【バスケ】インカレ準決勝 貫き通した慶大バスケ、明大を一蹴

第62回全日本大学バスケットボール選手権大会

2010年12月4日@国立代々木競技場第二体育館

慶大‐明大

  1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 27 24 21 29 101
明大 16 15 22 19 72
「慶應のバスケが40分間続けることができました」(中島)。3年連続決勝の舞台をかけて行われたインカレ準決勝明大戦。この日の慶大のプレーは圧巻だった。二ノ宮を中心に50%もの高確率で沈めたスリーポイントシュート。岩下、酒井を中心につかんだ68%ものリバウンド。そして全員で見せた、慶大のトランディション。王座への気持ち。明大を寄せ付けることなく、101-72で青学大との決勝へと駒を進めた。

慶大のスタメンは、二ノ宮主将(環4)、酒井(環4)、岩下(総4)、家治(環3)、中島(総1)。

序盤は両校ともに意地を見せ、主導権を渡さない。先制は慶大。中島→岩下のハイローでゴール下をしっかり決める。しかし明大もエースがすぐに決め返す。2-2からは攻守がめまぐるしく入れ替わる展開。早く主導権を握りたい慶大、エンジンをかけたのはやはり4年生トリオだった。苦しいチームオフェンスの中で二ノ宮がスリーを決めると、酒井も続く。岩下も高さのない明大に対し、自陣ゴール下を制圧。一気に引き離したいところだったが、明大エースも食らいつく。ここまで大学バスケをけん引してきた4年生が準決勝にふさわしいハイレベルな戦いを展開。慶大リードの12-6で明大タイムアウトの後、二ノ宮、岩下が一気に加速。二ノ宮はスリーポイント、岩下はインサイドで明大を圧倒。「狙い通り」(佐々木HC)の酒井の確実なリバウンドもあり、27-13と大きく差を広げて1Qを終える。2Qは打ってかわって家治が躍動。このピリオドだけで10点を決める活躍を見せる。明大エースが多彩なオフェンスで慶大のファールを誘うなど意地を見せるも、慶大はルーキーたちが流れを断つ。終盤、慶大は中島・蛯名がスリーポイントを沈め、49-31。さらに蛯名が残り23秒で得たフリースローを確実に決め、20点差をつけて前半を折り返す。

後半に入っても慶大は危なげのない戦いを見せる。明大エースの怒涛の連続得点を浴びるも、家治・二ノ宮らの得点で追い上げを許さない。4Q終盤には、バックアップメンバーも積極的なプレーを見せる。少ないプレー時間で出場メンバー全員が得点。「自分達のゲームプランで勝ち切れた」(岩下)文句なしの決勝進出を決めた。

3年連続決勝の舞台へー。そこまでの道のりは決してたやすいものではないはずだった。しかしこの明大戦、慶大が見せたのはそうは感じさせないほどの盤石の試合運び。決勝の相手は今季3度慶大を破り、優勝を阻んできた青学大。「どこを抑えればいいというのがない」(佐々木HC)ほどのタレント軍団だ。だからこそ、「最後の大会で、最強のチーム青学と戦って勝負しての日本一」(酒井)。選手たちが長い間描いてきた、日本一への青写真。そこには間違えなく王者・青学大にチャレンジャーとして挑む慶大の姿があった。ついにその日を迎える。「この4年生と一緒に優勝したい」(家治)。相手にとって不足は無い。選手一丸となって、頂点をこの手でとりに行く。

by Arisa Hakuta

コメント

佐々木HC

(1Qは4年生のみの得点となりましたが)二ノ宮と祐典(酒井)のスリーか、相手の11番のガードと金丸がマッチアップしてきた人は1対1をやりましょうという風に話していたので。二ノ宮は当然打って、金丸がついてきた人が4年生だったので。(それもあって二ノ宮選手はかなり序盤攻めていましたね)それと、二ノ宮は1戦目、2戦目の入り方が周りが気になっちゃってということがあった。だから、それはいいよと。自分のプレーに徹底していかないと周りに良い影響を与えられないので。シュートも打っていいし、そういうことを言ったのでずいぶん積極的になっていた。(今日はハッスルプレーが光りましたね)やっぱり4年ががんばらないと。うちは高校の時のキャリアが全員が高いわけではないので、身をもって4年生ががんばっていくことでひっぱっていけよ、と。よくやってくれた。(酒井選手のディフェンスリバウンドが光りましたね)狙い通り。それを要求しているのでその通りやってくれた。(岩下選手は)インサイドでがんばってくれた。あそこに岩下にボールを入れるのは我々の常とう手段というか。困ったらあそこだよ、ということはみんな分かっていると思います。(チーム全体としては青学にどう向かっていくか)青学はね、どこを抑えればいいというのがないので。とりあえず、自分たちが対等に戦える二ノ宮や岩下のところでせめぎ合いをして、ちょっと劣っているところをチームプレーでやればいいかな、と思っています。(勝利に持ちこむゲームプランは)やっぱり我々としては追いかける形だと辛いので、常に1点でもいいから先行していく。そんな形をとっていけば、リーグ戦の1戦目の勝利みたいなこともあると思うので。

