【ソッカー女子】大学リーグ第9節 終了間際の失点で敗戦も、創部史上初のインカレ出場決定! 順大戦

        勝利すればインカレ出場が決まる今節の相手は同勝ち点で並ぶ順大。序盤から両チーム共に激しいボールの奪い合いが続き、主導権を握れない展開。後半に入っても両チームの守備が安定し、スコアレスで試合を終えるかと思われた89分に痛恨の失点。この試合には敗れたものの、関学大が武蔵丘短大に敗れたため7位以内が確定し、創部史上初のインカレ出場が決まった。

 

第29回関東大学女子サッカーリーグ戦 第9

2015/11/1(日)13:00KO@慶應義塾下田グラウンド

慶應義塾大学0-1順天堂大学

 

【得点者】

〔順〕89 平野夏海

 

◇慶大出場選手

GK野村智美(総2・作陽高)

DF松本朋子(総4・十文字高)

DF田中康子(総3・常盤木学園高)

DF宮田あずさ(環3・文京学院大学女子高)

DF梅原那奈(4・常葉学園橘高)

MF下山田志帆(環3・十文字高)

MF栃木栞(環3・十文字高)

MF中島菜々子(総1・十文字高)

MF二宮早紀(環4・常盤木学園高)

FW堀井美月(環3・常盤木学園高)→77井原美和(薬1・大和高)

FW宮川渚(理3・成城学園高)→46志鎌奈津美(環1・常盤木学園高)

 

 前節の勝利によりインカレに大きく近づいた慶大。最終節となる今節も勝利してインカレへの出場権を手中に収めたい。前節は途中出場の梅原那奈(環4・常葉学園橘高)をスタメンで起用した。

 

開始直後、慶大にいきなりピンチが訪れる。4分、ハーフライン付近からのFKを放り込まれるが、松本朋子(総4・十文字高)がクリア。直後のCKから決定的な場面を迎えられるが、DF陣が体を張ってゴールを許さない。反撃に出たい慶大は、6分に中盤でボールを受けた堀井美月(環3・常盤木学園高)が個人技でペナルティエリア内に侵入し、左足でシュートを放つが枠を捉えられず。7分にも宮川渚(理3・成城学園高)が前線で粘ってから中島菜々子(総1・十文字高)を経由して最後には二宮早紀(環4・常盤木学園高)がシュート。ゴールには至らないが、テンポの良い攻撃からチャンスを作り出す。その後も慶大はサイドを起点に攻撃を仕掛けるものの、なかなかシュートまで持ち込めない展開が続く。一方、順大もスルーパスやクロスから慶大ゴールを狙うが、松本を中心とした守備陣が順大FWに仕事をさせない。前半終了間際、左サイドを駆け上がった宮田あずさ(環3・文京学院大学女子高)がクロスを上げると二宮がヘディングでゴールを狙うが、上手くミートせずにゴールラインを割る。決定的といえるチャンスに乏しいまま前半を折り返す。

 

後半開始時、疲れの見えていた宮川に代えて、志鎌奈津美(環1・常盤木学園高)を投入。前半の立ち上がりとは打って変わり、慶大が立ち上がりから主導権を握る。まずは47分、左サイドを突破した堀井がグラウンダーのクロスを送ると、ゴール前で待ち構えていた二宮がシュート。しかし、ジャストミートできずにチャンスを逃す。49分には田中康子(総3・常盤木学園高)がボールカットから上がっていき、堀井からボールを受け、ボレーシュートを放つがサイドネット。さらに、56分には中島が中盤でボールを奪うとそのまま持ち上がり、堀井へパス。堀井がシュートを放つが、惜しくもクリアされて得点を奪うことができない。すると、次第に流れは順大へと移る。79分に宮田がボール処理をミスすると、そこを見逃さずにシュートを打たれるが、枠の外へ。88分にはクロスのクリアボールをロングシュートで狙われるが、野村智美(総2・作陽高)が落ち着いてキャッチする。落ち着かない展開のまま迎えた89分、中盤でボールを奪われると、スルーパスをダイレクトで流し込まれて失点。反撃を試みるも、あと一歩及ばなかった慶大は最終節を白星で飾ることができなかった。

