもあります。チームとしても今後決勝に向けて相手に流れが行ったときにどうその流れを断ち切るかというのをもう少し意識していきたいです。(社会人相手でしたが何か意識したことはありますか)個人個人の技術は確実に相手の方が上なので、僕ら学生の強みは勢いや熱量なので、ガツガツ感では負けないようにしようということだったので、技術が上の相手でも恐れず思いっきりやろうというのは意識しました。(次戦に向けて)今日の1Q2Qのような入りをして、試合の流れを持ってこれれば勝てると思うので、あと1週間しっかり準備して個人としてもしっかり反省して次の準備を怠らずにやっていきたいです。

LMF岡本達也(経3

(今のお気持ちは)やっと夢見てた舞台に来たなという感じです。実感はまだ湧いていないのですが、多分帰った後にやったなと思うのだと思います。(この試合を振り返って)前半は比較的みんなテンション高く試合に臨めていたので、そこはすごく良かったと思うのですが、後半ファールから流れが悪くなったときに立て直せなかったです。相手のミスもあってなんとかなったのですが、そういう後半からの流れが悪いのを立て直せなかったのはこれからの課題かなと思っていて、そこを直せないと決勝でつらいのではないかと自分は思っています。(自身のプレーを振り返って)チームと同じように、最初はすごい自分でも強い気持ちを持って臨んでいたのですが、後半少し気の抜けたプレーがあって、ファールに結びついてしまったのがそれで、LMFである僕が中盤からしっかり支配していかないとチームの流れを動かすことができないので、しっかり後半も集中していかないとなということと、自分がチームの雰囲気を締めるというのを特に意識してやっていかないといけないなと思っていて、今日後半それができていなかったなと感じています。(この試合でのグランドボールについて)グランドボールに関しては、常にコーチや先輩から、お前が中盤を支配しろと言われているので、中盤の支配が社会人相手では鍵となってくるなとは自分自身実感しているので、すごい強い気持ちを持って臨んでいたのですが、点数にすると70点くらいかなとは思っています。比較的良かったかなと感じているのですが、まだまだ相手のボールを奪うチャンスはあったので、どんどん自分から積極的に参加していかないといけないなと感じています。(決勝に向けて)日本一のチームのLMFとしてだけでなく日本一のプレーヤーとして、日本一であることを証明するために戦っていきます。

G安藤圭祐(商2

(自身の出来について)前半小畑さんが調子良かったので、交代のタイミングが難しかったんですけど、準備していつでも出られるようにしていました。(慶應OBの岩本さんがゴーリーに入っている中で、慶大の2人のゴーリーが大活躍をしていました)自信は持ってやれたのかなと。とてもお世話になっているので、勝つことで恩返しができればなと思っていました。3,4Qファインセーブを連発していました)途中出場だったので、とにかく来た球を止めるということだけを考えていました。2年生ながらこういった大舞台に立つことで何か得られるものはありますか)4年生の方は気持ちが強いですし、日本一を目指して本気でやっているので、良い刺激をもらっています。FALCONS戦に向けて)ついに来れたなと。目の前に来た球を止めて、皆で勝利を分かち合いたいと思います。

MF陣野クリス(法2

(勝利おめでとうございます)ありがとうございます!(今日の試合について)前半から自分たちのペースで試合を進めることができて良い試合だったと思います。F.O.について)前半はしっかりと自分の仕事ができて良かったと思うんですけど、後半から自分のクロスが没収になってしまいまして、そこから流れが悪くなってしまいました。ただ、4Qは修正できたのかなと思います。(社会人相手だったがF.O.の戦略はどういうものだったか)社会人相手はF.O.の戦術をたくさん持っているということで、スティーラーズのビデオを見ながら対策をしていきました。(決勝戦に向けての意気込み)FALCONS相手にもしっかりと自分たちの仕事をこなすだけなので、良い準備をして臨みたいです。

 

 

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