昨年と同じメンバーでシーズンを迎える慶大DF陣。主将・三上とコンビでその中核を担うのが新副将の笠松亮太(総3)だ。精神的支柱としての役割も期待される今季、掲げた目標は「日本一」。攻撃陣をがっちり支えるCBの一角に迫る!
――3年生で副将というのはソッカー部では珍しいように思うのですが、どういう経緯で副将に決まられたんですか
今年は3年生が多く試合に関わるので、3年生をまとめる役割というものにも役職をつけて、責任感を持とうということで。だから、副将の大きな役割として3年生をまとめるということがあると思っています。決まるまでの経緯としては、学年で話し合って、今年の副将の役割の位置づけを考えた上で、どのような人がこの役職につくといいのかをミーティングを重ねて決めました。そこで、学年の全員が、副将は自分にと言ってくれたこともあり、決意を持ってやろうということを決めました。
――となると、来年の主将を見越してというわけではなくて
はい、来年そうだからという訳ではなくて、今年の役割を果たすという意味で。
――役職ももちろんなんですが、上級生になったということで気持ちの変化なり、こうしていかなくてはという実感はありますか
そうですね、練習で盛り上げたり、しっかりと雰囲気を作っていったりということを3,4年生が作っていかないと、下はついていかないだろうなということをこの地点でも感じているので、やはり自分たちがしっかりしないとチームはまとまっていかないだろうとは思っています。
――今季は4-3-1-2、両サイドバックの攻め上がりが期待される布陣だからこそ最終ラインは二人だけで残されるということもあるかなと思うのですが
二人で残されることも多いといえば多いんですけれど、どちらかのサイドバックが上がっているときは、極端に両方のサイドバックが上がってしまうというのでなくて、そのとき上がっていない片方のサイドバックには常に守備の意識を持たせるようにと思っているので。オプションとしては、両サイドは高い位置を取るということなんですけれど、そこは判断して。自分たちの中でしっかりとマークをマネージメントしなければいけないといころもあると思うので。そこをしっかり、どちらかのサイドバックがちゃんと引いているようにすることであるとか、3枚いるボランチの一人を下げておくことであるとかで、二人だけで残されるということはないようにと心がけています。
――三上主将とのセンターバックはもう2年目ということで不安はないですか
そうですね、佳貴さんとはずっとやってきているので、そこに不安はありませんし、4バックも去年と変わらないのでDFライン全体という意味でも不安はないですね
――三上主将とセンターバックを組むと、笠松選手が最初に当たる役割をすることが多いのですが、高校時の笠松選手は、カバーリング役・読みが光るクレバーなDFという印象が強かったように思います。求められる役割が変わって、昨季は難しい部分もありましたか
自分自身は読みであったり、カバーリングであったりということを強みとしておいているわけですが、まぁ相手に強くいくところを見極めるのも読みの一つでありますし、自分自身体の当たりが弱いという訳ではないので。大学に入ってからフィジカルトレーニングをして、強くなってきた部分でもあるので、そういうところも活かせるようになりたいと思いますし。佳貴さんよりは自分のほうが身長も高いので、高校までとは役割が違うところもありませうが、そこは臨機応変にやっていかないと、上では勝てないと思うので。そういう意味で、自分のプレーの幅を広げられたということでもあるので、とまどったというよりも収穫のほうが多かったかなと思います。
――そういえば、1年生のときはサイドバックでの出場もありましたが、一番しっくりくるポジションはやっぱりセンターバックなんですか
そうですね、センターバックが一番長いことやっているので。とはいっても、実際に高校1年生のときは何度もサイドバックで出場していますし、自分自身そんなに身長が高いわけではないので、センターバックだけということにこだわっていては、プロを目指していく上でも、と思うのでそこは柔軟に、どこでもできるような選手にと思っているので、サイドバックなどもこなしていけたらと考えています。
――去年は前期フル出場で夏の中断中に怪我、後期に間に合わず、出られない期間もありましたが
出られない部分でリーグ戦が始まって、試合に出たいという思いもあったんですけれど、やっぱり怪我を治さないことには、というか無理をしてリーグ戦に出ても自分のプレーが出来るとは思わなかったので、そこはトレーナーと話し合いながら、常に自分が出られたらどういうプレーをするかということを考えていました。
