今日も打線が爆発、12安打の猛攻で9点を奪い快勝。ルーキー柳町達(商1)に早くも2号が飛び出し、岩見雅紀(総3)も1,2号を放ち、その打棒を取り戻した。4暴投、4失点の投手陣に不安は残るものの、期待の新人高橋佑樹(環1)もリーグ戦デビュー。清水洋二郎(法3)もリーグ戦初勝利と、明るい材料も数多く残した。
5月1日(日)東京六大学野球春季リーグ 東大2回戦
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
慶大 | 0 | 3 | 2 | 0 | 1 | 2 | 1 | 0 | 0 | 9 |
東大 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 | 4 |
慶大:○清水洋、高橋佑、原田 ―須藤
法大:●柴田、有坂、山本俊、出田―喜入
◆慶大出場選手
| ポジション | 選手名(学部学年・出身高校) |
1 | [4] | 倉田直幸(法3・浜松西) |
2 | [6] | 照屋塁(環3・沖縄尚学) |
3 | [5] | 沓掛祥和(商4・慶應義塾) |
4 | [9] | 山口翔大(環4・桐光学園) |
5 | [7] | 岩見雅紀(総3・比叡山) |
| 7 | 重田清一(環4・佐賀西) |
6 | [3] | 山本瑛大(商4・South Torrance) |
| 3 | 清水翔太(総3・桐蔭学園) |
7 | [8] | 柳町達(商1・慶応義塾) |
8 | [2] | 須藤隆成(環3・創志学園) |
9 | [1] | 清水洋二郎(法3・函館ラ・サール) |
| H | 齋藤大輝(商4・慶應義塾) |
| R | 小原徳仁(文3・慶應義塾) |
| 1 | 高橋佑樹(環1・川越東) |
| H | 原誠一郎(総4・春日部共栄) |
| 1 | 原田匠(商2・慶應義塾) |
前日はエース・加藤拓の140球におよぶ熱投で、勝利を収めた慶大。優勝戦線に踏みとどまるためにも、是が非でも連勝したいなかで、試合が始まった。慶大の先攻で始まったこの試合、東大の先発は柴田。初回、沓掛祥和(商4)安打などで2死一,二塁のチャンスをつくる。しかし、5番・岩見雅紀(総3)が右飛に倒れ先制のチャンスを逃す。一方、慶大の先発は今シーズン初先発となる清水洋二郎(法3)。その立ち上がり、山本克に死球、山田に安打で1死一、二塁とこちらもピンチを招いてしまう。しかし後続を打ち取り、無失点で切り抜ける。
ピンチを凌いだ慶大。2回は6番・山本瑛大(商4)が安打で出塁すると、またもゴールデンルーキーが魅せた。7番・柳町達(商1)の打席、甘く入った変化球を逃さず強振すると、打球は右翼席に飛び込む2ランとなる。続く8番・須藤隆成(環4)も2塁打を放つと、9番・清水洋が確実に送り、1死三塁と追加点のチャンスを迎える。ここで1番・倉田直幸(法3)が初球をセンターに弾き返して、さらに1点を加える。
3点の援護をもらった清水洋は、2回裏も得点圏にランナーを背負うが、ここも無失点に切り抜ける。すると強力打線が東大の二番手・有坂をとらえた。3回、先頭の岩見(総3)が今シーズン第1号となるソロを叩き込むと、須藤の併殺打の間にも1点を追加、点差をさらに広げた。
大量の援護をもらった清水洋だったが、以後も不安定なピッチングが続く。その裏、先頭の桐生を出すと、2つの暴投で1点を返される。さらには岩見の2打席連続となるソロで、点差を再び5点に広げた5回にも、再び暴投で失点。試合は作るも制球に課題を残す。
6回にはこの日2本塁打を記録している男が三度目の魅せ場をつくる。先頭の清水洋の代打・齋藤大が死球で出塁すると、そこからチャンスを広げ2死満塁として、5番・岩見。追い込まれながらも粘って、ライトに弾き返すとこれが2点タイムリー。点差を6とする。
その裏からは、清水洋に代わって二番手・高橋佑樹(環1)がマウンドに上がった。期待の新人だが、リーグ戦は初登板。その立ち上がりが心配されたが、三者凡退にきっちり仕留めた。しかしこれも神宮の洗礼か、7,8回と東大打線につかまり1点づつ返されてしまう。だが、東大の反撃もここまで。最終回は原田匠(商2)が東大クリーンナップを打ち取り、試合終了。連勝の慶大が勝ち点を手にした。慶大は次カードで、立大と対戦。優勝戦線に踏みとどまるために、負けられない戦いはまだまだ続いてゆく。
【Keispo pick up】待望のリーグ戦初勝利 清水洋二郎
