【弓道女子】強敵法大相手に1本差での惜敗―第44回全関東学生弓道選手権大会

6月21日、22日に日本武道館で行われた第44回全関東学生弓道選手権大会。慶大弓術部女子団体はベスト8という結果で大会を終えた。昨年、強豪ひしめく東京都学生弓道リーグの1部に復帰した慶大女子。1部校としてのプレッシャ ーのかかる大会であったが、安定した的中を出し続けるなどその実力はきちんと発揮することができた。その一方で実力校の法大には1本差の僅差で敗退。今後への手応えと課題をつかんだ大会となった。

 

第44回全関東学生弓道選手権大会 6月21日(土)、22日(日)@日本武道館

 

会場は日本武道館 各大学の応援で熱気に包まれた

会場は日本武道館 各大学の応援で熱気に包まれた

 

女子団体結果…ベスト8
 ポジション 選手名

予選

二回戦

三回戦

競射

大前(おおまえ) 小林由紀恵(看3・清真学園高)

×○

(なか) 陣内友莉(総2・西武文理高)

○○

(おち) 澁澤柊花(理3・慶應女子高)

×○

合計

10

10

対戦校

 

東京大

法政大

合計

 

※ 1回の試合で各選手4本の矢を放つ。トーナメントは2チームが同時に矢を放ち始める。女子団体は1チーム3人で構成され、計12本のうち的に中(あた)った本数の多いチームが勝ち進む。的中数が並んだ場合は、各自2本の計6本で競射を行って勝敗を決定する。

 

 

女子団体は三人一組で各自1試合4本、計12本のうち的に中った本数の多いチームが勝ち進む。的中数が並んだ場合は、各自2本の計6本で競射を行って勝敗を決定する。女子三人立で大前(おおまえ)(第1射手)は小林由紀恵(看3)、中(なか)(第二射手)は陣内友莉(総2)、落(おち)(第三射手)は澁澤柊花(理3)というオーダーで大会に臨んだ。鈴木清久コーチは「最後の会という動作がしっかりとできている選手」を選んだと説明。21日に行われた予選では小林が4中、陣内が3中、澁澤が3中。計10中で予選を2位通過と好発進を見せた。

左から小林、陣内、澁澤の慶大3選手

左から小林、陣内、澁澤の慶大3選手

そして迎えた22日の決勝トーナメント、予選で好成績を残したためシード枠を獲得していた慶大は2回戦から登場した。東大を相手に小林が4中、陣内が4中、澁澤が2中で計10中とまたも好成績を残すことに成功。相手は7中で止まり、3回戦に駒を進めた。 3回戦の相手は強敵法大。慶大にとっての山場が訪れた。昨年のリーグ1部2部入れ替え戦において、ハイレベルな接戦の末慶大は法大に勝利。法大にとって慶大は、降格させられた因縁の相手ということになる。そうした法大相手に、大前の小林はまたしても4中、抜群の安定感を見せつけた。しかし陣内が2中、澁澤が3中と若干失速し、計9中という結果になった。相手も9中で慶大と並び、各選手2本の矢を放ち、その合計で勝敗をつける一手競射にもつれ込んだ。この射詰ではこれまで安定した射を見せてきた小林が1本目外してしまった。陣内は1本目を中てることに成功したが、続く澁澤も1本目を中てることができない。ここが勝負の分かれ目となってしまった。2本目は3人とも中てることに成功し、計4中まで的中をのばしたが時すでに遅し。法大の安定感は射詰に入っても抜群で、計5中を中て慶大を下したのだ。 

3回戦 法大チーム(左)と慶大チーム(右)

3回戦 法大チーム(左)と慶大チーム(右)

 

法大との競射前、気持ちを一つにする慶大チーム

法大との競射前、気持ちを一つにする慶大チーム

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あと1本及ばず。悔しすぎる3回戦敗退だった。試合後鈴木コーチは「法政に競射で負けてしまったということはまだまだ練習が足りない」と今大会の団体戦を振り返った。落を務めた澁澤も「去年リーグ1部に上がったのでベスト4も手の届くところにあったと思う」と悔しい表情を浮かべた。この大会が選手たちの糧になったことは間違いない。慶大弓術部の戦いはこれで終わったわけではない。今週末には全国選抜大会、8月上旬にはインカレがある。秋のリーグ戦、その先にある夢の王座獲得に向けて慶大弓術部はこれからも日々鍛錬を続ける。

 

