【相撲】Bクラス3位入賞!見えた慶大の戦い方

団体戦に臨む慶大相撲部

 第93回を迎えた伝統ある東日本学生相撲選手権大会。慶大はBクラストーナメントに出場した。今の体制になってから初めて本格的にチームとして戦う今大会、主将の飯塚(総4)を筆頭に下級生も奮闘。Bクラストーナメント3位と躍進し、Aクラストーナメント予選出場も成し遂げた。また引き続き行われた個人戦でも慶大らしい「粘り強い相撲」を展開。出場した6選手中4選手が1回戦敗退という結果に終わるも、収穫のある一番となったに違いない。     メンバー表

名前 学部学年 段位 身長・体重 出身高校
先鋒 樋口 貴仁 環2 180・80 明大中野
二陣 飯塚 大河 総4 190・110 明大中野
中堅 藪本 健太 政2 170・80 慶應義塾
副将 嶋田 翔太 政3 173・85 立教新座
主将 時田 王右 環1 165・80 愛工大名電
  東日本学生相撲選手権大会

2014年6月8日(日)

@両国国技館

第93回東日本学生相撲選手権大会が両国・国技館にて取り行われた。慶大は現在Bクラスに所属し、Aクラス昇格に向け日々練習を重ねている。期待の新入部員2名を迎え、戦力が充実した慶大はメンバー争いが激化。お互い切磋琢磨し相撲技術の向上に励んでいる。

開会式が終了し、迎えたBクラストーナメントに慶大は出場。トーナメントの関係から2回戦から登場した慶大は1回戦で東医大を3-2で下した埼玉大と対戦した。先鋒の樋口が粘りの相撲を見せるものの競り負け、チームはいきなり窮地に立たされた。しかし続く飯塚や嶋田の上級生らしい落ち着いた相撲により同点とし、大将の時田が不戦勝にて勝利。初戦から厳しい戦いとなったが、慶大が勝利を果たした。

VS埼玉大学

●樋口(突出し)金子

2年生になり、風格が出てきた藪本

2年生になり、風格が出てきた藪本

○飯塚(押し出し)宮岡

●藪本(寄り倒し)庄司

○嶋田(寄り倒し)中谷

○時田(不戦勝)安井

続く準決勝は優勝候補の駒澤大学との対戦。果敢に勝負に挑んだものの、勝ち星を挙げることが出来たのは飯塚のみ。Bクラスの頂点になることの厳しさを痛感する対戦となった。この結果、慶大はBクラス3位になることが決定した。

VS駒澤大学

●樋口(送り出し)中村

○飯塚(寄り切り)上岡

●藪本(上手投げ)伊藤

●嶋田(押し出し)斎藤

●時田(寄り倒し)佐藤

Bクラストーナメント4位以上のチームが進むことできるAクラス予選では、拓大・東農大・日体大という強豪校と対決。勝ち星は飯塚が拓大から得た1つのみという厳しい結果に終わった。

VS拓大

●樋口(押し出し)小向

臆することなく前に出る嶋田(左)

臆することなく前に出る嶋田(左)

○飯塚(寄り倒し)鳩岡

●藪本(押し倒し)後藤

●嶋田(押し出し)久保

●時田(押し出し)宮下

VS東農大

●樋口(寄り倒し)百瀬

●飯塚(突き落とし)楮佐古

●藪本(押し出し)小柳

●嶋田(押し出し)長谷川

●時田(上手投げ)小永

VS日体大

●樋口(引き落とし)濱町

主将として、エースとしてチームをけん引する飯塚(左)

主将として、エースとしてチームをけん引する飯塚(右)

●飯塚(押し出し)西方

●藪本(押し出し)中村

●嶋田(押し出し)南

●時田(引き落とし)三輪

 

<個人戦>

樋口

一回戦

○(足取り)久保(拓大)

二回戦

○(送り出し)ツァガーンバヤル(防大)

三回戦

●(送り出し)斎藤(駒大)

個人戦で大活躍の樋口

個人戦で大活躍の樋口(右)

藤原

一回戦

●(押し出し)澤田(日大)

 

嶋田

一回戦

●(突き倒し)大庭(日大)

 

飯塚

一回戦

●(寄り倒し)小向(拓大)

 

時田

一回戦

○(引き落とし)池田(東大)

団体戦初出場を果たした時田

団体戦初出場を果たした時田

二回戦

●(寄り切り)伊藤(駒大)

 

藪本

一回戦

●(押し出し)濁川(明大)

 

(記事 堀越ゆかり  写真 高橋廉太郎 石井博己 平島将大)

 

以下、選手コメント

 

  飯塚 大河主将(総4)