ここまで期待されながら、結果を残せなかったサウスポーが、ついに初勝利を挙げた。開幕当初、先発2番手は小原大樹(環4)だった。しかし、その小原大の不振で回ってきた先発のマウンド、このチャンスを逃すわけにはいかなかった。再三ランナーは出すも5回を投げ切り2失点、見事に試合を作った。この1勝は飛躍へのきっかけとなることは間違いない。エース加藤拓に次ぐ2番手の最有力候補はこの男だ。
記事:天野 拓真
◆打撃成績
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| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
[4] | 倉田 | 三ゴロ | 右安① |
| 中飛 |
| 三野選 | 一ゴロ |
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[6] | 照屋 | 遊ゴロ | 捕飛 |
| 左安 |
| 捕ゴロ | 遊ゴロ |
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[5] | 沓掛 | 中安 | 四球 |
| 中飛 |
| 死球 |
| 遊ゴロ |
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[9] | 山口 | 四球 | 一ゴロ |
| 二ゴロ |
| 一邪飛 |
| 空三振 |
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[7] | 岩見 | 右飛 |
| 左中本① |
| 左本① | 右安② |
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7 | 重田 |
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| 空三振 |
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[3] | 山本瑛 |
| 右安 | 四球 |
| 左飛 | 中飛 |
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3 | 清水翔 |
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| 二ゴロ |
[8] | 柳町 |
| 右本② | 右安 |
| 二ゴロ |
| 右安 |
| 二ゴロ |
[2] | 須藤 |
| 左中2 | 遊併殺 |
| 二飛 |
| 左安 |
| 四球 |
[1] | 清水洋 |
| 捕犠打 | 空三振 |
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H | 斎藤大 |
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| 死球 |
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R | 小原徳 |
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1 | 高橋佑 |
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| 投ゴロ① |
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H | 原誠 |
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| 空三振 | 三ゴロ |
1 | 原田 |
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◆投手成績
| 投球回数 | 打者数 | 球数 | 安打 | 三振 | 四死球 | 失点 | 自責 |
○清水洋 | 5 | 24 | 88 | 6 | 3 | 3 | 2 | 2 |
高橋佑 | 3 | 14 | 48 | 5 | 1 | 0 | 2 | 2 |
原田 | 1 | 3 | 8 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 |
◆監督・選手コメント
大久保秀昭監督