 

試合終了後、選手たちは各々悔しい表情を見せた。自力でのインカレ出場はなくなり、他会場の結果を待つこととなった。数分後、応援へのあいさつの際に届いた知らせは、関学大の敗戦。これにより、慶大は創部初のインカレ出場が決まり、選手たちにも笑顔が戻った。

 

「素直に喜べない」。このように岩崎監督が語ったのは本心だろう。勝利でインカレ出場を決めることを目指していたからだ。だからこそ、この試合のことを順大からもらった「宿題」(岩崎監督)ととらえることができる。インカレに出場し、この「宿題」を乗り越えるためにチーム一丸で取り組むことが重要だ。また、今節で大学リーグは最終節を迎えたものの、春に行われた関東リーグはまだ試合が残っている。これからの目標は、「関東リーグ1部昇格」(岩崎監督)。インカレに臨む前に、「宿題」を乗り越える。そのためにはまず関東リーグ2部を制覇したい。

(記事 熊谷健二)

 

試合後コメント

 

岩崎陸監督

(インカレ出場が決定して率直な気持ちは)素直に喜べないです。順大は勝たなければ我々を上回れないということで、勝ちたいという気持ちが強かったと思います。自分たちは残り2分のところでちょっと軽いプレーが出てしまったので、これが大きな宿題となって、インカレに行けたからそれが自分たちの宿題として次に生かせるので、ここからまた2か月、インカレまでの時期というのは一番サッカーが上手くなる時期だと思うので、その期間を過ごせることに感謝して、次に向かいたいと思います。(シーズン中で一番苦しかったことは)最初に全然勝てなかったことです。その中で沈んでしまったこともあったかもだけれど、選手はそこを切り替えながら、神大戦で初勝利をつかんでくれて、あの1勝がすごく大きかったと思います。あとは、得失点差で相手に常にプレッシャーをかけることができたので、それはプラン通りというか、最後に関学大より上回ることができたのは、そこの引き分け2つと得失点差のところかなと思います。(ベストゲームは)すべての試合で出し切って、そこで勝った負けたというのがありましたが、1つを挙げることはできないですね。(インカレに向けて)課題がはっきりしていますが、今日の試合ではチャレンジできている部分もあったし、得点に近づいた部分もあって、インカレに行けるからこそ次につながる試合になったと思うので、もう1回自分たちの立ち位置を確認して、インカレで1つでも多く勝っていけるように準備していきたいと思います。この後関東リーグまで公式戦の間が空きますが、もう1つ自分たちが強くなれるように頑張っていきたいと思います。当分の目標は関東リーグ1部昇格です。

 

松本朋子主将(総4・十文字高)

(今の心境は)なんともいえないですけど、全員が出し切ったというか、倒れるまで皆が走ってくれたので。ここまでの試合で相当疲労もたまっていたのがすごく見えていて、その中で最後の一戦は気持ちの勝負になると思っていたんですけど、やり切れなかった部分は課題ですし。課題を見つけられる場所があるのはありがたいなと思います。(疲労は肉体面と精神面の両方ということか)そうですね。一部の試合では(引き分けを除いて)すべて一点差だったのですが、最後まで守り切るメンタルや一点を取りに行くメンタルなど、肉体面だけではなく精神面の疲労もかなりあって。よく戦ってこられたと思っていますし、ここからリフレッシュしてインカレに挑みたいと思います。(一番辛かった時期は)今日の試合中ですね。(終了間際に失点する展開となったが)自分たちも決定機を作っていたし、最後の一秒まで諦めずにやり切ろうという話をしていたのでチームは前向きになっていたと思います。(インカレに向けて一言)まったく別の戦いになると思うので、ここまで出た課題に取り組んでさらに上を目指していきたいと思います。

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