11月2日、群馬県総合スポーツセンターアイスアリーナにて、第39回東日本フィギュアスケート選手権大会シニア男子ショートプログラムが行われた。慶大からは近藤琢哉(商4)と小曽根孝浩(環1)が出場。出場者14名のうち、上位5名が第82回全日本フィギュアスケート選手権大会に出場することができる。わずか5枠という例年以上に厳しい出場枠争いの中、東日本の精鋭たちは虎視眈々とその切符を狙っていた。
シニア男子 ショートプログラム
・近藤琢哉(商4) 59.88点 5位
・小曽根孝浩(環1) 40.77点 13位
怪盗ルパンが、全日本選手権出場という至宝に手を伸ばした。近藤が冒頭に跳んだ3回転ルッツ‐3回転トーループ。そのジャンプの高さと幅に、観客席からはどよめきにも似た歓声が起こった。その後の3回転ループ、ダブルアクセルも成功。ジャンプを全部決めて勢いに乗ってからは、伸びやかなステップを銀盤に刻んだ。この日、張りつめた雰囲気に屈することなくベストを尽くした選手は多かったが、その中でも一際光を放った近藤の演技に、会場はスタンディンオーベーション。ショートプログラムを終えた順位は5位となり、全日本行きの切符をその目にしっかりととらえた。全てが決まる運命のフリースケーティングは、4日に行われる。「人の心を打つ演技」を披露し、近藤が最高の笑顔でフィニッシュできることに期待したい。
小曽根は静寂の中、最終グループの1番滑走で演技に臨んだ。冒頭、先週の東インカレで調子を取り戻した3回転サルコウを着氷。次の3回転トーループは手をつき、後半のダブルアクセルでは転倒してしまった。だが、日本トップクラスの選手に「追い付いて行こう」。その言葉どおり、ジャンプの失敗後はミスを取り戻すように他の要素を丁寧にこなしていく。とりわけクライマックスのストレートラインステップでは、豊かな表情で力強く滑り、会場から拍手をもらった。現在の順位は13位で上位との差はあるが、フリースケーティングは東インカレでパーソナルベストを更新した『クラシックロックメドレー』だ。毎度会場を大いに沸かせるその名プログラムを、前橋のリンクでも思い切りぶつけてほしい。
(文:窪山裕美子、写真:脇田直樹)
近藤琢哉(商4)
(今日の演技を振り返って)今日は自分の中でも、細かいミスはありましたが今までで一番良かったなと思います。得点も今までで一番良かったし、内容的にも良かったです。ガッツポーズも良く出来たらやろうと思っていたので、できて良かったです。(ジャンプはミスなく安定の印象でした)練習の中ではミスもあり、決して100パーセントではなかったのですが、慎重にやればいけると思ったので、実際ほっとしました。(スピンやステップについて)ジャンプでほっとしてしまって逆にスピンやステップの方で取りこぼしがあったのかなと思いました。フリーの方はそこ直したいです。(会場はいつにも増して盛り上がっていました)どうしてもやっぱり全日本の予選で、自分の順位だとか人がどうやっているとか気にしがちだと思うのですが、自分が良い演技をしないと人には勝てないので、まずは自分のやることに集中しようと思ってやりました。(重要な明後日のフリーに向けて意気込みを)今日は割と落ち着いて出来たので、フリーも自分のやることをしっかりやることを徹底して、人の心を打つ演技ができたらなと思っています。
小曽根孝浩(環1)
(今日の演技を振り返って)思っていたよりは緊張しなくて、それが油断になってしまったのかなと思います。トーループも最後に力が抜けてしまったりしてジャンプにミスが出てしまって、スピンも丁寧にやったつもりだったんですけどレベルが取れていなかったので、そういうところを明後日は改善していきたいなと思います。(同じグループに村上大介選手や中村健人選手といったトップスケーターがいたが)自分より相当格上の選手なので、いい勉強になったなという感じです。ちょっと怖かったですけど、追い付いて行こうと思ってやっていました。(フリーへの意気込み)前回の東インカレよりも絶対にいい点数を出せるように、3回転のトーループとサルコウは絶対2発降りるというのが目標で、あとダブルアクセルもきっちり降りられるように、頑張っていきたいと思います。
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