(どのような相撲を取ろうと思って土俵に立ったか)低くあたり、相手の懐に入る相撲を心がけました。相手は自分より大きい選手ばかりでしたので、小さくなって相撲を取らないと勝機は見出せないと思ったからです。(Aトーナメントの拓大戦では左から右への組み換えで寄り倒しとうまくいったが、東農大とは組むことすらできずに突き落とされた。両校にはどのような違いがあったのか)両校の違い、というのはあまりないと感じました。それよりも自分の集中力が足りなかったと考えています。(個人戦は1回戦負けとなった。今日は自身としては3勝2敗。この結果についてどう考えているか。またこれからのチームについての意見は)自分自身としては対Aクラスで1つしか勝てなかった悔しさが残りました。あそこで自分が点を取れたら選抜にも出られていたので、3つ全部勝てる強さを身につけたいです。チームとしても同じです。チーム力という面ではかなり強いと思っています。あとは個人の力をつけることだと考えます。

藤原 治樹(経4)

(今日の個人戦・団体戦を振り返って)団体戦についてはチームでの試合は今年度初。全体的に主将を中心とした慶應相撲部の空気がつくれていたと感じています。「ガツガツせず、笑う余裕があるぐらいが丁度良い」と初戦前の円陣での主将による声かけが特に印象的でした。迎えた埼玉大学戦では危うい一番もありましたが、土俵溜りから全員が声出しをしたからこそ乗り切れたと思います。Aクラスの相撲では、主将が拓殖大学より一点をもぎ取りました。これは新体制初日に各人が目標を持って体重管理する、一日一日目標を持って相撲を取ることを決めて、これを徹底したからこそ達成できたのではないかと考えています。1つ残念なことはAクラスとの団体戦でチーム全体が委縮してしまったことです。空気をつくれば必ず勝てる訳ではないですが、土俵に上がれば誰も助けてくれない『相撲』という競技では声援が大きな力になります。残り半年間、現在の慶應相撲部のチームカラーに加えて空気も織り交ぜたいと思います。個人戦については対戦相手は強豪校日本大学レギュラーの沢田選手でした。ネームバリューからはもちろんのこと、100kgの体重差から恐怖さえ感じました。大きいから弱いだろう。これは大きな偏見です。背も自分より高ければ体重も重い上、運動神経、速さも抜群。まるで巨人と対戦している気になります。勇気を振り絞って一つこれをやると決めたら実行すること、中途半端に相撲を取らずあえて前に出ることを心掛けて相撲に臨みました。(藤原選手の目指す相撲スタイルは)現在は四つを組むが早い相撲、つまり止まらない四つを目指して稽古をしてます。この1つの型で必ず勝てるように鍛錬したいです。(副将として意識していることは)ひとことでいうと空気の重石です。大学から相撲を始めた経緯もあり、経験者より強くなるには経験者よりも稽古をしなければならないと思い、四股にせよ、鉄砲にせよその日その日の100%を塗り替えるべく稽古を重ねてきました。和やかな稽古の空気をつくるのは非常に重要ですが、メリハリは更に重要です。この点では主将と役割分担をしています。また、私は技術で後輩に魅せることができないと自己分析しているので、小さなことですが、毎日の稽古において姿勢で魅せることで部員のモチベーションアップを図っています。以上の側面から大役を担っていると自覚して副将を務めています。(最終学年の目標)個人では東日本、全国体重別大会優勝。チームではリーグ戦優勝です。

嶋田 翔太(政3)

(大会を振り返って)初戦の埼玉大戦で負け寸前まで追い込まれて固さはかなり取れましたが、その後も悪いムードを自分の中で引きずったままになってしまい、一日を通して結局体は動きませんでした。最後の大東大戦も含めて、私のせいで勝負強い時田に2-2で回す事が出来なかったのが今大会で私自身としてもチームにとっても最もいけなかった点だと思います。(チームの雰囲気はどうだったか)飯塚主将の強力なリーダーシップの下でチームは本当に良いムードでチームワークもよく、試合中も相互に声を出し合っていたと思います。中でも先鋒樋口の思い切りの良い相撲はチームに計り知れないほどの良い雰囲気をもたらしみんな勇気づけられていたと思います。(次に向けて)次の大会まで時間が出来たので、体重別選手権まで1回りも2回りも成長できるよう稽古に励みたいと思います。

藪本 健太(政2)

(相手の懐に入ることはできていたが、そこからの展開は今後どのように考えているか)中に入ったあと、まわしをとって前に出るというものが理想の形であるので、下半身のトレーニングをして自力をつけ、前に出る相撲をしていきたいと思いました。

時田 王右(環1)

(大学入って初めての団体戦はどうだったか)チームとしての初戦でもあり私の団体デビュー戦でもあった東日本大会を、相撲の聖地である両国国技館で迎えれたことを幸せに思っております。高校までとは違った雰囲気の中での大会だったので、空気に呑まれてしまいました。(今回で見えた課題は)今大会で強く感じたことは私の立ち会いが全く通じなかったことです。目一杯あたりにいっているつもりでしたが、相手に全くプレッシャーを与えることができずそのまま押し出されて負けるというパターンが多かったです。そこで、私の課題は立ち会いの強化です。立ち会いでいかに相手にプレッシャーを与えれるかが今後の私の相撲人生を大きく左右することです。(次に向けて)立ち会いの強化はもちろんのこと、10年間相撲をやってきて作り上げてきた私の型をさらに磨いていきたいと思います。

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