2戦目がずっと課題の中で、今日もヒットをよく打たれた。昨日加藤拓も打たれたのだけど、そのあたりに東大のしつこさというものを感じた。一応先制点がうまく取れて、効率よく長打、ホームランと出たので、点差がある分そこまで相手からの圧力のようなものはなかったが、やっぱりしんどかった。先制点の場面は強攻策がたまたまうまくいったということもある。先制2ランの柳町は本当にセンスがあると思うから、これから良いピッチャーと対戦して、彼自身どんどんレベルアップしていって欲しい。いろんなことを経験して、大きく成長してほしい。2打席連発の岩見も打ったことはナイスバッティングだし、彼自身に期待していることが出たとは思うが、明大でも打ってほしかった。次の立教戦に向けての課題はそこだと思う。打線全体では法大戦のときのように1,2番が塁に出でくれれば点に繋がる。1番の倉田、2番の照屋、あと8番の須藤。当たりの止まっていたここらへんにヒットが出てくると、次につながる。小原大に期待はしているが、少しここ2試合不甲斐なかったので、清水洋はずっと内容がそこそこ良かったから先発起用した。5回2失点で初勝利という内容は良しとしなければいけないかもしれない。そこはおめでとうと言ってあげたいけど、もっともっと出来ると思う。初登板の高橋佑については、本当は1年生に期待しすぎちゃいけないけど、投げっぷりはいいし、打たれてるのはしょうがないと思う。ウチのピッチャーの課題はまずストライクが取れるか取れないかだから、そういう意味ではまだまだこれからだと思うし楽しみ。もう負けられないんで、連勝する気持ちでしっかり立教戦も戦う。
斎藤大輝(商4)
みんなよく打ってくれたし、投手陣も点を取られながらも粘って投げてくれたのでそれが良かった。昨年春の早慶戦以来の出場で久しぶりの打席だったので、少し緊張したが、自分の打席の結果はどうでもいいのでチームの勝利のために何ができるのか考えていた。結果は死球だったけれど、チームの勝利に貢献できたので良かった。怪我の間はとにかく野球が全くできない状態だったので、トレーニングしたり、リハビリをしたり、いかに復帰した時にみんなよりもうまくなってやろうという気持ちだった。前のカードの明大戦を好投手の前に打てなかったが、監督の言う隙のない野球が徐々にできているので良いチームになっていると思う。みんな打っているし、外野手争いに僕が付け入る隙はないかもしれないが、常にいつ試合に出ても活躍できるよう準備したい。東大戦は2連勝できて良かった。これから立大、早大と負けられない試合が続くので、まだまだここから練習して、もっと加藤拓を楽に勝たせてあげたい。
須藤隆成(環4)
序盤にしっかり点が取れた。投手陣は四球も出したが、東大打線も振れていたのでヒットを打たれても4点以内に抑えれば良いと思っていたが、その通りになってよかった。投手陣の投球については清水洋は序盤ストレートが入らなくて厳しかったが、その中で良く粘りの投球が出来ていた。高橋佑は初めての登板だったが、しっかり投げっぷりよく自分の力が出せていた。原田は初めに四球を出してしまったが、よく切り替えられていた。今日はバッテリーエラーがあったが、全部止めるつもりでやりたいので、しっかり止めていきたい。空き週でしっかり練習する。打撃面では8番は粘って次につなぐのが仕事。六大学は良い投手しかいないので苦しめて苦しめて、淡白にならないようにしている。次戦の立大はいい投手が多い。東大戦でしっかり勝ち点を取れたので、次も粘る野球をしていきたい。
原誠一郎(総4)
点を取って守備も粘り強くやってくれたので良かった。リーグ戦でもやることは変わらないので、練習と同じように普段通りの意識で打席に入ったが、結果が出せずに残念。左ピッチャーの代打で起用されると思うので、早大戦など左ピッチャーが多い試合でいい当たりが出せるようにしたい。立大戦まで空き週を挟むが、チーム内での競争にまた食い込めるようにアピールしていきたい
岩見雅紀(総3)
勝つことができて良かった。2打席目のホームランはちょっとつまったが、風にも乗ってスタンドに入ってくれたので良かった。有坂投手に変わってすぐの打席だったので自分が打ちたいという気持ちもあったが、とにかく出塁すること、しっかりボールを選ぶことを心がけて、甘く入った球を打てた。3打席目のホームランについては、先頭だったので狙ってはいなかった。甘い球が来て外の球は見逃して、ボールを待つことができた。ボールを追いかけて、外のボールをファールにしないでカウントを悪くしなかったのが良い結果に結びついた。4打席目は満塁の場面で回ってきたのでホームランはさすがに狙えなかった。何よりもランナーを返すことが仕事なのでしっかり強く振ることを意識した。