個人戦は入賞者なしに終わる

女子個人結果…入賞者なし
選手名 射詰(尺二) 射詰(八寸)
小林(看3・清真学園高) ○○○ ×
五十嵐(商4・慶應女子高) ×
高野(経4・慶應女子高) ○×
※射詰…サドンデス形式で各選手順番に矢を放っていく試合形式。 3本目までは尺二(36cm)の的、4本目以降は八寸(24cm)の的を使用する。

個人戦に出場した五十嵐(左)、高野(右)の4年生2人

個人戦に出場した五十嵐(左)、高野(右)の4年生2人

慶大女子は6月15日に行われた個人予選の結果、小林、五十嵐(商4)、高野(経3)の3選手が出場した。個人戦は射詰形式で行われ、五十嵐(政4)と高野(経4)はいずれも序盤で的を外してしまい敗退。団体戦の大前を務め安定感抜群だった小林は、個人戦でも3連続的中し八寸的へ駒を進める。ただ八寸的は通常の尺二寸的に比べ、その面積は半分以下。八寸的の1本目で外してしまい、慶大女子は入賞者を出すことができなかった。  

 

この全関東学生弓道選手権大会は弓道という一瞬一瞬に全身全霊をかけ、一本の中りを追い求める競技を心から楽しめる大会であった。日本発祥のこの弓道という競技をこれからも応援し続けていかなければならないと感じられた。                                                                                                                   

                                                                                                                    (記事 河合佳祐 砂川昌輝)

 

 

監督、選手のコメント

 

  鈴木 清久コーチ

(今大会を振り返って)ある程度高い中りを出すということを目標にして、それをある程度達成することができたということが評価できるところです。法政に競射で負けてしまったということはまだまだ練習が足りないというところなので、次全国選抜が来週にあってインカレが8月の中旬にあります。そこではもっと高い中りを維持できるように頑張るよう指示しています。(ベスト8という結果について)なかなか武道館でここまで引けていることがなかったので、それはそれで十分評価はできると思います。ただ我々ここで満足するわけにはいかないので、もっと上を目指していきます。(今回オーダーを組むにあたって基準としたことは?)しっかりとした最後の会という動作をできている子を選びました。(春におっしゃっていた攻めの姿勢というものを見ることはできたか?)だいぶできるようになってきたので、それが12射10中が2回と12射9中が1回という結果に出ていることは評価できています。(メンタル面で何か意識して指導したことは?)のびのびと引くということですね。どうしてもうちの子の場合、ともすると守るという場合があるので、守るものはなにもなく攻めていきましょうということ。たかだか1部に上がったばかりの学校なので、もっともっと攻めて、攻めていく。その姿勢で今回もある程度はできたので、来週それからインカレ、リーグ戦、王座ともっと攻めていきます。(これから更なる高みを目指す上での鈴木コーチの意気込み)この流れを汲みながらもっと1年生もいっぱい入ってくれたので、部内で切磋琢磨して強いクラブにしていきたいと思います。

 

澁澤 柊花(理3)

(ベスト8という結果に終わったが)去年1部に上がったのでベスト4も手の届くところにあったと思いますが、選手5人の中で今日この日に調子が良かった人がそろっていたわけではなかったというところから考えると妥当な結果なのかなと思います。(落としてのプレッシャーは)特に落に対してプレッシャーを感じたというわけではありません。逆に落として最後に一人残って引けることを楽しんでいました。(観客の激しい応援や拍手のある中での戦いだった)いつもの試合に比べると他の大学が騒がしいなという印象はあったんですが、慶大の応援も負けないくらいくらい大きな声だったので。その応援が大きな励みになって楽しく引くことができました。(今後に向けて)今回は関東でベスト8という結果になってしまったんですが、この先まだ全国選抜やインカレなどもっと規模の大きな大会が残っています。その中でもベスト4やそれ以上に行くことは私たちの手の届かないところではないと思うので、これから先もどんどん大きな物をつかんでいきたいと思います。

 

陣内 友莉(総2

(今大会を振り返って)半分緊張と半分希望があり、あと一本というところで負けてしまったという悔しさが残ったので次の大会につなげられるようにしたいです。(今大会までに意識して練習していたことは)とりあえず離れでぶれないようにしていました。(中で弓を引くにあたって心がけていたことは)大前と落の方が上級生の方で必ず私がはずしても中ててくださるので、そこらへんは気にせずにのびのび引かせてもらいました。(次の大会に向けての意気込み)来週末に全国選抜があるので、その時にはこの大会で得たものを生かして絶対に勝とうと思います。

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