ついに開幕を迎えた第82回全日本フィギュアスケート選手権大会。ソチ五輪日本代表の最終選考会も兼ねているとあって、より一層の注目が今年はさいたまスーパーアリーナに集められる。髙橋大輔、羽生結弦ら世界のトップスケーターに並んで、慶大からスケート部フィギュア部門主将の近藤琢哉(商4)が出場。大会初日の21日は男子ショートプログラムが行われた。
男子 ショートプログラム
・近藤琢哉(商4) 51.80点 17位
近藤にとって最後の全日本選手権で演じるショートプログラムは、以前にも一度使用していたもので、「一番思い入れがある」とラストシーズンに再び選んだ『ルパン三世』。今までやってきたことの全てを出し切る思いでリンクに上がる。リラックスした表情で、緊張することなく演技に入ったが、冒頭のコンビネーションジャンプでバランスを崩し、手をついてしまう。しかしすぐに立て直し、その後は大きなミスなく、3回転ループ、2回転アクセルはともに成功。スケートの楽しさを感じながら、それを全身で表現する近藤の演技に観客も惹き付けられ、終盤のステップの場面では会場全体から手拍子が起こる。「今季一番気持ちよく、楽しく滑ることができた」と、最後まで笑顔でこの日の演技を終えた。近藤の『ルパン三世』は、五輪の代表枠争いに最大の注目が向けられる中でも確かに、見る者の心を奪ってみせた。22日のフリースケーティング。今度は龍の姿になって、さいたまスーパーアリーナの観客を虜にする。
(文:脇田直樹、写真:成瀬麻衣子)
近藤琢哉(商4)
(今日の演技を振り返って)冒頭のミスがやっぱり一番大きくて、でも逆にそれ以外にはそんなに大きなミスというのはなく、全体を通して、今季一番気持ちよく、楽しく滑ることができたなと思います。(自身最後の全日本選手権にどのような気持ちで臨んだか)今までやってきたことを出し切れずに終わるのが一番悔しいと思うので、0か100かくらいのつもりで、全部出そうと思っていました。中途半端にならないように練習もしてきましたし、本番でもそういうふうに考えていました。(演技中に感じていたこと)やっぱり、スケートって楽しいなって。(ショートプログラムの感想)東日本選手権のときは正直、全日本の出場枠とかを気にしていて、すごく緊張もして、楽しいとかも思えなかったのですが、逆に今日は、持っているものを全部出したいし、たくさんの人が観に来てくださっているので、一番いい演技をしたいなと思っていたので、そういう意味では、観てくれる人がいっぱいいた分、楽しかったです。あまり緊張もしなかったです。(フリースケーティングへの意気込み)ちょっと今まだフリー滑れるかどうかドキドキしているんですけど、滑れたら今日と同じく、思いっきりぶつかっていけたらなと思います。
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