酒井

明日につなげる試合をしなければいけない中で、最後金丸に決められてしまったんですけど。全体を通してはみんなシュートタッチも良くて、ディフェンスも機能していたので、それなりに評価できる試合だったと思います。(ディフェンスリバウンドを良くとり、速攻につなげていたが)やっぱりリバウンドをとると試合が安定するので。今日はマッチアップの選手が僕より身長高くてオフェンスリバウンドはとれない部分があったんですけど、ディフェンスはどんどん積極的にいって速い展開に持ち込もうと思っていました。それができた。(勝利を確信した瞬間は)得点差は関係なくて。40分を通して自分たちのスタイルを貫こうと話していたので。最後ベンチに下がった時は安心していたんですけど、コートにいる時は余裕があったりはしなかったですね。(3年連続のインカレですが今年は)4年生という立場なので思い入れが違う。最後の大会で、最強のチーム青学と戦って勝負しての日本一だと思うので。(明日のマッチアップは)僕が湊谷だと思うんですけど。4年生同士のマッチアップなので、そこで上回ればそこで勝機が生まれてくると思うので、しっかりやりたい。高校からずっとマッチアップしてきたので、苦手意識とかはない。ただ、リーグ戦とかでファールトラブルとかはよくやってしまっていたのでそこは気をつけてやれれば。

岩下

自分達のゲームプランで勝ち切れたのが良かったですね。(自身のプレーは)ミスマッチだったので、攻めていって相手にファウル混ませて点を取っていくというゲームプランだったので、それを最初にこなせたので勢いに乗れました。(1Qの得点は全て4年生だったが)それはやっぱり学生スポーツということで、勢いづけるためにも4年生の頑張りが重要ですし、二ノ宮とも祐典とも話していていました。(明日自身のプレーで意識すること)マッチアップの永吉は選抜でもトーナメントでもリーグでもやっているんですけど、なかなか自分の力が発揮できずにチームを勝利に導くことが出来なかったので、本当にこのインカレ決勝という舞台で4年生の力、集大成というのを見せられたらいいなと思います。(優勝のために必要なこと)やっぱり4年生の活躍に尽きると思います。僕ら3人の。(決勝に向けて)さっきも言いましたけど4年生の力で優勝に導けるように、下級生は頑張ってくれると思うので、彼らの活躍に対して背中で引っ張っていって、絶対優勝したいです。

家治

金丸にある程度点を取られることは仕方ないと割り切って守りました。前半はあまりスリーを決められなかったし、それなりに上手く守れて、それで流れを引き寄せることが出来たと思うのでよかったです。(オフェンスは)ここ最近シュートタッチが良くなかったんですけど、それでも得意なジャンプシュートは自信を持って打とうと思っていました。結果2、3本連続で入ったし感覚を掴めたのでよかったです。(明日の決勝は)青学とはリーグ戦の1戦目は2点差という僅差での敗北だったし僕らの実力を出せば十分に勝てる相手だと思います。僕のマッチアップは辻さんになると思うのでリーグ戦で決められたスリーポイントを僕が絶対に抑えにいきます。4年生の最後の試合だし、この4年生と一緒に優勝したい気持ちが強いので死に物狂いで戦って優勝します。

蛯名

自分の仕事はディフェンスでチームに貢献することだと思っています。それを今日は八割方体現することができたので、そこは自分の中で評価できる点だと思います。 (金丸選手からチャージングをとったことは)ちょっとした自慢になりますね。 (明日の決勝は) (洛南の)先輩が多くいるので、自分がうまく対応できると思います。ディフェンス面で特に頑張りたいです。また、お世話になった4年生の先輩方の学生の大会を最高の形で締めくくる手伝いを全力でしたいと思います。

中島

ディフェンスを頑張って相手のミスを誘い、速い展開にもっていくという慶應のバスケが40分間続けることができました。そこが良かったと思います。(大事な場面で3Pを2本沈めましたが)いつも1本目は入るんですが、2本目に続かなかったんです。でも今日は2本目も入って、自分でもいいシュートタッチになってきていると思います。(リバウンドで相手のファールを誘いましたが)リバウンドは自分の仕事です。明日も続けていきたいです。(明日にむけて)どのチームが来ても自分の仕事である外のシュートとリバウンドをしっかりとやっていきたいです。初めてのインカレで決勝の舞台に立てることはとても貴重なことだから、自分のものにしたいし、4年生にもいい思いをしてもらえるよう頑張ります。

明大・塚本HC

(敗因)試合前選手に言ったのはトランジションゲームはやらないということ。80点のゲームをしては勝つ確率は低くなるので、60点台に引きずりこむためにどうしたらいいかということを考えたゲームプランでした。今まで30%ぐらいだったのが、1Qで向こうのスリーポイントが今日は70%。向こうは今日にピークを持って来たのかもしれないが、うちはベスト8がピークだったのかもしれない。あとはリバウンドの差、ファウルの差がかなり足かせになってしまいました。(慶大への対策は)今日はストップ・ザ・酒井ということでやりました。リーグ戦でもかなりやられてるし、慶應の中で1番いいところはやっぱり酒井君なんですよ。リバウンドも取るし、動きも作るし、大事な所でファウルもらってカウント決めて来るし、メンタリティーも素晴らしいと思うんですよ。今日はそこを金丸がよく抑えてくれました。だけど二ノ宮と岩下を抑えられなかったです。二ノ宮があんなにシュートが入るのは見たことがないので、そこは情報不足でした。リバウンドも含めて今日は全体的に完敗でしょうね。慶應が今日はすごかったということです。

明大・金丸選手

試合前のミーティングで慶應について話していて、攻めが速い、酒井、岩下のリバウンド・ポストプレーというのがあがって、そこを特に注意しようということを言っていたんですけど、徹底出来なかったです。(家治のディフェンスは)リーグ戦でもやっていたのでこちらが何をやるか読まれている部分はあったと思います。

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