【ソッカー女子】第7節 ルーキーの一撃で昇格組対決を制する! MITO EIKO FC 茨城レディース戦

21回関東女子サッカー二部リーグ 7 昇格組同士の戦いとなったこの試合。前半は相手の厳しいマークに苦しみ無得点に終わったが、後半は徐々に慶大らしいスピード感のあるサッカーが見られるように。一進一退の攻防が続く中迎えた82分、栃木栞(環3・十文字高)の落としを中島菜々子(総1・十文字高)が直接狙う。強烈なミドルシュートがゴールに突き刺さり、ついに均衡を破ることに成功。この1点を守り抜いた慶大が、勝利で前期を折り返した。

2015/5/31(日)14:30KO@慶應義塾下田グラウンド

慶應義塾大学1-0MITO EIKO FC 茨城レディース

 

【得点者(アシスト者)】

〔慶〕77分 中島菜々子

 

  ◇慶大出場選手

GK野村智美(総2・作陽高)
DF下山田志帆(環3・十文字高)
DF松本朋子(総4・十文字高)
DF田中康子(総3・常盤木学園高)
DF宮田あずさ(環3・文京学院大学女子高)→63分遠藤未来(環4・村田女子高)
MF栃木栞(環3・十文字高)
MF中島菜々子(総1・十文字高)
MF梅原那奈(環4・常葉学園橘高)→75分平田諒子(文4・福岡女学院高)
MF堀井美月(環3・常盤木学園高)
FW傍田捷子(総4・スパルターク)→63分赤羽紗里(総4・スフィーダ世田谷)
FW二宮早紀(環4・常盤木学園高)
前節は5-0と快勝したものの後半は1点を取るにとどまった慶大。「点を取るためにどういう準備をしていくかこだわって1週間やっていきたい」と岩崎監督が語っていた中で、今節は攻撃陣のメンバーを変更してきた。ここまで守備的なポジションを任されることが多かった梅原那奈(環4・常葉学園橘高)が右サイドの高い位置に入る。

後方から指示を出す松本主将。攻撃の起点にもなった

この試合も前半から慶大がボールを保持し続けチャンスをうかがうが、相手の厳しい寄せに苦戦しボールを失うシーンが目立つ。たまらず5分、8分とロングボールを前線の傍田捷子(総4・スパルターク)目掛けて送るが、決定機を作り出すには至らない。21分には自陣左で宮田あずさ(環3・文京学院大学女子高)がボールを失ってしまう。これをなんとかファウルで止め、与えたFKからの相手の攻撃も切り抜けると、25分に慶大にビッグチャンスが訪れる。堀井美月(環3・常盤木学園高)のスルーパスに反応した二宮早紀(環4・常盤木学園高)がGKと1対1になるが、二宮の放ったシュートはわずかにゴール右に外れてしまう。結局相手の厳しいマークに対応することができないまま、無得点で前半が終了した。

 

ハーフタイム、サイドの高い位置に起点を作るよう岩崎監督が指示すると、後半は徐々に慶大らしさを取り戻し、スピード感のあるサッカーが見られるようになる。まずは57分、左サイドでボールを持った堀井のクロスを梅原がヘディングシュート。だがこれは相手GKの正面へ。63分には傍田と宮田を下げ、田中康子(総3・常盤木学園高)と赤羽紗里(総4・スフィーダ世田谷)を投入し攻撃のさらなる活性化を図る。すると68分、二宮にまたしても絶好のチャンスが。再びGKと1対1になるが、シュートは弾かれてしまう。このこぼれ球を梅原が拾いシュートを放つが今度は相手DFにギリギリのところで蹴り出され、慶大はどうしてもゴールを奪うことができない。互いに得点を奪うことができないまま迎えた82分、ついに試合が動く。前線で栃木栞(環3・十文字高)が落としたボールを中島菜々子(総1・十文字高)がダイレクトシュート。目の覚めるようなシュートがゴールネットに突き刺さり、ようやく慶大が1点を先制する。これで余裕が生まれた慶大はその後の相手の攻撃をしのぎ、1-0で試合終了のホイッスル。完封勝利で前期最終戦を締めくくった。

チームは前半戦を終えて5勝0分2敗、首位とは勝ち点差わずか3の3位と好成績を残している。しかし、後半戦はより厳しい戦いが待っている。というのも、前半戦は7試合中5試合がホームゲームだったが後半戦は7試合中4試合がアウェイゲームとなるからだ。さらに、今日の試合のように対戦チームに慶大のサッカーが研究されてきており、一筋縄ではいかないことが予想される。悲願の1部昇格に向けて、「ここから」彼女たちの本当の力が試される。 (記事 小林将平)  

 

試合後コメント

岩崎陸監督 (前節から先発を2人変更したがその意図は)今自分たちのチームは16人くらいは誰が出てもおかしくないような状況でやっているので、今週の取り組みだとか今週の試合に懸ける意気込みを見て、今日のメンバーが先発にはふさわしいと思って決断しました。(前半は相手のプレスに苦しみ慶大らしい攻撃が見られなかった。ベンチからどのように見ていたのか。そしてハーフタイムにどんな言葉をかけたのか)相手が経験のある選手が多いチームなので、バランスよく守られていたという状況の中でうちの選手がそのバランスにびびって縦パスを入れられなかった、起点を作れなかったので、まずサイドの高い位置に出て起点を作るようにという話をしました。後半はそこを修正して、いい形でみんなが関わるスイッチが入ったと思うので、それは良かったと思います。(前節は中学生メインのチームが相手だったが、今節は一転して社会人メインのチームとの対戦となった。このような難しいリーグを後半戦も勝っていくためにどのようなことが必要と考えているか)自分たちもホームアンドアウェイで2回やるという経験は初めてなので、相手も自分たちのやり方をある程度分かって対策してくるのと、こちらも相手のやり方を分かっているので、本当にもう毎週成長するしかないというか、今の自分たちの力ではなくて、次の試合までに相手以上に成長して臨むことが求められていると思うので、次までの3週間の中でしっかりトレーニングをして、また成長した姿で関東女子サッカーリーグ2部を戦いたいと思います。

 

松本朋子(総4・十文字高)主将

(今日の試合を振り返って)今日は立ち上がりからボールは結構持てていたんですけど、シュートまで行ける回数が少なくて、そういう意味で点をなかなか取ることができなくて、すごく苦しい展開になった試合だったと思います。(なかなからしさが見られなかった中での勝利は大きいか)あまりゴールのチャンスが見えなくて、苦しい中でも最後までみんなでゴールを目指していこうというところで1点(中島)菜々子が取ってくれて、前期最終節、苦しい試合で勝てたというのは大きいと思います。(前半戦の総括と後半戦への意気込みを)前半戦は自分たちのサッカーが完成し切っていなくて、安易に失点してしまう試合が多かったんですけど、後半戦は守備の面ももう少し固めたうえで、全試合しっかり勝っていけるように準備していきたいと思います。

 

中島菜々子(総1・十文字高)

(今日の試合を振り返って)前半は厳しい展開でしたけど、後半に自分が点を取って勝ち切ることができたので良かったと思います。(その前半について、ご自身が特に意識していたことは)ディフェンスの選手からボールをもらうときの体の向きを一番意識していました。(決勝ゴールを振り返って)目の前にボールが転がってきて、思い切り打った結果、決めることができて良かったです。普段から、チャンスがあればどこからでもゴールを狙うことを意識しています。(後半戦への意気込み)後期は全勝を目指して、よりチームに貢献できるように頑張りたいと思います。

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