【野球】相手投手にペースつかまれ完封負け 明大①

昨季王者との1戦目は、完敗に終わった。エース対決となったこの試合、相手投手をなんとか攻略しようともがくも、三者凡退が続いた慶大打線。対する明大は、加藤拓也(政4)の不安定な立ち上がりにつけ込み、序盤から犠飛で2点を獲得。完全に相手ペースのまま試合が進む。5回表に山本瑛大(商4)のツーベースで状況が打破されるかと思われたが、後続が倒れ無得点。その後もダメ押しの1点を入れられ、スコアは0−3に。43分間の雨天中断後も流れが変わることはなく、敗戦を喫した。

 

9月24日(土)東京六大学野球秋季リーグ 明大1回戦

 

 

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慶大:●加藤拓、小原大―郡司、須藤

明大:○柳―牛島

 

◆慶大出場選手

 

ポジション

選手名(学部学年・出身高校)

[5]

沓掛祥和(商4・慶應義塾)

[7]8

河合大樹(総2・関西学院)

[8]

柳町達(商1・慶應義塾)

 

H7

重田清一(環4・佐賀西)

[3]

山本瑛大(商4・South Torrance)

[9]

山口翔大(環4・桐光学園)

[2]

郡司裕也(環1・仙台育英)

 

小原大樹(環4・花巻東)

[1]

加藤拓也(政4・慶應義塾)

 

H2

須藤隆成(環4・創志学園)

[4]

倉田直幸(法3・浜松西)

 

R

小原徳仁(文3・慶應義塾)

[6]

照屋塁(環3・沖縄尚学)

 

初回、河合が四球で出塁

初回、河合(写真:左)が四球で出塁

今にも雨が降り出しそうな曇天の下行われた明大1回戦。優勝へ近づくためには最大の山場と言えるこの試合、悪天候にもかかわらず応援席は満席だった。先攻は慶大。初回、1死から2番河合大樹(総2)が四球を選び出塁。しかし、明大・柳投手の巧妙な牽制に刺され、振り出しに戻る。3番柳町達(商1)も三振に倒れ、攻撃は3人で終了した。

 

交代し迎えた守備、先発・加藤拓也(政4)は立ち上がりの制球が安定せず、先頭打者に四球を与えてしまう。バントを試みた2番打者がヒッティングに切り替え野手の間を抜かれると、その後4番に死球を与え1死満塁のピンチ。制球は立て直すも、犠飛で1点の先制を許す。さらに2回裏、先頭打者にスリーベースを浴びると、またも犠飛で1点を失い0−2。試合の流れは明大に引き寄せられていく。

 

一刻も早く一矢を報いたい慶大だったが、好投を続ける相手投手になかなか攻略の糸口が見つけられない。「手も足も出ないという印象はなかったが、ずるずると行ってしまった」と大久保監督が振り返るように、打てそうで打てないまま三者凡退が続いた。そんな状況に光が差したのは、5回表。先頭打者の山本瑛大(商4)がライトに鮮やかなツーベースヒットを放った。やっと出た初ヒットに、反撃の期待が高まる。続く山口翔大(環4)の打席、3球目で相手投手が暴投。無死三塁のチャンスが訪れた。ところが、後続がピシャリと抑えられ、結局無得点。一度引き寄せかけた流れをまた明大に持って行かれてしまう。

 

チーム唯一のヒットを放った山本瑛。無死から2塁打と暴投で3塁に進んだが無得点に終わった。

チーム唯一のヒットを放った山本瑛。無死から2塁打と暴投で3塁に進んだが無得点に終わった

その裏、先頭打者にヒットを許すと、犠打で1死二塁とされる。勢いに乗る明大を抑え込むことはできず、4番のタイムリーヒットで3点目を奪われた。その後も明大ペースのまま試合は進み、7、8回も慶大は塁に出ることすらできない。8回裏のマウンドには、ケガから復帰の小原大樹(環4)。雨の中での登板となったが、意地の投球を見せ三者凡退で明大打線を封じた。

 

良い流れで迎えた最終回。だんだんと強まっていた雨の影響か、相手投手が制球を乱し二者連続四死球を出し、無死一、二塁のチャンスをもらった。ここで雨が本格的に土砂降りになり、試合は中断。相手のミスでもらったチャンスでの中断に、「運がこっちに味方している」と選手たちも意気込んだ。43分後、試合再開。ここから1点を返すと思われた。しかし、後続の3人が打ち取られ、あっさりと試合は終了。0−3の1安打完封負けとなってしまった。 

 