――昨季、昇格チームながら5位という結果を出したことで今年は他大学から警戒される部分もあると思いますが、それもふまえて今季の展望などあれば
今おっしゃられたように、警戒されるという部分では、絶対に去年の前期より上だと思うんですけれど。どこのチームが勝ってもおかしくないリーグだと思っているので、慶應らしさ、一つ一つのプレーを全力でやるところだったり、切り替えだったり、という自分たちの強みをしっかり明確にして、そういうものを1分たりとも集中を切らすことなく表現できれば、去年より上の順位を目指せると思いますし、逆にそれができなければ口角争いになってしまう可能性もあるので、そう言う意味での緊張感を常に持つというのが大切かなという風に感じます。
――笠松選手は中学、高校時に何度も日本一を経験されていますが、今振り返って、日本一を獲ったときのチームはこういうものがあった、という感覚はあるんですか
中学高校での優勝と大学のステージでの優勝って言うのはまた違ってくるとは思うんですけれど、優勝するときっていうのはチームの雰囲気も大事なんですよね。常にいい雰囲気で出来ていた中で、自分たちが本当に自信を持って、絶対に勝てるという実感があったときというのは、結果もついてきていて。過信してはいけないなとも思うんですけれど、そういう意味のいい自信を持つことは大事かなと今振り返ってみて思います。
――笠松選手は中学2年生くらいから身長がほとんど変わっていないですよね。はじめは同年代で大柄な方だったのが、だんだん普通くらいになってしまう、それって大変なんじゃないかなとも思うんですが
そうですね、苦しい時期はありましたけど、高1のときはそれでサイドバックをやらされたりもあったんですけれど、そこで自分の強みっていうのもをもう一度見直して、背が小さくてもプロでやっている選手は何人もいますし、そういう人たちを研究して、どうやったら自分が生き残っていけるのかということを考えて、乗り越えた部分だと思います。まぁ今も、もっと身長あればなって思うことはあるんですけれど、今の自分ができることを考えてやるしかないんだから、という風に思っています。
――笠松選手の中学高校のチームメイトでは、プロになった選手もたくさんいらっしゃいますよね。でもずっと同じステージでやっているからこそ、プロに行った選手がすべてにおいて自分より上って訳でもないことも実感としてあると思うんですが
確かに自分のほうができると思う部分もあるんですけれど、プロって言うのはやっぱりめぐり合わせとか運の部分もあるので。そのチャンスをどれだけ掴むことが出来るのか、そこがまずひとつのプロになれるか、なれないかっていう分かれ目になると思います。小学校とかから一緒にやってきた選手でプロになった奴っていうのは、自分とポジションが違うからなんとも言えないところもあるんですけれど、本当に一つのチャンスを掴んだっていうかんじだったので。なぜ自分はプロになれなかったんだろうってことも考えたりはしたんですけれど、やっぱり今はそういう、チャンスを掴むことができる奴がプロになれるんだ、という風に思っています。
――では、それをふまえて、今年はリーグ戦でどんなアピールができたらいいと思いますか
去年は初めての1部、自分としてもスタメンで向かえる初めてのシーズンというところがあって、余裕がなかった部分があったんですけれど、今年は二年目でもありますし、上に行くためには今年が勝負だとおもっているので、まずはリーダーシップをとって、強い統率力を持つことと、対人、一対一の部分、目の前の相手には負けないということをとにかく意識して、自分にやれることをしっかりやる。それでチームの結果を残すことで個人も評価されると思うので、まずはチームをどれだけ上位に持っていけるかが勝負だな、と感じています。
――最後に今季の目標をお願いします
色紙にも書いたように、日本一。よくある答えではあると思うんですけれど(笑)去年のインカレの決勝を見に行ったときに、明治が優勝しているのを見て…しかも自分たちは去年明治に2勝しているので、日本一はけして不可能な目標ではないと思いましたし、そういう舞台に立つことで個人としてアピールできる部分もあると思うので。やはり日本一を目指す、そういう目標を持たない限りは始まらないと思うところもあるので、そこから何ができるのかを逆算して考えていきたいと思います。
――ありがとうございました
by Yuri Takeo
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