強く振るという意識をした中で法大戦ではたまたま単打の位置にボールが飛んで、今日はたまたまボールがうまく入ってくれてホームランまで行ったというだけ。明治戦ではボールを追いかける時もあったので、東大戦ではしっかりボールに入り込めるようにボールを待って、捉えることを意識した。4打点を挙げられたのが一番良かった。やはり打点は勝ちに直結すると思う。ホームランによる1点よりランナーがいる状態でライト前に打てたことの方が今後にもつながる。ランナーを置いてタイムリーを打つという貢献の方がホームランよりも嬉しい。立教には澤田投手や田村投手を始めとする良いピッチャーがいるので次も頑張っていきたい。
清水洋二郎(法3)
先発を告げられたのは昨日の夜。昨年とは違って、オープン戦などでも先発をさせてもらっていたので、2戦目はいつでも先発として投げられるぞ、という気持ちでいた。昨年も東大戦で投げたが、思い切り投げられなかった点があった。今年は相手より上に立って、堂々と投げようと思っていたが、ボールが思うようにいかなかったので、少し戸惑いはあった。その隙を見せないように投げた。ゼロに抑えようとは思っているが、それで力んでしまっては良くない。5回を2失点ということで、点を取られても落ち着いて投げるようにした。暴投での失点があり、今までは高めに浮くことが多かったが、今回は低めに暴投してしまった。気持ちの問題かも知れないが、どこか技術的な面で課題があると思う。しっかり直していきたい。今日の投球プランについて、本当はもっと真っ直ぐで押していきたかった。明大戦では真っ直ぐで押して、最後は変化球で打ち取る、という形が出来ていた。今回もそういきたかったが、ストレートが走っていなかった。変化球であればいつでもストライクが取れるので、今日は変化球が主体となった。その変化球の中でも、一番の得意球はスクリュー。本当はもっと色々な球種を投げたかったが、今日投げたのはほぼ遅いスクリュー、早いスクリューで、コースが偏ってしまった。他のボールも同じように投げていきたい。このカードは絶対落とせないカードだったが、みんなで戦って、取ることが出来た。立教、早稲田相手にもチームみんなで思い切って戦って、2連勝したい。
照屋塁(環3)
東大はけっこう打ってくるチームだったが、しっかりと勝ててよかった。バントも多かったが、打つ場面では積極的に狙いに行っていた。バッティングはまだ良いとは言えないが、少しずつ調子が出てきているのでこれからしっかり上げていきたいなと思う。2戦とも快勝できたのは明治戦を引きずらずに、みんなで切り替えてしっかりやれたからだと思う。バントミスや走塁ミスなどが目立ったので、そういった細かい所で詰めれるところはしっかり詰めていきたい。立教戦もとにかく準備をしっかりして、ちゃんと勝ち点を取れるように頑張っていきたいと思う。
高橋佑樹(環1)
リーグ戦初登板できて嬉しかった。昨日初めてベンチ入りして、昨日もブルペンで投げてて、ずっと投げたいなと思っていて、今日やっと出番が来たかと思った。緊張はやはりあった。登板を告げられたのは、6回表の自分達の攻撃の時で、次行くぞと言われた。今日のピッチングはそんなに良くなかった。自分が打たれている中でも、ストライクをとって、フォアボールを出さなかったのが良かった。甘い球を投げたらどこが相手でも打たれてしまうっていうのが高校と大学での違いだと思う。レベルが高いなと思った。8回裏ピンチの場面では監督から「ヒットを打たれてもお前のせいじゃないから思い切って自分の球を投げろ」と言われた。自分は変化球の精度、特にスライダーのキレと制球が持ち味。勝負球はスライダーで、変化球のキレで勝負していきたい。次は自分が納得いくピッチングができるように、腕を振っていきたいと思う。
柳町達(商1)
東大に2連勝して勝てたことはすごく大きかった。本塁打は打ったカウントが1ストライクで3ボールだったので甘い球を狙って打とうと思っていて、ランナー1塁だったのでゴロを転がさないように変化球を頭に入れて打席に立っていた。そこでちょうど変化球が来たのでそれを思い切り振っていった。盗塁に関しては相手バッテリーが結構気にしていないだろうと大久保監督も分かっていたと思うので、サインを出してくれたのだと思う。走塁などの面も次に活かしたい。打球の方向についての意識は特になく、打った打球がたまたまライト方向に飛んでいるだけ。結構データなどを取られていると思うが、それに屈せず自分にできることをやるだけだと思っているので、自分のやるべきことをしっかりやっていきたい。