今季初登板の小原大

今季初登板の小原大

「明大のピッチャーを打つためにやってきた」と大久保監督が語るように、相手投手への対策は練っていた。それでも、緩急を使い分けた巧みなピッチングは、慶大打線の目を慣れさせることはなかった。そして、この戦いに備えてきたのは当然、慶大だけではない。明大打線もまた、慶大投手に対策を練ってきたことだろう。お互い同じ条件の下で、いかに少ないチャンスをものにできたかが勝負の分かれ目となった。明日、慶大は下級生投手の登板が予想される。これは、明大が対策を練りづらいという点において有利に働くだろう。絶対に負けられない2戦目をものにし、優勝へ向けて勢いをつけてほしい。

 

記事 鈴木優子

 

◆打撃成績

 

 

[5]

沓掛

右飛

 

 

遊ゴロ

 

三ゴロ

 

 

空三振

[7]8

河合

四球

 

 

空三振

 

 

見三振

 

見三振

[8]

柳町

空三振

 

 

右飛

 

 

 

 

 

H7

重田

 

 

 

 

 

 

見三振

 

二ゴロ

[3]

山本瑛

 

遊ゴロ

 

 

右2

 

一ゴロ

 

 

[9]

山口

 

三ゴロ

 

 

投ゴロ

 

 

捕邪飛

 

[2]

郡司

 

空三振

 

 

二ゴロ

 

 

空三振

 

小原大

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[1]

加藤拓

 

 

見三振

 

空三振

 

 

 

 

H2

須藤

 

 

 

 

 

 

 

空三振

 

[4]

倉田

 

 

中飛

 

 

二ゴロ

 

 

死球

R

小原徳

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[6]

照屋

 

 

空三振

 

 

見三振

 

 

四球

 

◆投手成績

 

投球回数

打者数

球数

安打

三振

四死球

失点

自責

●加藤拓

32

112

小原大

10

 

◆監督・選手コメント

 

大久保秀昭監督

常時相手のペースだった。相手は丁寧にアウトを積み重ねて、こちらにペースを渡さなかった。キャプテンの柳投手の存在感を見せつれられ、明大にとって理想的な試合。春に比べて柳投手に手も足も出ないという印象はなかったが、ずるずると最後まで行ってしまった。相手のエースと投げ合うとき先に点を与えてしまうと攻撃も厳しくなってしまうので、加藤拓にはもう少し粘ってほしかった。明大のピッチャーを打つためにやってきたが、それ以上に相手が上回ってしまった。小原大は負けゲームで1イニング抑えたので、もっともっとチームの勝ちに貢献できるピッチャーになってほしい。雨天で中断後も最後まで待ってくださった皆様の応援に応えられず、あっさりと終わってしまったことが非常に悔しい。もう負けられない戦いなので、明日は雪辱を果たしたい。

 

重田清一主将(環4)

明大と優勝を争うんだということをみんなが強く意識して、どうにか対策を練って柳投手を打ち崩そうとしたが、思い通りにいかなかった。もっと何かをやれたし、もっと気持ちを出していけたと思う。負けたことは仕方がないので、しっかり反省をして明日明後日に活かしたい。中断中は、運がこっちに味方している、絶対に出塁するということを集合して確認した。最後の打席は、もっとしっかり捉えて後ろに繋いでいきたかったが、打つことができなかった。負けたら終わりだと思っているので、チーム全員でどういう形でもいいので、明日明後日と勝っていきたい。

 

小原大樹(環4)

逆転を信じて気持ちを込めて投げた。結果的に逆転に結びつけることはできなかったので自分の力不足だと思う。ケガはほとんど完治して全く問題ない状態で投げられている。最後のシーズンに悔いを残したくないので全部出し切ろうと思ったら自然と声を出して投げていた。雨の中だったのでいつも通りやったら悪くなってしまう。ロジンの使い方やボールが雨に濡れないようにグローブの持ち方を変えたりした。自分なりに自信持って投げた結果が三者凡退だった。明日も継続して必死に投げてなんとか三者凡退で流れを持ってこられるように頑張りたい。なんとか明日勝って3戦目もとって勝ち点を取れるように頑張る。

 

山本瑛大(商4)

春と同じく、明大相手に完全に力不足だった。明日頑張るしかない。ノーヒットノーランを防ぐ1発を打つことができたが、練習通りのバッティングができたと思った。打った球は真ん中寄りのまっすぐ。中断中はバットを振ったり軽食とったり、集中力を切らさないように意識していた。再開するときは体が冷めているから、いつもより走ったり動いたりして、やっぱり入りが大事なので打席に立つなら初球を意識することが大事。もう後はないので絶対勝ちます。

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